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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
管理番号 1355096 
異議申立番号 異議2018-900356 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-10-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-11-30 
確定日 2019-08-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第6078157号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6078157号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6078157号商標(以下「本件商標」という。)は、「IFBB PRO LEAGUE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成29年10月31日に登録出願、第41類「ボディビルディング及びフィットネスの分野におけるコンテスト及びショーの企画・運営又は開催,スポーツ及び文化的イベント活動の企画・運営又は開催,ボディビルディング及びフィットネスに関するテレビ番組・テレビ連続番組の制作・配給,その他の娯楽の提供,知識又は技芸の教授、即ち、フィジカルフィットネスの指導,ボディビルディング及びフィットネスの分野におけるワークショップ・セミナー・教室・会議の運営又は開催,ボディビルディング及びフィットネスに関するラジオ番組・テレビ番組・ケーブルテレビ番組・衛星放送番組・インターネット放送番組の企画・制作・配給,フィジカルフィットネスに関する指導及び助言,フィットネス・エクササイズ施設の提供,フィットネスの教授,ボディビルディング及びフィットネスの分野におけるオンラインによる画像及び映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,放送番組の制作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,運動施設の提供」(以下「申立役務」という。)を指定役務として、同30年8月13日に登録査定、同年9月7日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、「IFBB」の欧文字からなり、申立人が、第41類「ボディービルの興行の企画・運営又は開催」等に使用している商標であると主張するものである(以下「引用商標」という)。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号及び同第7号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標は、申立人の英文表記の著名な略称「IFBB」を含むものであるにもかかわらず、申立人の承諾を得ることなく登録されたものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
2 商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標は、本件商標の登録出願日前より、「ボディービルの興行の企画・運営又は開催」等につき、申立人が使用する商標として、世界的に周知・著名であるから、商標が引用商標と類似し、指定役務の一部が引用商標と同一又は類似である本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、本件商標の登録出願日前より、「ボディービルの興行の企画・運営又は開催」等につき、申立人が使用する商標として、世界的に周知・著名であり、日本の同役務の取引者及び需要者にも広く知られているから、商標の一部に「IFBB」を含む本件商標をその指定役務に使用すれば、かかる取引者及び需要者をして出所の混同を惹起させるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、引用商標をその要部とすることにより、申立人のボディービルを純粋なスポーツとして確立しようとする高潔な精神・薬物チェックについての厳格な姿勢・長年にわたる「ボディービルの興行の企画・運営又は開催」等の活動を通じて得た信用に基づく強い顧客吸引力を利用して、労せずして利益を得ようとするために登録されたものと推認されるから、かかる登録は公正な取引秩序を害するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知・著名性について
(1)申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 申立人である国際ボディービル・フィットネス連盟(「International Federation of BodyBuilding & Fitness」、略称「IFBB」:以下「IFBB」という。)は、スペインの法律の下で、非営利法人として登記されており(スペイン語表記「Asociacion-Federacion Internacional de Fisicoculturismo y Fitness」)、理事会と国内組織からなるボディービルとフィットネスのスポーツのための国際アマチュアスポーツ運営団体である(甲2)。
イ 1946年にジョーとベン・ウェイダーの兄弟によってカナダとアメリカで設立されたボディービル団体は、1969年12月30日に「INTERNATIONAL FEDERATION OF BODY BUILDERS INCORPORATED」の名称の非営利のカナダ法人として法人化され(甲4)、2004年に、その名称は、「International Federation of Bodybuilding & Fitness」に変更された(甲3)。
ウ 商標権者のホームページによれば、IFBBは、1970年9月4日にユーゴスラビアのベオグラードで第1回の国際会議を開催以来、2007年まで、世界のいずれかの都市で38回にわたる会議を開催しており、当該会議においては、会則の改正、種目の導入・廃止等が議題とされていた。
そして、第1回の国際会議には25か国の出席であったが、1997年開催の第28回の国際会議では72か国からの出席があったことがうかがえる(甲3)。
エ 2005年開催の第36回会議では、1)IFBBは、「World Anti-Doping Code」に従って、新しい「IFBB Anti-Doping Rules」を採用すること、2)「IFBB Professional League」は、独自の法規制を持つ独自の法人となること、3)IFBBの会則は、アマチュア専用の運営文書となること等が議題となっていた(甲3)。
オ 2006年開催の第37回の国際会議において、初代会長であったベン・ウェイダー氏が退任し、ラファエル・サントンハ氏が次期会長に選出された。
IFBBの会則に従い、IFBBは、スペインのマドリードに本部を移し、スペイン国内法の下で非営利法人「Asociacion-Federacion Internacional de Fisicoculturismo y Fitness」として新たに登記された(甲2?甲4)。
カ 本件商標権者は、IFBBのプロ部門が2005年に独立して設立された法人である(甲3)。
申立人と本件商標権者は、「オリンピック種目としての採用を目指したスポーツとしてのボディービル」と「エンターテイメントとしてのボディービル」というボディービルの目的自体が異なっており、それは、ドーピングに対する対応においても差異を有することとなっている(甲14?甲16)。
キ また、本件商標権者の会長であるJames B Manion(Jim Manion)氏は、2017年9月18日付けで、彼の指揮するもう一つの団体である米国のアマチュアボディービル団体NPC(National Physique Committee)がIFBBと提携しないことを公式に宣言した(甲12)。
(2)判断
申立人の主張及び証拠をみるに、申立人と本件商標権者は、当初は、1946年にジョーとベン・ウェイダーの兄弟によってカナダとアメリカで設立されたボディービル団体を発祥とするIFBBのアマ部門とプロ部門として、運営されていたと認められるものである。
2005年に、1)IFBBは、「World Anti-Doping Code」に従って、新しい「IFBB Anti-Doping Rules」を採用すること、2)「IFBB Professional League」は、独自の法規制を持つ独自の法人となること、3)IFBBの会則は、アマチュア専用の運営文書となることが決定され、本件商標権者は、申立人と別法人の「IFBB Professional League」となったものである(甲3)。
申立人と本件商標権者は、「オリンピック種目としての採用を目指したスポーツとしてのボディービル」と「エンターテイメントとしてのボディービル」というボディービルの目的自体が異なっており、それは、ドーピングに対する対応における差異(甲14?甲16)としても表れていることが認められる。
そして、本件商標権者が申立人と別法人になった後も、2017年9月18日付けのJames B Manion(Jim Manion)氏の公式宣言(甲12:以下「公式宣言」という。)までは、申立人は、ドーピング規制を遵守しつつ、アマチュア大会の運営を担当し、本件商標権者がプロの大会を運営するという組織体系が形成されていたものと認め得るものである。
そうすると、申立人が、本件異議の申立において主張している「IFBB」の周知・著名性に係る主張及び証拠は、申立人及び本件商標権者の双方に係る主張・立証というべきものであり、公式宣言後の申立人のみに係る「IFBB」の周知・著名性に係る主張及び証拠とはいい難い上、提出されている証拠も、ボディービル大会等の開催事実や広告・宣伝における「IFBB」の具体的な使用状況を客観的に確認することのできるものとはいえないものである。
その他、上記以外に、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の取扱いに係る引用商標が「ボディービルの興行の企画・運営又は開催」等について、需要者に広く知られていることを示す証拠は提出されていない。
したがって、申立人が提出した証拠からは、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「ボディービルの興行の企画・運営又は開催」等を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第8号該当性について
上記1のとおり、「IFBB」は、申立人の略称であるとしても、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、その著名性は認められないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第8号該当性に該当しない。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
本号は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」と規定されている。
引用商標は、上記1のとおり、申立人の業務に係る「ボディービルの興行の企画・運営又は開催」等を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号所定の他の要件を判断するまでもなく、同号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知・著名性について
引用商標は、上記1のとおり、申立人の業務に係る「ボディービルの興行の企画・運営又は開催」等を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度について
ア 本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「IFBB PRO LEAGUE」の欧文字を標準文字で表したものであるところ、構成中の「PRO LEAGUE」の語が「プロリーグ」を表す語として認識されるものであるとしても、本件商標を構成する「IFBB PRO LEAGUE」の文字は、辞書等に記載のないことから、商標全体として特定の観念を生ずるとはいえないものであり、その構成文字に相応して生ずる「アイエフビービープロリーグ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、上記1のとおり、「IFBB」の文字は、申立人の業務に係る「ボディービルの興行の企画・運営又は開催」等を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであることからすれば、本件商標からは、殊更「IFBB」の文字のみが需要者等の注意を惹くものということはできない。
そうすると、本件商標からは、「アイエフビービープロリーグ」の称呼が生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、「IFBB」の欧文字よりなるものであるから、「アイエフビービー」の称呼を生ずるものであり、辞書等に記載のないことから、特定の観念は生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標と引用商標を比較すると、両者は、観念において比較することはできず、外観、称呼において明らかな差異を有するものであるから、類似性の程度は高くないものである。
(3)申立役務と申立人の取扱いに係る役務の関連性、需要者の共通性について
本件に係る申立役務と申立人の取扱いに係る役務は、同一又は類似するものであり、需要者も共通する。
(4)引用商標の独創性の程度について
引用商標を構成する「IFBB」の欧文字は、構成全体としては造語というべきものであることからすると、独創性の程度は低いとはいえないものである。
(5)出所の混同のおそれについて
上記(1)ないし(4)のとおり、引用商標の独創性の程度が低いとはいえず、本件商標の申立役務と申立人の取扱いに係る役務が同一又は類似し、その需要者の範囲を共通にするものであるとしても、引用商標は、申立人の取扱いに係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであり、その類似性の程度も高いとはいえないことからすれば、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれを申立役務について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
(6)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、「本件商標は、引用商標をその要部とすることにより、申立人のボディービルを純粋なスポーツとして確立しようとする高潔な精神・薬物チェックについての厳格な姿勢・長年にわたる『ボディービルの興行の企画・運営又は開催』等の活動を通じて得た信用に基づく強い顧客吸引力を利用して、労せずして利益を得ようとするために登録されたものと推認されるから、かかる登録は公正な取引秩序を害するおそれがある。」として、さらに、「1)本件商標権者は、2005年にIFBBのプロ部門がIFBBから独立して法人化した団体であるから、IFBBの目的・精神を他のどのボディービル団体よりも熟知しており、特に、公式宣言以降においては、両者の目的・精神の間に大きな乖離が生まれたことも十分認識していること、2)申立人は、1946年の設立以来70年以上にわたりボディービルに関する役務を世界中で提供してきており、その商標「IFBB」には強い信用が化体している一方、本件商標権者は、2005年にIFBBから独立以来、わずか14年の歴史しかないことからすると、本件商標権者は、ボディービルを純粋なスポーツとして広め、引いてはオリンピックの正式種目にしようとするIFBBの目的・精神、薬物に対する厳格な姿勢、ボディービルコンテストの主催者として取引者及び需要者から長く広く信用を得ているIFBBの活動に目を付け、それらに基づく顧客吸引力を利用して、労せずして利益を得ようとするために、「IFBB」を要部として含む本件商標を登録したものと推認せざるを得ない。このような意図は、本件商標権者が、そのホームページにIFBBの設立者であるウェイダー兄弟と本件商標権者の会長が肩を組む写真を載せ、未だに彼らがIFBBと友好関係にあるように装っていること、IFBBの歴史を本件商標権者の歴史と偽って載せていることからも窺い知ることができ、これは、『商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠き、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合』に相当する。」と主張している。
しかしながら、本件商標権者は、2005年にIFBBのプロ部門がIFBBから独立して法人化した団体であることからすれば、その名称中に「IFBB」を有することが不当であるとはいえず、本件商標権者が、そのホームページにIFBBの設立者であるウェイダー兄弟と本件商標権者の会長が肩を組む写真を載せていることや本件商標権者の歴史としてIFBBの歴史について記載することが、直ちに引用商標の顧客吸引力を利用して、労せずして利益を得ようとすることの根拠であるとはいい難い。
加えて、申立人からは、他に、商標権者が、本件商標を不正の目的をもって出願したと認め得るような証拠の提出はないから、本件商標の登録出願が、引用商標による信用・利益を不正に得る意図で行われたものということはできず、上記のとおり、引用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることもできないから、本件商標は、引用商標の周知性に化体した信用、名声及び顧客吸引力へただ乗りするものであるということはできない。
また、申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底認容し得ないような場合に該当すると認めるに足りる具体的事実を見いだすこともできない。
さらに、本件商標を、その指定役務について使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するということもできず、他の法律によってその使用が禁止されているものでもなく、本件商標の構成自体が、非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成態様でもない。
その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足りる証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
6 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号及び同第7号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-08-13 
出願番号 商願2017-143913(T2017-143913) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W41)
T 1 651・ 271- Y (W41)
T 1 651・ 23- Y (W41)
T 1 651・ 25- Y (W41)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大塚 順子野口 沙妃 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 鈴木 雅也
冨澤 美加
登録日 2018-09-07 
登録番号 商標登録第6078157号(T6078157) 
権利者 アイエフビービー プロフェッショナル リーグ
商標の称呼 アイエフビイビイプロリーグ、アイエフビイビイ、プロリーグ、プロ、ピイアアルオオ、リーグ 
代理人 特許業務法人 丸山国際特許事務所 
代理人 鈴木 礼至 
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