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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1355101 
異議申立番号 異議2018-900244 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-08-31 
確定日 2019-09-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6060240号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6060240号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6060240号商標(以下「本件商標」という。)は、「RitzCorp」の欧文字と「リツ・コープ」の文字とを二段に書してなり、平成29年5月12日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同30年6月11日に登録査定、同年7月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において、引用する商標は以下の2件であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3369106号商標(以下「引用商標1」という。)は、「RITZ」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月14日に登録出願、第42類「飲食店の予約の取次ぎ,宿泊施設の予約の取次ぎ,宿泊施設の提供,飲食物の提供,美容,理容」を指定役務として、同10年2月27日に設定登録されたものである。
(2)登録第5961950号商標(以下「引用商標2」という。)は、「リッツ」の文字を標準文字で表してなり、平成28年11月18日に登録出願、第43類「ホテルにおける宿泊施設の提供,レストラン・バー・ラウンジにおける飲食物の提供及びケータリング,行楽地における宿泊施設の提供,ミーティング用・会議用・展示用の多目的施設の提供,特別な日のための社交行事用の施設の貸与,ホテルの宿泊の予約の取次ぎ」を指定役務として、同29年7月7日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第45号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、本件商標の登録出願時である平成29年5月12日の時点において、申立人が世界的に展開・運営している最高級のホテルを指標するものとしてわが国において著名であったから、本件商標に接した需要者は、本件商標から直ちに申立人の著名な引用商標を連想・想起し、本件商標権者により提供される商品が、申立人又はその関連企業により提供されるものであるかのごとく、商品の出所につき誤認・混同することは必定である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は「RitzCorp」の欧文字を上段に配し「リツ・コープ」の片仮名を下段に配した二段書きの構成からなるところ、申立人の名称である「THE RITZ HOTEL LIMITED(ザ リッツ ホテル リミテッド)」の著名な略称「RITZ」を含むものであり、本件商標権者は、申立人から承諾を得ていない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第7号又は同項第19号について
本件商標は、世界的に最高級のホテルを指標するものとして国内外の需要者の間に広く認識された、申立人の著名な引用商標をひょう窃したものにほかならず、引用商標の有する指標力・顧客吸引力及びイメージにただ乗りし、不正の利益を得る目的をもって使用するものであって、国際信義及び公序良俗に反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号又は同項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の著名性について
ア 申立人の提出に係る甲各号証及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(ア)申立人は、セザール・リッツ氏によって、1898年に開業された、フランスのパリ・ヴァンドーム広場所在の「HOTEL RITS」(以下「リッツ・パリ」という)を経営している(甲6?甲8)。
(イ)申立人は、「関連会社の英国法人『THE RITZ HOTEL (LONDON) LIMITED(ザ リッツ ホテル (ロンドン)リミテッド)』は、英国のロンドン・ピカデリー広場に立つホテル『THE RITZ LONDON』(以下、『リッツ・ロンドン』という。)を経営している。リッツ・パリとリッツ・ロンドンは、世界で最も有名なホテルの一つ(二つ)に数えられている。」(甲5)、「セザール・リッツ氏は、1899年に英国ロンドンに『カールトン・ホテル(CARLTON HOTEL)』を開業させ、1905年に米国で『ザ・リッツ・カールトン・マネジメント・カンパニー』を設立し、1927年に現在も営業を続けるホテル『ザ・リッツ・カールトン・ボストン』を開業した(甲9、甲10)。『ザ・リッツ・カールトン』の経営権は、数次にわたり移転され、現在『マリオット・インターナショナル・インク』に引き継がれているが、商標『RITZ』『リッツ』の使用権限については、リッツ・パリが1988年に当時の経営者である『ダブリュ・ビー・ジョンソン・プロパティーズ・インコーポレーテッド』に使用する権利を許諾し、その後の経営者にも承継されている。現在、『ザ・リッツ・カールトン』は、世界の主要都市や人気リゾート地に約81箇所も存在している。」(甲11)、そして「我が国においても、『ザ・リッツ・カールトングループ』はその事業を進出させており、1997年に大阪に『ザ・リッツ・カールトン大阪』を開業させ、2007年に『ザ・リッツ・カールトン東京』、2012年に『ザ・リッツ・カールトン沖縄』、2014年に『ザ・リッツ・カールトン京都』が開業した。」と述べている。
(ウ)「ザ・リッツ・カールトンホテル・カンパニー・L.L.C」(本社米国)のウェブサイトには、「ザ・リッツ・カールトンホテル・カンパニー・L.L.C」は、世界の主要都市やリゾート地に80程のホテル「ザ・リッツ・カールトン」を所有していることや、1983年に「ザ・リッツ・カールトン・ボストン」と「ザ・リッツ・カールトン」の商標使用権を購入したこと、「ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー」は、「マリオットインターナショナル」の独自運営部門である旨の記載がある(甲11)。
(エ)雑誌「ホテル企業の基本」(2006年11月20日発行)には、「世界のホテル」の見出しの下、パリの『ホテルリッツ』が紹介されている(甲6)。「フランスのホテル ベストセレクション」(2001年8月30日発行)には、「リッツ・パリ」が「ココ・シャネルが晩年を過ごした館 ホテル王リッツが創業したパリの輝く星」のタイトルと共に紹介されている(甲7)。さらに「パラス パリの極上ホテル、『豊かさ』のかたちとエスプリ」(2008年9月2日発行)には、「リッツ・パリ」が紹介されている(甲8)。
(オ)「Ritz」の文字は、「リッツ(ホテル)国際的な高級ホテルチェーン」(「新グローバル英和辞典」株式会社三省堂発行)(甲41)と記載がある。また、当審における職権調査によれば、「Ritz」の文字は、「1《the?》リッツ(ホテル):Londonの中心部にある一流ホテル 2(商標)リッツ:米国Nabisco社製のクラッカー」及び「ritz」の文字は、「ぜいたく、ぎんぎらぎ、みせびらかし」(「小学館ランダムハウス英和大辞典<特装版>」株式会社小学館発行)との記載がある。
イ 以上の事実からすれば、申立人は、1898年にセザール・リッツ氏により開業されたホテル「リッツ・パリ」を経営し、雑誌等の紹介記事及び辞書の記載からすれば、「リッツ・パリ」は老舗の高級ホテルであり、また、申立人の関係者と推認される「ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーL.L.C」が、ホテル「ザ・リッツ・カールトン」を世界中で80程所有し、我が国においても主要都市において開業していることが認められる。
そして、申立人が所有する「リッツ・パリ」やその関係者の一である「ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーL.L.C」が所有するホテル「ザ・リッツ・カールトン」において、「RITZ」及び「リッツ」の文字は、申立人又はその関係者(例えば「ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーL.L.C」(以下、まとめて「申立人等」という。)の業務に係る役務(ホテル事業)を表示する標章として本件商標の登録出願日前から、我が国及び外国において、周知、著名なものとなっていたものと認められ、その著名性は、現在においても継続しているものというべきである。
(2)本件商標と引用商標との類似性
ア 本件商標について
本件商標は、「RitzCorp」の欧文字と「リツ・コープ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなるところ、欧文字部分及び片仮名部分は、それぞれ、同じ書体、同じ間隔で、まとまりよく表されているものであり、また、下段の片仮名部分は、上段の欧文字部分の読みを表したもの理解されるものであるから、本件商標は、全体として一体に表されているものといえ、その構成文字全体から生じる「リツコープ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中、「Corp」の文字部分は、「corporation」の短縮形であるとしても、指定商品との関係において、商品の品質等を表示するとか、自他商品を識別する機能を果たし得ないものとはいい難く、加えて、本件商標は、欧文字及び片仮名が上記のようにそれぞれまとまりよく表されているものであって、全体として一体のものとして看取、把握されるものであるから、その構成中の「Ritz」の文字部分のみが、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえず、さらに、当該文字以外の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「Ritz」の文字部分に着目するとはいえず、本件商標をまとまりよく一体的に表された一体不可分のものと認識し、把握するものとみるのが自然である。よって、本件商標は、その構成文字に相応して「リツコープ」の称呼のみを生じるものであり、また、本件商標を構成する「RitzCorp」の欧文字及び「リツ・コープ」の片仮名は、直ちに何らかの意味合いを看取させないうえに、辞書等に載録がなく、全体として特定の意味合いを有しない一種の造語と理解されるものであるから、本件商標は、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標1は、「RITZ」の欧文字を横書きしてなるものであり、引用商標2は、「リッツ」の片仮名を標準文字で表してなるものであるところ、両者からは、「リッツ」の称呼を生じ、申立人等の業務に係る役務(ホテル事業)の出所を表示する標章として、「ホテルリッツ」の観念を生ずるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と、引用商標の類否を検討すると、外観については、両者は、それぞれの構成態様において、いずれも顕著な差異を有するものであるから、判然と区別することができるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生ずる「リツコープ」の称呼と、引用商標から生ずる「リッツ」の称呼とは、その構成音及び構成音数において明らかな差異を有するものであるから、明瞭に聴別することができるものである。
そして、引用商標からは、申立人等のホテルを表示したものと理解させるものの、本件商標からは特定の観念を生じず、観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知・著名性について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人等の業務に係る役務(ホテル事業)を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められる。
イ 本件商標と引用商標の類似性の程度について
本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標といえるから、類似性の程度は低いというべきである。
ウ 本件申立に係る商品と申立人役務との関連性、需要者の共通性について
本件申立に係る商品である第3類「化粧品」と、申立人等の業務に係る役務(ホテル事業)とは、商品と役務の事業者・用途、役務の提供の手段・目的又は場所及び業種において、引用商標が使用される役務とは明確に異なるものであるから,両者の関連性は低く、需要者も異なるといえる。
エ 引用商標の独創性について
引用商標「RITZ」及び「リッツ」は、上記(1)ア(オ)によれば、複数の意味を有する成語であるから、格別独創性が高いものとはいえない。
オ 出所の混同のおそれについて
上記アないしエからすれば、引用商標が申立人等の業務に係る役務(ホテル事業)を表示するものとして本件商標の登録出願時及び登録査定日において需要者の間に広く認識されていたとしても、「RITZ」又は「リッツ」の語は、辞書に掲載のある成語であるから独創性は高くなく、また、本件商標と引用商標とは類似性の程度は低く、さらに、本件申立に係る商品と申立人役務との関連性も低いうえにそれらの需要者も異なるものであるから、本件商標に接する取引者、需要者が、本件商標の「Ritz」の文字部分のみに着目すると認めることはできない。
そうすると、本件商標を本件申立に係る商品に使用しても、需要者が申立人の引用商標を想起、連想することはなく、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標は、上記(3)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人等の業務に係る役務(ホテル事業)を表示するものとして、我が国及び外国において需要者の間に広く知られていたものと認められる。
申立人は、「商標権者は、著名商標『RITZ』をひょう窃し、商売している」旨主張して、「RITZ shop」と称するウェブサイトにおける「RITZ」の文字が表示されたページの写し(甲45)を提出しているが、その写しには、商標権者の名称が表示されていないことから、商標権者のサイトと特定することはできないうえに、本件商標「RitzCorp」の表示がないことから、本件商標と上記ウェブサイトにおける「RITZ」の文字との関係が明らかではなく、さらに、わずか1件のウェブサイト上における表示のみをもって、直ちに本件商標が不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。
その他、申立人提出の証拠からは、商標権者が不正の利益を得る目的や引用商標の出所表示機能を希釈化させ、その名声等を毀損させるなどの目的をもって本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足る具体的事実を見いだすことはできないから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「RitzCorp」の欧文字と「リツ・コープ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなるものであり、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではない。
また、本件商標は、これをその指定商品に使用することが社会公共の利益や社会の一般的道徳観念に反するものではなく、さらに、その使用が他の法律によって禁止されているもの、外国の権威や尊厳を損なうおそれがあって特定の国若しくはその国民を侮辱し、国際信義に反するものでもない。
加えて、本件商標は、上記(4)のとおり、申立人提出の証拠から直ちに不正の目的をもって使用するものと認めることはできず、その他、申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当すると認めるに足る具体的事実も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(6)商標法第4条第1項第8号該当性について
申立人は、本件商標は申立人の著名な略称である「RITZ」の文字を申立人の承諾を得ることなく含んでいるものである旨主張しているが、「RITZ」の文字が申立人の著名な略称であることを客観的に認識させる証拠を何ら提出していない。そして、本件商標は、上記(2)アのとおり、その構成全体をもって特定の観念を生じない一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが相当であるから、たとえ、その構成中に「Ritz」の文字を含むとしても、本件商標を申立人の略称を含むものと認識し、把握されることはないものといわざるを得ず、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標であるとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(7)結語
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-08-30 
出願番号 商願2017-65022(T2017-65022) 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (W03)
T 1 651・ 222- Y (W03)
T 1 651・ 22- Y (W03)
T 1 651・ 271- Y (W03)
最終処分 維持 
前審関与審査官 小田 昌子寺澤 鞠子 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 金子 尚人
有水 玲子
登録日 2018-07-06 
登録番号 商標登録第6060240号(T6060240) 
権利者 株式会社律
商標の称呼 リツコープ、リッツコープ、リツ、リッツ 
代理人 橘 哲男 
代理人 佐藤 大輔 
代理人 窪田 英一郎 
代理人 加藤 ちあき 
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