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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W16
審判 査定不服 外観類似 登録しない W16
審判 査定不服 観念類似 登録しない W16
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W16
管理番号 1351584 
審判番号 不服2018-12617 
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-21 
確定日 2019-05-07 
事件の表示 商願2017-90261拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第16類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年7月4日に登録出願されたものである。
そして,その指定商品については,平成30年2月23日付けの手続補正書をもって,第16類「日本製の紙製包装用容器,日本製の紙製包装用袋,日本製の紙製のぼり,日本製の紙製旗,日本製の紙類,日本製の文房具,日本製の印刷物」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第5986819号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ステープラ,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,紙製包装用容器,紙類,筆記用具,スタンプ,インキ,スタンプパッド,スタンプ用インキ,スタンプ付き筆記用具,文房具類,印刷物,新聞,雑誌,定期刊行物,写真,写真立て」を指定商品とするものであって,平成28年7月4日に登録出願された商願2016-71909に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,平成28年12月5日に登録出願され,同29年10月6日に設定登録されたものであり,その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
ア 本願商標は,別掲1のとおり,円輪郭内の中心部に,「TS」の欧文字及び「シキ」の片仮名を伴った六角形状の図形(以下「六角図形部分」という。)を配し,同円輪郭の内側上部に沿って「TAISEI」の欧文字を,同じく内側下部に沿って「OSAKA JAPAN」の欧文字をそれぞれ配した構成からなる。各文字部分は,いずれも同じ書体であるものの,文字の大きさについては,「TAISEI」,「TS」及び「シキ」の各文字が同じ大きさであるのに対し,「OSAKA JAPAN」の文字は小さな文字で表されている。また,六角図形部分は,六角形の3つの頂点から短い線を有するとともに,その内部に横線を介して「TS」及び「シキ」の文字が上下二段に配されていることから,視覚的に,ひとまとまりのものとして看取されるものと認められる。
本願商標における「TAISEI」の文字部分,「OSAKA JAPAN」の文字部分及び六角図形部分は,外観上,明確に分離して配されており,一見して明確に区別して認識できるものである。
イ 本願商標の構成中,「TAISEI」の文字部分は,その構成文字に相応して「タイセイ」の称呼を生じ,また,当該文字は辞書等には掲載されていない造語であると認められるから,特定の観念を生じないものといえる。
本願商標の構成中,六角図形部分は,その「TS」及び「シキ」の文字部分に相応して「ティーエスシキ」の称呼を生じ,また,その構成全体として特定の観念を生じないものと認められる。
本願商標の構成中,「OSAKA JAPAN」の文字部分は,我が国の地名である「(日本の)大阪」を意味する語であって,その指定商品との関係においては,商品の製造地又は販売地を表したものと認識させるにとどまるから,出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものと認められる。
本願商標は,その構成中の「TAISEI」の文字部分と六角図形部分とが,観念的に密接な関連性を有しているとは考え難いし,一連一体となった何かしらの称呼が生じるともいえない。
ウ 以上よりすると,本願商標は,その構成中の「TAISEI」の文字部分と六角図形部分とが,それぞれ要部として自他商品識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。
したがって,本願商標は,その要部の一である「TAISEI」の文字部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるものである。
(2)引用商標
引用商標は,別掲2のとおり,紺色で,略楕円状の円弧内に「T」の文字とその右に文字らしき図(なお,当該図は,「G」の文字を筆記体で表したものであるとしても,親しまれた書体でなく容易に判読することができない。)を配した図形を表し,さらにその右に「Taisei」の欧文字を太字で書してなるものである。
そして,引用商標は,その構成中の図形部分と文字部分とが観念的に密接な関連性を有しているとは考え難いことから,それぞれの部分が要部として自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。
そうすると,引用商標は,その要部の一である「Taisei」の文字部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるものである。
したがって,引用商標は,「Taisei」の文字部分に相応して「タイセイ」の称呼を生じ,また,当該文字は辞書等には掲載されていない造語であると認められるから,特定の観念を生じないものといえる。
(3)本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標の類否を検討すると,それぞれの要部である「TAISEI」の文字部分と「Taisei」の文字部分とは,外観において大文字と小文字の差異があるものの,つづり字を共通にするものであって,その称呼は,「タイセイ」で同一であり,観念については,両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較できないものである。
そうすると,本願商標の構成中「TAISEI」の文字部分と引用商標の構成中「Taisei」の文字部分とは,観念において比較できないとしても,外観においてつづり字を共通にし,称呼が同一であるから,これらを総合して全体的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのある類似のものと判断するのが相当である。
したがって,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標と認められる。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否
本願商標の指定商品中「日本製の紙製包装用容器,日本製の紙製包装用袋,日本製の紙類,日本製の文房具,日本製の印刷物」は,引用商標の指定商品中「紙製包装用容器,紙類,筆記用具,スタンプ,インキ,スタンプパッド,スタンプ用インキ,スタンプ付き筆記用具,文房具類,印刷物,新聞,雑誌,定期刊行物」と同一又は類似する商品であること明らかである。
(5)小括
以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,かつ,本願商標は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張
ア 請求人は,本願商標は全体的に統一されたデザインであり,その称呼は「タイセイテイエスシキオオサカジャパン」,観念は請求人そのものである旨,引用商標は文字の大きさは多少異なり前半部の「TG」が楕円のような半円で囲まれているものの,同じ書体同じ角度の斜体で統一され,8文字構成で称呼も「テイジイタイセイ」の8音と短いことから分離して判断すべきものでない旨,及び「タイセイ」の称呼が生じる語は多く存在し,中でも「大成」の語は,男の子の名,会社名,地名にも多く使用されているから,需要者及び取引者は,引用商標の構成中「Taisei」のみに着目しないことから,引用商標は分離して判断すべきものでない旨述べ,本願商標と引用商標は類似しない旨主張する。
しかしながら,上記(1)及び(2)のとおり,本願商標の構成中「TAISEI」の文字部分及び引用商標の構成中「Taisei」の文字部分は,それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められるところであり,さらに,指定商品を取り扱う分野において,「TAISEI(Taisei)」の語に識別力がない又は弱いといえるほど,「TAISEI(Taisei)」の文字のみが要部となる会社名等が多く存在すると認めるに足りる証拠はない。
イ 請求人は,過去の審決例を挙げて,本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張するが,商標の類否の判断は,対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ,上記審決例は,商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり,本願商標については,上記(3)においてした判断のとおりであるから,該登録例をもってその判断が左右されることはない。
ウ よって,請求人の上記主張はいずれも採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するから,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)

別掲2(引用商標。色彩は原本参照。)

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審理終結日 2019-02-28 
結審通知日 2019-03-05 
審決日 2019-03-18 
出願番号 商願2017-90261(T2017-90261) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W16)
T 1 8・ 262- Z (W16)
T 1 8・ 264- Z (W16)
T 1 8・ 263- Z (W16)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄深田 彩紀子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 庄司 美和
田村 正明
商標の称呼 タイセイオサーカジャパン、タイセーオーサカジャパン、タイセイ、タイセー、テイエスシキ 
代理人 野田 雅士 
代理人 中田 健一 
代理人 杉本 修司 
代理人 堤 健郎 

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