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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1354353 
異議申立番号 異議2018-900142 
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-09-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-06-04 
確定日 2019-08-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6034615号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6034615号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6034615号商標(以下「本件商標」という。)は、「天の希」の文字を標準文字で表してなり、平成30年1月18日に登録出願、第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年3月8日に登録査定、同年4月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3248875号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:天
登録出願日:平成5年11月26日
設定登録日:平成9年1月31日
指定商品 :第33類「日本酒」
(2)登録第5145983号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:天(標準文字)
登録出願日:平成19年12月12日
設定登録日:平成20年6月27日
指定商品 :第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」
(3)登録第5145984号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:平成19年12月12日
設定登録日:平成20年6月27日
指定商品 :第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」
(4)登録第5402493号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成22年8月4日
設定登録日:平成23年4月1日
指定商品 :第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」
(5)登録第5920979号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:希(標準文字)
登録出願日:平成28年7月29日
設定登録日:平成29年2月10日
指定商品 :第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,にごり酒,濁酒,柳陰,マッコリ,ソジュ,発泡性清酒,発泡性焼酎,発泡性濁酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒,アルコール飲料(ビールを除く。)」
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第62号証を提出した。
(1)引用商標1ないし引用商標4の著名性
引用商標1ないし引用商標4の「天」商標は、提出する甲第7号証ないし甲第62号証に示すとおり、申立人の100%出資に係る子会社、宝酒造株式会社(以下「宝酒造」という。)により、商品「清酒」について、2003年9月の販売開始より現在に至るまで、継続して盛大に使用されており、本件商標の登録出願前には既に、同社の商標として広く知られるに至っていたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成中、「天」の文字部分は、宝酒造の商品「清酒」の商標として、取引者、需要者において周知、著名なものであって、「の」の文字部分は、格助詞であって独立して自他商品の識別標識たり得るものではなく、また、「希」の文字は、指定商品の酒類の品質等とは関連性のない語であって、識別力を有する語である。
そして、本件商標は、全体として特定の意味合いは見いだせず、構成全体を常に一体不可分のものとしてみなければならない特段の事情は存しないから、その結合の程度は強いとはいえない。
そうとすると、本件商標は、周知・著名商標「天」との結合商標であって、語頭部の「天」の部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与える商標の要部であるといえるから、判決(つつみのおひなっこや事件)及び審査基準による結合商標類否判断の考え方に照らしてみても、本件商標は、「天」の部分を要部抽出した分離観察が妥当である。
また、酒類(本件商標の指定商品)を含む加工食品の取引業界の実情をみても、ハウスマーク、カテゴリーブランド、個別商品ブランド等が併記、併用されて、上位ブランドの下で複数の下位ブランドの商品がシリーズ展開されることは広く行われており、それぞれの部分が商品の出所識別標識として機能している実情があることは、周知の事実である。
本件商標にあっては、その構成中「天」の文字は、宝酒造の周知・著名商標であって、メインブランドとして独立して把握されるといえ、「希」の文字は、あたかも「天」の上位ブランドの下で展開される下位ブランドのごとく印象付けられるから、この部分もまた、独立して出所識別標識としての機能を果たすとみるのが妥当である。
したがって、本件商標は、「天」の文字部分から、これに相応した「テン」の称呼及び観念を生じるとともに、「希」の文字部分から、これに相応した「キ」の称呼及び観念を生じる。
他方、引用商標1ないし引用商標4は、「天」の文字よりなるか、「天」の文字が顕著に表された構成よりなるから、構成文字に相応して、「テン」の称呼及び観念を生じることは明らかである。
また、引用商標5は、「希」の文字よりなるから、これに相応した「キ」の称呼及び観念を生じることは明らかである。
してみれば、本件商標は、引用商標1ないし引用商標4と、「テン」の称呼及び観念と「天」の構成文字を共通にし、また、引用商標5とも、「キ」の称呼及び観念と「希」の構成文字を共通にするものであって、これらと出所混同のおそれのある類似の商標といわざるを得ない。
かつ、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一または類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標1ないし引用商標4の「天」商標は、宝酒造により、その業務に係る商品「清酒」について、継続して盛大に使用された結果、本件の登録出願前には既に、取引者、需要者において広く認識されるに至っていたものである。
そして、上記のとおり、酒類業界において、ハウスマーク、カテゴリーブランド、個別商品ブランドが併記、併用されて、上位ブランドの下で複数の下位ブランドの商品がシリーズ展開されることは広く行われているところ、宝酒造の商品「天」は、現に、通常品のみならず、複数の商品シリーズを擁しブランド展開を行っている。
かつ、引用商標5の「希」商標も、申立人の保有する登録商標である。
そうとすれば、「天」と「希」の文字を含む本件商標が、その指定商品について使用された場合、これに接する取引者、需要者は、強い識別力を有する「天」の部分に着目して、「周知、著名な清酒ブランドの『天』のシリーズ商品の一つに位置付けられる個別商品ブランドの『希』」と把握し、当該商品があたかも、宝酒造の業務に係る商品であるかのごとく誤認して取引に当たる蓋然性が極めて高く、商品の出所につき混同を生じるおそれがあるといわざるを得ない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
申立人は、その業務に係る商標として引用商標1ないし引用商標4を「天」商標と称し申立人の周知・著名商標であると主張しているが、以下では、引用商標3に「松竹梅」及び「てん」の文字を加えた商標(別掲3、色彩等は異なるが、実質的に同一の構成よりなるものを含む。以下「使用商標」という。)についても、検討し、判断する。
(1)引用商標1ないし引用商標4及び使用商標の周知・著名性について
ア 申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(ア)申立人の100%出資に係る子会社である宝酒造は、「松竹梅 天」と称する「清酒」(以下「申立人商品」という。)について、2003年9月には紙パック、2011年にはエコパウチのものを販売開始した(甲8、甲9、甲26)。
そして、使用商標は、申立人商品のパッケージに付して使用されており、同様に商品カタログ、テレビ及びインターネットにおける広告等についても現在まで継続して使用されている(甲7?甲38)。
(イ)2007年度下半期から2017年度上半期までの注目カテゴリーランキング(甲49?甲59)には、日本酒のカテゴリー内売上シェアトップ20の中に「松竹梅 天パック 2L 宝酒造」が3位に位置している。また、2014年2月26日の「SankeiBiz」のウェブサイト(甲62)には「日本酒(紙パック)の13年12月?14年1月購入理由?日本酒のブランド別ランキングトップは『月桂冠つき』」の見出しの下、「・・・5位は『宝酒造 松竹梅 天』・・・」の記載がある。
(ウ)申立人商品の販売数量は、平成15年度から平成19年度にかけて、約350万本(約7000kl)から約750万本(約15000kl)へと漸増したが、その後、平成29年度までの間は約800万本(約16000kl)前後で推移し(甲39)、また、販売金額も、平成15年度から平成19年度にかけて、約34億円から約74億円へと漸増したが、その後、平成29年度までの間は約80億円前後で推移している(甲40)。
(エ)2003年度以降、申立人商品の広告、宣伝には俳優を起用し、テレビCMの放送、インターネットの動画配信、プレゼントキャンペーンを行い、新聞や雑誌にも掲載された(甲42?甲45、甲48)。
イ 以上によれば、申立人商品は、紙パックの「清酒」として2003年9月に販売を開始して以降、使用商標がパッケージに付して使用され、また、テレビ及びインターネット等の媒体を介し継続して使用されており、さらに、2007年度から約10年間の日本酒のカテゴリー内売上シェアにおいて高い順位に位置することやその販売数量及び販売金額などを併せみると、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は宝酒造の業務に係る商品「清酒」を表示するものとして、その商品の需要者の間である程度知られているものといえる。
一方、申立人の提出に係る証拠によれば、「天」の文字のみからなる引用商標1及び引用商標2が使用されている例はごくわずかであり、また、引用商標3、引用商標4のみで使用されている例は確認できないものであり、申立人商品のパッケージや広告宣伝においては、常に、使用商標と同様「松竹梅」の文字とともに使用されているものであるから、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は宝酒造の業務に係る商品「清酒」を表示するものとして、その商品の需要者の間である程度知られているとしても、申立人の提出に係る証拠からは、引用商標1ないし4は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は宝酒造の業務に係る商品「清酒」を表示するものとして、その商品の需要者の間に広く認識されていたということはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「天の希」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、同書、同大、等間隔でまとまりよく表されており、いずれかの文字が独立して着目されるものではない。
そして、本件商標の構成文字全体から生じる「テンノキ」の称呼は、格別冗長というべきものではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。
さらに、本件商標は、辞書等に掲載のないものであって、我が国において、親しまれた語ともいえないことから、これに接する需要者は、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語を表したものと理解するというのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成全体をもって、一体不可分の商標としてみるべきであり、本件商標は、その構成文字に相応して、「テンノキ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
なお、申立人は、本件商標の構成中「天」の文字は、宝酒造の周知・著名商標であって、メインブランドとして独立して把握され、「希」の文字は、あたかも「天」の上位ブランドの下で展開される下位ブランドのごとく印象付けられるから、それぞれが独立して出所識別標識としての機能を果たすとみるのが妥当である旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、「天」の文字のみが宝酒造の周知・著名商標であるということはできず、また「希」の文字が「天」の下位ブランドとして印象付けられるとする主張を裏付ける証拠の提出もない。さらに、上記アのとおり、本件商標は一連の造語を表したものであって一体不可分の商標としてみるべきであるから、本件商標の構成中の「天」及び「希」の文字部分がそれぞれ独立して出所識別標識としての機能を果たすとはいえない。
よって、申立人の上記主張は採用できない。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1及び引用商標2は「天」の文字からなるところ、これよりは、「テン」の称呼を生じ、「そら」の観念を生じるものである。
(イ)引用商標3は別掲1のとおり、赤色の縦長四角形の内側に白抜きで「天」の文字を模したと思しきいびつな円と線の組合わせと雲状の模様を描いた図形からなり、全体としてまとまりのある一つの図形として認識し、把握されるとみるのが相当であるから、特定の称呼及び観念は生じない。
(ウ)引用商標4は、別掲2のとおりの構成からなり、引用商標3と同一の図形と「てん」の文字との結合商標であるところ、これよりは、「テン」の称呼を生じ、その構成全体として特定の観念を生じないものである。
(エ)引用商標5は「希」の文字からなるところ、これよりは、「キ」の称呼を生じ、「のぞみ」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
(ア)外観について
上記ア及びイのとおり、本件商標と引用商標とは、外観において、明らかな差異を有するものであるから、本件商標と引用商標とは、外観上相紛れるおそれのないものである。
(イ)称呼について
本件商標からは、上記アのとおり、「テンノキ」の称呼を生じるのに対し、上記イのとおり、引用商標1、引用商標2及び引用商標4からは、「テン」の称呼を生じ、また、引用商標5からは、「キ」の称呼を生じるものであり、さらに、引用商標3からは、特定の称呼を生じないものである。
そして、本件商標から生じる「テンノキ」の称呼と、引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5から生じる「テン」又は「キ」の称呼とは、音構成及び構成音数において明らかな差異を有することから、称呼上、相紛れるおそれのないものであり、また、本件商標と引用商標3とは、称呼において相紛れるおそれはない。
(ウ)観念について
上記ア及びイのとおり、本件商標、引用商標3及び引用商標4からは特定の観念は生じないものであるから、観念において比較できないものである。
また、本願商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標1及び引用商標2は「そら」、引用商標5は「のぞみ」の観念を生じるものであるから、本願商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標5は、観念上、相紛れるおそれはない。
(エ)以上のとおり、本件商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標5とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり、また、本件商標と引用商標3及び引用商標4とは、観念において比較できないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないことが明らかなものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両商標は、非類似の商標というのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標とは、非類似の商標というべきものである。
エ 小括
上記アないしウによれば、本件商標は、引用商標と非類似の商標であり、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標1ないし引用商標4は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は宝酒造の業務に係る商品(清酒)を表示するものとして、その商品の需要者の間に広く認識されていたということはできないものである。
そして、本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、非類似の商標であって、その類似性は低いものである。
また、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は宝酒造の業務に係る商品「清酒」を表示するものとして、その商品の需要者の間である程度知られているものであるとしても、別掲3のとおり、図形と「松竹梅」及び「てん」の文字を有する商標からなり、「ショウチクバイ」及び「テン」の称呼を生じ、使用商標全体としては特定の観念を生じないものであるから、本件商標とは、観念において比較することができないものであるとしても、外観において明らかな差異を有するものであり、称呼において相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合勘案すれば、両商標は非類似の商標であって、その類似性も低いものである。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者に申立人又は宝酒造の使用に係る引用商標又は使用商標を連想、想起させることはなく、その商品が申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標3)(色彩は、原本を参照。)


別掲2(引用商標4)(色彩は、原本を参照。)


別掲3(使用商標)(色彩は、原本を参照。)






異議決定日 2019-07-26 
出願番号 商願2018-12698(T2018-12698) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W33)
T 1 651・ 263- Y (W33)
T 1 651・ 271- Y (W33)
T 1 651・ 262- Y (W33)
最終処分 維持 
前審関与審査官 小林 正和 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 小田 昌子
小松 里美
登録日 2018-04-13 
登録番号 商標登録第6034615号(T6034615) 
権利者 富岡町商工会
商標の称呼 テンノキ 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 
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