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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W1621 |
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管理番号 | 1354361 |
異議申立番号 | 異議2019-900068 |
総通号数 | 237 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2019-09-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-02-22 |
確定日 | 2019-08-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6102531号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6102531号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6102531号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成30年2月22日に登録出願、第16類「紙類,トイレットペーパー,ティッシュペーパー,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,ウェットティッシュペーパー,不織布製ウェットタオル(紙製ウェットタオルとして用いるもの。),紙製ウェットタオル,不織布製ウェットシート(紙製ウェットシートとして用いるもの。),紙製ウェットシート,紙製包装用容器,紙製テーブルクロス,家庭用食品包装フィルム,包装用プラスチックフィルム,紙製キッチンタオル,キッチンペーパー,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」及び第21類「清掃用具及び洗濯用具,不織布製ワイパー,紙製ワイパー,清掃用ワイパー,清掃用クロス,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),家事用手袋,作業用手袋,園芸用手袋,家庭用の介護用手袋,寝室用簡易便器,簡易トイレ,災害時用簡易トイレ,介護用簡易トイレ,携帯用簡易トイレ,紙タオル取り出し用金属製箱,ペーパータオル用ディスペンサー,せっけん用ディスペンサー,ティッシュペーパー・キッチンタオル・キッチンペーパー・クッキングペーパー等の包装箱用保持具」を指定商品として、同年11月13日に登録査定、同月30日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標(以下「引用商標」という。)は、「CK」の欧文字を横書きしてなるものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。 (1)引用商標は、申立人が使用している商標であって、「CK」の欧文字を書してなるものであるが、小文字の「ck」を使用する場合もある。 (2)商標「Calvin Klein」及び引用商標の著名性 引用商標が我が国において長年にわたって幅広い商品に使用され、大々的に宣伝広告された結果、「CK」の文字に接した需要者は、「Calvin Klein」のブランドを連想するに至り、引用商標は、本件商標の登録出願時には既に、カルバン・クラインの業務に係るアパレル、化粧品、香水、時計、ジュエリー等を表示する商標として、我が国の取引者・需要者の間で広く認識されて周知・著名な商標となっており、それは、本件商標の登録出願時及びそれ以降も継続している。 (3)他の考慮事由について ア 本件商標の文字部分と、引用商標は、いずれも「CK」の文字を通常の書体で表したものである。 イ 本件商標の指定商品には、一般家庭で用いられる商品が含まれ、その需要者は、一般消費者である。他方、引用商標の使用に係る商品は、ファッション関連の商品であって、その需要者は、一般消費者である。 したがって、本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品は、需要者を共通とし、関連性が高いものである。 (4)混同を生ずるおそれ 本件商標は、カルバン・クラインの業務に係るアパレル、化粧品、香水、時計、ジュエリー等を表示するものとして著名な「CK」の文字を有するものであるから、これを指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、カルバン・クラインを連想、想起し、該商品がカルバン・クラインと経済的・組織的に何らかの関係を有する者であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知著名性について ア 申立人の提出に係る証拠及び申立人の主張によれば、以下のとおりである。 (ア)デザイナーのカルバン・クライン(Calvin Klein)は、アメリカで同名のブランドを立ち上げ、1968年にアパレル会社を創立、1992年にセカンドライン「シーケーカルバン・クライン」を発表した(甲3、申立人の主張)。 (イ)「ck カルバン・クライン」、「ck Calvin Klein」の文字、「ck be」等の「ck」の文字を含む標章、「カルバンクライン CKワン」、「カルバン・クライン CK-be」等の「CK」の文字を含む標章が、オードトワレ、財布等の商品に使用されている(甲4、5、7、8)。 (ウ)カルバン・クラインの店舗一覧や店舗案内において、「ck カルバン・クライン」や「ck Calvin Klein」の文字が表示されている(甲9?12)。 (エ)繊研新聞の記事において、見出しに「CK」の記載、当該記事中に「『カルバン・クライン』(CK)」の記載があり、また、繊維ニュースの記事において、記事中に「カルバン・クライン(CK)」の記載がある(甲16)。 イ 前記アによれば、ブランド「カルバン・クライン(Calvin Klein)」に係るオードトワレ、財布等の商品について、引用商標又は「ck」の文字が、他の文字、特に「Calvin Klein」、「カルバン・クライン」と組み合わせて使用されていることを認めることができる。 他方、引用商標又は「ck」の文字が、単独で使用されている例は、視認し得る限り確認することができない。なお、繊研新聞の記事において、見出しに「CK」の記載があるものの、これも、記事中に「『カルバン・クライン』(CK)」の記載をした上で、見出しにおいてこれを端的に記載したにすぎないものとみるのが相当である。 加えて、引用商標についての使用開始時期や引用商標が使用された商品についての売上高、市場シェアなどの販売実績並びに引用商標に係る広告宣伝の費用、方法、回数及び期間などについては、その事実を量的に把握することができる証拠は何ら提出されていない。 そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。また、「ck」の文字についてみても、上記のとおり引用商標が広く認識されていると認めることができないことと同様に、我が国の取引者、需要者において広く認識されているものと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 本件商標 本件商標は、別掲のとおり、図形と「CK」の欧文字との組み合わせからなるものである。 そして、構成中の「CK」の文字についてみるに、該文字は、我が国において特定の意味合いを有する語として親しまれたものとはいえず、また、一般に、欧文字2字からなる標章が商品の品番、型番、等級等を表示するための記号、符号として類型的に取引上普通に採択されているものであることからすれば、上記文字部分はむしろ、それ単独では極めて簡単で、かつ、ありふれた標章というべき部分であるから、該文字部分よりは、出所識別標識としての称呼及び観念を生じないというのが相当である。 また、構成中の図形部分は、直ちに特定の事物を表したものとして認識されるというべき事情は認められないから、特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。 以上からすると、本件商標は、構成中の「CK」の文字部分が独立して自他商品識別標識として把握されるものではなく、また、特定の称呼及び観念は生じないものである。 イ 引用商標 引用商標は、「CK」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、特段の事情がない限り、前記アと同様の理由から、出所識別標識としての称呼及び観念を生じないというのが相当である。 そして、前記(1)イのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないことからすれば、引用商標に係る事情を踏まえても、これより出所識別標識としての称呼及び観念は生じないといわざるを得ない。 ウ 混同を生ずるおそれについて 前記(1)イのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないことに加え、これを構成する文字は、書体に特徴のない欧文字2字であるから、その独創性も認められないものである。 また、本件商標と引用商標を比較するに、図形の有無において顕著に相違するものであって、両者において共通するのは、前述のとおり把握、認識されるにすぎない「CK」の文字のみであるから、両商標の類似性の程度は極めて低いものといわなければならない。 加えて、本件商標の指定商品は、台所用品、日用品、清掃用具及び便器に類するような商品であるのに対し、引用商標が使用される商品は、ファッション関連の商品であることから、それらの性質、用途又は目的における関連性の程度は低く、需要者について一般の消費者であるとの共通性があるとはいえるとしても、それ以上の共通性はなく、取引者の共通性も見いだせない。なお、それら共通性を立証する証拠や取引の実情に係る証拠の提出はない。 以上からすると、本件商標をその指定商品について使用した場合に、これに接する取引者、需要者は申立人を連想、想起するようなことはないというべきであるから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、その取引者、需要者をして、該商品が申立人又は同人と業務上何らかの関係を有する者の取扱業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認めることはできない。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(本件商標) |
異議決定日 | 2019-08-09 |
出願番号 | 商願2018-21617(T2018-21617) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W1621)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 泉田 智宏 |
特許庁審判長 |
木村 一弘 |
特許庁審判官 |
山田 啓之 板谷 玲子 |
登録日 | 2018-11-30 |
登録番号 | 商標登録第6102531号(T6102531) |
権利者 | クレシア春日株式会社 |
商標の称呼 | シイケイ |
代理人 | 坂上 正明 |
代理人 | 鈴木 昇 |
代理人 | 岡田 稔 |
代理人 | 曾我 道治 |
代理人 | 大塚 明博 |