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審決分類 審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W25
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W25
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W25
審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W25
管理番号 1351604 
審判番号 無効2018-890048 
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2018-06-29 
確定日 2019-05-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第6028801号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第6028801号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第6028801号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成29年4月13日に登録出願,第25類「被服,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,キャミソール,ティーシャツ,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,靴類,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として同年9月7日に登録査定,同30年3月23日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
1 請求人が,本件商標は商標法4条1項11号に該当するとして引用する商標は,次の(1)及び(2)のとおりであり(以下,これらをまとめて「引用商標」という。),いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5891980号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品及び指定役務
第18類「旅行かばん,リュックサック,バッグ,スポーツバッグ」
第25類「被服,履物及び運動用特殊靴,帽子,ベルト」
第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによる被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,カタログを利用した通信販売による被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによる身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,カタログを利用した通信販売による身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
登録出願日 平成28年4月28日
設定登録日 平成28年10月28日
(2)登録第5859142号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品及び指定役務
第18類「かばん金具,皮革製包装用容器,かばん類,袋物,登山用ステッキ」
第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
第35類「被服の小売り又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類の小売り又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売り又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供」
登録出願日 平成28年1月13日
設定登録日 平成28年6月17日
2 また,請求人は,本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして,引用商標1を引用している。

第3 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲1?16(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,商標法4条1項11号及び同項15号に該当するものであるから,同法46条1項の規定により,その登録は無効とすべきである。
2 具体的な理由
(1)引用商標1の著名性
請求人は,昭和45年にアメリカにおいて創業し,昭和63年に日本に進出して以来,現在まで世界中で衣料品等の商品を販売しており,以下に示す販売活動等を通して請求人ブランドを示す商標は著名性を獲得するに至っている。
ア 販売高・販売数
請求人ブランドについて,日本国内の年間売上高は,平成28年度までの6年間で毎年約100億円を計上しており,全世界では6年間で合計約37億ドルを売り上げている(甲4)。
また,国内における請求人ブランドの販売点数は,平成23年度の80万点から,同28年度には約150万点と年々増加している。なお,全世界では6年間で6,500万点の販売を誇っている(甲4)。
さらに,インターネットサイト検索サービス「Google」の検索エンジンでキーワードを「Patagonia」又は「パタゴニア」と指定して検索すると,トップページの記事は,「Wikipedia」の記事1件を除き,請求人について言及する記事となっている(甲5,6)。
そして,請求人ブランドの国内の直営店舗22店における来店者数は,平成24年度から同28年度まで毎年200万人に上る。また,請求人ブランドのインターネットサイトのヴュー数についても,同24年度600万ヴューを超え,同28年度1,000万ヴューを超えている(甲7)。
イ 広告・宣伝等の程度
日本国内における雑誌,新聞等の請求人ブランドの露出は,請求人の広告・宣伝等の年間スケジュールデータの統計結果(甲8)から解るように,年間延べ400媒体を超え極めて多い。また,広告・宣伝においては,掲載例(甲9)から解るように,商品の紹介とともに引用商標1も多くの消費者の目に触れた。さらに,これらとは別に,請求人ブランドの商品についてムックが販売されたこともある(甲10)。
請求人が日本国内で請求人ブランドを広告,宣伝するために,日本において支出した金額は,平成26年度から同28年度の3年間は年間合計4億円を超えている(甲7)。
ウ 小括
以上のように,請求人は,請求人ブランドに多額の広告・宣伝費を投じ,海外だけでなく日本国内においても高い売上げを誇るものである。引用商標1が登録されたのは平成28年であるが,それ以前から引用商標1は,長く請求人ブランドを象徴するロゴとして請求人ブランドの商品等に使用され,多くの消費者の目に触れてきたものであり,消費者にも請求人ブランドのロゴとして親しまれてきた(甲5,6,9,11?13)。
なお,請求人所有の登録商標のうち,引用商標1を白黒にした商標と極めて類似した件外登録第4025558号商標は「特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)」において,日本国周知・著名商標として表示されている(甲14)。
したがって,引用商標1は,請求人の業務に係る第25類「被服」等の商品を表示するものとして,需要者の間において広く認識され,著名性を獲得している。
(2)商標法4条1項11号該当性
ア 判断基準
本件商標と引用商標とを,文字及び図形の各要素に着目して比較観察した場合,細部はそれぞれ異なるが,以下,商標審査基準に沿って検討する。
イ 本件商標と引用商標の類否
両商標の外観は,以下の特徴を共通にする。
(ア)背景の空
本件商標及び引用商標の背景を構成する空は,共に複数の色で層をなしている。さらに,その配色をみると,共に下から「青,オレンジ,紫,青,紫」の4色5段で構成されている。当該空の部分は,各商標の構成の約半分を占めており,白黒で構成された下半分と対比されて,その特徴が際立ち,看者に強い印象を与える。
(イ)背景のシルエット
本件商標では,街並みが白色で縁取りした黒色のシルエットとして表現されている。これに対し,引用商標では,山脈が白色で縁取りした黒色のシルエットとして表現されている。確かに街並みと山脈とで両商標は異なるが,白色で縁取りされた黒色のシルエットという点に加え,どちらも凹凸があり,左端及び中央右寄りに凸部分が配置されている点が共通する。
(ウ)文字部分
本件商標の下半分には「royalwest」の欧文字が配されているのに対し,引用商標1の下半分には「patagonia」の欧文字が配されている。両文字部分は単語としては異なるものの,どちらも白抜きで同一の書体であり,欧文字9字からなることから,全体のバランスをみた場合,看者に同様の印象を与える。
(エ)小括
このように本件商標と引用商標1とは,背景の空及びシルエット並びに下半分の文字部分の構成が共通し,さらに全体として長方形のラベルのような形状の中に各要素が同一の態様で配置されている。これらの要素は,両商標の特徴的部分であり,看者に極めて強い印象を与える。したがって,たとえ文字や図形の細部について相違があるとしても,全体の印象的な構成を共通にする本件商標と引用商標1とは,外観上類似する。
また,引用商標2は,引用商標1の背景部分が単独で表されたものであるが,当該背景部分は単独でも自他商品識別機能を発揮するため,本件商標と引用商標2は,両商標の極めて特徴的な部分である背景部分について,外観上類似する。
ウ 取引の実情
本件商標及び引用商標の指定商品である被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴等については,その需要者は老若男女を含む一般消費者であり,商標やブランドについて詳細な知識を持たない者も多数含まれているため,商品の選択・購入に際して払われる注意力は必ずしも高いとは言えない。加えて,これらの商品に商標が使用される場合,胸部等にワンポイントマークとして又はタグ等として小さく表示される場合も少なくない(甲13)。
かかる場合は,需要者が商標の微細な点にまで注意を払わないこともあり,需要者が商標の全体的な印象に頼り,微細な相違点を看過して商品を選択する可能性がある。
したがって,このような一般的・恒常的な取引の実情を考慮すれば,被服等の商品に使用される商標の類否判断においては,外観の要素,特にその全体の印象的な構成が最も重要になると考えられる。
引用商標は,前述のとおり,請求人を示す著名な商標であるところ,複数の色で層状に表現された空及び白線で縁取り黒色のシルエット風に表現された景色を背景とする構成に特徴があり,引用商標1については,更に長方形の下半分部分に白抜きで欧文字を配した構成に特徴がある。この引用商標の全体の構成は,被服のワンポイントやタグ等として小さく表示された場合に看者に強い印象を与える。
したがって,たとえ本件商標と引用商標とから生じる称呼や観念が異なるとしても,本件において最も重視されるべき外観において,本件商標の構成は引用商標の上記構成と共通するため,本件商標がその指定商品に使用された場合,引用商標と出所が混同されるおそれがあることから,両商標は類似する。
エ 指定商品・役務の類否
本件商標の指定商品中の第25類「仮装用衣服」以外の商品と引用商標の指定商品中の第25類「被服,履物及び運動用特殊靴,帽子,ベルト」とは同一又は類似であること明らかである。また,「仮装用衣服」については,「被服」等と原材料や品質を共通にし,需要者も一般の消費者であることから,本件商標が当該商品に使用された場合,請求人による製造又は販売に係る商品と混同されるおそれがある。
よって,本件商標と引用商標との指定商品は,同一又は類似である。
オ 小括
したがって,本件商標は,引用商標と類似の商標であり,その指定商品も同一又は類似であるから,商標法4条1項11号に該当する。
(3)商標法4条1項15号該当性
ア 判断基準
本号の該当性について,商標審査基準に沿って以下検討する。
イ 本件商標と引用商標の類似性
上記(2)のとおり,本件商標と引用商標1とは,最も印象的な複数の色で層状に表現された空及び白線で縁取り黒色のシルエット風に表現された景色を背景とする構成,更に長方形の下半分部分に白抜きで欧文字を配した構成を共通にするものであるから,互いに類似する。
ウ 引用商標の著名性,特徴,ハウスマークであるか
上記(1)のとおり,引用商標1は,請求人ブランドの商品・役務を示すものとして著名であり,本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に,需要者の間で著名な商標となっていた。
引用商標1の背景部分は,アルゼンチンにある山のフィッツ・ロイをモチーフに独自に創作されたものであり,空の鮮やかな配色とあいまって印象的である。さらに,引用商標は,請求人を示すハウスマークとして,使用されている(甲5,6,9,10)。
エ 商品間,役務間の関連性及び需要者の共通性,多角経営の可能性
本件商標の指定商品及び引用商標の指定商品・役務とは,同一であるか又は用途・目的・品質・販売場所等を同じくするため,関連性の程度は高く,更に一般の消費者を需要者とする点でも共通する。
また,請求人は,オンライン販売ページからわかるように,その取扱商品はファッション全般から食品に至るまで様々な業種に広がり,多角的な経営を行っている(甲13の1)。さらに,請求人は,他のブランドとのコラボレーション商品も販売している(甲15,16)。この場合にも,商品の包装には,引用商標の特徴的部分である複数の色で層状に表現された空及び白線で縁取り黒色のシルエット風に表現された景色を背景とする構成が用いられている。
オ その他
上記(1)のとおり,引用商標1は,請求人による多年にわたる努力の結果,需要者の間で広く知られ,高い信用・名声・顧客吸引力を獲得するに至っている。本件商標の登録出願時には,日本に進出して約30年が経過していた。
このような状況に鑑みれば,被請求人は,本件商標の登録出願時には引用商標1の存在を認識していたと強く推認され,偶然にも著名で独創的な引用商標1,中でも特に印象的な背景の空及びシルエット部分が類似する本件商標を出願したとは考え難い。むしろ,引用商標1に化体した高い信用・名声・顧客吸引力にフリーライドする目的で本件商標を出願したと考えられる。
このような不正の目的がある以上,本件商標は,請求人の業務に係る商品等と誤認混同を生じさせるような態様で使用される可能性がある。
カ 小括
したがって,本件商標を指定商品・役務に使用した場合,引用商標1の著名性に鑑みれば,これに接する需要者は,複数の色で層状に表現された空及び白線で縁取り黒色のシルエット風に表現された景色を背景とする構成及び長方形の下半分部分に白抜きで欧文字を配した構成に着目し,著名な引用商標1を連想・想起し,商品・役務の関連性や請求人の事業展開の状況等から請求人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品・役務であると出所を誤認混同するおそれがあることから,本件商標は商標法4条1項15号に該当する。
(4)結語
以上のとおり,本件商標は,商標法4条1項11号及び同項15号に違反したものであるから,同法46条1項の規定により無効とすべきである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙1?11を提出した。
1 本件商標
本件商標における認定については,請求人が述べた内容に首肯するが,更に補足をすると,以下のとおりである。
まず,「黒色のシルエット風に表現された街並み」は,被請求人が生まれ育ち,また,営業の拠点とする「大阪の街並み」を表現したものである。街並みの中には,大阪のランドマークとして広く知られている「あべのハルカス」(「r」と「o」の文字の上部にあるL字型の建物)や「通天閣」(「w」の文字の上部にある瓶子状の建物)の外観を想起させる図柄も配置されている。
なお,建造物として「あべのハルカス」と「通天閣」を比較すると,実際には「あべのハルカス」の方が高いが,大阪人にとっての存在の大きさから「通天閣」というシンボルを,大阪を意味する「west」の頭文字「w」の真上に,実際よりも高く描いている(乙1)。
また,請求人は明記していないが,本件商標は「商標全体を囲むように黒線で縁取り」がなされている(甲1)。
さらに,出願から登録までの経緯については,商標法4条1項11号及び同項15号について一度も拒絶理由が通知されることなく登録に至っている(乙2)。
2 引用商標1の著名性
請求人の周知・著名性の主張について,請求人は,販売高・販売数,検索エンジンの検索結果,直営店舗の来店数,請求人ブランドのインターネットサイトのヴュー数,広告・宣伝の支出額について具体的な数値や証拠を挙げ,請求人の商標がいかに著名であるかについて述べている。これらの証拠から,請求人の社名である「パタゴニア」及び「patagonia」の文字商標が,少なくとも需要者の間に広く認識されているであろうことについては,疑義がない。
しかしながら,請求人自身が示すとおり(甲11,12),「複数の色で層状に表現された空及び白線で縁取り黒色のシルエット風に表現された山脈の図」は時代とともに変遷しており,おおむね「複数の色で層状に表現された空」,「黒色のシルエット風に表現された山脈」は共通するものの,「白線の縁取り」がない時代もあった。
そうすると,「patagonia」の欧文字を取り除いた引用商標1の図形部分,いわば,引用商標2における,山脈と複数の層からなる空の図形についてまで,需要者の間に広く認識されているといえるかについて,判断に足る証拠が提出されていない。このことは,請求人が「引用商標1の著名性」の項目を設けたにもかかわらず,「引用商標2の著名性」について何ら言及していないことからもうかがえる。
さらに,件外登録第4025558号商標が「特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)」において,日本国周知・著名商標として表示されている(甲14)との事実から,上記登録商標と類似する商標についてまで周知性を主張するのはあまりに論理が飛躍しすぎている。そもそも,色彩がないものとあるものでは需要者の印象も異なるであろうし,それゆえ観念が異なることも容易に想像できることから,これらの商標が「類似している」と主張する請求人の判断には疑問を呈する。
もし,仮に両商標が類似であったとしても,先に述べたとおり,上記登録商標と類似する商標についてまで周知性が認められるかについては,証拠に基づく慎重な検討が必要である。
請求人は,数々の証拠を挙げ,引用商標1についての著名性を主張しているが,これらの証拠から判断できることは下記の2点のみである。
・「パタゴニア」及び「Patagonia」の文字商標が,少なくとも需要者の間に広く認識されているであろうこと。
・件外登録第4025558号商標が,第25類の商品区分において,需要者の間において広く認識されているであろうこと。
請求人が,引用商標1について周知・著名性を主張するのであれば,特に,引用商標1における図形部分及び引用商標2の「複数の色で層状に表現された空及び白線で縁取り黒色のシルエット風に表現された山脈の図」について,需要者の間に広く認識されていることを証拠により明示すべきであるし,少なくとも現時点では,このように結論付けるための証拠は十分ではない。ゆえに,引用商標1が周知・著名であるとはいえない。
3 商標法4条1項11号該当性
(1)判断基準
商標の類否判断においては,商標審査基準に記載のとおりであり,具体的に本件商標と引用商標の場合に当てはめると,下記のとおりである。
(2)本件商標と引用商標との類否
ア 外観
(ア)背景の空
被請求人は,両商標が共に複数の色で層をなしている点については認められるし,空の部分は厳密に言えば,白黒で構成された下半分の割合の方が多いものの,その空の特徴は確かに,看者に相応の印象を与えるとも考えられる。
しかしながら,両商標の配色については,「ウィーン分類」(細分化ウィーン分類を含む。)によれば,本件商標は,「29.1.1.6」(オレンジ(図形)),「29.1.4.2」(青(図形)),「29.1.8.2」(黒(図形)),さらに「29.1.11」(一つの色が顕著なもの),「29.1.14」(四つの色)と明記されている(甲1)。すなわち,「オレンジ」「青」「黒」の図形が含まれ,四つの色からなり,特に一つの色が顕著である,という特徴は備えるものの,請求人が述べるような「紫」は存在しない。色の濃さを踏まえて正確に述べると,空の配色は,下から「青,オレンジ,濃い青,青,濃い青」の3色5段で塗り分けられているが,色として捉えれば,「青,オレンジ」の2色である。ウィーン分類は,あくまで参考情報ではあるが,上記の特徴を示すものとして認識され番号が付与されたと推定される。
一方,引用商標の色については,オレンジ・青・黒の図形だけでなく,「29.1.5.2」(紫(図形))が含まれている(乙3,4)。そのため,引用商標においては請求人の認定のとおり,空の配色は,下から「青,オレンジ,紫,青,紫」であると考えられる。なお,請求人は,引用商標についても「4色」と述べているが,正確には「青,オレンジ,紫」の3色である。
ところで,請求人は,引用商標2における背景の空も,引用商標1と同様であるかのように記載しているが,引用商標2は,引用商標1や本件商標とは異なり,縦横比が正方形に近く,このことは,引用商標1と本件商標の「ウィーン分類(参考情報)」に「26.4.2」(長方形)が含まれているにもかかわらず,引用商標2には含まれていないこと,更に引用商標2にのみ,「26.4.1」(正方形)が含まれていることなどからも判断できる。両商標の形状が異なることにより,引用商標1と引用商標2は,空の色において確かに同じ層をなすものではあっても,色の配分が大きく異なる。具体的には,引用商標1の紫と青の割合を比較すると,やや青の割合が大きいように見受けられるが,引用商標2においては比較にならないほど,紫が多くの割合を占める。
たとえ,引用商標1の文字部分を取り除いたとしても,色の割合が全く異なることから,同じ印象を持つとは言い難い。
(イ)背景のシルエット
本件商標と引用商標との背景のシルエットについて,「白色で縁取りされた黒色のシルエット」が共通する点は請求人の述べるとおりであるが,「街並み」と「山脈」である以上,「どちらも凹凸」があるのは,地形上,また建造物の構造上当然である。また,前述したとおり,本件商標の街並みは,大阪の街並みを表現したものであり,大阪のランドマークとして広く知られている「あべのハルカス」「通天閣」などの超高層建造物が配置されていたとしても,その高低のみに着目し「左端及び中央右寄りに凸部分が配置されている点が共通する」と認定する点にも疑義がある。
もし,高低のみに着目するのであれば,両商標の凸部分の位置は異なり,そのような認定は明らかに誤りである。
請求人は,背景のシルエットにつき,「白色で縁取りされた黒色のシルエット」「どちらも凹凸があり」と共通点を挙げているが,それらの共通点を凌駕するほどに「街並み」と「山脈」の差異点があることについてはあまり触れていない。この差異により,「白色の縁取り」も,本件商標は直線的な印象を与えるのに対し,引用商標は山脈であることからより曲線的な印象を与えるため,先に述べた背景シルエットの差異ともあいまって,看者に与える印象は大きく異なると推測される。
(ウ)文字部分
被請求人は,「楽天市場」において,以前より被服等につきネット販売を行っており,その店舗の名称が「ROYALWEST」である(乙5)。本件商標及び引用商標の登録出願日より前に当たる平成26年12月15日には「RW/ROYALWEST」(RWの「R」部分は左右反転)の商標を出願し,同27年6月5日に登録されている経緯もある(乙6)。本件商標に「royalwest」の欧文字を配したのは,被請求人の店舗で商標を付し被服等を販売するためであり,少なくとも,「欧文字9字からなる」という共通点については全くの偶然である。なお,「どちらも白抜きで同一の書体」である点は認めるものの,請求人が述べるとおり「両文字部分は単語としては異なる」ものである。単語が異なるのは明白であるため,看者に異なる印象を与えると考えるのが自然である。
(エ)外観のまとめ
まず,本件商標と引用商標1の比較であるが,「背景のシルエット」と「下半分の文字部分」について,「構成が共通」であるとは言えないことは,先に述べたとおりである。それぞれ,背景のシルエットは「街並み」と「山脈」であるし,その明確な差異により,白色で縁取りされた線の印象も異にする。また,文字部分は,単語そのものも,全体のバランスも異なり,このような差から共通の印象を与えるとは考えにくい。
さらに,「背景の空」でさえ,引用商標1にあるような「紫」は,本件商標には見受けられず,両構成が共通であるとは言えない。
「全体として長方形のラベルのような形状の中に各要素」が「配置されている」のは認めるが,「同一の態様」であると言えないことはこれまで述べてきたとおりである。
ゆえに,請求人が「これらの要素は,両商標の特徴的部分であり,看者に極めて強い印象を与える」と述べている部分ですら,明確な差があるのであるから,両商標は異なった印象を与えると考えるのが妥当である。
以上のことから,本件商標と引用商標1の外観は,非類似である。
また,本件商標と引用商標2は,両者の「背景の空」を比べた場合には,「紫」を含まない本件商標と,「紫」がかなりの割合を占める引用商標2とは印象を異にするのであるから,類似するとは考えられない。
さらに,本件商標と引用商標1との比較において,「背景のシルエット」に明確な差があることが明らかになっており,引用商標2においては,山脈のシルエットが引用商標1と同様であることから,両商標の「背景のシルエット」について明確な差があるといえる。
よって,本件商標と引用商標2とは,「背景の空」及び「背景のシルエット」のいずれにおいても差があるから,非類似である。
さらに加えて,本件商標は「文字部分」を含むが,引用商標2は,文字を含まないという点で「文字部分」も異なる。「文字部分」の差は述べるまでもないほどに明白であるが,外観の類否判断を行う以上,文字の有無による外観の差についても触れておくべきである。
以上のことから,本件商標と引用商標2の外観は,非類似である。
イ 称呼
請求人は,本件商標と引用商標1の称呼について,「称呼や観念が異なるとしても」と述べているにすぎず,詳細に検討はしていないため,被請求人は下記のとおり認定する。
本件商標の称呼は,「ロイヤルウェスト」または「ローヤルウェスト」「ロイアルウェスト」の称呼を生じるものである。
一方,引用商標1の称呼は,「パタゴニア」であり,本件商標と引用商標1とは,音数も,韻も異なる。
ゆえに,本件商標と引用商標1の称呼は,非類似である。
ウ 観念
観念についても,被請求人は下記のとおり認定する。
本件商標「royalwest」の欧文字のうち,「royal」部分は「王宮の,王家の,高貴な,すばらしい」の,「west」部分は「西」の意味を持ち,いずれも日本では広く知られている。
2つの単語を合わせると,「高貴な・すばらしい,西」となり,やや漠然とした印象を与えるものの,被服等を購入する需要者であれば,このような意味合いは想起し得ると考えられる。
一方,引用商標1の「patagonia」は,「南アメリカ大陸のコロラド川以南の地域」のことを示すスペイン語であり,この語の意味が日本でどの程度周知であるかは判断しかねるものの,少なくとも「royalwest」とは異なる意味合いを持つ語であると認識されると考えられる。
また,本件商標は,街並みであり,超高層建造物の存在や,その直線的な縁取りともあいまって,より都会的でアーバンな印象を与える。その一方で,引用商標1は,山脈であり,より自然的でナチュラルな印象を与える。この印象については,引用商標2においても同様である。
このような違いから,両商標の観念は異なると考えられる。ゆえに,本件商標と引用商標の観念は,非類似である。
(3)取引の実情
請求人は,被服等の需要者は老若男女を含む一般消費者であり,商標やブランドについて詳細な知識を持たない者も多数含まれているため,商品の選択・購入に際して払われる注意力は必ずしも高いとは言えないと述べているが,請求人は,被服等の中でも比較的高額な商品を取り扱っているメーカーであり(乙7,8,甲13の1),また,アウトドアウェア,運動用の用品・衣服等を主として取り扱っているメーカーである(甲5,6)。そうすると,比較的高額な被服等や,運動用の衣服等を購入する需要者に対し「商品の選択・購入に際して払われる注意力は必ずしも高いとはいえない。」とする請求人の主張には承服できない。
Tシャツでさえ5,000円前後するような商品を,サイズや値札も見ることなく,需要者が購入するとは考えにくく,サイズを見て,値札で値段を確認する際には必ず下げ札が目に入るので,たとえ,胸部等にワンポイントマークとして又はタグ等として小さく表示される場合があったとしても,請求人の「patagonia」の商標が大きく記載された下げ札(甲11,乙8)を需要者が看過するとは考えにくい。
また,運動用の衣服(スポーツウェア等)を購入するような需要者は,吸水性や速乾性,伸縮性など,商品の品質や材質にも着目する傾向にあり,むしろ商品タグを注意して見ると考えられる。
請求人の国内での主な販路は,請求人の公式オンラインショップウェブサイト,直営店22店舗(乙9),正規取扱店であるが,このうち少なくとも公式オンラインショップウェブサイト,直営店については,顧客が請求人のサイトを訪問する,又は請求人の店舗に足を運んでいることから,サイトに公開されている商品及び店舗に陳列されている商品は全て,当然に請求人の商品であり,何ら疑う余地はない。つまり,公式オンラインショップウェブサイト,直営店では,請求人の商品を購入しようとする需要者が微細な相違点を看過して商品を選択する可能性はまずないと言える。
また,複数のメーカーの商品を取り扱うと考えられる正規取扱店においても,アパレル業界の慣習では,陳列はメーカーごとに分けられるため,出所の混同は生じにくい。さらに,胸部等にワンポイントマークとして又はタグ等として小さく表示される場合であっても,購入時に少なくとも値札は確認すると思われる一般的・恒常的な取引の実情に鑑みれば,たとえ請求人が述べるように,商標の微細な点にまで注意を払わないと仮定したとしても,ワンポイントマークやタグと比べて大きく記載された請求人の下げ札は当然に目に入り,区別がつく。また,需要者が運動用衣服を購入する層であれば,むしろ商品の品質や材質も重視するであろうから,相当の注意力を持って商品や商品タグを観察すると思われる。
相応に高額な商品を購入する際に少なくとも値札は確認する一般的・恒常的な取引の実情と,運動用衣服を購入するような需要者の特性,さらにメーカーごとに陳列を分けるアパレル業界の慣習ともあいまって,「patagonia」の商品を購入しようとする需要者が,誤って被請求人の商品を購入するおそれはほぼないと考えられる。
なお,請求人の商標は,時代とともに変遷しており(甲11,12),いつの時代であるかによってその価値も変わることが予想され,そのようなヴィンテージ物を購入する需要者であれば,当然に請求人の商標には着目しているとも考えられる。
本件商標と引用商標との外観が異なるのはこれまで述べてきたとおりであり,決して微細とはいえないほどの差異がある。少なくとも背景のシルエットと文字部分は明らかに異なり,また,背景の空の色も異なることから,かなりの部分について相違があり,両商標の構成は異なる。特に白抜きの文字部分「royalwest」と「patagonia」とは,ワンポイントマークやタグであっても十分に違いを視認できるほど商標の中で占める割合が大きく,また,黒色のシルエットや背景の空と比べても特に明度が高いことから(甲8),商品に付された際には最も目を惹く部分であると言える。
たとえ,称呼・観念を考慮しなかったとしても,これほどの差がある外観を,先に述べた一般的・恒常的な取引実情,需要者の特性,アパレル業界の慣習に照らして,需要者が看過するとは到底考えられない。
すなわち,請求人が本件において最も重視されるべきとする「外観」ですら,需要者が看過することのないほど差異は明確であり,称呼,観念まで含めれば,当然に両商標は異なると言える。
以上のことから,本件商標をその指定商品に使用した場合であっても,引用商標と出所を混同するおそれがないことは明らかであり,よって,両商標は非類似である。
(4)指定商品・役務の類否
本件商標と引用商標1との指定商品の差は「仮装用衣服」,本件商標と引用商標2との指定商品の差は「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服」である。これら商品が同一又は類似であるかについては疑義があるが,それ以外の指定商品については同一又は類似であることは認める。
(5)小括
したがって,本件商標と引用商標の指定商品は,「仮装用衣服」「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」の差があるものの,それ以外の指定商品においては,同一又は類似である。
しかしながら,本件商標と引用商標とは,その商標において,外観,称呼及び観念が非類似であり,さらに出所混同のおそれもないため,商標法4条1項11号には該当しない。
4 商標法4条1項15号該当性
(1)判断基準
被請求人は,審査基準どおりに検討していくこととする。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度
既述のとおり,両商標の外観は非類似であり,称呼及び観念も非類似であるため,本件商標と引用商標との類似性の程度は低い。
(3)引用商標の周知度
既述のとおり,請求人の社名である「パタゴニア」及び「patagonia」の文字商標が,少なくとも需要者の間に広く認識されているであろうことについては,請求人の証拠などから推測できる。
しかしながら,請求人の「複数の色で層状に表現された空及び白線で縁取り黒色のシルエット風に表現された山脈の図」は時代とともに変遷しており,そうすると,引用商標1の図形部分についてまで,需要者の間に広く認識されていると判断するに足る証拠が提出されていない。
さらに,図形部分に至るまで周知・著名であるならば,引用商標2についてもその旨主張をするはずであり,何ら言及されていないことからも,この点について明らかにはなっていないと言える。
(4)引用商標が造語よりなるものであるか,又は構成上顕著な特徴を有するものであるか
引用商標1の「patagonia」は,「南アメリカ大陸のコロラド川以南の地域」のことを示すスペイン語であり,その特徴としてはおおむね請求人が述べる下記のとおりである。
「アルゼンチンにある山のフィッツ・ロイをモチーフに独自に創作されたものであり,空の鮮やかな配色とあいまって印象的である。」
(5)引用商標がハウスマークであるか
「パタゴニア」及び「patagonia」の文字商標は,疑う余地もなくハウスマークであると言える。一方,引用商標は,請求人の被服等を始めとした商品に付されることが多いものの,使用され始めてから文字商標ほど年数が経っていない(甲11)ことや,襟タグの引用商標の代わりに,白黒の商標が背中の内側に印字されたTシャツなどもあることから,文字商標に匹敵するほどに,営業の同一性を表す営業標識として使用されているか否かは判然としない。
(6)請求人の多角経営の可能性
請求人の多角経営の可能性については,請求人が述べたとおりである。
(7)商品間,役務間又は商品と役務間の関連性
本件商標と引用商標の指定商品の差である「仮装用衣服」「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」以外の指定商品については,同一又は類似であることから,これらの商品間の関連性については述べるまでもなく,あると思われる。
仮装用衣服が仮装や変装用のコスチュームであることに鑑みれば,用途や目的は少なくとも異なるであろうし,パーティ用品として陳列されることを考えれば,請求人が述べるように「用途・目的・品質・販売場所等を同じくする」とは言い難い。少なくとも被服等と仮装用衣服を比較した場合には,関連性が高いとは言えないであろう。
(8)商品等の需要者の共通性その他取引の実情
仮装用衣服の需要者が共通であるかは甚だ疑問ではあるが,被服等に関しては,想定する需要者層はおおむね共通であると思われる。
しかしながら,請求人の国内での主な販路は,請求人の公式オンラインショップウェブサイト,直営店,正規取扱店であり,その一方で,被請求人は,以前より被服等につきネット販売を行っている「楽天市場」(乙5)において,掲載を予定するのみである。
そして,上記3(3)のとおりの取引の実情がある。
また,そもそも,請求人と被請求人とは,その資本,企業規模,商品の販売数,売上のいずれにおいても全く異なるものであり,その販売規模も大きく異なっていると言える。さらに,上記のとおり販路が重複することもまず考えられない。
よって,需要者層としてはある程度共通しているものの,出所の誤認・混同を生じるとは考えにくい。
(9)その他
請求人は,さも引用商標1が周知,著名であるかのように話を展開しているが,文字商標ほど引用商標の歴史が長くないこともあり,まずはその前提を裏付ける,周知性を証明するに足る証拠を提出すべきであると思われる。
また,被請求人は,生まれ育った大阪の職人の技術力や品質のすばらしさを伝えたいという思いから「royalwest」ブランドを立ち上げ,大阪へ利益を還元することで,大阪の発展を目指していた(乙1)。本件商標は,このような被請求人の思いと,確固たる理念の中で生まれたものであり,少なくとも請求人商標に化体した高い信用・名声・顧客吸引力にフリーライドする目的で本件商標を出願したわけではない。被請求人に不正の目的がなかったことは上述のとおりであるし,そもそも商標法4条1項15号に「不正の目的」の要件はなく,このことを理由に本件商標が請求人の業務に係る商品等と誤認混同を生じさせるような態様で使用される可能性があると結論付けるのもあまりに短絡的である。
被請求人の商品は,未だ販売されてはいないものの,限られたネット販売を予定するのみであり,たとえ,この予定を考慮しなかったとしても,先に述べたとおり,請求人の実際の販売形態や業界の慣行を考えれば,誤認混同を生じないのは明らかである。
さらに,もし仮にフリーライドと評価されるような商標であったとしても,判決(乙10)によれば,「商標法4条1項15号の規定は,……ただ乗りと評価されるような商標の登録を一般的に禁止する根拠となるものではない」旨,及び「抽象的に商標の出所の不鮮明化や,商標の稀釈化か生じると主張するのみでは,本件商標が同号に該当することを根拠付ける主張となるものではない」旨述べられており,請求人が,「フリーライドする目的」を理由として,本件商標が請求人の業務に係る商品等と誤認混同を生じさせるような態様で使用される可能性があると主張するだけでは,何ら同号に該当する根拠とはならないものと思われる。
いずれにしても,本件は出所の誤認混同も考えにくいのであるから,商標法4条1項15号には該当しないと考えるのが相当である。
(10)小括
以上のことから,本件商標は,これをその指定商品に使用した場合であっても,請求人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品・役務であると出所を誤認混同するおそれはなく,すなわち,商標法4条1項15号には該当しない。
5 結語
以上のとおり,本件商標は,商標法4条1項11号及び同項15号のいずれにも該当するものではなく,同法46条1項の規定により無効とする理由がない。

第5 当審の判断
1 引用商標1の周知性について
(1)証拠及び請求人の主張並びに職権調査によれば,次のとおりである。
ア 請求人は,登山用品,サーフィン用品,アウトドア用品,衣料品などを製造販売する米国企業であり,1973年(昭和48年)から衣料品のブランド名として「patagonia」を採用し,当該ブランドを現在まで継続して使用している(甲5,6,11,職権調査)。
イ 請求人は,1988年(昭和63年)に日本支社を開設した(甲11,職権調査)。このことから,その頃から我が国において請求人の商品が販売されていたと推認できる。
ウ 請求人ブランドの商品は,平成23年度ないし同28年度において,我が国での売上高が毎年約81億円ないし101億円,販売数が毎年約84万点ないし145万点であった(甲4。1ドル=100円で換算)。
エ 請求人ブランドの商品を取り扱う我が国の直営店舗22店の入店者数及びインターネットサイトのヴュー数は,平成24年度ないし同28年度において,毎年度,約182万人ないし229万人及び約611万ヴューないし1,034万ヴューであった(甲7)。
オ 我が国における請求人ブランドの広告・販促費は,平成24年度ないし同28年度において,毎年度約3.5億円ないし4.8億円であった(甲7)。
カ 請求人ブランドの商品及びその広告には,1970年代から現在まで,色彩などその構成の一部が異なるものの,「patagonia」の文字,山脈の黒色のシルエット及び青色,オレンジ色など5層状に表された空の図からなる商標が使用され,平成6年頃から引用商標1(同一視できるものを含む。)が使用されていた(甲9?13)。
(2)上記(1)によれば,請求人の社名(略称)であり,請求人のブランド名である「patagonia」の文字は,本件商標の登録出願日(平成29年4月13日)前から,登録査定日(同年9月7日)はもとより現在においても継続して,請求人の業務に係る商品(いわゆる「アウトドアウェアなどアウトドア関連商品」)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められる。(なお,被請求人は,請求人の社名である「patagonia」の文字商標が少なくとも需要者の間に広く認識されているであろうことについては疑義がないと述べている。)
また,引用商標1(同一視できるものを含む。)が請求人ブランドの商品及び広告に,平成6年頃から継続して使用されていることを併せ考慮すれば,引用商標1も同様に,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めるのが相当である。
2 商標法4条1項11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,青色,オレンジ色など複数の色で5層に表した空と,白色で縁取りし黒色のシルエットで表したビル街を横長の四角形状(黒色で細く縁取りされている。)に描き,その下半分に「royalwest」の欧文字(なお,当該文字の末尾上部には「○の中にR」記号が付記されている。)をやや特徴のある書体(引用商標1の「patagonia」の欧文字部分と同一と認められる書体)で白抜きで表してなるものである。
そして,本件商標は,その構成中の「royalwest」の欧文字に相応して「ロイヤルウエスト」又は「ローヤルウエスト」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は,別掲2のとおり,青色,オレンジ色など複数の色で5層に表した空と,白色で縁取りし黒色のシルエットで表した山脈を横長の四角形状に描き,その下半分に「patagonia」の欧文字をやや特徴のある書体で白抜きで表してなるものである。
そして,引用商標1は,その構成中の「patagonia」の欧文字に相応して「パタゴニア」の称呼を生じ,上記1のとおり,引用商標1が請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであることから,「(請求人のブランドとしての)パタゴニア」の観念を生じると判断するのが相当である。
イ 引用商標2
引用商標2は,別掲3のとおり,青色,オレンジ色など複数の色で5層に表した空と,白色で縁取りし黒色のシルエットで表した山脈を正方形に描いてなるものであり,これより特定の称呼及び観念は生じないものと判断するのが相当である。
(3)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標と引用商標1との類否
本件商標と引用商標1の類否を検討すると,両商標の外観は,上記(1)及び(2)アのとおりであり,両商標は,黒色のシルエットがビル街か山脈か,白抜きの文字が「royalwest」か「patagonia」かの差異を有するものである。
他方,両商標は,青色,オレンジ色など複数の色で5層に表した空が各層の幅の割合,色合い及びその並び順も含めて極めて近似すること,黒色のシルエットの上部が白く縁取りされていること,下半分に欧文字を白抜きで表し,その書体もやや特徴のある書体で同一と認められること,両商標の構成全体における5層の空,黒色のシルエット及び白抜きの文字それぞれが占める割合,更には同じく両商標の構成全体における横長四角形の縦横の割合が極めて近似しているものである。
両商標のこれらの差異,及び共通点又は近似点を踏まえて,本件商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断すると,両商標は,これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合には,相紛れるおそれのある外観上類似の商標と判断するのが相当である。
次に,称呼については,本件商標から生じる「ロイ(ー)ヤルウエスト」と引用商標1から生じる「パタゴニア」の称呼は,両者の構成音が相違し相紛れるおそれはない。
また,観念においては,本件商標は特定の観念を生じず,引用商標1は「(請求人のブランドとしての)パタゴニア」の観念を生じるものであるから,両者は観念において相紛れるおそれはない。
そうすると,本件商標と引用商標1は,外観において類似し,称呼及び観念において相紛れるおそれがないものであるが,両商標の外観はいずれもその構成が極めて特徴的なものであって看者に強い印象を与えるものであるから,称呼及び観念において相紛れるおそれがないことは,両商標が別異のものであると認識させるほど強い印象を与えるものではないというべきである。
したがって,本件商標と引用商標1は,その外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
イ 本件商標と引用商標2との類否
本件商標と引用商標2の類否を検討すると,両商標の外観は,上記(1)及び(2)イのとおりであり,両商標は,黒色のシルエットがビル街か山脈か,白抜きの文字「royalwest」の有無,及び両商標の構成全体が横長四角形か正方形かなどの差異を有するものであり,これらの差異が両商標の外観全体から受ける視覚的印象に与える影響は少なくなく,これらを時と所を異にして離隔的に観察しても,相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
次に,称呼においては,本件商標が「ロイ(ー)ヤルウエスト」の称呼を生じるのに対し,引用商標2は特定の称呼を生じないから,両商標は相紛れるおそれのないものである。
さらに,観念においては,両商標は,いずれも特定の観念を生じないから,比較することができない。
そうすると,本件商標と引用商標2とは,外観及び称呼において相紛れるおそれがなく,観念においては比較できないものであるから,その外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本件商標と引用商標との指定商品及び指定役務の類否
本件商標と引用商標との指定商品及び指定役務は,上記第1及び上記第2の1のとおりである。
ア 本件商標と引用商標1との指定商品及び指定役務の類否
本件商標の指定商品中の第25類「被服,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,キャミソール,ティーシャツ,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,靴類,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」(以下,これらをまとめて「仮装用衣服以外の商品」ということがある。)は,引用商標1の指定商品及び指定役務中の第25類「被服」など及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」などと同一又は類似の商品である。
しかしながら,本件商標の指定商品中の第25類「仮装用衣服」と引用商標1の指定商品又は指定役務は,前者と後者中の「被服」などが原材料を共通にする場合があるとしても,前者は仮装用と限られた用途のものであり,後者は通常身に付けるものであるから,両者の用途は異なり,他に生産部門,販売部門が一致するなど両者が類似するというべき事情は見いだせないから,非類似のものというべきである。
イ 本件商標と引用商標2との指定商品及び指定役務の類否
本件商標の指定商品中の第25類「被服,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,キャミソール,ティーシャツ,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,履物,靴類,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」(「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服」以外の商品)は,引用商標2の指定商品及び指定役務中の第25類「被服」など及び第35類「被服の小売り又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供」などと同一又は類似の商品である。
しかしながら,本件商標の指定商品中の第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服」と引用商標2の指定商品又は指定役務は,生産部門,販売部門が一致するなど両者が類似するというべき事情は見いだせないから,非類似のものというべきである。
(5)小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標1との関係において,類似の商標であって,前者の指定商品中の仮装用衣服以外の商品と後者の指定商品又は指定役務とが同一又は類似のものであるから,商標法4条1項11号に該当する。
また,本件商標は,引用商標2との関係において,前者の指定商品と後者の指定商品又は指定役務とが同一又は類似のものがあるとしても,両商標が非類似の商標であるから,商標法4条1項11号には該当しない。
3 商標法4条1項15号該当性について
上記2のとおり,本件商標は,その指定商品中の仮装用衣服以外の商品について商標法4条1項11号に該当するものであるから,その余の指定商品(仮装用衣服)について,以下,本号に係る最高裁判決(平成10年(行ヒ)第85号)の判示事項に沿って,その該当性を検討する。
(1)当該商標と他人の表示との類似性の程度
上記2(3)アのとおり,本件商標と引用商標1とは,離隔的観察において相紛れるおそれのある類似の商標と認められるものである。
(2)他人の表示の周知著名性及び独創性の程度
上記1のとおり,引用商標1は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,請求人の業務に係る商品(アウトドアウェアなどアウトドア関連商品)を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認められるものであり,請求人ブランドの商品に係る売上高・販売数,直営店舗における来客数及びインターネットサイトのヴュー数などからすれば,その周知性の程度は高いとみるのが相当である。
また,引用商標1は,その構成中,白抜きで表された「patagonia」の文字は既成語であるものの,青色,オレンジ色など複数の色で5層に表した空及び白色で縁取りし黒色のシルエットで表した山脈は極めて特徴的であるから,独創性の程度も高いと言える。
(3)当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質,用途又は目的における関連性の程度
「仮装用衣服」と請求人の業務に係る商品中,例えば「アウトドアウェア」などは,類似する商品とは言えないものの,いずれも身に付ける商品であるという共通性を有するものである。
(4)商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情など
「仮装用衣服」と請求人の業務に係る商品の取引者及び需要者は,その共通性の程度は高いとは言えないが,いずれも一般需要者である。
(5)小括
上記(1)ないし(4)に照らし,本件商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば,本件商標権者が本件商標をその指定商品中「仮装用衣服」について使用した場合,これに接する取引者,需要者をして,本件商標と極めて特徴的な外観が類似する,周知性及び独創性の程度が高い引用商標1を連想又は想起させることが少なくないものと判断するのが相当である。
そうすると,本件商標は,その登録出願時及び登録査定時において,本件商標権者が本件商標をその指定商品中,第25類「仮装用衣服」について使用した場合,これに接する需要者が引用商標1を想起,連想し,当該商品を請求人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その出所について混同を生ずるおそれがあったというべきである。
したがって,本件商標は,その指定商品中,第25類「仮装用衣服」について,商標法4条1項15号に該当する。
4 付加的判断
当審は,上記のとおり,本件商標は,引用商標1と類似する商標であり,商標法4条1項11号及び同項15号に該当すると判断するものであるが,仮に両商標が類似する商標と言えないとしても,本件商標は,次のとおり,同項15号に該当すると認められるので,本件の速やかな解決に資するため,以下のとおり付加的に判断を明示する。
(1)当該商標と他人の表示との類似性の程度
上記2(3)アのとおり,本件商標と引用商標1は類似する商標であると判断するが,仮に両商標が類似する商標と言えないとしても,両商標は,外観において,青色,オレンジ色など複数の色で5層に表した空が各層の幅の割合,色合い及びその並び順も含めて極めて近似すること,黒色のシルエットの上部が白く縁取りされていること,下半分に欧文字を白抜きで表し,その書体もやや特徴のある書体で同一と認められること,両商標の構成全体における5層の空,黒色のシルエット及び白抜きの文字それぞれが占める割合,更には同じく両商標の構成全体における横長四角形の縦横の割合が極めて近似しているなどの共通点及び近似点を有するから,両商標の類似性の程度は相応に高いと言える。
(2)他人の表示の周知著名性及び独創性の程度
上記3(2)のとおり,引用商標1の周知著名性及び独創性の程度は高いと言える。
(3)当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質,用途又は目的における関連性の程度
本件商標の指定商品中の仮装用衣服以外の商品と請求人の業務に係る商品中の例えば「アウトドアウェア」などとは,同一又は類似する商品といえるから,両商品間の性質,用途又は目的における関連性の程度は高いと言える。
また,「仮装用衣服」と請求人の業務に係る商品とは,上記3(3)のとおり,類似する商品とは言えないものの,いずれも身に付ける商品であるという共通性を有するものである。
(4)商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情など
本件商標の指定商品中の仮装用衣服以外の商品と請求人の業務に係る商品中の例えば「アウトドアウェア」などとは同一又は類似する商品と言えるから,両商品の取引者及び需要者の共通性の程度は高い。
また,「仮装用衣服」と請求人の業務に係る商品の取引者及び需要者は,上記3(4)のとおり,いずれも一般需要者である。
(5)小括
上記(1)ないし(4)に照らし,本件商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば,本件商標権者が本件商標をその指定商品について使用した場合,これに接する取引者,需要者をして,本件商標と極めて特徴的な外観において共通点,近似点を有し,周知性及び独創性の程度が高い引用商標1を連想又は想起させることが少なくないものと判断するのが相当である。
そうすると,本件商標は,その登録出願時及び登録査定時において,本件商標権者が本件商標をその指定商品について使用した場合,これに接する需要者が引用商標1を想起,連想し,当該商品を請求人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その出所について混同を生ずるおそれがあったというべきである。
したがって,本件商標は,仮に引用商標と類似する商標と言えないとしても,商標法4条1項15号に該当する。
5 被請求人の主張について
(1)被請求人は,引用商標1の「複数の層からなる空及び黒色のシルエット風に表現された山脈の図」は時代とともに変遷しており需要者の間に広く認識されていると判断するに足る証拠が提出されていない,本件商標と引用商標1は称呼及び観念が異なること及び複数の層のからなる空の色が異なることなどから非類似の商標である,及び請求人商品が比較的高額であるなどとして本件商標は出所の混同のおそれはない旨主張している。
しかしながら,「複数の層からなる空及び黒色のシルエット風に表現された山脈の図」は時代とともに変遷しているものの,平成6年頃から登録査定日及び現在まで20年以上の間継続して使用されていることに加え,請求人ブランドの商品に係る売上高・販売数などを考慮すれば,引用商標1は請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであって,その周知性の程度は高いとみるのが相当である。なお,当審は,引用商標1の構成中「複数の層からなる空及び黒色のシルエット風に表現された山脈の図」の部分ではなく,同商標の構成全体の周知性を判断しているものである。
また,本件商標と引用商標1は,両商標を対比観察し子細にみれば,空の色が異なると言えるが,その差異は離隔的観察において着目される程のものとは言えないし,上記2(3)アのとおり称呼及び観念が異なることを考慮してもなお,類似する商標と判断するのが相当である。
さらに,本件商標が商標法4条1項11号及び同項15号に該当するものであることは上記2及び3のとおりであり,商標の類否や出所の混同のおそれの判断において考慮すべき取引の実情とは,その指定商品全般についての一般的・恒常的なそれを指すものであるから,個別的・変動的(一時的)な事情である請求人商品の価格帯を理由とする主張は考慮すべきものとは言えず,他に上記判断を覆すに足る事情は見いだせない。
したがって,被請求人の上記主張は採用できない。
6 むすび
以上のとおりであるから,本件商標の登録は,商標法4条1項11号又は同項15号に違反してされたものであるから,同法46条1項の規定に基づき,その登録を無効にすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本件商標)(色彩は原本参照)


別掲2(引用商標1)(色彩は原本参照)


別掲3(引用商標2)(色彩は原本参照)





審理終結日 2019-03-07 
結審通知日 2019-03-11 
審決日 2019-03-26 
出願番号 商願2017-60141(T2017-60141) 
審決分類 T 1 11・ 263- Z (W25)
T 1 11・ 261- Z (W25)
T 1 11・ 271- Z (W25)
T 1 11・ 262- Z (W25)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山本 敦子 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 平澤 芳行
田村 正明
登録日 2018-03-23 
登録番号 商標登録第6028801号(T6028801) 
商標の称呼 ローヤルウエスト、ロイアルウエスト、ロイヤルウエスト、ローヤル、ロイアル、ロイヤル、ウエスト 
代理人 特許業務法人 武政国際特許商標事務所 
代理人 鈴木 佑一郎 
代理人 本阿弥 友子 
代理人 乾 裕介 
代理人 加藤 ちあき 
代理人 中岡 起代子 
代理人 窪田 英一郎 
代理人 今井 優仁 

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