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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W03
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W03
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W03
管理番号 1350831 
審判番号 不服2018-650035 
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-12 
確定日 2019-02-25 
事件の表示 国際登録第1312614号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類、第4類、第16類、第21類及び第24類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2015年9月16日及び同年11月19日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2016年(平成28年)1月21日に国際商標登録出願され、その後、本願の指定商品については、原審における平成29年9月4日付けの手続補正書により、第3類「Eau de parfum.」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1053694号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和46年8月9日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同49年2月4日に設定登録、その後、平成17年2月23日に指定商品を、第3類「せっけん類,化粧品,香料」とする指定商品の書換登録がされ、さらに、同26年1月21日に、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第1795273号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、昭和57年10月18日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年7月29日に設定登録、その後、平成17年11月16日に指定商品を、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」とする指定商品の書換登録がされ、さらに、同27年7月7日に、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第5397344号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、平成21年5月1日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン」を指定商品として、同23年3月11日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、凹凸のある線で書された「SEZANE」(2文字目の「E」にはアクサンテギュが付されている。)の欧文字からなるところ、該文字は、一般的な辞書に掲載がなく、また、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そして、欧文字からなる造語については、これを称呼する場合には、我が国において親しまれたローマ字の読み又は英語における発音に倣って称呼されるものであるから、本願商標からは、「セザネ」又は「セザン」の称呼が生じるものである。
また、本願の指定商品を取り扱う業界においては、商標等にフランス語を用いることがしばしば見受けられ、さらに、本願商標は、2文字目の「E」の文字にアクサンテギュが付されていることから、本願商標は、フランス語風に、「セザヌ」の称呼をも生じるというのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して、「セザネ」、「セザン」又は「セザヌ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1及び引用商標2について
引用商標1は、別掲2のとおり、「CEZANNE」の欧文字からなり、引用商標2は、別掲3のとおり、「CEZANNE」の欧文字と「セザンヌ」の片仮名を上下二段に書してなるところ、それらの構成中の「CEZANNE」及び「セザンヌ」の文字は、フランスの画家として著名な「セザンヌ(Paul Cezanne(6文字目の「e」にはアクサンテギュが付されている。以下同じ。))」を容易に想起させるものである。
してみれば、引用商標1及び引用商標2は、その構成文字に相応して「セザンヌ」の称呼を生じ、フランスの画家として著名な「セザンヌ(Paul Cezanne)」の観念を生じるものである。
イ 引用商標3について
引用商標3は、別掲4のとおり、「ずっと安心、ずっとキレイ」の文字と「CEZANNE」の欧文字を上下二段に書してなるところ、下段の「CEZANNE」の欧文字は、上段の文字部分より、やや大きく目立つように書されており、これに接する取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから、「CEZANNE」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して、商標の類否を判断することが許されるものである。
してみれば、引用商標3は、構成全体から生じる「ズットアンシンズットキレイセザンヌ」の称呼のほか、要部である「CEZANNE」の文字部分に相応して「セザンヌ」の称呼を生じ、当該文字は、フランスの画家として著名な「セザンヌ(Paul Cezanne)」を容易に想起させるものであるから、フランスの画家として著名な「セザンヌ(Paul Cezanne)」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討すると、本願商標と引用商標とは、外観においては、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、その全体の構成態様や構成中の欧文字部分の語頭の「S」と「C」の相違、「N」の欧文字の重複の相違など明らかな差異を有するものであるから、外観上明確に区別できるものである。
次に、称呼においては、本願商標からは「セザネ」、「セザン」又は「セザヌ」の称呼を生じ、引用商標からは「セザンヌ」の称呼を生じるところ、「セザネ」の称呼と「セザンヌ」の称呼との比較においては、それぞれの構成音及び構成音数の相違により、明らかに聴別できるものである。
また、「セザン」の称呼と「セザンヌ」の称呼との比較においては、「ヌ」の音の有無に差異があり、「セザヌ」の称呼と「セザンヌ」の称呼との比較においては、「ン」の音の有無に差異があるところ、これらの差異音が、共に3音と4音という短い音構成において、称呼全体に及ぼす影響が少ないものとはいい難く、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相違し、明らかに聴別できるものである。
そして、観念においては、本願商標からは特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、フランスの画家として著名な「セザンヌ(Paul Cezanne)」の観念を生じるものであるから、両者は、観念上相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、商品の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】




審理終結日 2019-01-24 
結審通知日 2019-02-01 
審決日 2019-02-13 
国際登録番号 1312614 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W03)
T 1 8・ 262- WY (W03)
T 1 8・ 263- WY (W03)
最終処分 成立  
前審関与審査官 林 圭輔 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 鈴木 雅也
木住野 勝也
商標の称呼 セザンヌ、セザネ、セザン 
代理人 鈴木 昇 
代理人 岡田 稔 
代理人 坂上 正明 
代理人 曾我 道治 

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