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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W10
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W10
管理番号 1351511 
審判番号 不服2018-9677 
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-07-13 
確定日 2019-04-17 
事件の表示 商願2017-59150拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,「なが?く使える」の文字と「マタニティベルト」の文字を上下2段に書してなるものであり,第10類及び第25類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年4月26日に登録出願されたものである。
その後,指定商品については,原審における同年8月21日付け手続補正書及び当審における同30年10月31日付け手続補正書により,最終的に,第10類「妊産婦用骨盤ベルト」と補正されたものである。

第2 当審における拒絶理由通知
当審において,請求人に対し,別掲2のとおりの事実を示した上で,平成30年8月17日付けで,要旨以下のとおり,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の拒絶理由を通知し,相当の期間を指定して,これに対する意見を求めた。
別掲2によれば,本願商標の構成中「なが?く使える」の文字部分は,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
また,本願商標の構成中,「マタニティベルト」の文字部分は,「妊婦の下腹に巻く帯(腹帯)」を総称する語としてごく普通に使用されているものであるから,その指定商品との関係においては,商品の普通名称といえるものであって,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
そうすると,本願商標は,これをその指定商品に使用したときは,取引者,需要者は,「妊娠中のみならず出産後も長い間使用できるマタニティベルト」程の意味合いとして理解し,認識するものであって,その商品の品質を表示したものとして理解するにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないものと認められる。
してみれば,本願商標は,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

第3 平成30年8月17日付け拒絶理由通知に対する請求人の意見の要旨
請求人は,本件審判に関して第1号証ないし第76号証の5を提出しているが,当該証拠の番号を甲第1号証ないし甲第76号証の5と読み替える。
1 請求人が原告である平成29年(ワ)第9989号商標権侵害行為差止等請求事件(以下「商標権侵害行為差止等請求事件」という。)においては,請求人の商品に対する積極的な宣伝広告活動が認められ,裁判所は,本願商標に係る商品は全国的に周知であり,本願商標は,自他商品の識別標識として認識されている出所識別標識力を有するものであると認定している。
2 販売数から推認できる本願商標を付した請求人の業務に係る商品(以下「請求人商品」という。)の所有率は高く,マタニティ関連商品の最大手の専門店での売上額を基準としても販売シェアは高いことから,請求人商品は全妊婦帯商品市場の中で大きな存在であるということができ,請求人商品を示す本願商標は現に需要者に広く認識されているため,本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する商標ではない。
3 別掲2(2)アに係る商品であるピジョン株式会社の業務に係る商品(以下「ピジョン社商品」という。)の商品タイトルには,「長く使える産前産後マタニティベルト」の文字があり,その商品パッケージは,「長?く使える マタニティベルト」の文字を含むものであるが,商標権侵害行為差止等請求事件の被告であるピジョン株式会社作成の準備書面(甲70)によれば,ピジョン社商品の商品パッケージは,請求人商品の商品パッケージに依拠して作成されたものである。そうすると,ピジョン社商品の存在を理由に本願商標が商標法により保護されないことは,上記商標権に係る商標を適切に使用し続ける請求人の業務上の信用が失墜するばかりか,商取引社会を混乱させる。
4 本願商標の構成中の「マタニティベルト」の文字は,指定商品を総称する語としてごく普通に用いられているものではないから,本願商標は,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ではない。
すなわち,
(1)上記第2の拒絶理由通知で引用した「長く使える」及び/又は「マタニティベルト」の文字を用いた商品の販売時期は,不明であるか,又は,請求人商品の販売開始時期(平成26年1月)よりも後に販売開始されたものである。
(2)上記第2の拒絶理由通知で引用した「長く使える」及び/又は「マタニティベルト」の文字を用いたウェブサイトは存在するが,いずれの商品も販売数量が不明である。
(3)上記第2の拒絶理由通知で引用した「マタニティベルト」の文字の用例の中には,ウェブサイトの検索用語として用いられている例がある(別掲2(2)ウ,エ,(4)ウ?キ)。
(4)上記第2の拒絶理由通知で引用した「マタニティベルト」の文字を用いたウェブサイトの中には,その体裁から見て個人の書き込みやブログであって,紹介している商品の名称が正確ではないものが含まれている(別掲2(4)ア,イ)。
(5)平成25年から平成30年に発売された妊婦向けの雑誌(甲38,甲65,甲72の1?4),指定商品の分野における大手メーカー4社の公式サイト(甲73,甲74の1?4)及び指定商品の分野における5つの大手通販サイト(甲75,甲76の1?5)を調査した結果においては,「産前又は産後に使用される腹部に巻く帯」の総称として,「マタニティベルト」の文字は使用されていない。
5 仮に,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても,本願商標は請求人商品を示す商標として需要者及び取引者に広く認知されていることは明らかであり,本願商標は自他識別力を有する。

第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)本願商標は,別掲1のとおり,「なが?く使える」の文字と「マタニティベルト」の文字を上下2段に書してなるものである。
(2)本願商標は,その構成中,「なが?く使える」の文字部分は,「なが?く」の文字における「?」の記号が長音符号の一種であって,少しひょうきんな表現や強調表現などをするときに普通に用いられるものであるから,該文字部分にあっては,「ながく(長く)」を強調表現したものとして看取されるものであり,その「なが?く使える」の文字からは,単に「長く使える」との意味合いが理解されるものである。
また,該「なが?く使える」の文字部分は,別掲2(2)及び(3)のインターネット情報等に示したとおり,その指定商品との関係においては,産前産後の期間を対象にして長く使える旨の記載が数多く見られることからすれば,「妊娠中のみならず出産後も長い間使用できる」程の意味合いを認識させるものであって,その商品の品質を示した表現として理解され,かつ,普通に用いられる方法で表されたものであり,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
(3)本願商標は,その構成中「マタニティベルト」の文字部分については,「マタニティー(maternity)」の語及び「ベルト(belt)」の語が,それぞれ「妊産婦。妊婦のための。」及び「洋服用の胴をしめる帯。バンド。」の意味を有する外来語として親しまれているものである(甲48の1・2)。
加えて,別掲2(1)の記載のとおり,「maternity belt」又は「maternity belts」の文字が,辞書及び「商品・サービス国際分類表[第11-2017版]」において,「妊婦の下腹に巻く帯(腹帯)」を意味する語として掲載されていること,及び「医療民族学論」の第3章第2節「マタニティ・ベルトの効用」の見出しの下,「1 腹帯の歴史」,「4 腹帯に科学的根拠があるか」及び「5 腹帯を巻く理由」等,「腹帯」に関連する記載(甲40,1992年(平成4年)出版:職権調査)が認められることからすれば,本願商標の構成中「マタニティベルト」の文字部分は,「妊婦の下腹に巻く帯(腹帯)」を意味する英語「maternity belt」の片仮名表記と理解されるものであって,「妊婦の下腹に巻く帯(腹帯)」の意味合いを認識させるものである。
そして,本願商標の構成中「マタニティベルト」の文字部分は,別掲2(2)及び(4)のとおり,その指定商品との関係においては,例えば,「骨盤ベルト」や「サポートベルト」等を含む様々な「妊婦の下腹に巻く帯(腹帯)」を総称する語としてごく普通に使用されているものであるから,商品の普通名称といえるものであって,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
(4)そうすると,「なが?く使える」の文字と「マタニティベルト」の文字を上下2段に書してなる本願商標は,これをその指定商品に使用したときは,取引者,需要者は,「妊娠中のみならず出産後も長い間使用できるマタニティベルト」程の意味合いを理解し,認識するものであって,その商品の品質を表示したものとして理解するにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないものと認められる。
してみれば,本願商標は,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第3条第1項第3号該当性に関する請求人の主張について
(1)請求人は,「別掲2(2)アに係る商品であるピジョン株式会社の業務に係る商品(以下『ピジョン社商品』という。)の商品タイトルには,『長く使える産前産後マタニティベルト』の文字があり,その商品パッケージは,『長?く使える マタニティベルト』の文字を含むものであるが,上記の商標権侵害行為差止等請求事件の被告であるピジョン株式会社作成の準備書面(甲70)によれば,ピジョン社商品の商品パッケージは,請求人商品の商品パッケージに依拠して作成されたものである。そうすると,ピジョン社商品の存在を理由に本願商標が商標法により保護されないことは,上記商標権に係る商標を適切に使用し続ける請求人の業務上の信用が失墜するばかりか,商取引社会を混乱させる。」旨を主張している。
しかしながら,本願商標が自他商品の識別標識として機能し得ないと判断した理由は,上記1の記載のとおりであって,ピジョン社商品の存在のみによるものではない。
(2)請求人は,「本願商標の構成中の『マタニティベルト』の文字は,指定商品を総称する語としてごく普通に用いられているものではないから,本願商標は,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ではない。
すなわち,ア 拒絶理由通知で引用した『長く使える』及び/又は『マタニティベルト』の文字を用いた商品の販売時期は,不明であるか,又は,請求人商品の販売開始時期(平成26年1月)よりも後に販売開始されたものである。
イ 拒絶理由通知で引用した『長く使える』及び/又は『マタニティベルト』の文字を用いたウェブサイトは存在するが,いずれの商品も販売数量が不明である。
ウ 拒絶理由通知で引用した『マタニティベルト』の文字の用例の中には,ウェブサイトの検索用語として用いられている例がある(別掲2(2)ウ,エ,(4)ウ?キ)。
エ 拒絶理由通知で引用した『マタニティベルト』の文字を用いたウェブサイトの中には,その体裁から見て個人の書き込みやブログであって,紹介している商品の名称が正確ではないものが含まれている(別掲2(4)ア,イ)。
オ 平成25年から平成30年に発売された妊婦向けの雑誌(甲38,甲65,甲72の1?4),指定商品の分野における大手メーカー4社の公式サイト(甲73,甲74の1?4)及び指定商品の分野における5つの大手通販サイト(甲75,甲76の1?5)を調査した結果においては,『産前又は産後に使用される腹部に巻く帯』の総称として,『マタニティベルト』の文字は使用されていない。」旨を主張している。
しかしながら,アについては,出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの適用判断の基準時は,査定又は審決の時と解するのが相当であるから,本願商標は,審決時(現時点)において,その指定商品との関係においては,商品の品質を表すものであって,自他商品の識別標識としての機能を有しないものであること上記1のとおりである。
イについては,「マタニティベルト」の文字は,上記1のとおり,「腹帯」を意味する英語「maternity belt」の片仮名表記であって,別掲2のとおり,妊婦用腹帯を取り扱う業界において「腹帯」を総称する語として多数使用されている実情から,自他商品の識別標識としての機能を果しえないものと判断したものであって,使用例に係る商品の販売数が不明であることは,上記判断を左右するものではない。
ウについては,「マタニティベルト」の文字が,ウェブサイト上の検索用語として使用されているということは,該文字を検索キーとして,腹帯等の商品を探し求める需要者が存在することを意味するものであるから,該文字がその指定商品との関係において,取引上,普通に使用されているといえる。
エについては,別掲2(4)ア及びイのウェブサイトは,「マタニティベルト」の語が「腹帯」等の商品を取り扱う業界において使用されている一例であって,当該ウェブサイトの記載が他の使用例と内容が整合していることに照らせば,証拠としての信用性が低いとはいえない。
オについては,上記アのとおり,出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの適用判断の基準時は,査定又は審決の時と解するのが相当であって,本願商標は,上記1のとおり,その指定商品との関係においては,商品の品質を表すものであって,自他商品の識別標識としての機能を有しないものであるから,一定期間,妊婦向けの雑誌等に「マタニティベルト」の語が使用されていないことは,上記判断を左右するものではない。
よって,請求人の上記の主張は,いずれも採用することができない。
3 使用による識別力の獲得について
請求人は,請求書において,「仮に,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても,本願商標は請求人商品を示す商標として需要者及び取引者に広く認知されていることは明らかであり,本願商標は自他識別力を有する。」旨を主張しているので,以下,検討する。
(1)事実認定
請求人の主張及び請求人が提出した証拠によれば,以下のことが認められる。
ア 請求人について
請求人は,1902年(明治35年)に創業した,妊婦用腹帯を含む妊婦用商品の市場における老舗メーカーである(甲17,甲39の12,甲46の8,甲46の9,甲64)。
イ 「なが?く使えるマタニティベルト」の文字の使用開始時期及び包装における使用態様について
請求人は,2014年(平成26年)2月から,骨盤ベルトタイプの妊婦用腹帯(以下,請求人の業務に係る骨盤ベルトタイプの妊婦用腹帯を「使用商品」という。)を発売した(甲16)。
使用商品の包装箱(甲4,甲17,甲20)の表面には,別掲3のとおり,上部の水色に塗りつぶした四角内の中段に,1行目に,「犬印 なが?く使える」の文字,2行目に,骨盤に腹帯を巻いた図形と,その右側に「マタニティベルト」の文字が配されており,そのうち「犬印 なが?く使える」の文字及び「マタニティベルト」の文字は,同じ色,ほぼ同じ書体,ほぼ同じ大きさで,表示されている(以下「使用態様1」という。)。
ウ 使用商品の販売数量等について
使用商品は,2014年(平成26年)1月から2018年(平成30年)8月までの間に合計約27万枚販売され,その販売数は毎年増え続けており(甲63),請求人が2014年(平成26年)1月以前から販売している他の妊婦用腹帯(請求人が取り扱う他の商品を含む。)と比べても販売数が最も多い(甲58)。
また,使用商品は,2017年(平成29年)には約6.6万枚販売されたところ(甲63),この販売数が,同年の推計出生数である94.1万(甲28)に占める割合は,約7%である。
エ 受賞歴
使用商品は,公益財団法人日本デザイン振興会が主催する,2015年度(平成27年度)「グッドデザイン賞」を受賞した(甲16)。
なお,上記を示す公益財団法人日本デザイン振興会のウェブサイトにおいては,大きく表示された妊婦用腹帯を示す画像の下に,「受賞対象名」として「妊婦帯[なが?く使えるマタニティベルト]」,「事業主体名」及び「受賞企業」として請求人名称の記載がある。
また,使用商品は,「犬印妊婦帯 ベルト 5アイテム」のうちのひとつとして,請求人の業務に係る他の4つの商品とともに,特定非営利活動法人日本マザーズ協会が開催する,2016年(平成28年)11月発表の「第8回マザーズセレクション大賞」に選ばれた(甲17)。
オ 請求人による広告宣伝について
(ア)広告費について
請求人は,使用商品の広告費(広告制作費を含む)として,使用商品の販売開始時期である2014年(平成26年)から2018年(平成30年)まで,合計約5617万円を支出した(甲62)。
(イ)広告宣伝の内容及び頻度について
a 雑誌広告
(a)請求人は,使用商品の販売開始時期である2014年(平成26年)から,主に妊産婦をターゲットとした3つの雑誌(「たまごクラブ」,「初めてのたまごクラブ」,及び「Pre-mo」)に広告を掲載し,また,2017年(平成29年)からは,主に妊産婦をターゲットとした雑誌「First Pre-mo」にも広告を掲載し,これらの4雑誌を合わせると,2014年(平成26年)から2018年(平成30年)10月までの間に通算52回,広告を掲載した(甲61)。
(b)請求人による使用商品に関する雑誌広告について,裏表紙,見開きページ等,1ページ(又は2ページ)の紙面を割いたものと認められる証拠中,8件(甲9?甲11,甲39の6,甲46の8(2葉目),甲46の9(2葉目),甲49,甲65)には,中央に大きく表示された妊婦用腹帯の画像の下に,別掲4のとおり,1行目に,「犬印 なが?く使える」の文字,2行目に,「マタニティベルト」の文字が配されており,該「犬印 なが?く使える」の文字及び「マタニティベルト」の文字は,同じ色,ほぼ同じ書体,ほぼ同じ大きさで,表示されている(以下「使用態様2」という。)。
また,使用態様2のすぐ下には,極小さな文字で「なが?く使えるマタニティベルトHB8149」と表示されている。
さらに,中央に大きく表示された妊婦用腹帯の画像の上には,「賢いママへの解答」の見出しの下,「犬印本舗ならではの特許『クロス構造』でサイズ調整が簡単らくちん。・・・犬印本舗のアイディア商品。『なが?く使えるマタニティベルト』。賢いママの新定番です。」と記載されている。
(c)請求人による使用商品に関するその他の雑誌広告には(甲31,甲32,甲39の12,甲46の6,甲46の7,甲46の8(3葉目),甲46の9(4葉目)),「犬印本舗/なが?く使えるマタニティベルト」,「犬印本舗×プレモ/なが?く使えるマタニティベルト」,「犬印本舗×プレモなが?く使える/マタニティベルト」のように,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が,「犬印本舗」又は「犬印本舗×プレモ」の文字と同じ書体,ほぼ同じ大きさで記載されており,特段「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が目立つようには表示されていない。
b 新聞広告
請求人は,2018年(平成30年)1月から毎月1回,日本医療衛生新聞に使用商品の広告を掲載し(請求人の主張),当該広告には,使用態様2が顕著に表示されている(甲71の2)。
c 母子健康手帳副読本
請求人は,2017(平成29年)年3月から1年間,都道府県・市区町村などの窓口で「母子健康手帳」とともに配布される「母子健康手帳 副読本」に使用商品の広告を掲載し(請求人の主張),当該広告には,水色又はピンク色で角丸の横長長方形中に,使用態様2が顕著に表示されている(甲12,甲71の1)。
d 電車広告
請求人は,2016年(平成28年)12月から都営地下鉄浅草線において使用商品の広告を掲載し(請求人の主張),当該広告には,使用態様2が顕著に表示されている(甲13)。
e 動画配信
請求人は,2014年(平成26年)1月からインターネット動画サイト「YouTube」に使用商品の動画広告を公開した(甲37)。
動画は,全体が1分53秒の長さで,0分00秒時点での映像を示す部分において,「なが?く使える/マタニティベルト」の文字が,中央に大きく表示されており,その映像を示す部分のすぐ下には,「なが?く使えるマタニティベルト 犬印本舗」の見出しの下,「視聴回数 53,909回」,「株式会社犬印本舗/2014/01/28に公開」の記載,及び「骨盤,腰痛対策に!これ一つで妊娠中も出産後も骨盤をしっかりサポート」の記載がある(甲37)。
カ 他人による使用商品の紹介について
(ア)雑誌による紹介
使用商品は,2015年(平成27年)及び2016年(平成28年)に発売された雑誌における商品「妊婦帯」に関する記事において,他社商品とともに紹介されている(甲14,甲15,甲39の2,甲46の10,甲65の3葉目)。
当該雑誌記事においては,商品の説明中,需要者による使用商品の感想文等に,「なが?く使えるマタニティベルト」,「犬印なが?く使えるマタニティベルト」,「犬印本舗の『なが?く使えるマタニティベルト』」等の記載があるところ,これらの記載は,その他の文章部分と同様の書体で記載され,特段「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が目立つように記載されていない。
(イ)新聞による紹介
使用商品は,2013年(平成25年)10月25日付け及び2018年(平成30年)10月5日付けの日本医療衛生新聞において,2回,紹介記事が掲載された(甲36,甲64)。
なお,2013年(平成25年)10月25日付けの日本医療衛生新聞においては,「Gマーク受賞品も披露/秋の犬印展示会を開催」の見出しの下,「たとえば,産前から始めて産後のお腹の引き締めを図る骨盤ベルトは,『なが?く使えるマタニティベルト』とした。」の記載及び使用商品及びその包装を示す画像の下に「なが?く使えるマタニティベルト」の記載があるところ,見出しの「犬印展示会を開催」の文字は,記事本文中及び画像の下の「なが?く使えるマタニティベルト」の文字に比べて,その縦,横の長さにして,それぞれが約3倍程度の大きさで,表示されている(甲36)。
また,平成30年10月5日付けの日本医療衛生新聞においては,「犬印本舗/高機能妊婦帯が好評/ライフスタイルに合わせ進化」の見出しの下,「売れ筋の新定番は,『なが?く使えるマタニティベルト』。」の記載があり,使用商品を示す画像の右側に「なが?く使えるマタニティベルト」の記載があるところ,見出しの「犬印本舗」の文字は,記事本文中及び画像の右側の「なが?く使えるマタニティベルト」の文字に比べて,その縦,横の長さにして,それぞれが約2倍程度の大きさで,表示されている(甲64)。
キ 通信販売用記事
(ア)通信販売用ウェブサイト
使用商品は,請求人以外の者が運営するインターネット上の通信販売用ウェブサイトにおいて,販売されている(甲21?甲26)。
なお,上記を示す証拠6件のうち,3件は,「犬印本舗 HB8149 犬印なが?く使えるマタニティベルト」,「犬印本舗 犬印 なが?く使えるマタニティベルト」のように記載されているところ,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字は,「犬印本舗」等の文字と同じ色,同じ書体,同じ大きさで記載され,特段「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が目立つように記載されていない(甲23?甲25)。
他の2件は,「INUJIRUSHI[イヌジルシ]/産前産後 なが?く使えるマタニティベルト」,「なが?く使えるマタニティベルト(ブラック・M)【送料無料】/犬印本舗」のように,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字と「INUJIRUSHI」,「犬印本舗」等の文字が,近接して併記されているところ,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字は,「INUJIRUSHI」,「犬印本舗」等の文字と比べると,大きく,異なる色で表示されている(甲21,甲26)。
残りの1件は,「なが?く使えるマタニティベルト(ピンクM)」の見出しの下,「妊娠中から産後まで骨盤ケアに長く使えます・・」等の説明文を介して,再度,「なが?く使えるマタニティベルト(ピンクM)」の記載があり,その下に,価格,色・種類,サイズ,在庫,素材,生産国等の記載を介して,「●ブランド/犬印本舗」の文字が併記されているところ,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字は,「犬印本舗」の文字と比べると,大きく表示されている(甲22)。
(イ)通信販売用の雑誌記事
使用商品は,妊産婦向けの雑誌に通信販売用の記事として掲載されている(甲33,甲34,甲39の3,甲39の4,甲46の1,甲46の4,甲46の5,甲50の2?9,甲51?甲57,甲72の2,甲72の4)。
なお,上記の証拠上,通信販売用の雑誌記事は,同じページに,複数の請求人以外の事業者の業務に係る妊婦用腹帯が多数併記されており,例えば,「なが?く使えるマタニティベルト」の表示のすぐ隣に,他人の業務に係る商品名を示す「長く使える産前産後ベルト」の表示が,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字と同じ書体,同じ大きさの文字で,並んで掲載されているものも見られる(甲55,甲56)。
そして,上記の証拠24件のうち,1件は,「なが?く使えるマタニティベルト/(犬印本舗)」のように記載されているところ,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字は,「犬印本舗」の文字に比べると,やや大きな文字で記載されているものの,両者は,同じ書体,同じ色で記載されており,特段「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が目立つように記載されていない(甲34)。
20件は,「なが?く使えるマタニティベルト」の見出しの下,価格やサイズ等の記載の下に,「●ブランド/犬印本舗」の文字が併記されており(甲33,甲39の3,甲39の4,甲46の1,甲46の4,甲46の5,甲50の2?9,甲54?甲57,甲72の2,甲72の4),3件は,「産前産後 なが?く使える/マタニティベルト」の見出しの下,カラー,サイズ等の記載の下に,「●ブランド:INUJIRUSHI」及び「●販売会社:(株)犬印本舗」の文字が併記されている(甲51?甲53)ところ,これらにおいて,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字は,「犬印本舗」等の文字と比べて,やや太めの書体で記載されているものも見られるが(甲51?甲53),ほとんどのものは,わずかに,文字の間隔や大きさに違いが見られるものの,同じ書体で記載されており,特段「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が目立つように記載されていない。
(2)判断
ア 使用商品について
前記(1)イないしオによれば,請求人は妊婦用腹帯の市場における老舗メーカーであって,使用商品は,2014年(平成26年)2月の販売開始から現在に至るまで,約5年間にわたり,多数販売され,2017年(平成29年)の販売数が,同年の推計出生数の約7%に当たること,2015年度(平成27年度)「グッドデザイン賞」及び2016年(平成28年)発表の「第8回マザーズセレクション大賞」を受賞した商品であること,妊産婦向けの雑誌や新聞において紹介されていること,請求人による使用商品の宣伝広告費が2014年(平成26年)から2018年(平成30年)まで,合計約5617万円に及び,雑誌,新聞,母子健康手帳副読本及び電車等の媒体を通じて,継続して広告を掲載してきたことからすると,使用商品自体は,販売開始からの期間がわずか5年程度と短い期間であるとしても,取引者及び需要者である妊産婦及びその関係者の間においてはある程度知られているものと認められる。
イ 「なが?く使えるマタニティベルト」の使用の具体的態様について
(ア)商品の包装及び宣伝広告における本願商標の使用態様について
a 使用商品の包装箱の表示は別掲3のとおりであるところ,当該表示中において,使用態様1は,当該包装の上部に顕著に表されているから,取引者,需要者にとって,商品の出所識別表示として看取されるものである。
そして,使用態様1は,骨盤に腹帯を巻いた図形部分と「犬印 なが?く使える」及び「マタニティベルト」の文字部分からなるところ,その構成上,図形部分と文字分は,視覚上,分離して看取し得るものであるから,両部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものということはきないものである。
さらに,使用態様1は,その構成中の文字部分が,同じ色,ほぼ同じ書体,ほぼ同じ大きさで表示されていることから,「犬印 なが?く使えるマタニティベルト」として,一体的な印象を看者に与えるものというべきである。
b 請求人による宣伝広告における「なが?く使えるマタニティベルト」の表示は,前記(1)オ(イ)によれば,別掲4に示した使用態様2によるものが大半を占める。
(a)使用態様2による表示は,雑誌広告のうち8件,電車広告,新聞広告及び母子健康手帳副読本の広告であるところ,使用態様2の「犬印 なが?く使える」の文字及び「マタニティベルト」の文字は,同じ色,ほぼ同じ書体,ほぼ同じ大きさで表示されていることから,「犬印 なが?く使えるマタニティベルト」として,一体的な印象を看者に与えるものというべきである。
そして,雑誌広告のうち8件において,中央に大きく表示された妊婦用腹帯の画像の下に表示された使用態様2の表示は,他の2つの「なが?く使えるマタニティベルト」の表示(使用態様2のすぐ下の表示及び「賢いママへの解答」の見出しの文章中の表示)に比べ,文字の縦,横の長さにして,それぞれが約3倍又は約5倍の大きさで顕著に表示されていることから,より強く看者の注意を引くものといえる。
(b)また,請求人による使用商品に関するその他の雑誌広告には,「犬印本舗/なが?く使えるマタニティベルト」,「犬印本舗×プレモ/なが?く使えるマタニティベルト」,「犬印本舗×プレモなが?く使える/マタニティベルト」のように,いずれも,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が,「犬印本舗」又は「犬印本舗×プレモ」の文字と同じ書体,ほぼ同じ大きさで記載されており,特段「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が目立つようには表示されていない。
(c)他方,動画配信による広告においては,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字は,上記認定のとおり,「犬印本舗」の文字よりも大きく,動画のタイトルとして表示されており,同文字よりも目立つ態様である。
しかしながら,上記認定のとおり,動画サイトの画面は,動画の最初の部分のみを示すものであり,動画の具体的な内容は,不明である。
また,上記証拠の印刷時期は不明であるところ,仮に,当該動画が,その公開日である2014年(平成26年)1月28日から,証拠の提出日である2018年(平成30年)3月7日まで配信されたものとしても,約4年間において,視聴回数は,約53,909回であり,さほど多いものとは認められない。
(イ)以上のことからすると,使用商品の包装及び請求人による各種媒体を介した宣伝広告においては,動画のタイトル名としての使用を除いて,いずれの場合においても,使用商品を示すものとして,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字は,「犬印」,「犬印本舗」等の文字と一体的な印象を看者に与える態様で表示されてきたということができる。
そして,上記1のとおり,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字は,本願の指定商品について使用された場合,その取引者,需要者によって,「妊娠中のみならず出産後も長い間使用できるマタニティベルト」程度の意味合いを有する表示,すなわち,本願指定商品の品質を普通に用いられる方法で示す記述的な表示として認識されるものである。
一方,「犬印」,「犬印本舗」等の文字については,これに接した者が,本願指定商品の品質を説明する記述的な表示として認識することは,考え難い。加えて,「犬印」,「犬印本舗」等の文字は,使用商品の生産及び販売主体である請求人の社名の一部を含む表示であるから,それ自体,出所が請求人であることを示すものといえる。
そうすると,「犬印」,「犬印本舗」等の文字は,単独で,使用商品の出所を示す機能を有するものと認められる。
してみれば,上記の商品の包装及び請求人による宣伝広告に接した取引者,需要者は,「なが?く使えるマタニティベルト」の表示をもって,使用商品という特定の商品を指すものとして理解ぜず,同表示のみによって使用商品の出所が請求人であると認識することはなく,併用されている「犬印」又は「犬印本舗」の文字に着目して,その使用商品の出所が請求人である旨を認識するものというべきである。
(ウ)その他の本願商標の使用態様について
前記(1)エ,カ及びキによれば,「グッドデザイン賞」受賞を示すウェブサイト記事,他人による使用商品の紹介記事及び通信販売用記事において,使用商品の名称を示すものとして,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が単独で使用されているものがみられるが,そのいずれにおいても,記事の他の部分には,「事業主体名 株式会社犬印本舗」,「秋の犬印展示会を開催」,「犬印本舗/高機能妊婦帯が好評」,「●ブランド/犬印本舗」,「●メーカー:(株)犬印本舗」,「●販売会社:(株)犬印本舗」などのように,商品の出所が請求人であることを示すものとして,「犬印」,「犬印本舗」等の文字が常に併記されている。
また,雑誌による紹介記事のうち1件(甲15),通信販売用ウェブサイトのうち3件(甲21,甲22,甲26),通信販売用の雑誌記事のうち4件(甲34,甲51?甲53)において,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が,「犬印」,「犬印本舗」等の文字に比して,大きく表示されているものの,商品の主となる出所識別標識として強く印象づける特徴的な態様で使用をされているとは認められない。
他に,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字が,「犬印」,「犬印本舗」等の文字に比して,より強い印象を看者に与える態様で使用された例は,見あたらない。
なお,提出された通信販売用の雑誌記事においては,上記認定のとおり,同じページ内に,他の事業者の業務に係る妊婦用腹帯も多数併記されており,例えば,使用商品を示す「なが?く使えるマタニティベルト」の表示のすぐ隣に,他人の業務に係る商品を示す「長く使える産前産後ベルト」の表示が,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字と同じ書体,同じ大きさの文字で,並んで掲載されることもある(甲55,甲56)。
そうすると,このような体裁の通信販売用の雑誌記事を見て商品を購入する需要者は,「なが?く使えるマタニティベルト」等の商品を示す文字のみによって,その商品の生産,販売主体を認識することはなく,併記された「犬印」,「犬印本舗」等の文字によって,その商品の出所が請求人である旨を認識するものというべきである。
そして,仮に,請求人の積極的な宣伝広告活動により,これらの通信販売用の雑誌記事を利用して商品を購入する需要者が,事前に請求人の使用商品を認識していたとしても,当該宣伝広告において,「なが?く使えるマタニティベルト」の文字は,「犬印」又は「犬印本舗」の文字と一体的な印象を与える態様で使用されており,これに接した需要者は,上記したとおり,併用されている「犬印」又は「犬印本舗」に着目して,使用商品の出所が請求人である旨を認識するというのが相当であるから,やはり,通信販売用の雑誌記事における「なが?く使えるマタニティベルト」の文字を見ただけでは,請求人の使用商品であるか否かを認識できないものと認められる。
してみれば,他人による使用商品の紹介記事及び通信販売用記事に接した取引者,需要者についても,「なが?く使えるマタニティベルト」の表示をもって,使用商品という特定の商品を指すものとして理解し,同表示のみによって使用商品の出所が請求人であることを認識することはなく,併用されている「犬印」又は「犬印本舗」に着目して,使用商品の出所が請求人である旨を認識するものというべきである。
ウ 小活
以上のことからすると,本願商標である「なが?く使えるマタニティベルト」の文字を付した請求人の業務に係る骨盤ベルトタイプの妊婦用腹帯それ自体については,妊娠中のみならず産後も使用できるという品質を有する商品として,取引者及び需要者にある程度知られているものと認められるとしても,本願商標は,特定の者の業務に係る商品を表示するものとして,取引者及び需要者の間で全国的に広く認識されているものということはできないから,本願商標が,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものということができない。
したがって,本願商標は,その指定商品について使用をされた結果,取引者及び需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められない。
(3)使用による識別力の獲得に関する請求人の主張について
請求人は,請求人が原告である商標権侵害行為差止等請求事件においては,請求人の商品に対する積極的な宣伝広告活動が認められ,裁判所は,本願商標に係る商品は全国的に周知であり,本願商標は自他商品の識別標識として認識されている出所識別標識力を有するものであると認定している,旨を主張している。
しかしながら,上記の事件に関する判決においては,「原告商品自体については,前述のとおり需要者たる妊産婦の間においてよく知られた商品となっていると認められるところ,その宣伝広告においては,『なが?く使えるマタニティベルト』の名称が使われることが多いことからすると,それが需要者の間で周知の商品表示になっていると解する余地があるというべきである。」と判示しているものであって,これによれば,その著名性については,「本願商標に係る商品は全国的に周知であり,本願商標は自他商品の識別標識として認識されている」とまで認定しているものではない。
よって,請求人の上記主張は,採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標


別掲2
(1)「maternity belt」についての辞書等への記載
ア 「maternity belt」の項に,「妊婦の下腹に巻く帯(腹帯)」の記載がある(JST科学技術用語日英対訳辞書(https://ejje.weblio.jp/content/maternity+belt))。
イ 「商品・サービス国際分類表[第11-2017版]アルファベット順一覧表 日本語訳 類似群コード付き」の見出しの下,「目次」の「3.3)類別表(注釈付き)対訳表」の「商品(第1類から第34類)全類通しアルファベット順一覧表 日本語訳 類似群コード付き」の「M」の場所の「III-4-111」ページに,第10類に属する商品の英語表記として「maternity belts」及び「日本語訳」として「腹帯」の記載がある。
(http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/kokusai_bunrui_11-2017.htm)
(http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/kokusai_bunrui_11-2017/all.pdf#page=205)
(2)「長く使える」及び「マタニティベルト」の両語が「腹帯」等の商品を取り扱う業界において使用されている例
ア 「amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「ピジョン 長く使える産前産後マタニティベルト 産前産後もこれ1本で骨盤・恥骨や腰の負担をしっかりサポート」及び「おなかの大きさに合わせてワンタッチテープでサイズ調節可能で,産前産後長い期間使えます。」の記載がある。
(https://www.amazon.co.jp/%E3%83%94%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3-%E9%95%B7%E3%81%8F%E4%BD%BF%E3%81%88%E3%82%8B%E7%94%A3%E5%89%8D%E7%94%A3%E5%BE%8C%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88-%E7%94%A3%E5%89%8D%E7%94%A3%E5%BE%8C%E3%82%82%E3%81%93%E3%82%8C1%E6%9C%AC%E3%81%A7%E9%AA%A8%E7%9B%A4%E3%83%BB%E6%81%A5%E9%AA%A8%E3%82%84%E8%85%B0%E3%81%AE%E8%B2%A0%E6%8B%85%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88-L-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF/dp/B01J9QFHN0)
イ 「楽天市場」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「マタニティベルト/maternity Belt/体にフィット&簡単装着!」及び「産前・産後まで長く使える!多機能マタニティベルトです♪・・・妊婦帯 マタニティーベルト 腹帯 産前産後 ダブルベルト 骨盤サポート」の記載がある。
(https://item.rakuten.co.jp/shion-shop/mt_blt/)
ウ 「amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「妊婦帯 腹帯としてダブルベルト 産前産後マタニティベルト 骨盤 恥骨や腰の負担をしっかりサポート」,「『保温,弾力』人間工学を追求した妊婦帯,腹帯,産前産後の骨盤ベルトとして,腹部は起毛素材でお腹の保温,弾力部分はメッシュ状で通気性が良く,無弾力部分は通気の編み方を使用し蒸し暑くなく,長く使える。」,「産後0?3ヶ月:骨盤ベルトとして/さらに産後すぐからは,産後リフォームの骨盤ベルトとしても利用可能で,産前から産後まで長く使用可能。」の記載がある。
(https://www.amazon.co.jp/%E8%85%B9%E5%B8%AF%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%83%80%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88-%E7%94%A3%E5%89%8D%E7%94%A3%E5%BE%8C%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88-%E6%81%A5%E9%AA%A8%E3%82%84%E8%85%B0%E3%81%AE%E8%B2%A0%E6%8B%85%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88-%E3%81%A7%E4%BD%93%E3%81%AB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%83%89%E8%89%B2/dp/B07CZ9WYNL)
エ 「amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「妊婦帯 腹帯 マタニティ サポートベルト 産前産後 長く使える」,「妊娠中の腰や背中の負担をやわらげるマタニティベルト。妊娠中の腰痛にお悩みの方に。腹帯,妊婦帯,マタニティベルトとして。」及び「産前は腰への負担やわらげるために,産後は骨盤矯正,骨盤補正として,妊娠中の冷えから守る子宮の保温としても。段階に合わせて各パーツを取り外すことができるから状況に応じて調整可能です。結果長くお使いいただけますので経済的です。」の記載がある。
(https://www.amazon.co.jp/%E5%B1%B1%E3%81%AE%E5%A5%A5-%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3-%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88-%E7%94%A3%E5%89%8D%E7%94%A3%E5%BE%8C-%E9%95%B7%E3%81%8F%E4%BD%BF%E3%81%88%E3%82%8B/dp/B07F29FCTQ/ref=pd_lpo_sbs_75_t_0?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=HRAJYYKPPAPYZZS8XW9M)
(3)「長く使える」の語が「腹帯」等の商品を取り扱う業界において使用されている例
ア 「株式会社ワコール」のウェブサイトにおける「産前&産後 骨盤ベルト」のページに,「こだわりの機能商品」の名称として「長く使える/産前&産後/骨盤ベルト」の記載があり,また,その商品の説明として「産前も産後も長い期間使っていただける待望の新製品『産前&産後 骨盤ベルト』が生まれました。」の記載がある。
(https://www.wacoal.jp/maternity/recommend/kotsubanbelt/index.html)
イ 「mamanoko」のウェブサイトにおいて,「妊娠中?産後の味方『トコちゃんベルト』の効果と着け方は?寝るときはどうする?」の見出しの下,「トコちゃんベルトとは?」の項に,「妊娠初期から産後まで長く使える」の見出しの下,「・・・トコちゃんベルトの種類によっては,妊娠初期から産後まで,出産後も長く使えるのが特長です。」の記載がある。
(https://mamanoko.jp/articles/26748)
ウ 「楽天市場」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「妊娠中から産後まで長く使える妊婦帯(骨盤ベルト)です。」,「産前産後,毎日,長く続けられる妊娠帯です。」及び「妊娠中から産後まで長く使える妊婦帯(骨盤ベルト)。腰痛,恥骨痛,冷え,骨盤調整にお勧め<日本製>産前産後兼用の<腰らく>妊婦帯・骨盤ベルト」の記載がある。
(https://item.rakuten.co.jp/milktea-mm/160828/)
エ 「mybest」のウェブサイトにおいて,「妊娠帯のおすすめ人気ランキング10選」の見出しの下,「お腹を下からしっかり支えてくれる【ベルトタイプ】」の項に,「お腹の大きさや形に合わせて巻く力を調整することができるので,産前はもとより,産後に広がってしまった骨盤を元の位置に戻す『骨盤矯正ベルト』としても使えるものもあります。このような,産前・産後どちらにも使えるタイプを選ぶと,長く使えるのでお得感がありますよ。」の記載がある。
(https://my-best.com/2991)
オ 「mamanoko」のウェブサイトにおいて,「【妊娠中?産後の骨盤ケア】骨盤ベルト人気10選!位置や巻き方,いつまで着ける?」の見出しの下,「妊娠中からも使用できるおすすめの骨盤ベルト」の項に,「妊娠中の腰痛サポートや,産後の体型戻しなどに大活躍の骨盤ベルト。長く使えるものなので,産前から用意しておいて損はありません。」の記載がある。
(https://mamanoko.jp/articles/13395)
(4)「マタニティベルト」の語が「腹帯」等の商品を取り扱う業界において使用されている例
ア 「【安産のしおり】ママと赤ちゃんの出会いを助ける支援サイト」のウェブサイトにおいて,「妊婦さんのための腰痛対策・改善方法まとめ。ベルト?湿布?安全な方法は」の見出しの下,「妊娠中の腰痛軽減には,ベルトもしっかり選びたい!」の項に,「腰痛を軽減させてくれるアイテムにマタニティベルトというものがあります。マタニティベルトとは,ホルモンの分泌により大きく広がった骨盤を支えるというもの。骨盤を支えることによって産前のスタイルに戻しやすくする効果や,骨盤のゆがみをサポートしてくれるのです。」の記載がある。
(http://premama-check.com/?p=636)
イ 「専門家による監修つきの記事をお届け/ベビーカレンダー」のウェブサイトにおいて,「おなかが大きくなって腰痛が悪化!妊娠中に私を救ったマタニティベルト」の見出しの下,「そこで活躍したのが,2つのマタニティ・サポートバンドとベルト。」及び「そんなときに,痛みを軽減してくれたマタニティベルトをご紹介します。」の記載がある。
(https://baby-calendar.jp/smilenews/detail/2843)
ウ 「Yahoo!ショッピング」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「上下で支えて安定感バツグン!/腹帯 マタニティベルト」及び「安定感バツグンの腹帯マタニティベルト。産後は骨盤矯正にも!」の記載がある。
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/shop-always/r170612-01n.html)
エ 「Yahoo!ショッピング」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「妊婦帯 産前産後マタニティベルト 腹帯としてダブルベルト 骨盤 恥骨や腰の負担をしっかりサポート」,「腹帯 妊婦帯,マタニティベルトとしても,骨盤ベルト 産前産後としても使えます。」及び「・・・『産前産後マタニティベルト』は伸縮性抜群のやわらか素材を使用しており,産前・産後・・・快適に着用できます」の記載がある。
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/ohmybox/0522ohmyboxte03.html?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsr_title)
オ 「Yahoo!ショッピング」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,商品の紹介として「AQshop Maternity 妊婦用 マタニティ ベルト 産前産後もこれ一本 産前 腹帯 産後 骨盤ベルト」及び「AQshopのマタニティベルトは,第三者機関にて品質検査・・・」の記載がある。
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/hirataoffice123/a-4573219600119-20180721.html?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsr_title)
カ 「Yahoo!ショッピング」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「腹帯 マタニティベルト 骨盤矯正 骨盤補正 妊婦帯 骨盤ベルト 腰ベルト 妊婦腹巻 補助腹帯 産前 産後 サポートベルト」及び「妊娠初期から妊娠後期まで使用可能なマタニティベルトです。」の記載がある。
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/mignonlindo/yph-59890.html?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsr_title)
キ 「Yahoo!ショッピング」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「SHINPACK 妊婦帯 腹帯 マタニティベルト 産前産後のお腹・骨盤ケアに 恥骨や腰の負担をしっかりサポート」の記載がある。
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/amber3/20180623131647-1070.html?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsr_title)
ク 「楽天市場」のウェブサイトにおいて,「腹帯」が販売されており,その商品の紹介として「妊婦帯 腹帯 電磁波からベビーを守ろう/電磁波99%カットのマタニティベルト/電磁波防止 ベリィ・バンド 妊婦帯」の記載がある。
(https://item.rakuten.co.jp/flowerkids/bba-bl-016-017/)

別掲3
(1)使用商品の包装(早期審査に関する事情説明書(商標の使用を示す書類)の写し)


(2)使用態様1:使用商品の包装における表示(上記(1)から抜粋)


別掲4 使用態様2:使用商品の広告における表示(甲9の写しから抜粋)



審理終結日 2019-02-21 
結審通知日 2019-02-22 
審決日 2019-03-06 
出願番号 商願2017-59150(T2017-59150) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W10)
T 1 8・ 17- Z (W10)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤星 直昭森山 啓 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 榎本 政実
渡邉 あおい
商標の称呼 ナガークツカエルマタニティベルト、ナガークツカエル、マタニティベルト、マタニティ 
代理人 寺本 亮 
代理人 小沢 昌弘 

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