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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X30
管理番号 1355049 
審判番号 取消2018-300544 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-07-18 
確定日 2019-08-26 
事件の表示 上記当事者間の登録第5498662号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5498662号商標(以下「本件商標」という。)は、「おちょこ」の文字を横書きしてなり、平成23年12月15日に登録出願、第30類「菓子,チョコレート,ケーキ,飴」を指定商品として、同24年6月8日に設定登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、同30年8月2日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成27年(2015年)8月2日ないし同30年(2018年)8月1日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条の規定により、取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
審判長は、被請求人が提出した平成30年9月14日付け審判事件答弁書を請求人に送付し、相当の期間を指定し、被請求人が提出した乙第1号証及び乙第2号証並びに被請求人の答弁に対する弁駁を求めたが、請求人から弁駁書の提出はなかった。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(1)本件商標の使用事実
ア 被請求人は、乙第1号証のチラシを2015年11月頃から、自社の得意先に対して配布している。このチラシは、商品「食品(チョコレート)」に関するもので、このことは当該チラシに「本品は食品(チョコレート)です・・・」と記載されていることから明らかである。
イ この商品を特定する商標として「おちょこ」を登録商標を意味する丸アールと共に明瞭に表示している。ここで本件商標は明朝体様の書体で表記しているところ、乙第1号証中に記載している「おちょこ」の書体は明朝体様の書体ではない。しかしながら、乙第1号証に表記している商標「おちょこ」(以下「使用商標」という場合がある。)は、登録商標の書体にのみに変更を加えた同一の文字からなる商標であり、社会通念上同一の商標である。
よって、乙第1号証における「おちょこ」の使用は、登録商標の使用と判断することができる。
ウ 乙第1号証には、この商品に関する問い合わせ先として、被請求人を明示しているので、本件商標の使用者が被請求人であることは明白である。
エ 以上から、このチラシにおいて、被請求人が、本件指定商品について、本件商標を使用している。
オ 甲第1号証(審判註:「乙第1号証」の誤りと認める。)には、「販売期間:11月?5月」の記載は存在するものの、年を示す記載はないが、この点は乙第2号証として提出する取引書類(納品書)の記載から、使用商標によって特定されている商品「チョコレート」の商取引の事実を示しており、当該書類には、それぞれの使用の日付である、2016年1月10日、2016年1月15日、及び2016年2月3日の記載があることから、被請求人が、それぞれの日付において、商取引を行った事実を確認することができる。
(2)以上の乙第1号証及び乙第2号証から、被請求人は、要証期間内に、本件指定商品について本件商標を使用している。
よって、本件商標は、取り消されるべきものではない。

4 当審の判断
(1)被請求人が提出した証拠及び同人による主張によれば、次のとおりである。
ア 乙第1号証は、商品チラシであり、該チラシには、上段に「満席バーカウンター」、下段に「おちょこ(右下に登録商標であることを表す記号(○内にR)が付されている。以下同じ。) de ブランデー」の文字が大きく表され、商品を撮影した二枚の写真と共に、「■本商品は食品(チョコレート)ですのでお召し上げり頂けます。※手で長時間触れていると体温でチョコレートが溶ける恐れがありますのでご注意ください。」、「名称:チョコレート」、「製造者:有限会社グローバルアイ 山形県鶴岡市大西町26-30」「販売価格:100円/1個、80円/?20個、60円/?100個、50円/?300個」「販売期間:11月?5月」などと記載されている。
また、該チラシ下部に、「おちょこdeブランデー <ご注文、お問合せ> 有限会社グローバルアイ TEL0235-25-4141 emdondon@chive.ocn.ne.jp 担当:浅井」と記載されている。
イ 乙第2号証は、「納品書(控)」であり、その1枚目には、「2016年1月10日」の日付の下、取引先の住所及び名称、「おちょこ(チョコレート) 300個」、「有限会社グローバルアイ 山形県鶴岡市大西町26-30」並びに銀行名及び口座名等の記載がある。
また、その2枚目には、「2016年1月15日」の日付の下、取引先の住所及び名称、「おちょこ(チョコレート) 800個」、「有限会社グローバルアイ 山形県鶴岡市大西町26-30」並びに銀行名及び口座名等の記載がある。
さらに、その3枚目には、「2016年2月3日」の日付取引先の住所及び名称、「おちょこ(チョコレート) 450個」、「有限会社グローバルアイ 山形県鶴岡市大西町26-30」並びに銀行名及び口座名等の記載がある。
(2)上記(1)において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
ア 使用者について
上記(1)ア及びイのとおり、2016年1月10日から同年2月3日までの間に、使用商品を販売(納品)したことを示す納品書(乙2)及びチラシ(乙1)に商標権者の住所・名称が記載されていることから、本件商標の使用者は、商標権者であるといえる。
イ 使用商品について
上記(1)ア及びイのとおり、商標権者の使用商品は「チョコレート」であって、本件審判請求に係る本件商標の指定商品中「チョコレート」と同一のものである。
ウ 使用時期及び使用行為について
上記(1)イのとおり、チラシ(乙1)には、「おちょこ」「deブランデー」の記載と「名称:チョコレート」の記載及び「商標権者の住所、名称」が記載されている。
そして、納品書(乙2)には、それぞれ「被請求人の住所、名称」「取引先の住所、名称」「おちょこ(チョコレート)」の記載とともに「2016年1月10日」「2016年1月15日」「2016年2月3日」の記載があることからすると、当該チラシは、納品書に係る商品の広告宣伝のために頒布されたものと推認することができ、商標権者は、少なくとも2016年1月10日から同年2月3日までの間に、使用商品を販売(納品)したことを認めることができる。
エ 使用商標について
上記(1)アのとおり、チラシ(乙1)には、ゴシック体風に書された「おちょこ」の文字が付されているのに対し、本件商標は、「おちょこ」の文字を明朝体風に書してなるものである。
そうすると、本件商標と使用商標とは、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であって、これより、生じる「オチョコ」の称呼及び「ちょこ(さかずき)の丁寧語」等の観念も同一であるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
オ 小括
上記アないしエからすれば、商標権者は、要証期間の2016年1月10日から同年2月3日までの間に、日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中の商品「チョコレート」を販売(納品)し、当該チョコレートに関する広告に、本件商標を付して頒布したといえる。
そして、商標権者による上記行為は、「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。
(3)結語
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件審判の請求に係る指定商品に含まれる使用商品「チョコレート」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2019-07-03 
結審通知日 2019-07-05 
審決日 2019-07-17 
出願番号 商願2011-94719(T2011-94719) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 茂木 祐輔 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 岩崎 安子
小田 昌子
登録日 2012-06-08 
登録番号 商標登録第5498662号(T5498662) 
商標の称呼 オチョコ 
代理人 中村 勝彦 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 星宮 一木 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 山口 現 
代理人 田中 克郎 
代理人 黒沼 吉行 

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