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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 025
管理番号 1356036 
審判番号 取消2018-300230 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-04-17 
確定日 2019-08-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第4000550号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4000550号商標の指定商品中第25類「婦人用のエプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4000550号商標(以下「本件商標」という。)は、「BASIC」の欧文字を横書きにしてなり、平成5年11月30日に登録出願、第25類「婦人用のエプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い」を含む第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年5月9日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録は、平成30年(2018年)5月2日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を、以下「本件要証期間」という。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び平成30年7月11日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年8月10日付け審判事件弁駁書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第12号証(以下、証拠については、「甲1」等のように表示する。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中第25類「婦人用のエプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い」(以下「本件商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 答弁書に対する弁駁
以下の理由により、被請求人が本件商標に係る使用事実を証明する全証拠によっては、被請求人または被請求人の専用使用権者が、本件要証期間に本件商標を使用した事実があるとはいえない。
(1)株式会社サンエー・ビーディー(以下「ビーディー社」という。)が使用する標章
ビーディー社が使用している商標は、「NATURAL BEAUTY BASIC」であり、「BASIC」が単独で用いられている状況はない。
(2)標章「NATURAL BEAUTY BASIC」において、「BASIC」の語が独立して認識できるとの被請求人の主張について
ア 「NATURAL BEAUTY BASIC」は、外観上、同一の文字種、同一の書体、同じ大きさ、等しい間隔でまとまりよく一体的に表されている。また、「NATURAL」、「BEAUTY」、「BASIC」のいずれの語も、対象商品との関係で言えば、それぞれ「自然の」、「美しさ」、「基礎」などの観念を生ずる平易な英単語であるから、「NATURAL BEAUTY BASIC」は、「自然の美しい基礎」という程の一連のまとまった意味合いが看取される。さらに、「NATURAL BEAUTY BASIC」より生じる「ナチュラルビューティ-ベーシック」の称呼は、長音及び促音を含め13音であり、格別冗長なものとはいえず、無理なく一連に称呼し得る。
識別力の軽重を理由に、「NATURAL BEAUTY BASIC」から、「BASIC」のみ抽出されるか考えるに、「BASIC」の文字に付加された「NATURAL BEAUTY」の文字は、商品の品質等を表すものとは言い切れず、対象指定商品との関係で識別力が弱いとは言い得ない。そして、「NATURAL」、「BEAUTY」、「BASIC」のいずれの語も、外観・称呼・観念上一連一体であり、このような構成にあっては、対象指定商品との関係で、各々の間に識別力の軽重はそれほど存在していない。そのため、識別力の軽重を理由として「BASIC」の文字部分のみを抽出して認識する理由はない。
ウ 以上により、「NATURAL BEAUTY BASIC」は、構成中の「BASIC」の文字部分のみが抽出され認識されることはなく、「NATURAL BEAUTY BASIC」を構成する文字が一体のものとして、一つの商標と認識される。その結果、「NATURAL BEAUTY BASIC」は、本件商標と社会通念上同一の商標とはいうことができない。

第3 被請求人の主張の要点
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙1ないし乙7(枝番を含む。)を提出した。
1 本件商標の使用者
本件商標権については、本件商標登録原簿(乙1)に明らかなように、平成9年12月1日以降、現在まで専用使用権が設定され、登録原簿乙区の順位番号3番には、現在の専用使用権者として、「ビーディー社」が記されており、「範囲」として、「地域:日本全国、期間:本商標権の権利存続期間中、内容:全部」が記されている。
したがって、ビーディー社は、商標法第50条第1項に係る「使用者性」を充足しており、被請求人は、かかるビーディー社が、本件要証期間に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明しようとするものである。
なお、登録原簿乙区1番、2番において専用使用権者として「株式会社サンエー・インターナショナル」(以下「インターナショナル社」という。)が設定されているが、ビーディー社は、当時、インターナショナル社の一事業部門であり、その後、株式会社として独立し、本件商標権の専用使用権者としての地位を得たものであり、本件審判請求に係る本件商標の使用者性については、両者実質的に同一の立場にある。そして、只今は、インターナショナル社及びビーディー社は、2011年設立の「株式会社TSIホールディングス」(以下「TSI社」という。)のグループ会社と位置づけられている(乙2の1、乙2の2)。
2 専用使用権者による本件商標の使用
被請求人は、本件要証期間に、本件専用使用権者であるビーディー社が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件商品に使用していたことを証明する。
乙3?乙6は、商標「NATURAL BEAUTY BASIC」が、商品「ストール」「スカーフ」等に使用されていたことを証するものである。
乙3は、商品「ストール」に関するものであり、乙3の1には、商品「グレーのカシミアストール」が示され、その一方の端に施された黒地の表示片には、「NATURAL BEAUTY BASIC」の商標が付され、他方の端に施された白地の表示片には「10069391」が表されている。そして、この「1009391」は、乙3の2に示す取引書類のうち加工指示書に加工支持番号として示されたものであるが、当該加工指示書から、この加工番号のグレーのカシミアストールに関し、2016年6月17日に、2016年10月5日を納期として、ビーディー社から株式会社マルゴ(以下「マルゴ社」という。)に対して加工指示が行われていることが判り、同じ乙3の2の納品明細書からは、当該加工納品に係る加工指示番号「10069391」のグレー(色コード020)のカシミアストールが2016年10月4日に「江東センター」向けに出荷されたことが判る。
このように、商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を付した商品「ストール」が、本件要証期間に、ビーディー社によって製造販売されたことは明らかである。
乙4は、商品「スカーフ」に関するものであり、乙4の1に示す商品「バルーンエアースカーフ」には、「NATURAL BEAUTY BASIC」の商標が付された黒地の表示片(表示片は、細帯状で中央で2つに折られており、その表裏併せて「NATURAL BEAUTY BASIC」が連続的に看取されている)と、「017-8193370」の表示が施された白地の表示片が連なって縫い付けられている。そして乙4の2の取引書類のうち、加工指示書に示されるように、ブランド品番「017-819370」に係る「バルーンエアースカーフ」が、ビーディー社からマルゴ社に対して、2017年11月17日に、生産納期を2018年2月28日として加工指示され、納品された後、納品明細書に明らかなように、2018年2月26日に品番「017-819370」商品として、江東センター宛出荷されており、乙4の1に係る商品「スカーフ」が、本件要証期間に取引されたことが判る。
乙5は、商品「スカーフ」に関するものであり、乙5の1に係る「スモールドットスカーフ」には、「NATURAL BEAUTY BASIC」表示片と「017-8193330」表示片が施され、乙5の2の取引書類において、かかる「017-819330」をブランド品番とする商品「スモールドットスカーフ」が、2017年11月17日にビーディー社からマルゴ社に対して加工指示され、その後、納品を受けた品番「017819330」に係る商品「スモールドットスカーフ」が、2018年2月22日に江東センター宛に出荷されたことが判る。
乙6は、商品「手袋」に関するものであり、乙6の1の商品「チェックグローブ」の表示片には、各々「NATURAL BEAUTY BASIC」商標と「017-7295001」の表示が付されており、乙6の2の取引書類から、商品「チェックグローブ」が、「017-7295001」をブランド品番とするもので、生産納期202017年10月4日として、2017年5月17日に加工指示された後、2017年10月30日に、ビーディー社からNBBオフィシャルに納品されたものであることが判る。
このように、本件専用使用権者であるビーディー社が、本件要証期間に、本件指定商品のうち、本件商品中の「ストール」「スカーフ」「手袋(グローブ)」等について、商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を継続的に(したがって「業として」)使用していることが証明できる。
3 使用商標の社会通念上の同一性
被請求人は、使用商標「NATURAL BEAUTY BASIC」にが本件商標「BASIC」の社会通念上同一と認められる商標であることについて、以下のように述べる。
第一は、「NATURAL BEAUTY BASIC」において、「BASIC」は、「NATURAL BEAUTY」における「BASIC」版を表すものとして使用されており「BASIC」部分が単独で取り出される。即ち、乙7は、インターナショナル社の社史に係るものであるが、その第3頁の「CORPORATE HISTORY」(沿革)における「ブランドのあゆみ」で明らかなように、1991年(平成3年)の「ナチュラル-ビューティー」ブランド発足後、1996年(平成8年)に「ナチュラルビューティーベーシック」ブランドが発足しており、当該発足は、乙7の「02 マスニーズ対応売上規模拡大型ブランド『ナチュラルビューティーベーシック』誕生」にも明らかなように、「そもそも『ナチュラルビューティーベーシック』は、『ナチュラルビューティー』のベーシックラインから独立することで誕生したブランド」であり、「NATURAL BEAUTY」ブランド下における「BASIC」版を表すことを意図した商標である。
第二に、実際、「NATURAL BEAUTY」は、平成3年(1991年)に使用が開始、本件要証期間前には、需要者である若い女性の間で広く認識されるに至っており、いわゆる周知性を獲得したものであるから、「NATURAL BEAUTY BASIC」は、「NATURAL BEAUTY」ブランドにおける、「BASIC」部分を分担していることが明らかで、「BASIC」が単独で取り出されるのである。
もっとも、その場合、「NATURAL BEAUTY BASIC」において、自他商品識別標識として機能する部分は、いわゆる周知性を得た
「NATURAL BEAUTY」部分であることも否めない事情にあるようにも受け取れるが、商標法第50条第1項において、「不使用を免れる商標の使用」については、「商標法第50条の主な趣旨は、登録された商標には、その使用の有無にかかわらず、排他独占的な権利が発生することから、長期間にわたり全く使用されていない登録商標を存続させることは、当該商標に係る権利者以外の者の商標選択の余地を狭め、国民一般の利益を不当に侵害するという弊害を招くおそれがあるので、一定期間使用されていない登録商標の商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるというものである。上記趣旨に鑑みれば、商標法第50条所定の『使用』は、当該商標がその指定商品又は指定役務について何らかの態様で使用(商標法2条3項各号)されていれば足り、出所表示機能を果たす態様に限定されるものではないというべきである。」(知財高裁 平成28年11月2日)の考え方が示されており、この考え方によれば、「BASIC」が、所謂周知性を確保した「NATURAL BEAUTY」を背景に使用されたとしても、指定商品との関係で使用されたものであるので、商標法第50条第1項にいう不使用を免れる「使用」に該当するものといえる。
また、ビーディー社が一事業部門として属していたインターナショナル社が「NATURAL BEAUTY BASIC」ブランドの活用を開始した1996年(平成8年)からわずか1年後の1997年(平成9年)9月には、「BASIC」の使用認識の下で、本件商標権についての専用使用権者としての届出を行っていることからも、本件商標「BASIC」の使用を意図して「NATURAL BEAUTY BASIC」を展開したことが理解できるものと考える。
実際、ビーディー社を含むTSI社のグループ会社では、「NATURAL BEAUTY」ブランドと「NATURAL BEAUTY BASIC」ブランドが並行して展開されており(乙7)、「NATURAL BEAUTY」商標を背景とする「NATURAL BEAUTY BASIC」商標における「BASIC」の独立的機能がよく理解できるものと確信している。
4 結言
以上のように、本件要証期間に、本件商標権について設定登録を受けた専用使用権者が、本件商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を業として使用していることが明らかである。

第4 当審における審尋
1 審尋の要旨
審判長は、被請求人に対し、平成31年3月28日付けで、合議体の暫定的見解を示し、被請求人が提出した証拠によっては、本件要証期間に、本件商標の専用使用権者が、本件商品について、本件商標を使用していることを被請求人が証明しているものとはいえない旨の審尋を送付し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。
2 被請求人の回答
上記1の審尋に対して、被請求人は、何ら応答していない。

第5 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、(1)本件要証期間に、(2)日本国内において、(3)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(4)本件商品のいずれかについての、(5)本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人の提出した乙1ないし乙7(枝番を含む。)の証拠から以下の事実が認められる。
(1)乙1について
乙1は、本件商標登録原簿(写し)であり、ビーディー社の専用使用権の設定受付日が、2017年(平成29年)5月12日であること、インターナショナル社の専用使用権の設定受付日が、2017年(平成19年)6月26日であることが確認できる。
(2)乙2について
乙2の1は、株式会社TSIホールディングスの有価証券報告書の写しであり、5頁の「4 【関係会社の状況】」における「名称」の欄の2段目にインターナショナル社の記載、3段目にビーディー社の記載がある。
乙2の2は、TSI社のウェブサイトにおける「グループ会社|会社情報」のプリントアウト(写し)であり、その1頁の「グループ会社」の見出しの下に、インターナショナル社及びその下にビーディー社の記載がある。
このことから、インターナショナル社及びその下のビーディー社は、TSI社のグループ会社であることが確認できる。
(3)乙3について
乙3の1は、商品「カシミアストール」の写真であり、1頁の商品の写真及び2頁の商品を拡大した写真の左側の下の黒地表示片に、「NATURAL BEAUTY BASIC」の文字が白抜きで表示され、右側の白地表示片には、ビーディー社の記載の他、最下段には「10069391」の数字が記載されている。
乙3の2の1頁は、2018年6月21日発行のビーディー社からマルゴ社に対する品名「カシミアストール」の加工指示書(以下「加工指示1」という。)であり、乙3の2の2頁は、2018年6月21日発行のビーディー社江東センター宛ての納品明細書(以下「納品明細1」という。)である。
加工指示1には、「指示日 2016/6/17」、「加工指示番号 10069391」、「ブランド ナチュラルビューティB」、「生産納期 2016/10/5」の記載があり、納品明細1には、その「出荷日」の欄に「2016/10/4」の記載、「仕入先」の欄に「88850 ミツイブツサンインタ」の記載、「加工先」の欄に「0B334 Y-(株)マルゴ」の記載、「加工指示番号 10069391」の「品番 品名」の欄に「0176293002 カシミアストール」の記載、「出荷数量」の欄に「443」の記載がある。
そして、乙3の1のカシミアストールの白地表示片に表された「10069391」と加工指示1と納品明細1に記載された加工指示番号「10069391」は一致する。
これにより、加工指示1及び納品明細1が発行された2018年6月21日は本件要証期間外であり、また、納品明細1は発行者の記載がないものの、乙3(枝番号を含む。)により、2016年6月17日にビーディー社からマルゴ社に加工指示番号を「10069391」として加工指示された、商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を付した商品「カシミアストール」が、同年10月4日にビーディー社江東センターに443個出荷されたことが推認できる。
(4)乙4について
乙4の1は、商品「バルーンエアースカーフ」の写真であり、1頁の左側の黒地の表示片に「NATURAL BI」(最後の「I」は、右側の黒地片の「E」の一部分である。)の文字、右側の黒地表示片に「EAUTY BASIC」の文字が白抜きで表示され、「品番 017-8193370」の表示が記載された白地表示片が商品に縫い付けられている。
乙4の2の1頁は、2018年6月21日発行のビーディー社からマルゴ社に対する品名「バルーンエアースカーフ」の加工指示書(以下「加工指示2」という。)であり、乙4の2の2頁は、2018年6月22日発行のビーディー社江東センター宛ての納品明細書(以下「納品明細2」という。)である。
加工指示2には、「指示日 2017/11/17」、「加工指示番号 10139471」、「ブランド ナチュラルビューティB」、「ブランド品番 017-8193370」、「生産納期 2018/2/28」の記載があり、納品明細2には、「出荷日」の欄に「2018/2/26」の記載、「仕入先」の欄に「88850 ミツイブツサンアイ・」の記載、「加工先」の欄に「0B334 Y-(株)マルゴ」の記載、「加工指示番号 10139471」の「品番 品名」の欄に「0178193370 バルーンエアースカーフ」の記載、「出荷数量」の欄に「333」の記載がある。
そして、乙4の1のバルーンエアースカーフの白地表示片に表された「品番 017-8193370」と加工指示2に記載されたブランド品番「017-8193370」は一致し、また、納品明細2の「品番 品名」の欄に記載された「0178193370」とは、数字が一致する。
これにより、加工指示2が発行された2018年6月21日、納品明細2が発行された2018年6月22日はいずれも本件要証期間外であり、また、納品明細2は発行者の記載がないものの、乙4(枝番号を含む。)から、2017年11月17日にビーディー社からマルゴ社に加工指示番号を「10139471」として加工指示された「品番 017-8193370」とする商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を付した商品「バルーンエアースカーフ」が、2018年2月28日にビーディー社江東センターに333個出荷されたことが推認できる。
(5)乙5について
乙5の1は、商品「スモールドットスカーフ」の写真であり、1頁の写真の左側の黒地表示片に「NATURAL B」の文字、写真の右側の黒地表示片に「EAUTY BASIC」の文字(最初の「E」は、左側の縦線が欠落している。)が白抜きで表示され、「品番 017-8193330」の表示が記載された白地表示片が商品に縫い付けられている。
乙5の2の1頁は、2018年6月21日発行のビーディー社からマルゴ社に対する品名「スモールドットスカーフ」の加工指示書(以下「加工指示3」という。)であり、乙5の2の2頁は、2018年6月22日発行のビーディー社江東センター宛ての納品明細書(以下「納品明細3」という。)である。
加工指示3には、「指示日 2017/11/17」、「加工指示番号 10139472」、「ブランド ナチュラルビューティB」、「ブランド品番 017-8193330」、「生産納期 2018/2/28」の記載があり、納品明細3には、「出荷日」の欄に「2018/2/22」の記載、「仕入先」の欄に「88850 ミツイブツサンアイ・」の記載、「加工先」の欄に「0B334 Y-(株)マルゴ」の記載、「加工指示番号 10139472」の「品番 品名」の欄に「0178193330 スモールドットスカーフ」の記載、「出荷数量」の欄に「239」の記載がある。
そして、乙5の1のスモールドットスカーフの白地表示片に表された「品番 017-8193330」と加工指示3に記載されたブランド品番「017-8193330」は一致し、また、納品明細3の「品番 品名」の欄に記載された「0178193330」とは、数字が一致する。
これにより、加工指示3が発行された2018年6月21日、納品明細3が発行された2018年6月22日は、いずれも本件要証期間外であり、また、納品明細3は、発行者の記載がないものの、乙5(枝番号を含む。)から、2017年11月17日にビーディー社からマルゴ社に加工指示番号を「10139472」として加工指示された「品番 017-8193330」とする商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を付した商品「スモールドットスカーフ」が、2018年2月28日にビーディー社江東センターに239個出荷されたことが推認できる。
(6)乙6について
乙6の1は、商品「チェックグローブ」の写真であり、1頁の写真の上側の黒地表示片に「NATURAL BE」の文字、写真の下側の黒地表示片に「AUTY BASIC」の文字が白抜きで表示され、1頁及び2頁の写真には、「品番 017-7295001」の表示が記載された白地表示片が商品に縫い付けられている。
乙6の2の1頁は、2018年6月27日発行のビーディー社からM-ALLY(株)に対する品名「チェックグローブ」の加工指示書(以下「加工指示4」という。)であり、乙6の2の2頁は、出荷元会社であるビーディー社が2018年6月21日に発行したNBBオフィシャルサイト宛ての納品伝票(以下「納品伝票」という。)である。
加工指示4には、「指示日 2017/5/17」、「加工指示番号 10112537」、「ブランド ナチュラルビューティB」、「ブランド品番 017-7295001」、「生産納期 2017/10/4」の記載があり、納品伝票には、「出荷日」の欄に「2017/10/30」の記載、「出荷先」の欄に「NBBオフィシャル」の記載、「No 002」の「名称/品番」の欄に「チェックグローブ 017-7295001」の記載、数量の欄に「1」の記載がある。
ただし、加工指示4が発行された2018年6月27日、納品伝票が発行された2018年6月21日は、いずれも本件要証期間外である。
また、提出された納品伝票は、加工指示4の指示内容と必ずしも一致しているものではないことから、商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を付した商品「チェックグローブ」が、M-ALLY(株)からビーディー社に納品された事実を証明する書類とはいえず、加工指示4及び納品伝票によっては、商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を付した商品「チェックグローブ」が本件要証期間に存在していたことは明らかではない。
(7)乙7について
乙7は、2003年10月23日発行のインターナショナル社の社史(写し)であり、4頁の「CORPORATE HISTORY」の「ブランドのあゆみ」の項目の「1991(H3)」の欄に「8月 レディスアパレル<ナチュラルビューティー>を発足」の記載、「1996(H8)」の欄に「8月 感性定量型ビジネスとして、レディスアパレル<ナチュラルビューティーベーシック>を発足」の記載がある。
ただし、乙7の発行日である2003年10月23日は、本件要証期間外である。
3 上記2によれば、当審の判断は、以下のとおりである。
(1)専用使用権者について
本件商標登録原簿(写し)(乙1)によると、ビーディー社に対する本件商標の専用使用権の設定の受付が、平成29年(2017年)5月12日になされたことが確認できる。
また、インターナショナル社に対する本件商標の専用使用権の設定の受付が、平成19年(2007年)6月26日になされたことが確認できる。
これにより、本件要証期間のうち、平成29年(2017年)5月12日以降の本件商標の専用使用権者はビーディー社、それより前の専用使用権者は、インターナショナル社であることが確認できる。
(2)使用商標について
被請求人が提出した乙3?乙6(枝番号を含む)から、商品「カシミアストール、バルーンエアースカーフ、スモールドットスカーフ、チェックグローブ」に、商標「NATURAL BEAUTY BASIC」が使用されていることが確認できる。
ただし、被請求人が提出した全証拠を参照しても、本件商標「BASIC」と同一の「BASIC」のみの商標が使用されていることは確認できない。
(3)使用商品について
使用商標が付された商品「カシミアストール、バルーンエアースカーフ、スモールドットスカーフ、チェックグローブ」は、いずれも本件商品に含まれる。
(4)専用使用権者による本件商標の使用時期について
乙4(枝番を含む。)及び乙5(枝番を含む。)によると、本件要証期間である2017年11月17日に、専用使用権者(ビーディー社)からマルゴ社に加工指示した、商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を付した商品「バルーンエアースカーフ」及び商品「スモールドットスカーフ」が、2018年2月28日にビーディー社江東センターに、それぞれ333個及び239個出荷されたことが推認できる。
なお、前記(1)のとおり、ビーディー社に対する本件商標の専用使用権の設定の受付は平成29年(2017年)5月12日であるところ、被請求人が提出した乙3(枝番を含む。)に表示される商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を付した商品「カシミアストール」のビーディー社への出荷日は、ビーディー社が本件商標の専用使用権者として設定される前の平成28年(2016年)10月4日であり、同日の本件商標の専用使用権者は、インターナショナル社であることから、乙3(枝番を含む。)は、専用使用権者としてのビーディー社による本件要証期間における本件商標の使用とは認めることができない。
(5)本件商標又は使用商標が付された使用商品の商取引について
本件商標又は使用商標が付された使用商品について、実際に譲渡等の商取引が行われたことを証明する書類(例えば、納品先発行の商品受領書、納品元発行の商品代金請求書等)を被請求人は提出していない。
(6)本件商標「BASIC」と使用商標「NATURAL BEAUTY BASIC」の社会通念上同一性について
使用商標は、「NATURAL BEAUTY BASIC」の欧文字からなるところ、これらは、同一の文字種、同一の書体、同じ大きさ、等しい間隔でまとまりよく一体的に表されており、これらの構成文字から生じる「ナチュラルビューティーベーシック」の称呼も格別冗長とはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものである。
また、使用商標の構成中「NATURAL BEAUTY」の欧文字は、被請求人も主張するとおり、本件要証期間以前から、需要者である若い女性の間で広く認識されるに至り、周知性を獲得しているものと推認できることからすると、使用商標の構成中「NATURAL BEAUTY」が、使用商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有さないとみるべき特別の事情は見当たらない。
さらに、被請求人が提出した全証拠を確認するも、専用使用権者が本件商標「BASIC」と社会通念上同一と認められる「BASIC」の文字のみを使用している事実が確認できないことに加え、使用商標「NATURAL BEAUTY BASIC」が付された使用商品に接する需要者、取引者が、実際の譲渡等の商取引において、「NATURAL BEAUTY BASIC」の構成中の「BASIC」のみを抽出し、「BASIC」のみを使用商品の出所標識と認識することを客観的に証明する証拠の提出もない。
なお、この点について、被請求人は、答弁書で「『BASIC』が、いわゆる周知性を確保した『NATURAL BEAUTY』を背景に使用されたとしても、指定商品との関係で使用されたものであるので、商標法第50条第1項にいう不使用を免れる『使用』に該当する。」旨主張する。
しかしながら、被請求人が提出した全証拠を参照しても、前述のとおり「BASIC」の文字のみを使用している事実が確認できないことに加え、本件商品との関係において、一定の周知性を獲得していると推認できる「NATURAL BEAUTY」と比して、殊更に、「BASIC」の文字部分のみを抽出しなければならない特段の事情があるもとは認められないため、被請求人のかかる主張は採用すべき理由がない。
そうすると、使用商標「NATURAL BEAUTY BASIC」は、一連一体のもの、あるいは、「NATURAL BEAUTY」ブランドの周知性から、「NATURAL BEAUTY」の文字部分のみが抽出される場合があるとしても、「BASIC」のみを捉えて取引されるものとはいい難いものである。
そして、本件商標「BASIC」と使用商標「NATURAL BEAUTY BASIC」又は「NATURAL BEAUTY」とは、これらの外観、称呼及び観念が相違することは明らかである。
よって、本件商標「BASIC」と使用商標「NATURAL BEAUTY BASIC」とは、社会通念上同一の商標とは認められない。
(7)小括
以上から、本件要証期間中の平成29年(2017年)5月12日から、本件商標の専用使用権者であるビーディー社が、本件要証期間である2017年11月17日に、マルゴ社に加工指示した商標「NATURAL BEAUTY BASIC」を付した商品「バルーンエアースカーフ」及び商品「スモールドットスカーフ」が、2018年2月28日にビーディー社江東センターに、それぞれ333個及び239個出荷されたことが推認でき、商品「バルーンエアースカーフ」及び「スモールドットスカーフ」が本件商品に含まれることは確認できる。
しかしながら、本件商標「BASIC」と使用商標「NATURAL BEAUTY BASIC」は、社会通念上同一の商標とは認められない。
また、使用商標「NATURAL BEAUTY BASIC」が付された使用商品の譲渡等の取引に関する書類は提出されていない。
その他、被請求人は、本件要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商品のいずれかについての、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることを証明するための証拠を提出していない。
4 むすび
以上のとおりであるから、被請求人が提出した全証拠によっては、被請求人は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を、本件要証期間に、商標法第2条第3項各号に規定する使用行為を行ったことを証明していない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中第25類「婦人用のエプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2019-06-21 
結審通知日 2019-06-25 
審決日 2019-07-19 
出願番号 商願平5-120404 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (025)
最終処分 成立 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 豊田 純一
小出 浩子
登録日 1997-05-09 
登録番号 商標登録第4000550号(T4000550) 
商標の称呼 ベーシック 
代理人 小谷 昌崇 
代理人 川瀬 幹夫 
代理人 並川 鉄也 
代理人 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 
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