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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
管理番号 1349855 
異議申立番号 異議2018-900196 
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-07-27 
確定日 2019-03-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第6039977号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6039977号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6039977号商標(以下「本件商標」という。)は、「久保田式育児法(AKANON)」の文字を標準文字により表してなり、平成29年5月29日に登録出願、第41類「乳幼児のための幼児に関する技芸・スポーツ又は知識の教授,乳幼児のための幼児に関するセミナーの企画・運営又は開催,幼児に関する電子出版物の提供,乳幼児のための娯楽施設の提供,おもちゃの貸与」を指定役務として、同30年3月30日に登録査定され、同年4月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、「久保田式育児法」(以下「引用商標」という。)の文字からなり、同人及びその妻並びに許諾を受けた者が「乳幼児の教育」や「乳幼児の教育に関するセミナーの開催」等の役務(以下「申立人役務」という。)について、昭和58年頃から使用しているとするものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第84号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、その外観、称呼及び観念において申立人とその妻並びに許諾を受けた者(以下「申立人ら」という。)による使用の結果、広く知られるようになった引用商標と類似し、かつ、その一部の指定役務が引用商標の使用に係る役務と同一又は類似する。
2 商標法第4条第1項第15号について
引用商標が幼児教育の分野において申立人の商標として周知著名であるから、本件商標が、「乳幼児のための幼児に関する技芸・スポーツ又は知識の教授」をはじめとする本件商標の指定役務全てに使用された場合、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある。
3 商標法第4条第1項第7号について
本件商標の商標権者は、引用商標が申立人らによる使用の結果、申立人らの商標として広く知られていることを知りながら、かつ、商標権者自身が申立人らの監修を受けて引用商標を使用していながらも、引用商標を含む本件商標を出願し商標登録を受けた。
本件商標はその出願の目的及び経緯に照らし、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標に該当する。

第4 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「久保田式育児法(AKANON)」の文字を、同じ大きさ、同じ書体、同じ間隔で横一連に表した構成からなるところ、その構成中前半部の「久保田式育児法」の漢字で表された文字部分については、「久保田」からは、ありふれた姓氏の一つを、「式」からは、「やり方、作法」等の意味を、「育児法」からは、「乳幼児の育て方」の意味をそれぞれ容易に理解させることから、全体として「(ありふれた姓氏である)久保田という者による乳幼児の育て方」程の意味合いを想起させるものである。
また、後半部の「AKANON」の欧文字部分は、辞書等に載録されていない語であるから、一種の造語として認識されるものである。
そうすると、本件商標の構成前半部の「久保田式育児法」の文字部分は、その指定役務との関係において自他役務の識別力を有しないか、極めて弱い部分であって、それ自体で独立した出所識別標識としての称呼及び観念を生じるものではないと判断するのが相当である。
してみると、本件商標からは、その構成文字全体に相応した「クボタシキイクジホーアカノン」の称呼と共に、本件商標の要部といい得る構成後半部の「AKANON」の文字部分に相応して「アカノン」の称呼が生じるものであって、特定の観念は生じないものである。
2 引用商標について
引用商標は、前記第2のとおり、「久保田式育児法」の文字を同じ大きさ、同じ書体、同じ間隔で横一連に表した構成からなるものであり、乳幼児の教育等に使用するものである。
してみると、引用商標は、本件商標の構成中「久保田式育児法」の文字部分と同じく、自他役務の識別力を有しないか、極めて弱いというべきものであって、それ自体で出所識別標識としての称呼及び観念を生じるものとはいえない。
(1)引用商標の著名性について
ア 申立人は、「久保田式育児法」は、1980年代より書籍その他の媒体を通して申立人夫妻による育児法の名称として紹介され、特に、2009年頃にテレビ番組に夫人が出演したことをきっかけに、大きくクローズアップされるようになり、その後、インターネットにおける紹介、書籍の刊行、講演会等が行われ、各地の幼児教室で「久保田式育児法」に基づく指導が行われた結果、本件商標の登録出願時には、子育て世代の親を中心に「久保田式育児法」は広く知られており、かつ、本件商標の登録時においても、その周知著名性は維持されている旨主張している。
イ そこで、申立人提出の甲各号証についてみるに、申立人は、「久保田式育児法」に関するメディア登場例として、テレビ番組での紹介例(甲4?甲9)を提出しているが、それらの番組内において「久保田式育児法」の文字の使用は確認できず、その放送も平成21年のものに限られており、紙媒体での紹介(甲10?甲18)にしても、多くは「久保田式」との表示であって、「久保田式育児法」の文字を使用し、全国に頒布されたと推認できるものは、4誌にすぎないものである。
また、インターネットのウェブサイト及びブログ記事(甲19?甲34)中に、「久保田式育児法」の記載を見つけることができるとしても、インターネットのウェブサイト及びブログは、意図的にアクセスしない限り、知り得ない情報であって、かつ、そのアクセス数も不明であるから、引用商標の周知性を基礎付けるものとはいえない。
そして、申立人による「久保田式育児法」に関する書籍(甲35?甲37)が多数出版されているとしても、書籍の題号等に「久保田式育児法」が表示されているものは見当たらず、具体的な記載内容については確認することができない。
さらに、「久保田式育児法」に関する教室(甲38?甲40)は、東京都内及び横浜における6教室(甲42)あり、その数は決して多いものとはいえず、「久保田式育児法」を導入している幼児教室(甲43?甲44)や「久保田式育児法」を取り入れたい教室・保育園に対する研修事業(甲46?甲48)にしても、それ程多いものでもない。
また、「久保田式育児法」に関する講演会(甲56?甲84)についても、平成22年から平成28年の間に14回程の開催であり、その地域も東京都、京都府、兵庫県、福岡県、岐阜県、神奈川県の6都府県に限られており、甲第72号証ないし甲第84号証の講演会の写真については、その撮影日、撮影場所、講演内容等も不明であって、申立人が主張する開催日、開催場所、参加人数等を裏付ける証拠の提出はない。
加えて、「久保田式育児法」に関する広告宣伝の費用、回数や期間等を量的に把握することができる証拠の提出もない。
ウ 以上を総合勘案すると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることは困難である。
(2)職権調査
職権により調査したところによれば、申立人は、本件商標の出願前である平成28年4月15日に、「久保田式育児法」に係る商標登録出願(商願2016-43648)をしており、当該商標登録出願は、何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるとして拒絶理由の通知が発せられ、これに対し、出願人(申立人)からは意見書が提出されたが、拒絶をすべき旨の査定がなされ、当該拒絶査定は、拒絶査定不服の審判が請求されることなく、既に確定していることが認められる。
3 商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について
引用商標は、上記2のとおり、申立人役務を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号所定の他の要件を判断するまでもなく、同号に該当しない。
また、本件商標が、引用商標と同じ「久保田式育児法」の文字を有するとしても、上記のとおり、該文字は、自他役務の識別力を認め難いものであり、両者の商標としての類似性の程度は高くなく、引用商標の著名性も認められないことからすれば、商標権者が本件商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起し、該役務が申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、商標権者が、引用商標が申立人らの商標として広く知られていることを知りながら、かつ、商標権者自身が申立人らの監修を受けて引用商標を使用していながらも、引用商標「久保田式育児法」の文字を含む本件商標を出願し商標登録を受けた旨主張している。
しかしながら、本件商標構成中に「久保田式育児法」の文字が含まれているとしても、そのことをもって直ちに商標権者が不正の意図をもって、剽窃的に出願したということはできないものである。
すなわち、引用商標は、上記2のとおり、申立人提出の証拠によっては、申立人役務を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであって、かつ、「久保田式育児法」の文字は、「乳幼児の教育」等の役務との関係においては、自他役務の識別力を認め難いものである。
そして、申立人からは、他に、商標権者が、本件商標を不正の目的をもって出願したと認め得るような証拠の提出はないから、本件商標の登録出願が、引用商標による信用・利益を不正に得る意図で行われた剽窃的なものということはできず、上記のとおり、引用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることもできないから、本件商標は、引用商標の周知性に化体した信用、名声及び顧客吸引力へのただ乗りをするものであるということはできない。
また、申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底認容し得ないような場合に該当すると認めるに足りる具体的事実を見いだすこともできない。
さらに、本件商標を、その指定役務について使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するということもできず、他の法律によってその使用が禁止されているものでもなく、本件商標の構成自体が、非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成態様でもない。
その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足りる証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第10号及び同第15号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-03-15 
出願番号 商願2017-71788(T2017-71788) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W41)
T 1 651・ 22- Y (W41)
T 1 651・ 25- Y (W41)
最終処分 維持 
前審関与審査官 飯田 亜紀 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 鈴木 雅也
冨澤 美加
登録日 2018-04-27 
登録番号 商標登録第6039977号(T6039977) 
権利者 上原 なみ
商標の称呼 クボタシキイクジホーアカノン、クボタシキイクジホー、クボタシキ、イクジホー、アカノン 
代理人 磯野 富彦 
代理人 村田 雄祐 
代理人 森下 賢樹 
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