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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25
管理番号 1350797 
審判番号 取消2017-300255 
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-04-12 
確定日 2019-04-01 
事件の表示 上記当事者間の登録第0698058号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第698058号商標(以下「本件商標」という。)は,「LaLa」の欧文字と「ララ」の片仮名を2段に書してなり,昭和39年5月28日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同41年2月8日に設定登録されたものであり,その後,平成18年4月12日に指定商品を第5類,第9類,第10類,第16類,第17類,第20類,第21類,第22類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ,同28年2月2日に商標権の存続期間の更新登録が第24類及び第25類についてされた結果,その指定商品は第25類「被服」及び第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品となった。
そして,本件審判の請求の登録は,平成29年4月24日にされたものである。

2 請求人の主張
請求人は,本件商標の指定商品中,第25類「被服」について登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を次のように述べ,証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
請求人は,被請求人の答弁及び回答書に対して弁駁していない。

3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求め,審判事件答弁書及び回答書において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の商品「浴衣」への使用について
本件商標の使用に係る「浴衣」は,添付の商品写真(乙1の1)に示すとおりであり,本件商標と社会通念上同一の商標である「LaLa」が,外与株式会社(以下「外与社」という。)が販売する浴衣の下げ札に鮮明に付されており,当該商品について使用されていることは明らかである。
外与社は,本件商標権者の親会社であり(乙2,3),商標権使用許諾契約書(乙4)に示すとおり,本件商標権の通常使用権者である。
また,上記下げ札の裏面最下段に表示された「T-15」は,日本織物中央卸商業組合連合会で定められた外与株式会社のコードである(乙1の1の7・15)。
本件商標の使用に係る浴衣は,外与社の販売管理システムに蓄積された平成28年6月1日ないし同年8月20日までの商品売上集計データ(乙1の2)の中の,アンドウ(株)(乙5)より仕入れた「浴衣 KimonoCafe」,品番64ANDYK0008,及び「浴衣 Wa de MOdern」,品番64ANDYK0013の2品種であり,この間に前者が3枚,後者が2枚販売された。
さらに,これら浴衣を販売した外与社の個人向け店舗,布屋みさやま(乙6)のレジデータ(乙1の3)では,前者は平成28年7月9日,同月24日,同月30日に各1枚が,後者は同年6月4日,7月10日に各1枚が個人に販売された。
(2)本件商標の商品「ガウチョパンツ」への使用について
本件商標の使用に係る商品「ガウチョパンツ」は,添付の商品写真(乙7の1)に示すとおりであり,本件商標と社会通念上同一の商標である「LaLa」が,外与社(通常使用権者)が販売するパンツの織ネーム及び下げ札,収納袋に鮮明に付されており,当該商品について使用されていることは明らかである。
本件商標の使用に係る商品「ガウチョパンツ」は,発注書(乙7の3)に示すとおり,平28年1月15日に外与社が株式会社トニー(以下「トニー社」という。)に製造を発注したもので,コード欄に「426」,品番欄に「00171」,及び右部にあるブランドラベル欄,ブランドネーム欄には「ララ」と本件商標に符号する商標の表記があり,このように当該商品は,品名が「42600171」であり,これは商品写真(乙7の1)に示される織ネーム,下げ札やケアラベルの「NO.426-0017-1」の品名表示とも一致する。
そして,外与社の倉庫別商品元帳データ(乙7の2)には,品名欄に「42600171」とあるとおり,リストの1ないし3行には,トニー社から平成28年3月24日,同月29日,同月31日に465点,2点,2点を仕入(入庫数量欄),以下,同年3月31日には株式会社K.Senseに20点(出庫数量欄)を販売するなど,同年10月14日までに合計468点が販売されたことが記載されている。
(3)本件商標の商品「カーディガン」への使用について
本件商標の使用に係る商品「カーディガン」は,商品写真(乙8の1)に示すとおりであり,本件商標と社会通念上同一の商標である「LaLa」が,外与社(通常使用権者)が販売するカーディガンの織ネーム及び下げ札に鮮明に付されており,当該商品について使用されていることは明らかである。
本件商標の使用に係る商品「カーディガン」は,発注書(乙8の3)に示すとおり,平成27年11月26日に外与社がアルモワーレ及び田村駒株式会社に製造を発注したもので,コード欄に「426」,品番欄に「0003-7」とあり,これは商品写真(乙8の1)に示される織ネーム,下げ札やケアラベルの「NO.426-0003-7」の品名表示とも一致する。
そして,外与社の倉庫別商品元帳データ(乙8の2)には,品名欄に「42600037」とあるとおり,リストの1ないし2行には,田村駒株式会社から平成28年2月22日に10点,289点を仕入(入庫数量欄),以下,同月29日には株式会社アスティに4点(出庫数量欄)を販売するなど,同年8月29日までに合計271点が販売されたことが記載されている。
(4)本件商標の商品「ブラウス」への使用について
本件商標の使用に係る商品「ブラウス」は,商品写真(乙9の1)に示すとおりであり,本件商標と社会通念上同一の商標である「LaLa」が,外与社(通常使用権者)が販売するブラウスの織ネーム及び下げ札,収納袋に鮮明に付されており,当該商品について使用されていることは明らかである。
本件商標の使用に係る商品「ブラウス」は,外与社の倉庫別商品元帳データ(乙9の2)には,品名欄に「42601094」とあるとおり,リストの2行などには,株式会社MONOGRAM2(審決注:「2」はローマ数字により表されている。)から平成29年6月12日に919点を仕入(入庫数量欄),以下,同月12日にはむろい株式会社に250点(出庫数量欄)を販売するなど,同年8月28日までに合計245点が販売されたことが記載されている。
(5)むすび
以上のとおり,本件商標に係る通常使用権者(外与社)が,商品「パンツ,ガウチョパンツ,カーディガン,ブラウス」に本件商標「LaLa」を表示した織ネームや下げ札を付して,審判請求の登録前3年以内に日本国内において,審判請求に係る指定商品中「被服」について使用されているものであるから,本件の商標登録は商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきではない。

4 当審の判断
(1) 被請求人の提出する証拠及び主張によれば,以下のとおりである。
ア 本件商標権者は,主たる事業を婦人服地及び紳士服地の企画加工販売,婦人服の企画製造販売及びその他ファッションに附帯する一切の業務とし,外与社ほかがその株主となっている。そして,本件商標権者の代表取締役社長には,外与社の代表取締役社長が就任しており,また,本件商標権者の取締役及び監査役には,外与社の取締役が就任している(乙3)。
イ 外与社は,昭和24年に設立された法人であり,その事業内容を繊維品製造販売(取扱品目:アパレル・呉服全般・毛皮宝飾・その他ファッショングッズ),小売事業及び林業とする(乙2)。
ウ 平成22年10月1日付けの「商標権使用許諾契約書」(乙4)には,「第1条 使用許諾商標 甲(審決注:本件商標権者)は乙(審決注:外与社)に対し,甲の所有する商標(以下本商標群という)を使用することを許諾する。」,「第2条 乙は本商標群を日本国内で甲が権利を所有する範囲内においてのみ使用する。商品については被服,鞄,アクセサリー類に限る。」及び「第7条 期間 本契約の有効期間は締結日より5年とし,期間満了3ヶ月前までに甲乙いずれからも申し入れがなければ,同1条件で継続するものとする。」との記載がある。
そして,その後,本件商標権者又は外与社が,当該契約を終了する旨の申し入れを行ったことは確認できない。
エ 登録商標の使用説明書(乙7)掲載された写真(乙7の1)は,平成30年1月24日に京都府京都市内の被請求人代理人により撮影されたものである。当該写真には,黒色の商品「ガウチョパンツ」(審決注:裾に向かって広がったシルエットのひざ下丈が7分丈のズボン。)が掲載されている(以下「使用商品」という。)(乙7の1の1)。そして,使用商品には,織りネーム及び下げ札が付され,それぞれ「LaLa」の欧文字(以下「使用商標」という。)の記載がある(乙7の1)。
オ 「倉庫別商品元帳」(外与社の販売管理システムの情報,乙7の2)に記載された商品コード,取引単価と,外与社がトニー社に宛てた「発注書」(乙7の3)に記載されたコード・品番及び原価が一致すること,並びに,前者の入庫日(伝票日付)及び入庫数量と後者の納期及び数量について不自然な点がないことに照らせば,外与社は,平成28年1月15日付けでトニー社宛てに,商品「ガウチョパンツ」を500着発注し(乙7の3),その後,トニー社は,外与社に対し,同年3月24日に465着を納品したことが認められる(乙7の2)。さらに,外与社がトニー社に宛てた「発注書」(乙7の3)に記載されたコード・品番,品質及びブランドラベル並びにデザイン画と,登録商標の使用説明書(乙7)に掲載された写真(乙7の1)中の商品タグに記載の「NO.」,材質表示及び使用商標並びに当該写真の商品のシルエット等が,それぞれ一致することに照らせば,トニー社が外与社に対して納品した商品は,使用商品と同一の商品であることが推認できる。
(2)判断
ア 使用商標
本件商標は,上記1のとおり,「LaLa」の欧文字と「ララ」の片仮名とを2段に書してなるところ,いずれの文字も辞書等に掲載の見受けられず,特定の意味を有しない造語と認識されるものであるから,上段又は下段の構成各文字から,「ララ」の同一の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
そして,使用商標は,「LaLa」の欧文字を表したものであり,これからは,「ララ」の称呼を生じ,特定の意味を有しない造語と認識されるものであるから,本件商標と社会通念上同一のものと認められる。
イ 使用商品
使用商品である「ガウチョパンツ」は,本件審判の取消請求に係る指定商品「被服」の範ちゅうに含まれるものと認められる。
ウ 使用時期について
上記(1)オのとおり,外与社は,平成28年1月15日付けでトニー社に宛てて使用商品と同一の商品を発注し,その後,トニー社は,外与社に対し当該商品を同年3月24日に納品した。
エ 使用者について
本件商標権者と外与社は平成22年10月1日付けで商標権使用許諾契約を行い,本件商標権者は,外与社に対し,本件商標権者の所有する商標を使用することを許諾した。そして,当該契約の有効期間が,締結日より5年間であるとしても,当該契約は,期間満了3ヶ月前までに両者いずれからも申し入れがなければ,同一の条件で継続するものとしていること,本件商標権者又は外与社が,平成22年10月1日の5年後(期間満了日)の3ヶ月前(同27年7月1日)以降に,当該契約を終了する旨の申し入れを行ったことは確認できないこと,並びに,本件商標権者の代表取締役社長には,外与社の代表取締役社長が就任及び本件商標権者の取締役及び監査役には外与社の取締役が就任していることからすると,平成22年10月1日の5年後(同27年10月1日)以降も,有効に存続していたものと推認できる。
したがって,外与社は,本件商標の通常使用権者と認められる。
オ 小括
以上によれば,本件商標の通常使用権者は,本件審判の請求の登録前3年以内において,本件審判請求に係る指定商品中の商品「被服」に含まれる商品「ガウチョパンツ」に,本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付した(商標法第2条第3項第1号)と認められる。
(3)まとめ
被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に通常使用権者がその請求に係る指定商品中の「ガウチョパンツ」について,本件商標の使用をしていることを証明したといえる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2019-02-01 
結審通知日 2019-02-05 
審決日 2019-02-18 
出願番号 商願昭39-24157 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y25)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 早川 文宏
平澤 芳行
登録日 1966-02-08 
登録番号 商標登録第698058号(T698058) 
商標の称呼 ララ 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 
代理人 山崎 和香子 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 

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