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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1355112 
異議申立番号 異議2019-900107 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-04-04 
確定日 2019-09-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第6114004号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6114004号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6114004号商標(以下「本件商標」という。)は、「NORA RICCI」の欧文字を標準文字で表してなり、平成30年3月1日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として、同年11月19日に登録査定され、同31年1月11日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)。
(1)国際登録第1192240号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 STEFANO RICCI
指定商品及び指定役務 第3類、第8類、第9類、第11類、第12類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第26類、第33類ないし第35類、第37類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務
国際商標登録出願日 2013年(平成25年)8月5日
優先権主張 Italy 2013年2月20日
設定登録日 平成27年11月27日
(2)国際登録第1402542号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 STEFANO RICCI
指定商品及び指定役務 第25類、第26類、第28類及び第35類に属する国際登録に係る国際登録簿に記載の商品及び役務
国際商標登録出願日 2017年(平成29年)9月7日
(3)登録第2074550号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 STEFANO RICCI
指定商品 第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 昭和49年4月5日
設定登録日 昭和63年8月29日
(4)登録第4075520号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 別掲のとおり
指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成7年12月11日
設定登録日 平成9年10月31日
なお、引用商標1、3及び4に係る商標権は現に有効に存続している。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の3の規定により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証(枝番号を含む。)を提出した(以下、証拠については、甲1のように表示する。)。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の指定商品及び指定役務の比較
本件商標の指定商品中「仮装用衣服」以外の商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似である。
イ 本件商標と引用商標の比較
本件商標は、「NORA」と「RICCI」の欧文字を、間隔を開けて横一列に表示してなる文字商標であり、その構成態様から「ノラリッチ」「ノラ」及び「リッチ」の称呼が生じる。
引用商標は、いずれも「STEFANO RICCI」の文字からなる文字商標であり、「STEFANO」の語と「RICCI」の語とを間隔を開けて表示しており、その構成態様から「ステファノリッチ」「ステファノ」及び「リッチ」の称呼が生じる。
ここで、本件商標と引用商標とを比較すると、両者は、いずれも「リッチ」の称呼が生じる類似商標である。
ウ 小括
上記のとおりであるから、本件商標は、その指定商品中「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」(異議決定注:異議申立書記載の「運動用特殊服」は誤記と認めた。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 「STEFANO RICCI」の商標が、我が国において多数登録されている
申立人は、商標「STEFANO RICCI」について、引用商標に加えて、商標登録第4095296号、商標登録第4203697号、商標登録第4206392号、商標登録第4206393号を有している(甲6?甲9)。
また、引用商標1及び2については、我が国を含む多くの国で登録されている。
イ 「STEFANO RICCI」は世界的に著名な商標である
「STEFANO RICCI」は、イタリア人デザイナー「ステファノ・リッチ」によって1972年にフィレンツェで創業したブランドの名称であり、アメリカ・ヨーロッパを中心に世界中で高級ブランドとして地位を確立している。
申立人は、積極的に広告宣伝活動を行うとともに、現在では世界24か国に販売店を展開しており(甲20)、フィレンツェのメンズラグジュアリーを管理している会社だけでも、2018年度の売上高が1億5,000万ユーロを超えるまで成長している。
また、申立人は、同人のホームページのとおり「STEFANO RICCI」のブランド(以下「申立人ブランド」という。)を、衣料品だけでなく、食器、家具、ジュエリー、ワインなどに広げ、今後も様々な商品及び役務に拡大していく計画を持っており、これに連動して申立人ブランドの広告を積極的に行っている。
申立人ブランドの広告費は、2015年度225万ユーロ、2016年度283万ユーロ、2017年度320万ユーロと年々増加している。
また、申立人ブランドは、イタリア国内外の様々な新聞雑誌に、広告だけでなく、取材記事等が取り上げられている(一部として甲11?甲19。インターネットによりForbesの記事の閲覧も可能。)。
ウ 誤認混同が生じる理由
上記したように、申立人ブランドは、世界的に著名なブランドの名称であり、「RICCI」はその略称である。
これに対して、本件商標は、「NORA」の語と「RICCI」の語とを間隔を開けて表示するものであり、「RICCI」の部分のみで称呼され識別される可能性があり、かかる商標が本件商標の指定商品に使用されると、需要者・取引者は、その商品及び役務があたかも申立人ブランドに関連する企業等の商品又は役務であると誤認する可能性が極めて高い。
エ 小括
以上のように、本件商標は、世界的に極めて著名となっている申立人ブランドと誤認混同を生じさせる可能性が高い商標であり、国際取引の観点から見ても、かかる商標は早期に取り消されるべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標などの周知性について
申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(インターネット情報、新聞記事情報など)によれば、「STEFANO RICCI」の文字からなる商標が使用された商品(ネクタイ、財布)が我が国で販売されていることは認められるものの、それら商品の我が国における売上額など販売実績及び広告宣伝の事実を示す主張はなく、その証左も見いだせないから、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、該商標と同じ綴りからなる引用商標は、いずれも申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
また、「STEFANO RICCI」が申立人のブランドとして、及び「RICCI」がその略称として、需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る証左は見いだせないから、それらはいずれも需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、上記1のとおり、「NORA RICCI」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字は同書同大でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「ノラリッチ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、その構成中のいずれかの文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって、「ノラリッチ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるものといわなければならない。
イ 他方、引用商標は、上記2及び別掲のとおりいずれも「STEFANO RICCI」の欧文字からなり、その構成文字は同書同大でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「ステファノリッチ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、引用商標は、その構成中のいずれかの文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、引用商標は、いずれもその構成文字全体をもって、「ステファノリッチ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるものといわなければならない。
ウ そこで、本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者は、外観においては語頭の「NORA」と「STEFANO」の文字の差異により、また、称呼においては語頭の「ノラ」と「ステファノ」の音の差異により、いずれも相紛れるおそれのないものであって、さらに観念においてはいずれも特定の観念を生じないものであるから比較できないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
エ したがって、本件商標は、その指定商品中に引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むとしても、引用商標と非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
なお、本件商標は、仮に引用商標2が商標登録されたとしても、引用商標2と非類似の商標であるから、その登録は、商標法第8条第1項の規定に違反するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり引用商標、申立人のブランド「STEFANO RICCI」及びその略称「RICCI」は、いずれも需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(2)のとおり本件商標と引用商標とは非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
また、本件商標と申立人のブランド「STEFANO RICCI」とは、上記(2)と同様の理由で非類似の商標であって別異の商標といえ、さらに、本件商標と「リッチ」の称呼を生じ特定の観念を生じない「RICCI」(申立人のブランドの略称)とは、外観及び称呼は構成態様及び語調語感が明らかに異なり、また観念は比較できないから、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標などを連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標4)


異議決定日 2019-09-05 
出願番号 商願2018-24628(T2018-24628) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 豊田 純一 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 木村 一弘
山田 啓之
登録日 2019-01-11 
登録番号 商標登録第6114004号(T6114004) 
権利者 株式会社ジュン
商標の称呼 ノラリッチ、ノラ、リッチ 
代理人 浜野 孝雄 
代理人 八木田 智 
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