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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W43
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W43
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W43
管理番号 1350826 
審判番号 不服2018-8476 
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-20 
確定日 2019-04-23 
事件の表示 商願2017- 29668拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成29年3月7日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同年11月15日受付の手続補正書により、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,まくらの貸与,毛布の貸与」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3166489号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成4年9月29日に登録出願、第42類「アルコ?ル飲料の提供,茶・コ?ヒ?・ココア・清涼飲料又は果実飲料等の飲食物の提供,西洋料理の提供,日本料理の提供,甘味の提供」を指定役務として、同8年6月28日に特例商標として設定登録され、その後、同18年2月21日及び同28年4月12日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、右上に枝状に伸びる線を茶色で表し、その余の部分は黒色で表したY字状図形を、三つ、図形の線の太さと同程度の間隔を空けて右方向へ一つずつずらして重ねた図形と、その右端の枝状に伸びる線の下に、小さな縦長の平行四辺形及び全体の三分の一ほどの高さのS字状図形を黒色で表して結合させた、特徴的な構成からなる一種の幾何図形というべき図形を上段に配し、その下段にややスペースを空けて、「Y’S HOTEL」の欧文字を、「Y」の文字は他の文字に比してやや大きく、「S」と「H」の間はやや間隔をあけて、各構成文字を黒色で同じ書体をもってまとまり良く一体に横書きした構成からなるものである。
そして、上段の図形部分(以下「本願図形部分」という。)と、下段の文字部分(以下「本願文字部分」という。)とは、間隔を空けて配置されており、両部分は、視覚的に分離して看取されるものであって、各構成部分がそれを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。
してみれば、本願商標においては、本願図形部分及び本願文字部分がそれぞれ独立して、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
そして、本願図形部分は、我が国において特定の事物を表したもの、又は特定の意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は見いだせないことから、これよりは、特定の称呼及び観念は生じないものである。
また、本願文字部分は、上記のとおり、同じ色、同じ書体でまとまり良く一体的に表されているところ、構成中の「’S」が、縮約語や所有格を表す英語であり、「HOTEL」が「ホテル」を意味する英語(いずれも「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)であるとしても、「Y’S HOTEL」の文字は、辞書等に載録がないものであって、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるといえるものである。
そうすると、本願商標からは、本願文字部分に相応して、「ワイズホテル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、左斜め下に傾く楕円型の輪郭線に、「Y’s」の欧文字を太文字で大きく表して重ねた構成よりなるところ、引用商標構成中の楕円型の輪郭線は、装飾的に配置された背景図形として看取されるものとみるのが自然であり、特定の称呼及び観念を生じるとはいえないものである。
そして、引用商標構成中の「Y’s」の文字は、辞書等に載録がないものであって、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるといえるものであるから、引用商標からは、その構成文字に相応して「ワイズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
ア 外観について
本願商標と引用商標の外観について比較すると、本願商標の構成全体と引用商標とを比較したときには、本願図形部分及び「HOTEL」の文字の有無により、明確に区別し得るものである。
また、本願図形部分と引用商標の外観について比較しても、本願図形部分は、特徴的な構成からなる一種の幾何図形と認識されるものである一方、引用商標は、楕円型の輪郭線と欧文字を重ね合わせた構成からなるものであって、外観上の印象が明らかに異なり、判然と区別し得るものである。
そして、本願文字部分と引用商標の外観について比較した場合であっても、両者は「HOTEL」の文字の有無の差異から、外観上の印象が明らかに異なり、判然と区別し得るものである。
イ 称呼について
本願商標から生じる「ワイズホテル」の称呼と、引用商標から生じる「ワイズ」の称呼を比較すると、両称呼は、その音数及び音構成において明らかな差異を有するものであるから、両商標は、称呼上、明瞭に聴別されるものである。
ウ 観念について
本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することはできない。
エ 小括
本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において顕著な差異を有し、称呼において明らかに相違するものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標をその指定役務に使用しても、両商標は役務の出所について混同を生ずるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、役務の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 (本願商標:色彩については、原本を参照。)


別掲2(引用商標)


審決日 2019-04-05 
出願番号 商願2017-29668(T2017-29668) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W43)
T 1 8・ 262- WY (W43)
T 1 8・ 261- WY (W43)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐藤 純也石塚 文子 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 真鍋 恵美
鈴木 雅也
商標の称呼 ワイズホテル、ワイズ 
代理人 北村 周彦 

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