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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1353384 
異議申立番号 異議2019-900032 
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-08-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-01-28 
確定日 2019-07-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第6095119号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6095119号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6095119号商標(以下「本件商標」という。)は,「MACOM L-PIC」の文字を標準文字で表してなり,2017年(平成29年)10月9日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成30年3月30日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同年10月11日に登録査定され,同年11月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4562696号商標(以下「引用商標」という。)は,「PIC」の文字を標準文字で表してなり,平成9年7月8日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同14年4月19日に設定登録され,その後,商標登録の取消し審判により,指定商品中「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具」について取り消すべき旨の審決がされ,同29年3月9日にその確定審決がされたものであり,その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号,同項第11号及び同項第15号に該当し,その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第33号証を提出した。
なお,申立人は,登録異議申立書について補正できる期間(理由補充期間)経過後に,上申書をもって甲第34号証ないし甲第44号証を提出した。
(1)商標の類否
ア 本件商標について
本件商標は,標準文字にて「MACOM L-PIC」と書してなり,「MACOM」と「L-PIC」の文字の間にスペースを有するので,「MACOM」と「L-PIC」の文字をそれぞれ分離して認識される。さらに,本件商標の権利者の名称が「メイコム テクノロジー ソリューションズ ホールディングス インコーポレイテッド」であり,本件商標中の「MACOM」の文字部分が権利者の名称を指称することは明らかである。
よって,本件商標に接した需要者,取引者は,メイコム社(MACOM)の販売する「L-PIC」という名称の商品と認識するので,本件商標から「L-PIC」の文字部分が分離して認識される。
イ 「L-PIC」部分と引用商標の類否判断
上記のとおり,本件商標から「L-PIC」の文字部分が分離して認識されるので,「L-PIC」の文字部分と引用商標の類否を判断する。「L-PIC」の文字部分は,識別力の極めて弱いアルファベットの1文字の「L」を,ハイフンで「PIC」の文字と繋いでいるにすぎないので,「PIC」の文字部分が要部として認識される。よって,本件商標の「L-PIC」の文字部分と引用商標は類似する。
なお,本件商標の権利者が過去に出願した商標「L-PIC」(商願2016-49549)が,引用商標と類似しているとして拒絶されていることからも,このことは明らかである。
ウ 本件商標と引用商標の類否判断
本件商標の「L-PIC」の文字部分と引用商標は類似しているので,本件商標は「PIC」の文字部分以外にも「MACOM」や「L-」の文字要素が含まれているものの,本件商標を使用した場合に引用商標と出所混同のおそれがあるので,本件商標は全体として引用商標と類似する。
(2)商品・役務の類否
本件商標の指定商品中「電子応用機械器具及びその部品並びに附属品,光集積回路用のレーザー光発生装置(医療用のものを除く。),レーザーダイオード,レーザーダイオードモジュール,フォトダイオード,フォトダイオードモジュール,発光ダイオード,発光ダイオードモジュール,集積回路用ウェハー,光電子集積回路,マルチプレクサ,光学センサー,エンコーダ」は,引用商標の指定商品と同一又は類似する。
よって,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似する。
(3)商標法第4条第1項第11号の該当性
以上より,本件商標は引用商標と類似し,かつ,本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似するので,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)引用商標の著名性
引用商標は,日本において,長年,申立人のマイクロコントローラ(制御用IC)の製品群の名称として広く使用されている。申立人は,1992年(平成4年)から引用商標の日本での使用を開始し,1994年(平成6年)に日本法人である「マイクロチップ・テクノロジー・ジャパン株式会社」を設立し(甲3),現在まで「PIC」と付した名称の商品を継続して販売している。現在においても,申立人は,日本法人もしくはOEM生産を通じて,引用商標に関連する多数の商品を大規模に販売している(甲4?甲30)。
また,インターネット百科事典「ウィキペディア」(甲31),第三者のウェブサイト(甲32,甲33)において,引用商標「PIC」が申立人のマイクロコントローラ(制御用IC)の名称である旨が紹介されている。
上記のような状況から,引用商標は,日本国内の需要者間において広く認識されており,主にマイクロコントローラの名称として著名性を獲得していることは明らかである。
(5)商標法第4条第1項第10号の該当性
上記(1)で述べたとおり,本件商標は引用商標と類似する。また,引用商標は主にマイクロコントローラに係る商品を表示するものとして広く認識されており,さらに,本件商標は「マイクロコントローラ」と類似する「電子応用機械器具及びその部品並びに附属品」などの商品を指定商品としているので,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(6)商標法第4条第1項第15号の該当性
引用商標は,マイクロコントローラの名称として,日本国内において高い著名性を有している。また,申立人は,マイクロコントローラのハウスマークのように引用商標を使用しており,引用商標を単独で使用しているというよりも,「PIC24F」「PIC32」「dsPIC30」などのように,「PIC」の文字に数字や欧文字などを組み合わせて使用している。また,申立人は,マイクロコントローラに引用商標を使用しているだけではなく,それに関連した周辺機器や内蔵した機器にまで引用商標を使用している。よって,本件商標は,ハイフンで区切って,「PIC」の文字が分離する構成で記載されており,かつ,「マイクロコントローラ」に関連する,又は関連しうる商品を指定商品としているので,本件商標をその指定商品に使用したときに,これに接した取引者,需要者は,著名商標である引用商標を連想,想起して,当該商品が申立人又は同人との間に緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある者の業務に係る商品であると誤信するおそれがある。
また,本件商標に係る指定商品には,「マイクロコントローラ」も含まれているので,申立人の商標として広く認識されている「PIC」の文字を含む本件商標をその指定商品に使用した場合には,引用商標に化体した著名性にただ乗り(フリーライド)していることは明らかであり,また,引用商標の希釈化も引き起こす。
よって,本件商標は,申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるので,商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 事実認定
申立人提出の甲各号証,同人の主張及び職権調査(インターネット情報,新聞記事情報など)によれば,次の事実を認めることができる。
(ア)申立人は,「マイクロコントローラ(制御用IC)」などを製造・販売する法人であり,1994年(平成6年)に日本法人「マイクロチップ・テクノロジー・ジャパン株式会社」を設立した(甲3,甲31?甲33)。
(イ)申立人が製造・販売する「マイクロコントローラ(制御用IC)」には引用商標「PIC」が使用されている(甲3?甲14,甲31)。
(ウ)引用商標「PIC」が使用されている「マイクロコントローラ(制御用IC)」(以下「申立人商品」という。)は,我が国において,遅くとも日本法人が設立された平成6年頃から現在まで継続して販売されていると推認できる(甲3,甲11,甲28,職権調査)。
(エ)しかしながら,申立人商品の我が国における売上高,販売数,市場シェアなど販売実績を示す証拠は見いだせない。
イ 判断
上記アのとおり,申立人商品は,我が国において遅くとも平成6年から現在まで継続して販売されていることが推認できる。
しかしながら,申立人商品の販売実績を示す証拠は見いだせないから,申立人商品は,需要者の間で広く認識されているものと認めることはできない。
そうすると,申立人商品に使用されている引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
ウ 申立人の主張等について
(ア)申立人は,我が国における販売実績を示すものとして「販売数量リスト」を提出し(甲29,甲30),追加の販売数量リストも提出可能である旨述べているが,当該リストは,誰が,いつ,どのような方法で作成したものであるか明らかでなく,その内容についての客観性及び信ぴょう性に乏しいものといわざるを得ないから,追加の販売数量リストの提出は求めるまでもなく,当該リストの内容のみから申立人商品の販売実績を認定し,それを引用商標の周知性を判断する根拠とすることはできない。
(イ)理由補充期間経過後に提出した証拠(甲35?甲44)は,雑誌に掲載された申立人商品の広告(甲35?甲42),及び申立人が参加した展示会の写真(甲43,甲44)とされるものであるが,前者の広告回数は年に1回ないし3回程度であり,後者は展示会の時期,会場,規模などが確認できないものである。
(ウ)したがって,上記(ア)及び(イ)の申立人の主張及び証拠を考慮しても,上記イの判断を覆すことはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,上記1のとおり,「MACOM L-PIC」の文字を標準文字で表してなるところ,「MACOM」の文字と「L-PIC」の文字との間には,スペースを有してなるものの,同じ書体,同じ大きさをもって,まとまりよく一体的に表されているものである。
また,その構成中の「MACOM」及び「L-PIC」の各文字は,いずれも辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,「MACOM L-PIC」の文字全体として特定の意味合いを想起させるものではなく,一種の造語として理解されるものである。
そして,特定の意味を有しない欧文字は,一般に,我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,本件商標は,それらの読みに倣って「マコムエルピック」又は「マコムエルピーアイシー」の称呼を生じるものであり,その称呼は,格別冗長というべきものでなく,よどみなく一連に称呼し得るものである。
さらに,本件商標は,その構成中の文字部分のいずれかが取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの,又は,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼及び観念が生じないと認めるに足る事情は見いだせないから,いずれかの文字を省略しなければならない特段の事情はない。
そうすると,本件商標は,その構成文字全体をもって,特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識,把握されるものというのが相当であり,その構成文字全体から,「マコムエルピック」又は「マコムエルピーアイシー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は,上記2のとおり,「PIC」の文字を標準文字で表してなるものであるところ,当該文字は,「写真,映画」を意味する語として辞書類に載録が認められるものの,我が国においてその意味が広く一般に知られている語とは認められないことから,一種の造語として理解されるものである。
そして,特定の意味を有しない欧文字は,一般に,我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,「PIC」の文字からなる引用商標は,それらの読みに倣って「ピック」又は「ピーアイシー」の称呼を生じるものである。
そうすると,引用商標は,「ピック」又は「ピーアイシー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標との類否について検討するに,本件商標と引用商標とは,外観においては,「PIC」のつづりが共通するとしても,その構成文字数が大きく異なり,スペース及びハイフンの有無という明らかな差異を有するものであることからすれば,両者は,視覚的な印象が著しく相違し,外観上,判然と区別し得るものである。
次に,称呼においては,本件商標から生じる「マコムエルピック」又は「マコムエルピーアイシー」の称呼と引用商標から生じる「ピック」又は「ピーアイシー」の称呼とは,それぞれの称呼の対比において,「マコムエル」の音の有無,「ピーアイシー」と「ピック」という明らかな音の差異を有するものであって,両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合,語調,語感を異にし,称呼上,明瞭に聴別し得るものである。
そして,観念においては,本件商標と引用商標は,特定の観念を生じないものであるから,両者は,観念上,比較することができないものである。
そうすると,本件商標と引用商標とは,観念においては比較することができないとしても,外観においては,両者の構成文字に目立った差異を有するものであって,その印象が著しく相違し,判然と区別し得るものであり,称呼においても明瞭に聴別し得るものであるから,これらを総合して全体的に考察すれば,本件商標は,引用商標と商品の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
エ 申立人の主張について
申立人は,引用商標が申立人の周知著名商標であること,本件商標の構成中にスペースを有すること,「MACOM」が商標権者の名称を指称するものであること,「L-PIC」は識別力の弱い欧文字1字「L」と「PIC」の文字をハイフンで繋いでいるにすぎないことなどを理由として,本件商標は,その構成中「PIC」の文字部分が要部であり,引用商標と類似する旨主張している。
しかしながら,上記(1)のとおり,引用商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,また,上記アのとおり,本件商標はその構成中の文字部分のいずれかが取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの,又は,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認めるに足る事情は見いだせないことから,本件商標は,その構成中「PIC」の文字部分が要部であるということはできない。
よって,申立人の上記主張は採用できない。
オ 小括
本件商標は,その指定商品中に引用商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれているとしても,上記ウのとおり,本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(1)のとおり,引用商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,上記(2)のとおり,本件商標と引用商標とは非類似の商標というべきものである。
そうすると,本件商標の指定商品中に引用商標が使用されている商品(申立人商品)と同一又は類似の商品が含まれているとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当するものといえない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)のとおり,引用商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,上記(2)のとおり,本件商標と引用商標とは非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。
そうすると,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品(申立人商品を含む。)が,同一又は類似の商品であるとしても,本件商標は,これに接する取引者,需要者が,引用商標を連想又は想起するものということはできない。
してみれば,本件商標は,商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他,本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-07-03 
出願番号 商願2018-40673(T2018-40673) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W09)
T 1 651・ 261- Y (W09)
T 1 651・ 263- Y (W09)
T 1 651・ 271- Y (W09)
T 1 651・ 25- Y (W09)
最終処分 維持 
前審関与審査官 安達 輝幸伊藤 文華 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 渡邉 あおい
平澤 芳行
登録日 2018-11-02 
登録番号 商標登録第6095119号(T6095119) 
権利者 メイコム テクノロジー ソリューションズ ホールディングス インコーポレイテッド
商標の称呼 マコムエルピック、マコム、エルピック、ピック、ピイアイシイ 
代理人 中村 稔 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 ▲吉▼田 和彦 
代理人 角谷 健郎 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 又市 義男 
代理人 松尾 和子 
代理人 藤倉 大作 
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