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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1351641 
異議申立番号 異議2018-900132 
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-05-31 
確定日 2019-05-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第6037481号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6037481号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6037481商標(以下「本件商標」という。)は、「ライオン屋」の文字を横書きしてなり、平成30年2月7日に登録出願、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,作業用安全ヘルメットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,高所作業者の墜落防止用安全帯の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,防護マスク及び防塵マスクの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告業,商品の販売促進又は役務の提供促進のためのクーポン若しくはポイントの発行・管理・清算,クーポン券及び割引などの特典付カードの発行,販売又は営業促進のための商品又はサービス交換用ポイントの管理及び清算,トレーディングスタンプの発行,フランチャイズ事業の運営及び管理,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,商品の売買契約の代理・媒介・仲介・取次ぎ・代行,商品の販売促進及び役務の提供促進に関する情報の提供,商品の販売促進又は役務の提供促進のための企画及び実行の代理,マーケティング,競売の運営,顧客管理・商品の仕入・配送に関する事務の代行・在庫管理の代行,通信販売の注文・受付・発注・配送に関する事務処理の代行,文書又は磁気テープのファイリング,広告場所の貸与,広告用具の貸与」を指定役務として、同年4月3日に登録査定、同月20日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議申立ての理由において引用する標章は、「ライオン屋」の文字からなり、申立人が「作業服等の現場作業者向け用品の小売」(以下「申立人役務」という。)について使用するものである。(以下「引用商標」という。)。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同第10号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであると申立て、要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標の権利者(以下「権利者」という。)は、申立人らから、いわば通常使用権を許諾されたにすぎない。それにも関わらず、権利者は、引用商標が商標登録がなされていないことを奇貨として、本件商標を商標登録出願した。
このような、本件商標を登録出願するに至る経緯から、本件商標の登録を許可することは、取引秩序の維持の観点から見て不適当である(甲1-2?甲1-5)。なお、本件商標の指定役務すべてについて、登録されるべきでない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標は、本件商標の登録出願前から、ある一地方において、申立人が申立人役務について使用するものとして周知である(甲6?甲12)。
本件商標は、引用商標と同一である。
また、本件商標の指定役務中「被服・履物・身の回り品・電気機械器具類・作業者用安全ヘルメット・高所作業の墜落防止用安全帯・防護マスク及び防塵マスク・かばん類及び袋物・手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」については、申立人役務に類似する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人提出に係る証拠及び同人の主張を総合すると、申立人は、「布帛製品、ゴム製品、樹脂加工品の売買」を目的とし、株式会社ライオン屋を「昭和39年2月18日」に設立し現在に至っている(甲1-2)。
そして、申立人は、納品書、請求書や店頭に「株式会社ライオン屋」の文字を表示し、また、申立人のウェブサイトには、「作業服・安全靴のライオン屋」の文字を表示している(甲6?甲9)。
しかしながら、これらの取引書類の使用時期及び店頭の写真の撮影日等が不明であって、これらの使用について、本件商標の登録出願日及び登録査定日前のものであるかは、特定できないものである。
また、申立人の売上高は、平成28年2月1日ないし同29年1月31日において、14億6千万円程であって(甲11)、申立人の作成に係る本件商標の登録査定後の売掛売上先一覧(甲6-1)からすると、申立人の取引先は、大阪府や兵庫県等の近畿地方が中心といえる。
以上からすると、申立人は、昭和39年頃から、申立人役務に引用商標を使用していることが推認されるとしても、申立人の業務に関する市場シェアが不明であって、申立人の売上高も多いものとはいい難く、提出された証拠をもって、引用商標の周知性の程度を推し量ることができない。
その他、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、周知性を獲得していたと認めるに足りる証拠も見いだすことはできない。
したがって、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く知られていたと認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標の類似性について
本件商標及び引用商標は、前記1及び2のとおり、「ライオン屋」の文字からなるものであるから、両商標は、同一又は類似の商標であること明らかである。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、同一又は類似の商標と認められるが、引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。
そうすると、本件商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第7号該当性について
商標法第4条第1項第7号は、商標それ自体が公の秩序又は善良な風俗を害する場合に、これに商標権を付与することは、「商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益の保護をすること」との商標法の目的に反することから、商標法所定の保護を与えないものとした規定である。もっとも、同号は、上記のような場合ばかりでなく、周知商標等を使用している者以外の者から登録出願がされたような場合においても、商標保護を目的とする商標法の精神に反するなどとの理由で、適用される事例もなくはない。
しかし、商標法は、出願に係る商標について、特定の利害を有する者が存在する場合には、それぞれ類型を分けて、商標法所定の保護を与えないものとしている(商標法第4条第1項第8号、第10号、第15号、第19号参照)ことに照らすと、周知商標等を使用している者以外の者から登録出願がされたような場合は、特段の事情のない限り、専ら当該各号の該当性の有無によって判断されるべきといえる。周知商標等を使用している者が、出願を怠っている場合や他者の出願を排除するための適切な措置を怠っていたような場合にまで、「公の秩序や善良な風俗を害する」ものとして、商標法第4条第1項第7号の適用があり得ると解するのは,妥当ではない(知財高裁平成23年(行ケ)第10104号同年10月24日判決参照)。
これを本件についてみると、以下のとおりである
申立人は、本件商標の商標権者が申立人らから、いわば通常使用権を許諾されたにすぎないにも関わらず、商標登録がなされていないことを奇貨として登録出願している経緯から、商標権者に登録を許可することは、取引秩序の維持の観点からみて不適当である旨主張している。
しかしながら、申立人は、昭和39年に会社を設立して以降、例えば引用商標について、自ら速やかに登録出願し、商標権の権利を取得する機会は十分にあったにも関わらず、出願を怠っており、また、契約等によって、他者からの登録出願について適切な措置を採ることができたにも関わらず、適切な措置をしなかったものであって、そのような商標に係る権利者と本来商標登録を受けるべきと主張する者との間の商標権の帰属等をめぐる問題は、あくまでも、当事者同士の私的な問題として解決すべきであるから、そのような場合にまで、「公の秩序や善良な風俗を害する」特段の事情がある例外的な場合と解するのは妥当でない。
また、申立人は、本件商標の権利者と商標権に基づいた通常使用権の使用許諾をしたものではないから、申立人のかかる主張は、採用できない。
そうすると、本件商標について、その登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠くものがあるということはできないし、公の秩序又は善良の風俗を害するというような事情があるということもできない。
もとより、「ライオン屋」の文字からなる本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、それを指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。
また、本件商標は、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものではないし、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は国際信義に反するものでもない。
その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足りる証拠もない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第10号のいずれにも該当するものではなく、その登録は同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-04-24 
出願番号 商願2018-15247(T2018-15247) 
審決分類 T 1 651・ 255- Y (W35)
T 1 651・ 22- Y (W35)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大島 勉 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
小俣 克巳
登録日 2018-04-20 
登録番号 商標登録第6037481号(T6037481) 
権利者 株式会社ニシヤマ商店
商標の称呼 ライオンヤ、ライオン 
代理人 雨宮 沙耶花 
代理人 藤川 忠司 
代理人 正木 裕士 
代理人 藤川 義人 
代理人 三上 祐子 
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