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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201411225 審決 商標
不服201410717 審決 商標
不服201411133 審決 商標
不服201817097 審決 商標
不服201424397 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W44
管理番号 1355040 
審判番号 不服2018-13814 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-29 
確定日 2019-08-30 
事件の表示 商願2017-79080拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「MY薬剤師」の文字を横書きしてなり,第44類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として,平成29年6月1日に登録出願されたものである。
その後,指定役務については,原審における平成30年2月27日付けの手続補正書により,第44類「薬局における助言,薬局における調剤に関する相談,薬剤に関する助言」と補正されたものである。

第2 原査定における拒絶の理由の要旨
原査定は,「本願商標は,『MY薬剤師』の文字を書してなるところ,インターネットの情報によれば,『MY薬剤師』及び『My薬剤師』の各文字が,いずれも『かかりつけ薬剤師』の意味合いで使用されている実情がある。そうすると,これを本願の指定役務中,かかりつけ薬剤師が行う役務に使用しても,前記役務であることを認識させるにとどまり,単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。さらに,意見書に添付された証拠の程度では,本願商標が,出願人に係る役務を表示するものとして需要者の間で認識され識別力を発揮しているとまではいえないことから,本願商標は,同法第3条第2項に規定する要件を具備するものとは認められない。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋及びそれに対する請求人の対応
当審において,平成31年2月27日付けで,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の見解を示す審尋を通知し,これに対する回答を求めた。
しかしながら,請求人は,上記審尋に対し,何ら意見を述べていない。

第4 当審の判断
請求人は,本件審判の請求の理由において,本願商標は商標法第3条第2項に該当しないとする原査定の拒絶の理由には反論しておらず,専ら同条第1項第3号該当性のみを主張しているから,以下,この点について検討する。
1 本願商標について
(1)本願商標は,「MY薬剤師」の文字を,一般に用いられる書体で横書きしてなるものである。
(2)本願商標の構成中「MY」の文字部分は,「my」又は「マイ(my)」の語が,「私の」の意味を有する英語又は外来語として親しまれているものである(「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館,「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)。
そして,同一の欧文字からなる語が,大文字又は小文字表記で表されることは普通に見られるから,本願商標の構成中「MY」の文字部分は,「私の」を意味する英語である「my」又は外来語である「マイ(my)」を,欧文字の大文字表記によって表したものと容易に理解されるものであって,「私の」の意味を認識させるものである。
(3)本願商標の構成中「薬剤師」の文字部分は,「主として医薬品の鑑定・保存・調剤・交付に関する実務を行う者。」の意味を有する語である(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)。
(4)そうすると,本願商標は,全体として,「私の薬剤師」との意味合いを容易に理解させるものである。
2 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)「かかりつけ薬局」又は「かかりつけ薬剤師」について
ア 「患者のための薬局ビジョン?『門前』から『かかりつけ』,そして『地域』へ?」(平成27年10月23日厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/vision_1.pdf)において,「(1)かかりつけ薬剤師・薬局の意義」の見出しの下,「複数の医療機関・診療科を受診した場合でも,患者が日頃からかかりつけとなる薬剤師・薬局を選び,調剤を受けることで,服薬情報の一元的・継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われ,医薬分業が目指す安全・安心な薬物療法を受けることが可能になる。」の記載がある。
イ 平成29年11月15日付けの「健康サポート薬局の現状について」の標題に係る厚労省の「第3回医薬品医療機器制度部会・資料1」(参考資料3)によれば,2葉目において,「健康サポート薬局の概要」の見出しの下,「健康サポート薬局」の項に,「○かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能を有し,○地域住民による主体的な健康の維持・増進を積極的に支援する薬局 ○都道府県知事等に届出を行い,薬局機能情報提供制度に基づき公表。※平成28年10月から届出開始」の記載があり,さらに,「かかりつけ薬剤師・薬局の基本的機能」の項には,
(ア)「服薬情報の一元的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導」
(イ)「24時間対応,在宅対応」
(ウ)「かかりつけ医を始めとした医療機関等との連携強化」
の記載がある。
ウ そうすると,上記ア及びイによれば,「かかりつけ薬剤師」とは,一般に,「個々の患者が継続的にかかるものとして選んだ特定の薬剤師であって,その個々の患者の服薬情報の一元的・継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導を行う薬剤師」をいうものであり,また,平成28年10月から届出開始とされた「健康サポート薬局」制度において,「かかりつけ薬剤師」とは,上記イ(ア)ないし(ウ)の機能を有する薬剤師であると認められる。
(2)「MY薬剤師」,「My薬剤師」又は「マイ薬剤師」の文字は,本願の指定役務との関係においては,別掲に示すとおり,上記(1)に記載したような「かかりつけ薬剤師」を示す語として普通に使用されている実情がある。
(3)以上からすると,「MY薬剤師」の文字を書してなる本願商標は,これをその指定役務に使用したときは,取引者,需要者に対して,「かかりつけ薬剤師,すなわち,個々の患者の服薬情報の一元的な把握やそれに基づく薬学的管理・指導等の機能を有する薬剤師によって提供される役務」程の意味合いを理解,認識させるものであって,その役務の質を表示したものとして理解させるにとどまり,自他役務の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
したがって,本願商標は,その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は,過去の商標の登録事例を挙げて,本願商標もそれらと同様に,登録されるべきである旨主張する。
しかしながら,商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かを判断するにあたっては,当該商標が,その指定役務との関係で,その役務の質,その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるか否かについての事情を総合考慮して,当該商標がその指定役務に使用された場合における,指定役務の取引者,需要者の認識を基準として判断すべきであるところ,請求人の挙げる事例は,いずれも,本願商標とは,その商標の構成や指定役務が相違するものであり,かかる事例についての判断は,本願商標の上記判断に影響を与えるものではない。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 「MY薬剤師」,「My薬剤師」,「マイ薬剤師」の使用例について
(1)書籍
ア 「DRUG magazine 2016年6月号」(2016年6月1日 株式会社ドラッグマガジン発行)において,その表紙には「特集 調剤報酬改定の影響と展望/レポート/『かかりつけ薬剤師』同意書取得の現場」の記載があり,86-87頁には,「『今回の改定を私はこうみる』/かかりつけ薬剤師とは個々の患者の『マイ薬剤師』になること」の見出しの下,「最も大きな変化は,服薬状況の一元的な把握と薬歴に基づく継続的な管理・指導を目的にした『かかりつけ薬剤師指導料』『かかりつけ薬剤師包括管理料』の導入です。その条件として『保険薬剤師で3年以上の勤務経験』『週32時間以上の勤務』『その薬局に6ヶ月以上在籍』『認定薬剤師になるための単位取得』『医療に係る地域活動に参画している』といった条件をクリアしていなければなりません。」の記載及び「その背景には,薬剤師の資質の問題があります。24時間対応やOTC医薬品のアドバイスを含め,先に申し上げた認定取得などの条件が問われるところです。要するにかかりつけ薬剤師とは,患者の『マイ薬剤師』になることだと理解しています。」の記載がある。
イ 「大阪府内科医会会誌 第20巻第2号」(平成23年10月25日 一般社団法人 大阪府内科医会発行)の79頁において,「第12回 大阪府内科医会市民講座 女性と医師が語り合う会 講演 もし“家族(あなた)”が病気になったら-かかりつけは?-/1.薬剤師の出番 MY薬剤師 MY薬局の勧め」の見出しの下,「このように,くすりに関してお困りのときなどは,ご相談していただければ薬剤師は患者さんの要望にお答えします。かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師をもち,日頃からMY薬剤師,MY薬局を利用していただけたら幸いです。」の記載があり,「セルフメディケーションとは?」の項には,「『もし“家族(あなた)”が病気になったら-かかりつけは?-』ということで,『MY薬剤師 MY薬局の勧め』というお話をさせていただきます。」の記載がある。
ウ 「図解入門 メディカルワークシリーズ よくわかる薬局患者対応の基本と実践」(2010年4月3日 株式会社秀和システム発行)の27頁において,「2-4 保険薬局のアメニティー」の見出しの下,「設備ではなく“人”によるアメニティーの充実を」の項には,「また,患者さんが薬剤師を選ぶ『マイ薬剤師』システムをとる薬局もあります。担当する薬剤師が決まっていれば,患者さんの状態の把握や理解が確実にできますし,患者さんもその都度説明する手間が省けます。」の記載がある。
エ 「いい医者は薬剤師に聞け!」(2009年3月6日 株式会社中経出版発行)の127頁において,「『マイ薬局・マイ薬剤師』をもつメリットとは?」の見出しの下,「その患者さんは,『マイドクター』ならぬ『マイ薬剤師』を求めたわけです。」の記載があり,129頁及び130頁には,「マイ薬局をもつと,自分のことを正確に理解し,親身になって相談にのってもらえ,より的確なアドバイスを受けることができます・・・1 マイ薬局をもつと,患者さんのアレルギー歴や,服用している薬歴等が一元管理・・・されることになる。 2 マイ薬局をもつと,薬歴から複数の医療機関から出された薬の重複をチェックできる。3 マイ薬局をもつと,薬歴から複数の医療機関から出された薬の飲み合わせをチェックできる。 マイ薬局・マイ薬剤師をぜひもっていただきたいと思います。」の記載がある。
(2)インターネット情報
ア 「みやこ薬局」の「みやこ通信 平成29年4月号 vol.139」において,1葉目には,「今月のテーマ/かかりつけ薬剤師」の見出しの下,「2016年の診療報酬改定により,薬局で正式に『かかりつけ薬剤師制度』が始まって1年が経ちました。」の記載,「『かかりつけ薬剤師』の役割とは?」の項には,「1 患者さんが飲んでいるお薬を確認し,お薬が重複していないかどうかや,飲み合わせのチェックをします。 2 服薬状況や体調の変化を見て,必要に応じて医師・医療機関への連絡をします。 3 残薬整理のお手伝いをします。」の記載及び「『かかりつけ薬剤師』を持つメリット」の項には,「メリット1 いつも同じ『My薬剤師』/1人の患者さんに対して,毎回同じ薬剤師が責任を持って担当することにより,患者さんは薬局において,ご自身のお薬や体調のことなど,何度も同じ説明をする必要がなくなります。かかりつけ薬剤師は,患者さんが他の薬局で受け取ったお薬や市販薬,さらには健康食品やサプリメントまで把握し,全ての服用状況を一元的かつ継続的に記録して適切な服薬指導をします。メリット2 夜間・休日など,いつでも相談できます!/薬局の営業時間外も24時間体制で,お薬や健康維持に関するご相談に乗ったり,適切なアドバイスをします。メリット3 薬も体調も管理を万全に!/お薬の効果や患者さんの体調変化を継続的に確認し,必要な場合は医師へ連絡をします。・・・」の記載がある。
2葉目には,「『かかりつけ薬剤師』Q&A」の見出しの下,「Q どの薬剤師にでもかかりつけ薬剤師を希望できる?」の項には,「A 薬剤師ならだれでも,かかりつけ薬剤師になれるのではなく,その薬局での在籍期間が6ヶ月以上あり,かつ一定の経験や資格を持った,日頃から自己研鑽している薬剤師だけが,かかりつけ薬剤師となることができます。」の記載がある。
(https://www.miyako-ph.co.jp/wp-content/uploads/2017/03/h2904.pdf)
イ 「長崎県薬剤師会」のウェブサイトにおいて,「薬と健康 県民セミナー/2019年2月4日更新」の見出しの下,「平成28年度」の項には,「演題 私の町のMy薬剤師/?かかりつけ薬剤師がお渡しするのは薬と”安心”です?」の記載がある。
(http://www.npa.or.jp/npa/docs/topic/seminar/index.html)
ウ 「広島県薬剤師会誌 No.264 2016 Vol.41 No.4(平成28年7月1日発行)」の13頁には,「子育て応援団すこやか2016/日時:平成28年5月21日(土)・22日(日) 場所:広島グリーンアリーナ」の見出しの下,14頁には,「報告3」の項に,「その後『かかりつけ薬剤師』についてのアンケート。・・・かかりつけ薬局が認識されつつあるなか,かかりつけ薬剤師が受け入れられるには,努力と時間が必要だと感じました。このイベントに参加した子供たちが大人になる頃には,薬剤師を身近に感じ『マイ薬剤師』を持つことがあたりまえになるよう一緒に成長していかなければ・・・と思い帰路につきました。」の記載がある。
(http://www.hiroyaku.or.jp/pdf/journal/No264.pdf)


審理終結日 2019-07-01 
結審通知日 2019-07-05 
審決日 2019-07-17 
出願番号 商願2017-79080(T2017-79080) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W44)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 旦 克昌根岸 克弘 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 渡邉 あおい
平澤 芳行
商標の称呼 マイヤクザイシ、マイ 
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