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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1355111 
異議申立番号 異議2019-900096 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-03-22 
確定日 2019-09-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第6108511号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6108511号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6108511号商標(以下「本件商標」という。)は、「emu’s more」の欧文字を標準文字で表してなり、平成30年3月12日に登録出願、第25類「ベルト,運動用特殊靴,運動用特殊衣服,靴下止め,バンド,ガーター,仮装用衣服,ズボンつり,履物,被服」を指定商品として、同年12月5日に登録査定され、同月21日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)である。なお、引用商標に係る商標権はいずれも現に有効に存続している。
(1)登録第5049338号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 「 E M U
エミュ-」
指定商品 第25類「ブーツ,履物」
登録出願日 平成17年4月19日
設定登録日 平成19年5月25日
(2)登録第5311638号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第25類「被服,履物,帽子」
登録出願日 平成21年9月24日
設定登録日 平成22年3月26日
(3)登録第5561344号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 EMU RIDGE(標準文字)
指定商品 第25類「被服,履物,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
登録出願日 平成24年8月21日
設定登録日 平成25年3月1日
(4)登録第5686848号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 EMU(標準文字)
指定商品 第25類「被服,履物,帽子」
登録出願日 平成24年9月20日
設定登録日 平成26年7月18日
(5)登録第5702470号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第25類「被服,履物,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服」
登録出願日 平成24年8月13日
設定登録日 平成26年9月12日
(6)登録第5702473号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様 EMU AUSTRALIA(標準文字)
指定商品 第25類「オーストラリアでデザイン及び開発された被服,オーストラリアでデザイン及び開発された履物,オーストラリアでデザイン及び開発された帽子」
登録出願日 平成24年12月13日
設定登録日 平成26年9月12日
(7)登録第5723202号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第25類「履物,靴,ブーツ,スリッパ,乳幼児用履物,バレエシューズ,フラットシューズ,ミュール,鼻緒付きサンダル,フリップフラップサンダル,サンダル,帽子,耳覆い,イヤーウオーマー,手袋,ミトン,スカーフ,カジュアルウェアー,カーディガン,ペスト,ポンチョ,ショール,シュラッグ,ショルダーラップ,セーター,タンクトップ,ティーシャツ,スカート,カジュアルドレス,レギンス,カジュアルジャケット,ベルト,防水加工を施した被服,コート,インソール,レジャー用被服,ラウンジウェアー,パンツ,ショーツ,スウェットシャツ,キャミソール,フード付きスウェットシャツ,水着,ソックス,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,仮装用衣服」
登録出願日 平成25年9月19日
設定登録日 平成26年12月5日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。なお、証拠については、甲1のように表記する。
(1)混同を生ずるおそれ
商標法第4条第1項第15号に係る最高裁判決(平成10年(行ヒ)第85号)が判示する判断基準に沿って以下検討する。
ア 本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標は、引用商標を構成する英語「emu」に、所有格を表す「’s」を介して「追加のもの」等の意の英語「more」を付加してなるものであるため、そこから引用商標が容易に想起され、同商標と一定の類似性を有するものである。特に、引用商標には「EMU」に他の語を付加し、「EMU」シリーズを構成する「EMU RIDGE」や「EMU AUSTRALIA」が含まれることから、上記のような想起は、より一層生じ易いといえる。
イ 引用商標の周知著名性及び独創性の程度
申立人は、我が国において、2005年から現在に至るまで、引用商標を付した商品「履物」等(以下「申立人商品」という。)を販売すると共に、多種多様な雑誌等を通じて大々的な宣伝広告を行ってきた(甲9、甲10)。申立人商品は、インターネット上の記事やファッション業界の著名人やインフルエンサーのSNSで取り上げられることも多い(甲11、甲12。一例である。)。
申立人商品の我が国における売上高(販売代理店への売上額)は、2005年ないし2018年において毎年約1万米ドルないし298万米ドル(最高額は2014年の690万米ドル)で、合計約3,220万米ドルである(取引書類の一例。甲13)。
また、同期間における申立人商品の我が国における宣伝広告に費やした費用の合計額は、200万米ドル以上にも上る(取引書類の一例。甲13)。
以上の申立人による引用商標の大々的な使用を踏まえると、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標は、申立人商品(履物等)に係る商標として我が国の需要者の間で広く認識されるに至っていたといえる。
また、引用商標は、オーストラリア最大の鳥であるエミュー等を意味するものの、申立人商品「履物等」との関係において関連性が低く、一定の独創性を有する商標であると考えられる。
ウ 本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との間の関連性の程度及び取引者・需要者の共通性
本件商標の指定商品は、申立人商品「履物等」と同様に主にファッションの分野に属するものであり、当該商品と同一又は類似であるか、少なくとも密接な関連性を有し、必然的に取引者・需要者も共通するものである。
エ 総合的判断
以上の事情を考慮し、本件商標の指定商品の取引者・需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、その指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者をして、申立人の業務に係る商品を連想・想起させ、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるといえる。
したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標である。
(2)その他
上記の本件商標と引用商標の類似性及び引用商標の周知著名性に鑑みると、本件商標の採択及び使用は、引用商標へのフリーライドに当たり、その希釈化につながり得る。また、申立人は、全世界的に事業を展開すると共に引用商標を使用しており、自己の業務上の信用を保護すべく、多くの国において引用商標の登録を取得している(甲14)。
そうすると、本件商標の登録を取り消すことは、本号の目的に合致するものであると考えられる。
(3)むすび
以上に述べたとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(インターネット情報、新聞記事情報など)によれば、2009年(平成21年)1月頃から2019年(平成31年)1月頃までに発行等された我が国の雑誌やインターネット情報に、引用商標1、2、4ないし7(色彩の異なるもの、同一視できるものを含む。)を使用した商品(ムートン製ブーツなどの履物)の紹介記事、広告が多数掲載されていることが認められることから、引用商標1、2、4ないし7は、我が国の需要者の間である程度知られていることがうかがえる。
しかしながら、それら雑誌の多くは当該商品を履物以外の多数の商品とともに紹介しているものであるし、何より当該商品の我が国における売上高などの販売実績及び宣伝広告費を裏付ける証左は見いだせないから、引用商標1、2、4ないし7はいずれも、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。また、引用商標3は、使用されている事実が確認できないから、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標の類似性の程度
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり「emu’s more」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字は同書同大でまとまりよく一体に表され、これから生じる「エミューズモア」「エミュズモア」の称呼はよどみなく一連に称呼し得るものであって、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
そして、本件商標は、その構成中いずれかの文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成中の一部の文字部分を分離抽出し他の商標と比較検討することが許されないものであって、その構成文字全体をもって、「エミューズモア」「エミュズモア」の称呼を生じ、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるものといわなければならない。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、上記2(1)のとおり「EMU」と「エミュー」の文字を2段に書してなるものであるから、該文字に相応し「エミュー」の称呼を生じ、「エミュー(オーストラリアの草原に住む走鳥類の一種)」の観念を生じるものと判断するのが相当である。
(イ)引用商標2、5及び7は、別掲1ないし3のとおりの構成からなるものであるから、特定の称呼及び観念を生じないものと判断するのが相当である。
(ウ)引用商標3は、上記2(3)のとおり「EMU RIDGE」の文字からなるものであるから、該文字に相応し「エミューリッジ」「エミュリッジ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(エ)引用商標4は、上記2(4)のとおり「EMU」の文字からなるものであるから、該文字に相応し「エミュー」「エミュ」「イーエムユー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(オ)引用商標6は、上記2(6)のとおり「EMU AUSTRALIA」の文字からなるものであるから、該文字に相応し「エミューオーストラリア」「エミュオーストラリア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
また、引用商標6は、その構成中「AUSTRALIA」の文字部分は商品の産地、販売地(オーストラリア(連邦))を認識させ出所識別標識としての称呼、観念が生じないものであり、「EMU」の文字部分を分離抽出し他の商標と比較検討することが許されるものであって、該「EMU」の文字に相応し「エミュー」「エミュ」「イーエムユー」の称呼をも生じ、特定の観念を生じないものといえる。
ウ 本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標を比較すると、両者は、それらの上記のとおりの外観及び称呼は構成態様及び語調語感が明らかに異なり、また観念は比較できないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
(3)出所混同のおそれ
上記(1)のとおり引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、いずれも申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(2)のとおり本件商標と引用商標は非類似の商標であって別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標の指定商品と、引用商標の指定商品及び同商標が使用されている商品とが同一若しくは類似のもの、又は関連性の程度が高いものであり、かつ、両商品の取引者、需要者が共通するとしても、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起するものということはできない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
なお、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似するものを含むものであるが、上記(2)のとおり本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。



別掲1(引用商標2)



別掲2(引用商標5)



別掲3(引用商標7)


異議決定日 2019-09-05 
出願番号 商願2018-29326(T2018-29326) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 藤平 良二 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 山田 啓之
小出 浩子
登録日 2018-12-21 
登録番号 商標登録第6108511号(T6108511) 
権利者 竹林 真弓
商標の称呼 エミューズモア、エムズモア 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 
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