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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W05 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W05 審判 査定不服 観念類似 登録しない W05 |
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管理番号 | 1350729 |
審判番号 | 不服2017-19559 |
総通号数 | 233 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-12-28 |
確定日 | 2019-03-14 |
事件の表示 | 商願2016-123627拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「納豆精EX300」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年11月7日に登録出願、その後、本願の指定商品については、原審における同29年4月25日受付の手続補正書により、第5類「納豆を配合した薬剤,納豆を配合したサプリメント,納豆を配合した食餌療法用飲料,納豆を配合した食餌療法用食品」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5727191号商標(以下「引用商標」という。)は、「納豆精」の文字を標準文字で表してなり、平成26年7月4日に登録出願、第5類「納豆菌培養エキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粉末状・粒状・カプセル状・液状の加工食品」を指定商品として、同年12月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審においてした証拠調べ 審判長は、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、平成30年8月8日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えた。 4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨 請求人は、前記3の証拠調べ通知に対し、要旨以下のとおり、意見を申し立てた。 (1)請求人は、審判請求書において、本願商標は、一連一体に把握されるべき造語であり、その理由として、本願商標の構成中の「EX300」部分には識別力があることを述べた。すなわち、本願商標は、漢字3文字である「納豆精」と、欧文字2文字及び数字3文字である「EX300」の組合せによって構成されており、両者に識別力の軽重差はないため、そのいずれかを捨象して、あるいは抽出して、他商標と比較をし、類否判断をすることは適切でない。 (2)証拠調べ通知に示された発見事実において、仮に、数字部分が含有量などを示唆するとしても、欧文字部分に確立した意味はなく、その命名に何の必然性もない。さらに、本願の指定商品に関する業界において、欧文字や数は、極めて重要な意味を有していることから、例えば、欧文字部分が相違するだけで、商品に触れる消費者としては、細心の注意を払って、それぞれの商品を選択する。 そうすると、本願商標は、仮に、その構成中の「300」の数字部分が数量を表す部分として捨象されたとしても、残余の「納豆精EX」と引用商標とは、商標上、全くの別物として認定するのが妥当である。 (3)以上によれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 5 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は、前記1のとおり、「納豆精EX300」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、その構成に照らせば、視覚上、漢字で表された「納豆精」と欧文字2字及び数字の組合せからなる「EX300」とを結合したものと看取され得るものである。 ところで、欧文字の1字又は2字と数字との組合せからなる標章は、様々な商品分野において、自己の製造、販売に係る各種商品について、その商品の管理又は取引の便宜性等の事情から、商品の品番や形式等を表示するための記号、符号として、取引上、一般に広く採択、使用されているところ、本願の指定商品に係る業界においても、例えば、商品「サプリメント」については、別掲に示すように、欧文字と数字との組合せからなる標章が同様に採択、使用されている。 また、本願商標の構成中、「納豆精」の文字は、辞典類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものともいえないことからすれば、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるといえる。 そうすると、本願商標をその指定商品中の「納豆を配合したサプリメント」について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「EX300」部分を商品の品番を表示する符号等として一般に広く採択、使用されているものの一類型と認識し、それ以外の「納豆精」部分に着目するとみるのが相当である。 してみれば、本願商標は、その構成中の「納豆精」の文字が、取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるといえるから、当該文字を要部として抽出し、これと引用商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきであり、当該文字に相応して、「ナットウセイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標 引用商標は、前記2のとおり、「納豆精」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標における場合と同様、「ナットウセイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本願商標と引用商標との類否 本願商標は、上記(1)のとおり、その構成中の「納豆精」の文字をもって、引用商標と比較をし、商標そのものの類否を判断することが許されるものであるところ、当該文字と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、「納豆精」の文字を同一とし、「ナットウセイ」の称呼をも同一とするものであるから、これらを総合勘案すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 (4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否 本願の指定商品中の第5類「納豆を配合したサプリメント」は、引用商標の指定商品である第5類「納豆菌培養エキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粉末状・粒状・カプセル状・液状の加工食品」と同一又は類似する商品である。 (5)請求人の主張について 請求人は、本願商標は、一連一体に把握されるべき造語である旨主張する。 しかしながら、本願商標は、その文字構成から、「納豆精」と「EX300」とを結合してなるものといえるところ、これに本願の指定商品に係る取引の実情を併せみたときは、その構成中の「納豆精」部分が要部たり得ること、上記(1)のとおりであり、他に本願商標が一連一体のものとしてのみ認識されるとみるべき特段の事由も見いだせない。 また、請求人は、欧文字の1字又は2字と3桁の数字とを組み合わせてなる過去の商標登録例を挙げ、「EX300」の文字部分も自他商品識別力を有することから、本願商標は登録されるべきである旨主張する。 しかしながら、請求人の挙げる商標登録例は、商標の構成態様を本願商標と異にするものであって、本願とは事案を異にするというべきものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるところ、本願商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、類似の商標であるから、請求人の挙げた商標登録例があるからといって、それらが上記判断を左右するものではない。 したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。 (6)まとめ 以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品中の第5類「納豆を配合したサプリメント」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 平成30年8月8日付け証拠調べ通知書をもって請求人に示した事実。 (1)「株式会社ユニバーサルサプリメント」のウェブサイトにおいて、「ベータEX100-40」及び「ベータEX100-70」と称する各商品について、いずれの商品についても、「内容量:ベータグルカン100mg」の記載があるほか、前者については、40カプセル入りである旨の記載とともに、商品の包装容器及び包装箱に「βEX100」及び「ベータEX40」の表示がされており、後者については、70カプセル入りである旨の記載とともに、商品の包装容器及び包装箱に「βEX100」及び「ベータEX70」の表示がされている。 また、上記ウェブサイトにおいて、商品番号を「BEX500-10」及び「BEX500-70」とする各商品について、いずれの商品についても、「内容量:ベータグルカン500mg」の記載があるほか、前者については、10カプセル入りである旨の記載とともに、商品の包装容器及び包装箱に「βEX500」及び「ベータEX10」の表示がされており、後者については、70カプセル入りである旨の記載とともに、商品の包装容器及び包装箱に「βEX500」及び「ベータEX70」の表示がされている。 (http://www.unisupli.com/service.html) (2)「茂木食品工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「圧倒的なセラミド含有量!一粒で3600μg」の記載とともに、商品の包装袋に「こんにゃくセラミドEX3600」と表示された商品が掲載されている。 (https://www.zeitaku.jp/shopdetail/000000000348/health/page1/recommend/) (3)「茂木食品工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「たった一粒で1800μgのセラミド成分」の記載とともに、商品の包装袋に「こんにゃくセラミドST1800」と表示された商品が掲載されている。 (https://www.zeitaku.jp/shopdetail/000000000347/health/page1/recommend/) (4)「森川ローヤルゼリー株式会社」のウェブサイトにおいて、「森川ローヤルゼリーDX800」と称する商品について、「1球中800mg!緑茶を用いたオリジナル製法」「内容量 1球中ローヤルゼリー800mg含有(生換算値)」の記載とともに、商品の包装容器に「Morikawa RoyalJelly DX800」と表示された商品が掲載されている。 (http://www.morikawa-rj.com/contents/product2011/shosai/rjdx800.html) (5)「森川ローヤルゼリー株式会社」のウェブサイトにおいて、「森川プロポリスEX20」と称する商品について、「『プロポリスEX20』は比較的高濃度のエキスを使用しています(固形分20w/v%)。」の記載とともに、商品の包装容器に「Propolis EX20」、包装箱に「プロポリスEX20」と表示された商品が掲載されている。 (http://www.morikawa-rj.com/contents/product2011/shosai/propex20.html) |
審理終結日 | 2019-01-09 |
結審通知日 | 2019-01-15 |
審決日 | 2019-01-28 |
出願番号 | 商願2016-123627(T2016-123627) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(W05)
T 1 8・ 261- Z (W05) T 1 8・ 262- Z (W05) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 寺澤 鞠子、小田 昌子 |
特許庁審判長 |
金子 尚人 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 石塚 利恵 |
商標の称呼 | ナットーセーイイエックスサンビャク、ナットーセーイイエックスサンゼロゼロ、ナットーセーイイエックス、ナットーセー |
代理人 | 植村 貴昭 |