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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W30
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W30
管理番号 1354171 
審判番号 不服2018-8514 
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-20 
確定日 2019-07-18 
事件の表示 商願2016-129809拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「九州パンケーキ」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成28年11月4日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同30年6月20日付け及び同31年4月16日付け手続補正書により、第30類「九州産穀物を用いたパンケーキのもと」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標の構成中、『九州』の文字は『福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の7県の総称』の意味を、『パンケーキ』の文字は『小麦粉・卵・牛乳などを混ぜ合わせ、フライパンで円形に焼いた菓子。』の意味をそれぞれ有するところ、特定の地で生産された原材料を使用した商品を表示する際、当該地名とその商品の名称とを組み合わせた文字が使用されている事実があることから、本願商標は、その指定商品との関係において、『九州産の原材料を使用したパンケーキ』程度の意味合いを容易に認識させるものである。そうすると、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、本願商標は、その構成中に『パンケーキ』の文字を含むため、本願に係る指定商品中の『九州産穀物を用いたパンケーキのもと,九州産穀物を用いたパンケーキ用の食用粉類,九州産穀物を用いたパンケーキ,九州産穀物を用いたパンケーキ用のベーキングパウダー,九州産穀物を用いたパンケーキ用のイーストパウダー』以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。さらに、出願人は、本願商標は、使用の結果、需要者が何人かの業務にかかる商標であることを認識することができるに至ったものであるから、登録されるべきである旨主張し、証拠を提出しているが、提出された証拠によっては、本願商標が使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至っているとはいえない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋
当審において、審判長は、請求人に対し、平成31年2月1日付けで、請求人の提出した証拠によっては、本願商標は、その指定商品に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったとは認められない旨の見解を示し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。

第4 審尋に対する請求人の回答
上記第3の審尋に対し、請求人は、平成31年4月16日付け回答書を提出し、要旨以下のように主張した。
1 2012年12月から本願商標を本願の指定商品に使用した結果、出荷数が100万袋を越し、売り上げも2億円を超すまでに至った。
2 審判請求書に記載した3件のテレビ番組以外にも、11のテレビ番組において、本願商標を使用した商品が紹介されている。
3 審判請求書に記載した広告方法のほか、2013年1月から現在に至るまで、宮崎日日新聞のTV欄広告を週1回掲載している。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第16号該当性について
本願の指定商品について、前記第1のとおり補正された結果、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはなくなった。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
2 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記第1のとおり、「九州パンケーキ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「九州」の文字は、「現在は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の七県の総称。」の意味を有する語として、「パンケーキ」の文字は、「小麦粉・卵・牛乳などを混ぜ合わせ、フライパンで円形に焼いた菓子。ホットケーキ。」の意味を有する語として(いずれも「広辞苑第七版」(株式会社岩波書店)から引用。)、それぞれ親しまれているものである。
そして、本願の指定商品を含む食品を取り扱う業界において、別掲のとおり、特定の地で生産された原材料を使用した食品について、当該地名と商品名とを結合した文字が使用されている事実が認められることから、本願商標は、全体として「九州産の原材料を使用したパンケーキ」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質を表示したものと理解し、認識するにとどまるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて
請求人は、本願商標を継続して使用した結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識するに至った商標であるから、本願商標は商標法第3条第2項の規定により商標登録を受けることができるものである旨主張し、その証拠方法として、甲第1号証ないし甲第60号証(甲第32号証は欠番である。)を提出している。
そこで、請求人の提出に係る甲各号証について、以下検討する。
(1)本願商標と使用する商標との同一性について
本願商標は、前記第1のとおり、「九州パンケーキ」の文字を標準文字で表してなるものである。
他方、請求人の使用する商標は、「九州パンケーキ」の文字を一般的に用いられる書体で表してなるものであり、需要者の注意をひく特徴を有せず、本願商標の書体とも近似しているものである(甲1?甲4、甲14、甲15、甲17、甲21、甲28、甲36、甲44?甲47)から、本願商標と請求人の使用する商標とは外観において同一性を有するといえる。
(2)商標の使用状況について
ア 使用開始時期及び使用期間
請求人は、2012年12月に、本願の指定商品である「九州産穀物を用いたパンケーキのもと」に本願商標を使用したパンケーキミックス(以下「請求人商品」という。)の販売を開始し(甲1、甲10、甲16、甲17)、以来、約6年半の間、請求人商品を継続的に販売していることがうかがえる(甲10、甲30、甲31)。
イ 使用地域
請求人商品は、博多、熊本、宮崎に所在するオフィシャルショップのほか、オンラインショップ等を通じて、全国で販売されていることがうかがえる(甲28)。
なお、請求人は、請求人商品を出荷しているとする事業者の名称及び住所を一覧にした「得意先リストの写し」(甲29)及び2017年6月1日から2018年6月30日の期間において請求人商品を出荷した「得意先別売上明細表」(甲48、甲50?甲60)を提出しているが、当該リスト及び明細表には、百貨店やスーパーマーケットのほか、カフェ、雑貨店、書店等が掲載されており、これらの事業者が請求人商品を販売しているのか、請求人商品を材料としてパンケーキを提供しているのか等の実態が明らかでなく、当該リスト及び明細表によっては、これらの事業者による請求人商品の需要者への販売状況の詳細は不明であるといわざるを得ない。
ウ 使用数量
請求人は、請求人商品の出荷量について、2013年は3.4万袋、2014年は26万袋、2015年は44万袋、2016年は69万袋であり、2017年には100万袋に到達する予定であるとしている(甲30)。
また、請求人事業(請求人商品の販売及び請求人商品を使ったスイーツ等の提供)の2015年の売上高は1億4,700万円である(甲10)ところ、請求人は、請求人商品の売上高について、2012年8月?2013年7月は8,400万円、2013年8月?2014年7月は6,600万円、2014年8月?2015年7月は1億1,000万円、2015年8月?2016年7月は2億円、2016年8月?2017年7月は1億6,500万円、2017年8月?2018年7月は1億6,100万円であると主張するが、その金額を客観的に裏付ける証左の提出はない上、同業他社の同様の商品に関する販売金額等が示されていないから、これらの数値を確認することはできず、また、その多寡について評価することができない。
エ 広告宣伝等の方法、期間、地域及び規模
請求人が、2015年3月20日の宮崎日日新聞に掲載したと推認される広告は、「『九州未来アワード大賞』 (有)一平は『九州未来アワード大賞』を受賞しました!」の見出しの下、請求人商品及びそれを材料として使用したと思われるパンケーキの写真が表示されていることが認められる(甲21)。
また、請求人は、2013年1月から現在に至るまで、宮崎日日新聞のTV欄広告を週1回掲載している旨主張するが、そのことを裏付ける証左は何ら提出されていない。
さらに、仮に上記広告が宮崎日日新聞に掲載されているとしても、当該新聞の販売エリアは主に宮崎県であり、広く全国各地において広告宣伝が行われたことを示す証拠とはいえない。
オ 第三者による紹介
(ア)新聞
請求人商品は、2013年1月以降、新聞において紹介されたことがあるが、その多くは、請求人が中国や台湾等にカフェを出店したこと、請求人が積極的に海外事業を展開している企業として表彰されたこと、商品比較の記述における対象商品の一として採り上げられているもの等であり、請求人商品に特化した内容とはなっていない(甲16、甲18?甲20、甲22?甲27、甲33?甲35、甲37、甲39?甲45)。
また、請求人商品に特化して紹介されている記事は、2013年1月1日発行とされる「食料新聞」(甲15)、2013年11月29日発行とされる「西日本新聞」(甲17)、2016年1月24日発行とされる「朝日新聞 宮崎版」(甲38)のみであり、その掲載回数は多いとはいえないことに加え、販売エリアが一部地域に限られている新聞も含まれることから、これらの記事によって、請求人商品が全国の需要者の注意を強く惹くということはできない。
(イ)雑誌
請求人商品は、2014年5月以降、雑誌において紹介されているものの、これらの記事は、2014年に3回、2015年に2回、2016年に4回と、その掲載回数は多いとはいえないものであり、内容については、ほとんどにおいて、他社の商品とともに紹介されるにとどまるものであるから、これらの記事によって、請求人商品が全国の需要者の注意を強く惹くということはできない(甲5?甲12、甲46)。
(ウ)テレビ
請求人は、テレビ東京の番組「カンブリア宮殿」(2016年6月2日放送)において、請求人商品が紹介された旨を主張し、その映像の一部の画像を提出しているが(甲13、甲14)、これらの画像からは、請求人商品が、当該番組においてどのように紹介されたのかは確認できない。
また、請求人ホームページには、日本テレビの番組である「日経プラス10」(2016年4月23日放送)及び「メレンゲの気持ち」(2018年4月7日放送)において、請求人商品が紹介された旨の記載がある(甲47)が、これらの番組において、請求人商品がどのように紹介されたのかは確認できない。
さらに、請求人は、上記3件の番組以外にも、2013年以降、11のテレビ番組において、本願商標を使用した商品が紹介されている旨主張するが、そのことを裏付ける証左は何ら提出されていない。
(3)小括
上記(1)及び(2)によれば、請求人は、請求人商品を、オンラインショップ等を通じて、約6年半の間、全国で販売していることがうかがえるものの、請求人の提出する証拠からは、請求人商品の出荷数、売上高や市場シェアを客観的に把握することができないことに加え、広告宣伝の程度についても、本願商標の識別性に直ちに影響を与えるものとはいい難い。また、テレビ番組において紹介されたとしても、どのような内容で請求人商品が紹介されたのかは確認できず、さらに、新聞、雑誌における請求人商品の紹介記事についても、その数は少ないものである。
そうすると、請求人の提出する証拠によっては、本願商標が、全国の需要者の間で、請求人の出所表示として周知になっているとまでは認めることはできない。
したがって、本願商標は、その指定商品である「九州産穀物を用いたパンケーキのもと」について使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものとはいえないから、商標法第3条第2項の要件を具備するものではない。
4 請求人の主張について
請求人は、インターネット検索サイトにおいて、「九州パンケーキ」の文字を検索すると、本願商標を使用した請求人商品を、請求人又は第三者が紹介したサイトが表示されることから、インターネットにおいても、本願商標が請求人の出所表示として機能しており、本願商標を請求人が独占的に使用しても、競業者や取引者、需要者等の第三者に不測の不利益を及ぼすおそれはない旨主張する。
しかしながら、請求人の主張を裏付ける証左は何ら提出されていないことから、その検索結果の詳細を把握することができない上、請求人が本願商標を独占的に使用しても、第三者に不測の不利益を及ぼすおそれはないからといって、本願商標が登録されなければならないとする根拠とはなり得ない。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
5 むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、かつ、同条第2項に規定する要件を具備するものとも認められないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 原審において示した用例
(1)「株式会社白亜ダイシン」のウェブサイトにおいて、「北海道パンケーキミックス 北海道産の小麦粉・バターミルク・砂糖を使用」「もっちり、ふんわり、オール北海道仕立て。卵と牛乳を混ぜ、フライパンで焼くだけで甘い香りのふわふわパンケーキのできあがり。このふっくらとした焼き上がりとモチモチ食感のヒミツは、厳選された北海道の素材にあります。1日に生産できる量は決して多くはありませんが、これも素材にこだわるゆえです。」の記載がある。
(http://www.northfarmstock.com/products/sweets/pancakemix/)
(2)「鹿沼カントリー倶楽部」のウェブサイトにおいて、「5月・6月キャンペーン栃木ベイクドチーズケーキ キャンペーン特別価格850円 通常価格1,080円 栃木のおいしい牛乳を使用して作られた濃厚なベイクドチーズケーキです。あま?い香りが広がる、この時期にピッタリなスイーツです。常温でお持ち帰りができます。」の記載がある。
(http://www.kcc45.jp/shop/)


審理終結日 2019-05-14 
結審通知日 2019-05-21 
審決日 2019-06-03 
出願番号 商願2016-129809(T2016-129809) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W30)
T 1 8・ 17- Z (W30)
T 1 8・ 272- Z (W30)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 駒井 芳子太野垣 卓 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 石塚 利恵
中束 としえ
商標の称呼 キューシューパンケーキ 
代理人 小木 智彦 
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