ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W39 審判 一部申立て 登録を維持 W39 |
---|---|
管理番号 | 1351626 |
異議申立番号 | 異議2018-900154 |
総通号数 | 234 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2019-06-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-06-15 |
確定日 | 2019-04-25 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6030124号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6030124号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6030124号商標(以下「本件商標」という。)は、「Easy Ride」の欧文字を標準文字で表してなり、第39類「GPSを用いたタクシーによる輸送の手配,車両による輸送の手配,GPSを用いたタクシーによる輸送の手配の媒介又は取次ぎ,車両による輸送の手配の媒介又は取次ぎ,GPSを用いたタクシーによる輸送の手配に関する情報の提供,車両による輸送の手配に関する情報の提供,車両による輸送,車両による輸送に関する情報の提供,道路情報の提供,道路・有料道路の地形・料金・走行距離及び交通量に関する情報の提供,道路上の車両の位置情報の提供,自動車の運転の代行,自動車の運転の代行に関する情報の提供,駐車場の提供,駐車場の提供に関する情報の提供,有料道路の提供,有料道路の提供に関する情報の提供,自動車の貸与,自動車の貸与に関する情報の提供,企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,商品の保管・輸送及び配達からなる物流管理,車両の運行管理・移動状況把握に関する情報の提供,輸送における車両の運行管理の計画・立案に関するコンサルティング,旅客輸送及び旅客輸送に関する情報の提供,旅客輸送の取り次ぎ・媒介,貨物の集荷,貨物の輸送,貨物の追跡及び追尾,貨物の輸送の取り次ぎ・媒介,貨物の輸送の媒介に関する指導又は助言,貨物の輸送に関する情報の提供」並びに第9類、第12類、第16類、第35類、第37類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成29年7月20日に登録出願、同30年3月2日に登録査定、同月23日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第39類の「全指定役務」(以下「本件申立役務」という。)について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 本件商標「Easy Ride」は、「良い乗り心地」又は「乗り易いこと」を意味する(甲2)。 また、「Easy」は「簡単」を、「ride」は「乗る」を意味する平易な英単語であり、全体として、「簡単に乗ることができる」程度の意味を表示するものとして、本件商標に接する需要者及び取引者に容易に認識され得る。このことは、審決における特許庁の判断にも合致するものである(甲3)。 さらに、「Easy Ride」は、「EASY RIDEコース」(甲4)、「イージーライドツアー」(甲5)のように「簡単に乗ることができるコース、ツアー」の意味で実際に使用されている。 よって、本件商標は、全体として「良い乗り心地、乗り易いこと、簡単に乗ることができる」程度の意味を容易に認識、理解させるにとどまり、自他役務識別標識機能を果たし得ない。そればかりではなく、一私人に独占させることは、公衆による使用に制限をもたらし、無用の紛争を生じる可能性があるので独占適応性に欠ける。 したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第39類の指定役務中「良い乗り心地の車両による輸送の手配,良い乗り心地の車両による輸送,良い乗り心地の道路情報の提供,乗り易い車両による輸送の手配」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質を表示した語と認識するにとどまるから、自他役務識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、上記以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は、上記1のとおり、「Easy Ride」の欧文字からなるところ、「Easy Ride」の文字は、一部の英和辞典において英語の例文中に記載があるとしても、我が国の一般的な辞書等に、「良い乗り心地」又は「乗り易いこと」の意味を有する成句として広く載録されているとはいい難く、当該文字全体が、我が国で特定の意味を表す親しまれた英語であるということはできない。 してみれば、本件商標は、これに接する我が国の需要者、取引者に「乗り易いこと、簡単に乗ることができる」のような意味合いを暗示させる場合があるとしても、いまだ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであり、本件申立役務の質を直接的、具体的に表示するものとして、取引者、需要者に認識されるとはいえないものである。 また、職権をもって調査するも、本件申立役務を取り扱う業界において、「Easy Ride」の欧文字が役務の具体的な質等を表すものとして、使用されている事実及び取引者、需要者が、役務の質等を表すものと認識し得るという特段の事情も見いだせないものである。 してみれば、本件商標を本件申立役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者がその指定役務の具体的な質等を表示するものとして認識するとはいえず、本件商標は、本件申立役務について、自他役務の識別標識として十分機能し得るとみるのが相当である。 また、本件商標は、上記のとおり、何ら、具体的な役務の質を表示するものではないから、本件申立役務の質について誤認を生じさせるおそれもない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 (2)申立人の主張について 申立人は、「EASY」又は「イージー」の文字を含む商標に係る過去の審決例(甲3)並びに「EASY RIDE」及び「イージーライド」の使用例を挙げて、本件商標は自他役務識別標識機能を果たし得ない旨主張している。 しかしながら、これらの審決例は、いずれも本件商標とその構成態様、及び商品又は役務の分野を異にするものであり、申立人の挙げた審決例によって、上記判断が左右されるものではない。 また、申立人が提出した証拠(甲4及び甲5)には、「『EASY RIDE』コースでは、マウンテンバイクが初めての人も気軽に楽しめる町並みサイクリング。」、「イージーライドツアー【初級】/基本的には舗装路がメインですので、一度もマウンテンバイクに乗ったことがない方や、体力に自信がない女性や子供でもお気軽に参加できるツアーとなります。」等の説明があり、「EASY RIDEコース」や「イージーライドツアー」の文字を使用しているものである。 しかしながら、いずれもマウンテンバイクに係るサイクリングについての「EASY RIDEコース」や「イージーライドツアー」の紹介であって、申立人の主張する「車両による輸送の手配,車両による輸送,道路情報の提供」等についてのものではなく、本件申立役務の具体的な役務の質を表示する語として使用されているものということができない。 したがって、これらの証拠をもって、「Easy Ride」の欧文字が、本件申立役務との関係において具体的な質を表示するものとみることはできない。 さらに、申立人は、本件商標を一私人に独占させることは、公衆による使用に制限をもたらし、無用の紛争を生じる可能性があるので独占適応性に欠ける旨主張しているが、本件申立役務の分野において「Easy Ride」の語を使用することについて、いかなる場合に公衆による使用に制限をもたらし、無用の紛争を生じる場合があるのか明らかにしておらず、かつ、それが予想されることを裏付ける証拠の提出もないことからすれば、本件商標を登録することが、直ちに独占適応性に欠けるということはできない。 よって、請求人のかかる主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、本件申立役務について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同法第3条第1項及び第4条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2019-04-16 |
出願番号 | 商願2017-97029(T2017-97029) |
審決分類 |
T
1
652・
272-
Y
(W39)
T 1 652・ 13- Y (W39) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 林 悠貴、杉本 克治 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
冨澤 美加 鈴木 雅也 |
登録日 | 2018-03-23 |
登録番号 | 商標登録第6030124号(T6030124) |
権利者 | 株式会社 ディー・エヌ・エー |
商標の称呼 | イージーライド、イージー、ライド |
代理人 | 村越 智史 |
代理人 | 竹内 耕三 |