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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W091642
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W091642
管理番号 1355058 
審判番号 不服2018-15492 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-11-22 
確定日 2019-08-28 
事件の表示 商願2017-101228拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「VR内見」の文字を横書きしてなり,第9類,第16類,第36類及び第42類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成29年7月31日に登録出願されたものであり,その後,指定商品及び指定役務については,当審における同30年11月22日受付の手続補正書により,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」,第16類「印刷物」及び第42類「建築物の設計,測量,デザインの考案(広告に関するものを除く。),電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの変換及びコンピュータデータの変換(媒体からの変換でないもの),電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子データの保存用記憶領域の貸与」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は,「本願商標は,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであって,特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,一般的に使用される標章であって,自他役務の識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないというべきものであり,本願商標は,その指定役務中,『VR内見』の文字に照応する役務に使用したときには,商標法第3条第1項第3号に該当するものであり,『VR内見』の文字に照応しない役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
当審において,請求人に対し,平成31年2月28日付けで,別掲のとおりの事実を示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の審尋を発し,相当の期間を指定して,これに対する意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は,上記3の審尋に対して,平成31年4月10日受付けの回答書において,「本願商標は,本願の指定商品の品質・用途又は指定役務の質・用途を表示するものには当たらず,本願の指定商品・役務に使用しても十分に自他商品・役務識別機能を発揮するものであり,また,商品の品質・用途又は役務の質・用途に誤認を生じさせるおそれはないから,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない」旨の意見を提出した。

5 当審の判断
(1)本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当することについて
本願商標は,「VR内見」の文字からなるところ,その構成中「VR」の文字は,「仮想現実」の意味を有する英語「Virtual Reality」の略称(「現代用語の基礎知識2019」自由国民社)として,「内見」の文字は「公開をせず内々で見ること。内覧。」等の意味を有する語(「広辞苑 第6版」株式会社岩波書店)として,それぞれ広く知られているものであるから,本願商標全体としては,「仮想現実を利用した内覧」程の意味合いを認識させるものである。
そして,別掲の書籍及びインターネット情報によれば,「VR」の文字が,本願商標に係る指定商品を取り扱う業界を含め幅広い業界において,「仮想現実」を指称する語として,普通に使用されており,「VR内見」の文字も,不動産業界等において「仮想現実を利用した内覧」程の意味合いを示す語として,取引上普通に使用されている事実が確認できる。
また,「VR」が指称する,「仮想現実」とは「コンピューターを利用して作り出した3次元仮想的空間における環境やその技術のこと」(「現代用語の基礎知識2019」自由国民社)であるから,「VR(仮想現実)」を利用するにあたっては,本願商標にかかる指定商品又は指定役務に含まれる商品又は役務である,「コンピューター」や「コンピュータソフトウェア」等の商品,又は「オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS)」等の役務が利用されるのが通常であるといえる。
そうすると,本願商標をその指定商品及び指定役務中,第9類「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの変換及びコンピュータデータの変換(媒体からの変換でないもの),電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子データの保存用記憶領域の貸与」に使用するときには,これに接する需要者・取引者は,本願商標が「仮想現実を利用した内覧に使用するための商品」又は「仮想現実を利用した内覧に使用するための役務」であるという商品の品質・用途又は役務の質・用途を表したものとして理解するにとどまり,自他商品又は役務の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ない。
してみれば,本願商標は,その商品の品質・用途又は役務の質・用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり,上記商品又は役務以外の指定商品又は指定役務に使用するときは,商品の品質・用途又は役務の質・用途の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張
請求人は「本願商標は,特定の観念を直接かつ,一義的に生じさせない一連一体の造語として認識し,把握されるものであり,本願商標を本願の補正後の指定商品又は役務に使用しても,十分に自他商品・役務識別機能を発揮するものであるから商標法第3条第1項第3号には該当せず,また,本願商標を本願の補正後の指定商品又は役務に使用しても,商品の品質・用途又は役務の質・用途に誤認を生じさせるおそれもないから同法第4条第1項第16号にも該当しない。」旨主張する。
しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標の構成中「VR」の文字が,幅広い業界において,「仮想現実」を指称する語として,普通に使用されており,「VR内見」の文字も,不動産業界等において「仮想現実を利用した内覧」程の意味合いを示す語として,取引上普通に使用されている事実が確認できるところ,「VR(仮想現実)」を利用するにあたっては,本願商標にかかる指定商品又は指定役務に含まれる商品又は役務である,「コンピューター」や「コンピュータソフトウェア」等の商品,又は「オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS)」等の役務が利用されるのが通常であるといえることよりすれば,本願商標に接する需要者・取引者は,本願商標が「仮想現実を利用した内覧に使用するための商品」又は「仮想現実を利用した内覧に使用するための役務」であるという商品の品質・用途又は役務の質・用途を表したものとして理解するにとどまるものであるから,本願商標は,その商品の品質・用途又は役務の質・用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるをえず,その主張を採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 当審における審尋で示した証拠
(1)「VR」の文字が,本願商標に係る指定商品を取り扱う業界を含め幅広い業界において,「仮想現実」の意味を指称する語として,普通に使用されている例
ア 「現代用語の基礎知識2019」(自由国民社)の483ページに,「仮想現実(VR)〔Virtual Reality〕」の見出しの下,「コンピューターを利用して作り出した3次元仮想的空間における環境やその技術のこと。バーチャルリアリティともいう。」の記載が,また505ページに,「VR/AR〔Virtual reality/Augmented Reality〕」の見出しの下,「VRとは仮想現実の略称で,人間の感覚器官に働きかけることにより,現実でないものを実質的に現実のように感じる環境を人工的に作り出す技術。」との記載がある。
イ 株式会社アリタヤのウェブサイトにおいて,「VR内覧」の見出しの下,「現地に行かずに自宅や店舗で内覧が可能です!」及び「VR内覧とは,VRゴーグルを装着し上や下左右を見ると実際に現地に居るような感覚で360度バーチャル内覧がご覧いただけるサービスです。」との記載がある。
(http://www.aritaya.jp/vr/)
ウ 株式会社アスティークのウェブサイトにおいて,「『VRモデルハウス』公開のお知らせ」の見出しの下,「この度,バーチャルリアリティを利用した『VRモデルハウス』を公開致しました。まだ建築されていない物件のCGパースと実際の風景を組み合わせて,WEB上で内覧・体験できる,新感覚のモデルハウスです。ぜひ一度,体感くださいませ。」との記載がある。
(https://www.asteeq.co.jp/newsbox/?20180518)
エ PR TIMESのウェブサイトにおいて,「VRを活用し,臨場感のある住宅見学サービスを開始」の見出しの下,「株式会社エスケーホーム(本社:熊本県山鹿市 代表取締役社長 瀬口 力,以下エスケーホーム)は,2017年7月よりVR(バーチャルリアリティ)システムを活用した新しい住宅見学サービスを開始しました。・・・・VRシステムの特長 ・ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着ティスプレイ)を装着することで,実際の目線でバーチャル空間を歩き回ることができ,居住空間を疑似体験することが可能。・・・当システムは2017年7月より,エスケーホームの各営業所に順次導入を開始して参ります。また,ショッピングモールや大規模商業施設などの狭小スペースにも設置し,『VR住宅見学会』と称してより多くのお客様に体験いただく機会を設けて参ります。」との記載がある。
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000022440.html)
オ 「Easypano」のウェブサイトにおいて,「VRTourMaker 1.0」という商品のページに,その商品概要説明として「すべての端末に対応し,スマホでは二眼VRモードにも対応できるVRツアーコンテンツを作成するVRツアーソフトです。」との記載がある。
(http://www.easypano.com/jp/VR-tour-soft.html)
カ 「VR動画プレイヤーアプリおすすめ15選【Android/iPhone】」の見出しの下,「VR動画プレイヤーアプリとは」の項に,「そもそもVRとはなにかというと,『virtual reality(バーチャル=リアリティ)』の略であります。また,『バーチャルリアリティ』とは『コンピュータ・モデルとシミュレーション技術を用いて,コンピュータでつくられた三次元空間を視覚その他の感覚を通じ疑似体験できるようにしたもの。もしくは仮想現実』というものです。」との記載がある。
(https://appli-world.jp/posts/2290)
キ GMO CLOUD K.K.のウェブサイトにおいて,「panocloud VR」というサービスの特長として,「VRコンテンツの制作・公開・分析が1ツアーたったの800円/月 CMSで驚くほど簡単 WEBサイトに圧倒的臨場感を」,及び「専門知識が不要な『panocloud VR(パノクラウドVR)』なら, 誰でも簡単に360度パノラマVRコンテンツを制作することができます。 自分で操作して見たいところをみるバーチャルリアリティ(VR)は,まるでその場にいるような体験ができ, 見る人に明確なイメージを伝えられます。」との記載がある。
(https://saas.gmocloud.com/service/panorama-vr/)
ク Zenkei Corporationのウェブサイトにおいて,「物件見学に圧倒的な臨場感を 360°パノラマVRサービス」の見出しの下,「かんたん10分でVRプレイヤー公開」の項に「図面や写真が準備できれば,ZENKEI360専用の管理画面からすぐに物件の登録が可能。下記のステップで簡単にプレイヤーが完成します。すぐに埋め込みコードが生成され,Webサイト上で公開することができます。」との記載がある。
(https://360.zenkei.com/)
ケ 株式会社リコーのウェブサイトにおいて,「THETA360.biz」というサービスの紹介ページにおいて,「RICHO360 VRステージング」の見出しの下,「VRステージングとは 撮影された360度画像にCG技術を活用し,家具や小物など装飾して空間を魅力的に演出することができます。家具の用意や搬入する手間を削減し,お客様に合わせたデザインを訴求することで『体験』を最大化できます。」との記載がある。
(https://theta360.biz/ja/services/vrstaging/)

(2)「VR内見」の文字が「仮想現実を利用した内覧」程の意味合いを示す語として,普通に使用されている例
ア 株式会社グランダムのウェブサイトにおいて,「VR(ヴァーチャルリアリティ)内見 スタート!」の見出しの下,「VR内見とはどういったものなんでしょうか。みなさんが今住んでるお家やお部屋は,不動産に行って相談しましたよね?そして家を決める前に,一度その部屋を実際に見に行って確認したと思います。そうです,内見です!その内見をVRでしてしまおうというものです。・・・『VR内見』は,物件を探している利用者が現場に行くことなく,グランダムの店舗内で物件の内見を行えるものです。視点が固定されている写真や動画ではなく,自分の目で室内を360度見回すことができることに加え,移動時間を大幅に短縮出来ます!是非一度VR内見体験に来店ください!!」との記載がある。
(http://grandam-ota.jp/entry/324168/)
イ ワンストーン株式会社のウェブサイトにおいて,「warp」というサービスの紹介ページにおいて,「不動産業界初のVRマーケティングツール360度パノラマ画像がVRで見学可能になる!月額¥9,800から使い放題!」の見出しの下,「“Warp”の3つの特徴」として,「超簡単! スマホをセットするだけで,誰でも簡単にVR体験が可能」・・・「特設サイト VR物件特設サイトを自動構築。ゴーグルなしでも360°で閲覧可能。」「申し込み自動受付 サイト上のコンテンツは,すべて『VR内見』の申し込みが可能。」・・・「ちっぽけなコストが,素晴らしい成果につながっています・・・『自宅でVR内見』の取り組みアピールで他社と差別化して集客力UP!」との記載がある。
(https://one-stone.co.jp/service/warp/)
ウ ハウスマイルVR事業部のウェブサイトにおいて,「VR事業部の活動」の見出しの下,「ハウスマイルVR事業部は『お部屋探し』をもっと便利にお客様の負担を少なくし,新生活のイメージを膨らませていただけるよう『VR内見』のサービスを早くから行って来ました。2015年,日本初のVR賃貸サイト『ROOMWARP』をリリースし,現在(2018年)まで不動産業界において,VR360度動画制作数は国内トップを誇ります。 今後もVR事業部はさらなるお客様満足度向上を目指し,ICT活用を進化させていきます!!」との記載がある。
(https://vr-hp.com/hou3016/)
エ VR-ROOMのウェブサイトにおいて,「VRで賃貸物件の内見ができる!?今,流行りのVR内見をご紹介!」の見出しの下,「みなさん,こんにちは!『VR内見』って聞いたことありますか?また多くの方は,引っ越しを経験したことあったり,これから引越しをする予定があったりするのではないでしょうか。そんな引っ越しの際,面倒なのが内見!必ず必要なものですが,鍵をもらって,賃貸物件まで訪れて。気に入らなければ,1日に何件も回らなければなりませんし,時間がいくらあっても足りません。そんな悩みを解決してくれるのが,VR内見!」との記載が,また「そもそも,VR内見ってなに??」の見出しの下,「VR内見とは,不動産会社が提供しているVR技術を使って賃貸物件を疑似内見ができるサービスのことです。文字通りの意味ですね!実際に,その物件を見に行かなくても,その場にいるような感覚で賃貸物件が内見できるようになります。VR内見をするためには,二つの方法があります。・実際に,不動産会社を訪れてVR内見を体験する方法・不動産会社に行かずに自宅や様々な場所でVR内見する方法です。不動産会社に行かない場合は,スマホ,VRゴーグルやVRグラスを用意する必要があります。」との記載がある。
(https://vr-room.jp/building/)
オ 「ITナビゲーター2018年版」(東洋経済新報社)の84ページに掲載されている「図表2.3-4 VR保有者がVRを体験した経験のある場所」に「不動産のVR内見体験」との記載がある。


審理終結日 2019-07-01 
結審通知日 2019-07-02 
審決日 2019-07-16 
出願番号 商願2017-101228(T2017-101228) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (W091642)
T 1 8・ 13- Z (W091642)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 旦 克昌藤平 良二 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 大森 友子
山根 まり子
商標の称呼 ブイアアルナイケン、ナイケン 
代理人 安 裕 希 
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