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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
管理番号 1355119 
異議申立番号 異議2019-900108 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-04-04 
確定日 2019-09-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第6113567号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6113567号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6113567号商標(以下「本件商標」という。)は,「SpidyNAND」の文字を標準文字で表してなり,平成30年2月13日に登録出願,第9類「コンピュータハードウエア・コンピュータ・電子計算機・コンピュータ用プリンター・コンピュータ用ディスクドライブ・コンピュータ用メモリー・マイクロプロセッサ・記録済みの記憶装置・ネットワーク接続用カード(LANカード)・回路基板・コンピュータ用インターフェイスカード・集積回路・電子回路・マイクロチップ(コンピュータハードウェア)・半導体用の部品・回路用メモリーダイヤル機・大規模集積回路・コンピュータ用チップその他の電子応用機械器具及びその部品,金銭登録機,電話ダイヤル機その他の電気通信機械器具」及び第42類「コンピュータプログラミング・コンピュータソフトウェアの設計・コンピュータソフトウエアのバージョンアップ・コンピュータソフトウエアの保守・コンピュータソフトウエアの設計の分野における指導及び助言・コンピュータソフトウェアの設計又は作成又は保守に関する助言・コンピュータシステムの分析・コンピュータシステムの設計・コンピュータプログラムのインストール・コンピュータプログラムの複製・データ処理用コンピュータソフトウェアの設計・コンピュータハードウエアの設計に関する助言その他の電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,コンピュータソフトウエアの貸与・コンピュータハードウェアの貸与その他の電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,コンピュータハードウェアの外観の設計・集積回路の設計・半導体チップの設計その他の機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」を指定商品及び指定役務として,同年11月28日に登録査定,同31年1月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標の構成中の「Spi」の文字は,シリアル・ペリフェラル・インタフェース(Serial Peripheral Interface,SPI)の略語で,「コンピュータ内部で使われるデバイス同士を接続するバスであって,パラレルバスに比べて接続端子数が少なくて済むシリアルバスの一種で,比較的低速なデータ転送を行うデバイスに利用される。」の意味がある(甲1)。
「dy」の文字は,ジスプロシウム【dysprosium】の元素記号である。ジスプロシウムは,軽レアアースの一種であり,ネオジムとともに強磁性体として知られ,特にネオジム磁石に添加して磁力をより強力にするという用途がある(甲2)。
「NAND」の文字は,「NAND回路」を意味する識別力のない語である(甲3)。
以上より,本件商標は,識別力のない語を羅列したにすぎない語であり,「軽レアアースであるジスプロシウムを利用したシリアル・ペリフェラル・インタフェースのNand回路」を意味するから,商品や役務の品質及び質を表す記述語であって,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第6号について
上記(1)のとおり,本件商標は「Spi」,「dy」,「Nand」の生来的に識別力のない語を羅列したにすぎない語であるから,商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第16号について
本件商標を「コンピュータ内部で使われるデバイス同士を接続するバス」と関係しない指定商品・役務,「軽レアアースであるジスプロシウム」と関係しない指定商品・役務及び「NAND型フラッシュメモリ」と関係しない指定商品・役務に使用するときは,品質又は質の誤認が生じ,商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同項第6号該当性について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張並びに職権調査によれば,「SPI」の文字が「シリアル・ペリフェラル・インターフェイス(Serial Peripheral Interface)コンピュータ内部で使われるデバイス同士を接続するバス」の略語として,「Dy」の文字が「原子番号66のジスプロシウム」の元素記号として及び「NAND」の文字が「NAND回路」の略語として用いられる場合があることが認められる(甲1?甲3,職権調査)。
しかしながら,本件商標は,「SpidyNAND」の文字を,同じ書体,同じ大きさで,等間隔に表されており,かかる構成からなる本件商標は,これに接する者をして,全体として一体のものと理解,認識させるものとみるのが自然であり,「Spi」,「dy」及び「NAND」の文字を組み合わせてなるものと認識されるとはいえない。
また,仮に,本件商標が「Spi」,「dy」及び「NAND」の文字を組み合わせたものであるとしても,「SpidyNAND」の文字全体からは「軽レアアースであるジスプロシウムを利用したシリアル・ペリフェラル・インタフェースのNand回路」の意味合いを認識させるというべき事情はもとより,何らかの特定の意味合いを想起,認識させるとは,いい難いものである。
そして,当審において職権をもって調査するも,本件商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において,「SpidyNAND」の文字が,商品の品質及び役務の質等を表示するものとして,取引上,普通に採択,使用されているという実情も見いだすことができず,さらに,本件商標の指定商品及び指定役務の取引者,需要者が当該文字を商品の品質及び役務の質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務に使用しても,これに接する取引者,需要者をして,全体を特定の意味合いを想起,認識させることのない造語として認識,把握させるものと判断するのが相当である。
してみれば,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務に使用しても,商品の品質及び役務の質を表示するものでなく,自他商品・自他役務識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
また,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務に使用しても,需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することできない商標とはいえない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
申立人は,本件商標が,商品の品質等を意味する語であることを前提として,同号に該当する旨主張しているが,本件商標は,上記(1)のとおり,商品の品質及び役務の質等として認識し得ないものであるから,申立人の前記主張は,その前提を欠くものであって,同商標を付した商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。
したがって,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務に使用しても,商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号,同項第6号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するものではなく,その登録は同法第3条第1項及び同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-09-11 
出願番号 商願2018-17333(T2018-17333) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W0942)
T 1 651・ 16- Y (W0942)
T 1 651・ 13- Y (W0942)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浦崎 直之 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 薩摩 純一
大森 友子
登録日 2019-01-11 
登録番号 商標登録第6113567号(T6113567) 
権利者 華邦電子股▲ふん▼有限公司
商標の称呼 スピディナンド、スパイディナンド、スピディ、スパイディ、ナンド 
代理人 磯野 富彦 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 

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