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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W41
管理番号 1348963 
異議申立番号 異議2016-685013 
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-03-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-07-08 
確定日 2018-09-07 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1268927号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1268927号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1268927号商標(以下「本件商標」という。)は、「CIRCUS OF HORRORS」の欧文字を横書きしてなり、2015年(平成27年)9月14日に国際商標登録出願、第25類「Articles of clothing,headwear and footwear.」及び第41類「Entertainment services;circuses and circus services.」を指定商品及び指定役務として、平成28年2月23日に登録査定、同年4月22日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する国際登録第1282221号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2015年(平成27年)9月10日に国際商標登録出願、第41類「Circuses;circus performances;entertainment in the nature of circuses;circus performances;theater productions;presentation of theatrical performances;organization of live musical performances;presentation of musical performances;presentation of live performances;entertainment services,namely,live musical performances;live entertainment;entertainment services;entertainment in the nature of magic shows;organization of entertainment shows;interactive entertainment services;entertainment services provided by cabarets;theater production;entertainment in the nature of theater productions;theatrical performances and variety shows shows presented at entertainment facilities;theatrical performances and variety shows presented at night clubs and discos;entertainment services,namely,theater productions and cabaret;musical entertainment services.」を指定役務として、平成28年8月12日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第8条第1項に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標を構成する「CIRCUS」、「OF」及び「HORRORS」の各文字は、英和辞書に基本的な単語として掲載されているものであるから、我が国における英語教育の水準からすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、これらの文字より直ちに「恐怖のサーカス」の意味合いを理解するといい得るものである。そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成文字全体に着目し、該文字から生ずる称呼を頼りに商品・役務の識別に当たるものといえるから、本件商標は、その構成文字「CIRCUS OF HORRORS」に相応して、「サーカスオブホラーズ」との称呼を生じ得るものである。
しかし、本件商標の指定役務(第41類)に着目すると、この中には「circuses and circus services」が表記されており、又、残余の表記である「entertainment services」の中にも「circuses and circus services」が含まれているものと解釈できる。そうすると、「circuses and circus services」との関連においては、本件商標の構成文字中の「CIRCUS」は、単に役務の内容・質を示すにすぎないものであるから、本件商標の構成文字中の「HORRORS」の部分のみが自他役務識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
したがって、本件商標は、その構成文字「CIRCUS OF HORRORS」から「サーカスオブホラーズ」と称呼される他に、その指定役務「circuses and circus services」との関連においては、その構成文字の一部である「HORRORS」から、単に「ホラーズ」とのみ称呼される場合も少なくないと考えられる。
なお、申立人は、下記の審決例を上記主張に援用する。
ア 商標「グッとおにぎり」(標準文字)と商標「ぐっと」は、類似するとした審決例(不服2003-22108)
イ 商標「FAIRY JEWEL/フェアリージュエル」と商標「fairy」は、類似するとした審決例(不服2005-11716)
ウ 商標「炎」(標準文字)と商標「炎の中華」は、類似するとした審決例(不服2002-2058)
(2)引用商標について
引用商標を構成する「CIRCO」、「DE」、「LOS」、及び「HORRORES」の各文字は、スペイン語の文字であり、西和辞書によると、順に「サーカス」、「?の」、「複数形男性名詞に付される定冠詞」及び「恐怖」を意味するので、全体として「恐怖のサーカス」を意味するものであり、これは本件商標と全く同じ意味である。
しかし、スペイン語の文字は、我が国において一般に馴染まれた文字とはいえないものであるから、このような欧文字については、その表音が表示されているような場合を除いて、我が国で親しまれた英語読みに倣って称呼するのが自然といえるから、引用商標からは、「サーコデロスホラーズ」の称呼が生ずるものと解される。「HORRORES」が「ホラーズ」と称呼されると解されるのは、我が国において一般に広く馴染まれた英語の文字である「store」、「before」、「more」等の発音の例に倣って称呼するものと解されるからである。
しかし、引用商標の構成文字がスペイン語の文字からなっているとしても、その一部の「HORRORES」については、取引者、需要者によって「恐怖」の意味を持つ文字であることが容易に連想され得るものである。なぜなら、「HORRORES」を一般に馴染みのある英語の文字「HORRORS」と比較すると、最後の文字「S」の前に「E」が含まれていることに違いがあるにすぎず、また、引用商標の構成文字及びそれらを挟む実線は、黒ずんだ赤で着色され、それらの一部からは同色の液体が垂れているように表現されており、あたかも構成文字及び上下の実線すべてが血で染まり、その一部からは血が滴り落ちているように見せているので、引用商標は、看者をして正に「恐怖」のイメージを抱かせるようにデザインされているからである。そうすると、引用商標に接する取引者、需要者にとって、引用商標の構成文字中の「CIRCO」、「DE・LOS」から特定の意味合いを看取できないことと相まって、「HORRORES」の文字に対しては特に強い印象を持ち、記憶することになるのが自然であると解される。加えて、「サーコデロスホラーズ」の称呼は、長音を含め10音から成り、やや冗長であるから、簡易迅速を旨とする取引社会においては、その称呼が簡略化されることが十分予想される。また、「HORRORES」の文字は、下段に単独で配置されているので、それのみが単独で抽出されて称呼されることも難くない。
そうすると、引用商標は、その構成文字「CIRCO DE・LOS HORRORES」から、「サーコデロスホラーズ」と称呼される他に、その構成文字の一部である「HORRORES」から、単に「ホラーズ」とのみ称呼される場合も少なくないと考えられる。
この点で、判例も、商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に、当該商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、そのためには両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、当該商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきであるとしている(昭和43年最判参照)。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、外観において、両者は、色彩の有無、文字を挟む横実線の有無、文字の配列(1列と3列)、文字の書体(ゴシック体風文字とデザイン文字)、文字の種類(英語とスペイン語)等の点で明らかに相違し、十分区別し得るものである。
また、本件商標と引用商標は、ともに「恐怖のサーカス」を意味する文字構成からなっているが、引用商標に接する取引者、需要者が、これにより直ちに上記意味合いを理解するとはいい得ないものであるから、引用商標は、特定の意味合いを看取させない一種の造語と認識されるというのが相当であり、両者を観念上比較することはできないものである。
これに対し、称呼においては、本件商標の構成文字全体から生ずる「サーカスオブホラーズ」及び引用商標の構成文字全体から生ずる「サーコデロスホラーズ」とでは、明らかに聴別し得るものであるが、上述したように、本件商標は、「circuses and circus services」の役務との関連において、その一部の構成文字「HORRORS」が抽出されて称呼される場合があり、引用商標は、いずれの指定役務との関連においても、その一部の構成文字「HORRORES」が抽出されて称呼される場合があるから、両商標とも「circuses and circus services」の役務との関連においては、「ホラーズ」の称呼が生じ得るものである。
(4)結論
以上の点からすると、本件商標と引用商標は、外観及び観念が相違するとしても、両商標の共通する指定役務である「circuses and circus services」との関連においては、ともに「ホラーズ」と称呼され、称呼が一致する場合があるから、両商標は、同一又は類似の役務の間において、出所の混同を生じさせるおそれのある類似の商標というべきである。
そして、本件商標の国際登録日(先願権発生日)は、平成27年(2015年)9月14日である。これに対し、引用商標の国際登録日(先願権発生日)は、平成27年(2015年)9月10日である。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は、商標法第43条の2第1項の規定により、取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、「CIRCUS OF HORRORS」の欧文字からなるところ、構成中の「CIRCUS」は「(曲馬・軽業などを見せる)サーカス」の意味合い、「OF」は「主格関係(・・・の)」を表す前置詞、「HORRORS」は「恐怖」の意味合いの「HORROR」の複数形をそれぞれ表す英語であり(株式会社小学館 小学館ランダムハウス英和大辞典)、その構成各文字は、同じ大きさ、同じ書体で表され、外観上まとまりよく一体に看取し得るものであって、これより生じる「サーカスオブホラーズ」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、「サーカス」を意味する「CIRCUS」と、「恐怖」を意味する「HORRORS」を、「主格関係(・・・の)」を表す前置詞「OF」を介して「CIRCUS OF HORRORS」と書してなるものであるから、全体として「恐怖のサーカス」ほどの意味合いを表す一連の英語のフレーズ(句)と理解されるものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「サーカスオブホラーズ」の一連の称呼及び「恐怖のサーカス」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、黒みがかった赤色で、上下2本の横線の間に「CIRCO」、「DE ・ LOS」及び「HORRORES」の欧文字を3段に横書きしてなり(「CIRCO」の文字は他の文字に比べ、やや大きく表されている。)、それぞれの横線及び欧文字は、手書き風に表され、一部に液体が滴り落ちるようなデザインが施され、黒い影が付加されている。
また、構成中の「CIRCO」、「DE」、「LOS」及び「HORRORES」の欧文字は、それぞれ「サーカス」、「?の」、「定冠詞(男性複数形)」及び「恐怖」を意味するスペイン語(株式会社小学館 小学館西和中辞典)であるとしても、スペイン語は、我が国においては一般に知られている外国語ではないから、たとえ、その構成中の「HORRORES」が「恐怖」を意味する英単語と酷似していることから、同意味合いを推認できたとしても、他の語の意味合いまで理解できるとはいい難く、全体として特定の意味合いを想起させることのない一種の造語を表したものと理解されるものである。
そして、引用商標の各構成要素は、同じ色調及び手法でデザインされ、まとまりよく一体的に表されており、構成中の欧文字のいずれかが、強く支配的な印象を与えるものとはいえず、引用商標は、その構成全体をもって、自他役務の識別標識として機能するものとみるべきであり、欧文字については、我が国で親しまれた英語風の読みに倣って称呼するのが自然といえることからすれば、引用商標の文字部分からは、「サーコデロスホラーズ」の一連の称呼が生じるというのが相当である。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「サーコデロスホラーズ」の一連の称呼を生じ、特定の観念は生じないというべきである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較してみるに、外観においては、本件商標は、「CIRCUS OF HORRORS」の欧文字からなり、他方、引用商標は、別掲のとおり、黒みがかった赤色で、上下2本の横線の間に「CIRCO」、「DE ・ LOS」及び「HORRORES」の欧文字を3段に横書きしてなり(「CIRCO」の文字は他の文字に比べ、やや大きく表されている。)、それぞれの横線及び欧文字は、手書き風に表され、一部に液体が滴り落ちるようなデザインが施され、黒い影が付加されているものであるから、両者は、その構成態様において明らかに異なり、外観上、相紛れるおそれはないものである。
また、称呼においては、本件商標は「サーカスオブホラーズ」の称呼を生じ、引用商標は「サーコデロスホラーズ」の称呼を生じるものであり、両称呼は、10音構成中、第3音目ないし第6音目の「カスオブ」と「コデロス」の4音が明らかに相違するものであって、全体の語調、語感が異なり、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本件商標は「恐怖のサーカス」の観念を生じるのに対し、引用商標は特定の観念を生じないものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において明らかに異なり、観念において紛れるおそれがないものであることからすれば、両商標は、これを、同一又は類似の役務に使用したとしても、その出所について混同するおそれはないというべきであるから、非類似の商標とみるのが相当である。
(4)小括
そうすると、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第8条第1項に規定する「同一又は類似の商標」に該当しない。
(5)申立人の主張について
申立人は、「本件商標は、その構成文字『CIRCUS OF HORRORS』から『サーカスオブホラーズ』と称呼される他に、その指定役務『circuses and circus services』との関連においては、その構成文字の一部である『HORRORS』から、単に『ホラーズ』とのみ称呼される場合も少なくないと考えられる。」と主張するとともに、3件の審決例を援用している。
しかしながら、たとえ、本件商標の構成中の「CIRCUS」の文字部分が、その指定役務との関係において、識別力が弱いとしても、該文字を語頭に配し、「恐怖のサーカス」の観念を生ずる一連の英語のフレーズ(句)として理解される本件商標においては、「CIRCUS OF」の文字を捨象して「HORRORS」の文字を要部として捉えなければならない格別な理由はないものというべきである。
そして、申立人の援用する審決例は、「『○○』+『商品の品質等を表す文字』」、「『○○』+『の』+『商品の品質等を表す文字』」という構成からなる商標についての判断であって、「○○」の部分を商標の要部として分離抽出し、他の商標との類否を判断した事例であり、各事例のように、「○○」と「商品の品質等を表す文字」との関連性は弱いとみて、構成中の「○○」の部分を自他商品の識別標識として機能する要部と捉える場合があるとしても、本件商標は、これらとは異なり、その全体が、よどみなく称呼し得る一連の英語のフレーズ(句)として、単一の意味合いをもって理解されるものであるから、申立人が挙げた審決例とは事案を異にするものである。
また、申立人は、「引用商標は、その構成文字『CIRCO DE・LOS HORRORES』から、『サーコデロスホラーズ』と称呼される他に、その構成文字の一部である『HORRORES』から、単に『ホラーズ』とのみ称呼される場合も少なくないと考えられる。」と主張しているが、上記(2)のとおり、引用商標は、その構成全体を一体のものとして捉えるのが相当であり、各構成文字の意味合いを理解することができない引用商標にあっては、その構成中の「HORRORES」の文字部分を分離抽出し、これを商標の要部として認識するとみるべき合理的理由も見当たらない。
したがって、本件商標と引用商標から、それぞれ「ホラーズ」の称呼が生ずるとする申立人の主張は採用できない。
(6)結び
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】

異議決定日 2017-12-11 
審決分類 T 1 652・ 4- Y (W41)
最終処分 維持 
前審関与審査官 阿曾 裕樹 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 山田 正樹
中束 としえ
登録日 2015-09-14 
権利者 John Hayes Mabley
商標の称呼 サーカスオブホラーズ、ホラーズ 
代理人 鈴木 礼至 
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