• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1351637 
異議申立番号 異議2017-900368 
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-12-04 
確定日 2019-04-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5979069号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5979069号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5979069号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成29年3月17日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同年8月1日に登録査定,同年9月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下に掲げるとおりである。
(1)登録第1400890号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:昭和50年6月10日
設定登録日:昭和54年12月27日
指定商品 :第6類,第8類,第9類,第15類,第18類ないし第22類,第24類,第25類,第27類,第28類及び第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第1412880号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:昭和50年6月10日
設定登録日:昭和55年3月28日
指定商品 :第6類,第14類,第18類,第21類,第22類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第1663782号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:昭和55年4月4日
設定登録日:昭和59年2月23日
指定商品 :第18類,第21類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(4)登録第1679061号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:昭和55年4月4日
設定登録日:昭和59年4月20日
指定商品 :第9類,第20類,第22類,第25類,第27類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(5)登録第4911559号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成17年5月18日
設定登録日:平成17年12月2日
指定商品 :第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(6)登録第4919435号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
登録出願日:平成17年6月21日
設定登録日:平成18年1月6日
指定商品 :第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(7)国際登録第732710号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:別掲6のとおり
登録出願日:2000年(平成12年)3月18日(優先権主張1999年10月5日,Germany)
設定登録日:平成12年12月8日
指定商品 :第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品
(8)国際登録第925647号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:別掲7のとおり
登録出願日:2007年(平成19年)2月2日(優先権主張2006年9月30日,Germany)
設定登録日:平成20年4月25日
指定商品 :第18類,第25類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品
(9)国際登録第1138941号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の構成:別掲8のとおり
登録出願日:2012年(平成24年)3月6日(優先権主張2011年10月8日,Germany)
設定登録日:平成25年9月27日
指定商品 :第3類,第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品
(10)国際登録第1250838号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の構成:別掲9のとおり
登録出願日:2014年(平成26年)11月12日
設定登録日:平成28年7月29日
指定商品 :第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品
(11)国際登録第1379176号商標(以下「引用商標11」という。)
商標の構成:別掲7のとおり
登録出願日:2016年(平成28年)10月21日(優先権主張2016年4月23日,Germany)
指定商品 :第9類に属する国際商標登録出願記載のとおりの商品
そして,上記引用商標1ないし10は,いずれも現に有効に存続しているものである。(以下,引用商標1ないし11を一括して,単に「引用商標」ということがある。)

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標について,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第51号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は,引用商標1ないし6及び8ないし10に係る左下の幅の広い底辺から右上に向かって次第に細くなっていくライン図形を採り込んでいることから,外観が類似している。そして,特に本件商標が履物の側面やスポーツパンツの側面に使用された場合,申立人の商品と同一の出所に係る商品であるかのように,その出所について誤認混同を生ずるおそれがある。
イ 本件商標の指定商品と引用商標1ないし6及び8ないし10の指定商品とは,それぞれ重複する商品を含んでいるので,同一又は類似する商品に使用されるものである。
ウ したがって,本件商標は,引用商標1ないし6及び8ないし10と類似の商標であって,指定商品も同一又は類似であるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は,広く知られた引用商標の構成要素を採り込んでなるものであるから,申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,たとえ,商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても,同項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,左下から右上方に向かって漸次細く描いた肉太な線で表してなるやや斜めに傾けたy字状の図形と,y字状の2本の曲線が三つ叉状に交差する箇所の右に若干の隙間を介して不規則な四辺形を表し,双方の図形の底辺は互いに水平な直線からなるところ,その構成中に僅かばかりの隙間があるとしても,バランス良くまとまって表されている全体の構成は一体的な印象を与えるものであり,1つの塊からなる図形と看取されるものである。
イ 引用商標1ないし6及び8ないし10について
引用商標1ないし6及び8ないし10は,別掲2ないし5及び7ないし9のとおり,右上の先端部分の形状,実線や点線及び隙間の有無,曲線の角度,色彩の明度において異なる点があるものの,左下に配置されたやや広めの横線を底辺として右上方向に漸次細くなりながらカーブを描きつつ伸び上がる図形を基調とした,1本線あるいは二股に分かれている曲線図形からなるものと看取されるとみるのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標1ないし6及び8ないし10との類否について
本件商標は,その構成中に,やや広めの底辺として漸次細くなりながら右上に伸び上がる曲線図形部分を含んでいるとしても,上記のとおり,y字状の図形及び不規則な四辺形が1つの塊からなる黒色の図形からなるのに対し,引用商標は,1本線あるいは二股に分かれている曲線図形からなるものといい得るから,両商標の外観は一見して明らかに異なるものである。
この点につき,申立人は,本件商標の構成から,引用商標1ないし6及び8ないし10の右上がりの曲線図形を取り出すことを前提に,両者が類似する商標と主張するが,本件商標は,上記のとおり,y字状の図形及び不規則な四辺形が1つの塊からなる黒色の図形と認識されるのであって,その構成から引用商標1ないし6及び8ないし10のような右上がりの曲線図形のみを分離して認識される事情は見いだせない。
以上のとおり,本件商標は,引用商標1ないし6及び8ないし10とは,外観において,明らかに相違するものであり,また,称呼や観念において,本件商標が引用商標に類似する商標であるとみるべき理由は見いだせない。そうすると,本件商標と引用商標1ないし6及び8ないし10とは、それらを時と処を異にして離隔的に観察した場合であっても,同一又は類似の商品に使用した際に出所の混同を生ずるおそれのない別異の商標というべきである。
したがって,本件商標は,引用商標1ないし6及び8ないし10とは類似する商標ではないから,その指定商品の同一又は類似について検討するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知著名性について
証拠及び申立人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(ア)申立人は,スポーツシューズ,被服,バッグ等を世界的に製造販売している多国籍企業であって,申立人の業務に係る商品については,日本において,1970年から,引用商標3及び4が付されているサッカーシューズを,「ヤスダスポーツシューズ」を始めとするPUMA日本総代理店を通じて輸入販売した(甲36?38)。
(イ)引用商標は,いずれも右上がりの曲線からなる図形を基調とし,別掲2ないし9のとおり様々なバリエーションがあるところ,これらの曲線図形は「フォームストライプ(プーマライン)」と称され,本件商標の登録査定前までに申立人の取扱いに係るスポーツシューズやバッグ等の側面について使用されていた(甲21,23,33,35,51)。
(ウ)1958年,申立人はサッカーシューズにフォームストライプ(プーマライン)を導入した。同年,スウェーデンで開催されたサッカーの祭典において,申立人に係るサッカーシューズは,唯一のドイツ製サッカーシューズとなった。その後も1960年代以降ブラジルのペレ,アルゼンチンのマラドーナ,日本の三浦和良ら著名なサッカー選手,2000年以降には著名な陸上選手ジャマイカのウサイン・ボルトなど,各国のサッカーや陸上のトップアスリートが申立人の引用商標1ないし4,6,7及び10又はそれに類似するストライプ模様が側面に施されたスポーツシューズを着用してきた(甲23,41?44)。
(エ)引用商標1ないし4,6,7及び10は,例えば,以下のとおり,それらを付したスポーツシューズやバッグがスポーツ雑誌,業界新聞,インターネット等、多くのメディアにおいて紹介され宣伝広告がされてきたことが認められる。
a 本件商標の登録出願前の使用について
申立人のホームページにおける自社の歴史を紹介するサイトにおいて,引用商標1ないし4,又は6を付したサッカースパイク,陸上用シューズが,当該商品を着用した選手や競技会とともに申立人企業の歴史の紹介と併せて記載された(甲23)。
引用商標1又は2を付したスニーカーが,「Amazon」のウェブサイト(甲22)で紹介され,同サッカースパイクが,雑誌「サッカーマガジン」及び新聞「シューズポスト」(甲38,40)において広告された。
引用商標3又は4が付されたサッカーシューズが,雑誌「サッカーマガジン」及び新聞「シューズポスト」(甲36?39),及び「三浦和良スペシャルインタビュー」と題するブログ記事(甲41)で,同ランニングシューズが,産経ニュースのウェブサイト(甲44)で,それぞれ紹介された。
引用商標6が付されたサッカースパイクが,新聞「シューズポスト」(甲40)で,同陸上用スパイクが,「EXCITE.ism」のウェブサイト(甲42)で,それぞれ広告された。
引用商標7が付されたテニスシューズが,「博多阪急」のウェブサイト(甲21)で,同ランニングシューズが,新聞「シューズポスト」(甲40)で,それぞれ広告された。
b 本件商標の登録査定前の使用について
引用商標1,2又は7が付されたスニーカー等が,「TASCLAP」のウェブサイト(甲33)で紹介され,「FASHION PRESS」のウェブサイト(甲48?50)で広告された。
引用商標3及び4が付されたスニーカーが,「TASCLAP」のウェブサイト(甲33)で紹介され,「FASHION PRESS」のウェブサイト(甲51)で広告された。
引用商標6の商標が付されたスニーカーが,「TASCLAP」のウェブサイト(甲33)で紹介され,同スリングバックヒールが「FASHION PRESS」のウェブサイト(甲46)で広告された。
c 引用商標5,8,9及び11の使用について
引用商標5,8,9及び11については,本件商標の登録出願前及び登録査定前のいずれにおいても,提出された証拠からは具体的な使用の事実をみてとることはできない。
(オ)我が国の市場におけるプーマブランドの出荷額,市場占有率及び売上高について
申立人又は申立人関連会社のスポーツ用品について,我が国国内の出荷額,市場占有率及び売上高は,株式会社矢野経済研究所発行の「2016年版スポーツ産業白書」(甲24)の企業別スポーツ関連売上高推移によれば,2015年は,7位(431億2100万円),2014年は,7位(425億2300万円),2013年は,6位(431億1800万円)であって,その売上高は400億を超えている。同じく,同研究所発行の「スポーツシューズビジネス2016」(甲25)の「スポーツシューズ/メーカー別国内出荷金額」によれば,2015年は,6位(184億4000万円),主要スポーツシューズメーカー市場占有率は,5.2%,2014年は,6位(177億7800万円),同,5.4%,2013年は,6位(179億5500万円),同5.9%であって,上位にランクされている。同じく同研究所の「2017年版スポーツアパレル市場動向調査」(甲28)の「スホーツアパレル/ブランド別国内出荷金額ランキング」によれば,2016年は,5位(213億7000万円),2015年は,5位(207億円),2014年は,5位(207億円)である。
(カ)上記で認定した事実を総合すれば,申立人が使用する引用商標のうち,引用商標1ないし4,6,7及び10は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国においてスポーツシューズを始めとする靴の商標として取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる。
一方,引用商標5,8,9及び11は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国においてスポーツシューズを始めとする靴の商標として取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
イ 本件商標と引用商標の類似性の程度
上記(1)ウのとおり,本件商標は,引用商標1ないし6及び8ないし10とは,そもそも,外観が明らかに異なる別異の商標であるから,同様の理由により,引用商標7及び11とも別異の商標であると認められる。
したがって,本件商標と引用商標とは,その外観が明らかに異なる別異の商標であるから,両商標の類似性は極めて低いというべきである。
ウ 本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品の比較
本件商標の指定商品は,第25類「履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を含むものであり,申立人の業務に係るスポーツシューズ等とは,生産・販売部門,需要者,用途等を同じくする同一又は類似の商品であるといい得る。
エ 出所の誤認混同について
以上のとおり,本件商標の指定商品中に,引用商標が付されている申立人の業務に係る商品と同一又は類似の商品が含まれており,そして,引用商標のうち,少なくとも引用商標1ないし4,6,7及び10が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国においてスポーツシューズを始めとする靴の商標として需要者,取引者の間において広く知られているとしても,本件商標と引用商標とは別異の商標と認められるものであるから,本件商標からは引用商標を想起,連想するとはいえない。
そうすると,本件商標は,これをその指定商品に使用しても,その取引者及び需要者をして,当該商品が申立人の商品に係るものであると誤信させるおそれがある商標とはいえず,当該商品が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信させるおそれがあるものともいえず,申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標とはいえない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。


別掲1 本件商標



別掲2 引用商標1及び2



別掲3 引用商標3及び4



別掲4 引用商標5



別掲5 引用商標6



別掲6 引用商標7



別掲7 引用商標8及び11



別掲8 引用商標9



別掲9 引用商標10


異議決定日 2019-04-16 
出願番号 商願2017-35593(T2017-35593) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 小出 浩子
山田 啓之
登録日 2017-09-08 
登録番号 商標登録第5979069号(T5979069) 
権利者 ギヤレツクス株式会社
商標の称呼 ワイ 
代理人 伊東 美穂 
代理人 小谷 武 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ