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審決分類 審判 査定不服  取り消して登録 W28
管理番号 1350767 
審判番号 不服2018-7385 
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-05-30 
確定日 2019-04-17 
事件の表示 商願2016-135481拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の標章は,登録第2064858号の防護標章として登録をすべきものとする。
理由 第1 本願標章
本出願に係る標章(以下「本願標章」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,第28類「スキーワックス,遊園地用機械器具,愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具,昆虫採集用具」を指定商品とし,登録第2064858号商標(以下「原登録商標」という。)の防護標章登録出願として,平成28年11月30日に登録出願されたものである。

第2 原登録商標
登録第2064858号商標は,本願標章と同一の構成からなり,昭和60年7月1日に登録出願,第11類「電気機械器具,その他本類に属する商品」を指定商品として,同63年7月22日に設定登録され,その後,3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ,また,平成20年12月17日に指定商品を第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」とする指定商品の書換登録がされ,その商標権は,現に有効に存続しているものである。

第3 原査定の拒絶の理由
本願標章は,自己の業務に係る商品を表示するものとして,需要者間に広く認識されているものとは認められない。
したがって,本願標章は,商標法第64条に規定する要件を具備しない。

第4 当審の判断
原登録商標は,上記第2のとおり,三角形状の図形を伴い,一部を図案化した欧文字「K」と思しき図形に続き「EYENCE」の欧文字を一連に横書きし,全体として「KEYENCE」と表した本願標章と同一の構成からなり,昭和63年7月22日に設定登録され,当該商標権は有効に存続するものであること及び当該商標権が請求人の所有に係るものであることは,その標章を表示する書面及び当庁備え付けの商標登録原簿の記載から明らかである。
1 請求人の主張及び同人が提出した資料1ないし250(括弧内における証拠番号は,以下「資料1」のように記載する。)によれば,以下の事実が認められる。
(1)原登録商標の周知・著名性について
ア 請求人の企業の概要及び規模
請求人は,昭和49年(1974年)に創業したファクトリー・オートメーションに関する商品等の製造販売を行う会社であり,昭和61年(1986年)に,社名を「株式会社キーエンス」に変更した。
第49期(会計期間 平成29年3月21日?同30年3月20日)の売上高は5,268億円に上る(職権調査 https://www.keyence.co.jp/company/outline/securitiesreport.jsp)。
また,請求人は,請求人の取り扱いに係る商品に,原登録商標と同一の標章(商標として同一性を損なわない標章を含む。)(以下「使用商標」という。)について,使用している(資料77,130,131,133?138,140,142,143,145,153,155?157,164?166,182?185,188,189,193,196?197,199?207,209?212,215,219,220,222,224?226,228?245,249,250)。
イ 原登録商標を使用した商品(以下「使用商品」という。)及び使用期間
請求人は,昭和61年の社名変更よりも前の同59年より,原登録商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの「ライン用光学式変位センサ」を製造,販売し,相当数の商品のカタログ及び取扱説明書において,原登録商標の使用を開始し,また,その後,例えば,その指定商品中の「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの「光学式通過センサ,高精度画像認識装置,レーザフィードモニタ,デジタル放射温度センサ,デジタル寸法測定器,バーコードスキャナ」などについて,現在に至るまで,我が国において,使用商標を継続して使用している(資料130,131,133?138,140,142?145,155?157,164,182?185,188,189,193,194?197,199?207,209?212,215,219?220,222,224?226,228?245,249,250)。
ウ 使用地域,使用商品等の販売実績等
(ア)使用地域
現在,使用商品を取り扱う請求人の営業所は,東北地方(岩手県,宮城県,福島県)から九州地方(福岡県,熊本県)まで,全国に38箇所存在する(職権調査 https://www.keyence.co.jp/company/japansupport/)。
(イ)市場におけるシェア
a 使用商品中「光電センサ」の国内市場における請求人の販売数量は,平成12年は1,350台(18.7%のシェアで第3位),同22年は251万台(38.4%のシェアで第1位)であった(資料159,160)。
b 使用商品中「画像処理装置」の国内市場における請求人の販売数量は,平成18年は17,000台(31.0%のシェアで第1位),同19年は17,500台(36.1%のシェアで第1位),同22年は30,000台(52.6%のシェアで第1位)であった(資料161?163)。
エ 使用商品等の広告宣伝等又は普及度
(ア)使用商標による宣伝・広告使用商標
a 展示会等における展示(5回)
請求人は,平成27年から同29年の2年間において,「第14回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」(同27年1月開催),「関西ものづくりワールド2016」(同28年10月開催),「名古屋設計製造ソリューション展」(同年4月開催),「日本モノづくりワールド2017」(同29年6月開催),「3Dプリンティング2017」(同年2月開催)の展示会に出展した。また,宣伝広告のため,「三菱みなとみらい技術館」における体験型の展示コーナーにおいて使用商標を付した3Dプリンターを展示した(資料72?77)。
b 商品カタログ・取扱説明書の発行及び配布
上記イのとおり,昭和59年には,請求人は,使用商品について「ライン用光学式変位センサ」の商品カタログを発行,その後,使用商標が付された,使用商品「光学式通過センサ,高精度画像認識装置,レーザフィードモニタ,デジタル放射温度センサ,デジタル寸法測定器,バーコードスキャナ」などについての相当数の商品カタログを発行・配布し,取扱説明書を作成した(資料130,131,133?138,140,142?145,155?157,164,182?185,188,189,193,194?197,199?207,209?212,215,219?220,222,224?226,228?245)。
(イ)受賞歴
請求人は,使用商品等の製造又は販売等により,「第14回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」(平成27年開催)において,観察・計測機器分野での卓越した技術力によるナノテクの研究や産業への貢献を評価され,「nano tech 大賞 2015」(nano tech実行委員会主催)を受賞(資料79),その後も,平成28年に,企業ブランドの価値に関する「企業ブランド大賞2016」(日経リサーチ主催)を受賞した。受賞に関する審査員の講評には,「独自のセンサー技術が耳目を集めるなど,あらゆるモノがインターネットにつながるIoTの潮流にも乗り,企業のブランド力が高まっている。」などの記載がある(資料107)。
(ウ)新聞及び雑誌による企業ランキングへの選出
請求人は,日本経済新聞による「日経優良企業ランキング」(日本経済新聞社の総合企業データバンクに蓄積された財務データ利用等により,全国上場企業を総合評価したもの)において,平成元年(1989年)から同20年(2008年)の20年間,連続30位以内にランクインした。
また,請求人は,平成22年には,日経ビジネスによる「衰退耐性度ランキング」において第3位(電気機器・精密業界では第1位),同23年には日経ビジネスによる「人材の力を競争力に変える8社」,同24年には週刊東洋経済による「売上高経常利益率ランキング」において第4位となり,同26年には,日本経済新聞による「関西企業の時価総額ランキング」において第2位となった。
さらに,請求人は,「東洋経済ONLINE」の記事において,平成29年の「成長性・将来性があると思う会社」ランキングで第4位に選定された(資料80,103?106,116)。
(エ)使用商標を用いた雑誌等による紹介
「ベンチャーリンク」(平成2年10月発行 株式会社ベンチャー・リンク)において,請求人の製造又は販売するドローンが,使用商標を用いて紹介された(資料47,49)。
(オ)使用商標を用いたテレビによる紹介
TV番組2件(平成19年8月13日放送のテレビ東京系列の「カンブリア宮殿」,同23年9月30日放送のテレビ東京系列の経済ニュース番組「イーモーニング」)において,請求人は,製造ラインの自動制御センサーを製造する会社又はファクトリーオートメーション向けのセンサーを主力事業にする会社として,使用商標を用いて紹介された(資料21?23)。
オ 小活
以上によれば,請求人は,昭和59年から現在に至るまで,使用商標を,請求人の業務に係る使用商品又はその商品の包装に付し,使用商品の宣伝広告に用いるなどして,継続的に使用しているものである。
そして,使用商標は,原登録標章と同一である。
また,使用商品は,請求人の業務に係る主要な商品であって,原登録商標の使用を開始した昭和59年以降,「nano tech 大賞 2015」や「企業ブランド大賞2016」を受けたほどのものであり,また,1980年半ば以降,現在に至るまで,請求人は,使用商品の販売実績等により,新聞社及び雑誌社による多数の優良企業ランキングに選出された。そして,その販売実績は,平成12年,同18年,同19年及び同22年においては,使用商品における「光電センサ」又は「画像処理装置」において,全国第1位又は第3位のシェアであったこと,また,同27年?29年の間に5つの展示会等に出展したこと,そして,昭和59年以降,商品の総合・個別カタログを継続的に作成・配布するなどの活動がなされたことなどから,請求人の業務に係る使用商品は,使用商品に係る業界において広く知られた商品であることが認められる。
さらに,使用商品はもとより,3Dプリンターなどの工作機械に係る商品,及びドローン,ラジコンヘリコプター,ラジコンミニトレーラー又はラジコンカーなどのおもちゃに係る商品に関する上記のテレビ情報,雑誌及びインターネット上の紹介記事においては,多数のものに使用商標が掲載又は表示されている。
これらを総合すれば,原登録商標は,それと同一と認められる使用商標の使用商品への使用,さらに,使用商品以外のおもちゃや工作機械の分野における商品への使用とも相まって,請求人の業務に係る使用商品を表示するものとして,使用商品の分野の取引者,需要者間に広く認識されているものと認められる。
(2)混同を生ずるおそれ
本願標章の指定商品中,例えば,「遊園地用機械器具,愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,遊戯用器具」などについては,原登録商標の指定商品「電池,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品等」と取引者,需要者を共通にする場合があると認められる。
また,原登録商標に係る「KEYENCE」の欧文字は造語であること,及び構成の一部がデザイン化された態様からなることから,独創性を有するものといえる。
さらに,請求人は,上記エのとおり,使用商標を用いて,本願標章の指定商品の範ちゅうである,ドローン,ラジコンヘリコプター,ラジコンミニトレーラー,ラジコンカーなどおもちゃに係る商品に加え,例えば,3Dプリンターなどの使用商品以外の分野の商品を販売するなど,多角経営を行っていることを総合的に考慮すると,原登録商標と同一態様からなる本願標章が他人によって本願標章の指定商品に使用された場合,これに接する取引者,需要者は,その商品が請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
2 小括
以上によれば,原登録商標は,請求人の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されており,原登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品である本願標章の指定商品について他人が登録商標の使用をすることにより,その商品と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるものであるから,本願標章は,防護標章の登録要件を具備するものである。
3 まとめ
したがって,本願標章が商標法第64条の規定する要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願標章

審決日 2019-03-27 
出願番号 商願2016-135481(T2016-135481) 
審決分類 T 1 8・ 08- WY (W28)
最終処分 成立 
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 豊田 純一
庄司 美和
商標の称呼 キーエンス、アインス 
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