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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0941
審判 全部申立て  登録を維持 W0941
審判 全部申立て  登録を維持 W0941
審判 全部申立て  登録を維持 W0941
管理番号 1348957 
異議申立番号 異議2018-900309 
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-03-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-10-25 
確定日 2019-02-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6068827号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6068827号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6068827号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり「ラインコミュニケーションズInc.」の文字(「I」の文字は「nc」の文字と同じ高さで表されている。以下「Inc.」の文字について同じ。)を横書きしてなり,平成29年11月8日に登録出願,第9類「携帯電話機用ストラップ及びネックピース,電気通信機械器具,電子計算機用ゲームプログラム(ダウンロード可能なものを含む。),レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,通信ネットワークを通じてダウンロード可能な画像・映像・音楽,録画済みDVD・ビデオディスク・ビデオテープ・コンパクトディスクその他の記憶媒体,電子出版物,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント」及び第41類「電子出版物の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)及びこれらに関する情報の提供,音楽及び芸能のタレントコンテストの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,ビューティーコンテストの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,パーティ・記念イベント・興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)及びこれらに関する情報の提供,通信ネットワークを利用した音楽・映像・画像の提供,コンピューターネットワークによるオンラインゲームの提供」を指定商品及び指定役務として,同30年7月19日に登録査定され,同年8月3日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下,それらをまとめて「引用商標」という。),いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5544081号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品及び指定役務 第9類,第35類及び第36類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成24年5月16日
設定登録日 平成24年12月21日
(2)登録第5544082号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品及び指定役務 第16類,第38類,第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成24年5月16日
設定登録日 平成24年12月21日
(3)登録第5570784号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品及び指定役務 第9類及び第38類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成24年7月9日
設定登録日 平成25年3月29日
なお,第35類,第43類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の役務について防護標章登録がされている。
(4)登録第5586010号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 ライン(標準文字)
指定商品及び指定役務 第9類,第38類,第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成24年11月28日
設定登録日 平成25年5月31日
(5)登録第5669069号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品及び指定役務 第9類,第38類,第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成25年5月28日
設定登録日 平成26年5月9日
(6)登録第5768331号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様 LINE(標準文字)
指定商品及び指定役務 第9類,第16類,第28類,第35類,第36類,第38類,第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日 平成25年1月31日
設定登録日 平成27年6月5日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第73号証を提出した。
(1)引用商標の周知著名性について
提出した証拠から明らかなように,申立人の絶え間ない営業努力と巨額を投じた宣伝広告活動が相俟った結果,引用商標は,あらゆる世代の国民の間で広く認知されるに至っており,我が国の国民の間でなくてはならない手段となっている。引用商標は,本件商標の登録出願の日には既に,申立人の業務に係る商品又は役務を表示する商標として広く認識されるに至っており,本件商標の登録査定時及びそれ以降もさらにその著名性を高めている。
また,申立人は,引用商標3を原登録商標として,平成26年4月18日に防護標章登録出願を行い,第35類,第43類及び第44類の役務を指定役務として,平成27年3月20日に防護標章登録を受けている。したがって,引用商標3は,本件商標の登録出願日の時点において,既に著名性を獲得していたということは明らかである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,「ラインコミュニケーションズInc.」の文字をやや太字の字体をもって左横書きして成るものであるが,「Inc.」の文字部分は,法人格を意味する「INCORPORATED(インコーポレーテッド)」の略語として,我が国において一般的に知られているため,自他商品・役務識別力を有しない語であることは明らかである。また,「コミュニケーションズ」の文字についても,ネットワーク,コンテンツ提供又は通信関連の業種を表す文字として我が国において広く使用されている(甲56?甲62)ため,本件商標の指定商品及び指定役務との関係においては,自他商品・役務の識別標識としての機能を十分に果たし得ないものである。さらに,本件商標中の「ライン」の文字は,上述のとおり,申立人の業務に係る商品・役務を表示するものとして高い著名性を有しており,当該文字部分が,取引者,需要者に対し商品・役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるため,本件商標からは,「ラインコミュニケーションインク」の称呼の他に「ライン」のみの称呼も生じ,「申立人の周知・著名商標である『LINE(ライン)』」の観念が生じる。
他方,引用商標からは,構成中の「LINE」又は「ライン」の文字に相応して,「ライン」の称呼が生じ,「申立人の周知・著名商標『LINE(ライン)』」の観念が生じる。
以上より,本件商標と引用商標は,称呼及び観念を共通にする類似商標であって,本件商標の指定商品及び指定役務は,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上述したとおり,引用商標は,本件商標の登録出願日及び登録査定日の両時点において,申立人の業務に係る商品・役務を表すものとして,高い著名性を獲得していた。
本件商標は,申立人の著名商標である「ライン(LINE)」の文字を構成中に顕著に含む態様である。そして,本件商標中の「コミュニケーションズ」及び「Inc.」の文字部分が業種及び法人格を表す語として一般に使用されており,自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得ないことを考慮すれば,本件商標と引用商標とは,高い類似性を有するものである。
本件商標の指定商品及び指定役務は,「LINE」商標が高い著名性を有するモバイルメッセンジャーサービス(SNS)を通じて提供されるものが多く,モバイルメッセンジャーサービスと密接な関連性を有するものであり,また,申立人又はグループ企業における中核的事業に係る商品若しくは役務と同一又は類似するものである。申立人は,オンラインゲーム配信,電子マンガの提供及び配信,音楽・ライブ動画の配信,キャラクターやスタンプの配信等,多種態様なコンテンツ配信事業を中核的事業として営んでおり(甲63?甲67),また,ライブやコンサートのチケット販売やイベントの企画・運営等も行っている(甲68)。
さらに,申立人は,自ら又はグループ企業を通じて,ネット通販事業,商品化事業,ニュース配信,アルバイト・就職情報の提供,占いサービス,広告業,携帯電話通信事業,電子マネー・クレジットカードサービス,金融及び投資事業,旅行事業,保険事業等,極めて広範囲かつ多角的な事業展開を行っている。
このような事実に鑑みれば,本件商標をその指定商品又は指定役務に使用した場合には,これに接する取引者・需要者は,恰も申立人のグループ企業であるかの如く,申立人と経済的・組織的に関係を有する者の事業に係る商品又は役務であるかのように誤認し,出所の混同のおそれがあることは明らかである。
以上より,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知・著名性について
ア 申立人提出の甲各号証,同人の主張及び職権調査(申立人のホームページなど)によれば,次の事実を認めることができる。
(ア)申立人は,ハンゲームジャパン株式会社として2000(平成12)年9月に設立し,その後,2013(平成25)年4月1日にLINE株式会社に名称変更した(甲10,甲16)。
(イ)申立人は,2011(平成23)年6月に無料通信アプリケーション「LINE」(以下「申立人アプリ」という。)によるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)(以下「申立人役務」という。)の提供を開始した(甲10,甲16)。
(ウ)我が国における申立人アプリのユーザー数は,2014(平成26)年4月には5,000万人,2015(平成27)年には5,800万人,2016(平成28)年12月には6,600万人であった(甲13,甲16)。
(エ)申立人は,申立人役務について,引用商標3及び5を申立人アプリのアイコンとして使用するとともに,自社のホームページで引用商標1,2,3,5及び6(いずれも各引用商標と同一と認められる構成の商標を含む。)を使用していることが認められ,かつ,かかる使用は申立人役務の提供開始当初から現在まで継続しているものと推認できる(甲16,職権調査 ほか)。
(オ)申立人は,オンラインゲームの配信,電子マンガの提供及び配信,音楽・ライブ動画の配信,キャラクターやスタンプの配信などの業務のほか,ライブやコンサートのチケット販売なども行っており,これらの業務についても引用商標1,2,3,5及び6(いずれも各引用商標と同一と認められる構成の商標を含む。)を使用している(甲16,甲63?甲68 職権調査 ほか)。
(カ)新聞記事やインターネットの記事において,申立人アプリは遅くとも2012(平成24)年3月から「LINE」と表記され,現在まで継続している(甲40,甲71 ほか)。
(キ)本件商標の登録出願の日前において,申立人アプリが「ライン」と表記されていると認め得る証左は,1件のみである(甲26)。
イ 上記アの事実によれば,引用商標1,2,3,5及び6は,申立人の業務に係る役務(ソーシャル・ネットワーキング・サービスの提供)を表示するものとして,いずれも本件商標の登録出願の日前から需要者の間に広く認識されている商標であって,その状況は本件商標の登録査定日はもとより,現在まで継続しているものと判断するのが相当である。
しかしながら,引用商標4は,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,本件商標の登録出願の時に需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
(ア)本件商標は,上記1のとおり「ラインコミュニケーションズInc.」の文字からなり,その構成中,語尾の「Inc.」の文字が「法人格を有すること」などを表す英語の「incorporated」の略語であって,「インク」と称呼され,会社名の語尾に付けられる語として我が国においても一般に知られているものであるから,全体として会社名を表わしたものと認識されるものと判断するのが相当である。
そうすると,本件商標は,その構成文字に相応し「ラインコミュニケーションズインク」の称呼を生じ,「(会社名としての)ラインコミュニケーションズInc.」の観念を生じるものというべきである。また,本件商標は,その構成中「Inc.」の文字が出所識別標識としての称呼,観念が生じないといえるから,「ラインコミュニケーションズ」の文字部分を分離,抽出して他人の商標と比較することが許され,該文字に相応し「ラインコミュニケーションズ」の称呼をも生じるといえる。
(イ)申立人は,本件商標の構成中,「Inc.」の文字が自他商品・役務識別力を有しない,「コミュニケーションズ」の文字が自他商品識別標識としての機能を十分に果たし得ない,及び「ライン」の文字が申立人の業務に係る商品・役務を表示するものとして高い著名性を有し取引者・需要者に対し強く支配的な印象を与えるとして,本件商標は「ライン」の称呼を生じる旨主張している。
しかしながら,引用商標1,2,3,5及び6が周知であり「ライン」の称呼を生じるものであるとしても,上記(ア)のとおり本件商標は全体として会社名を表わしたものと認識されるものと判断するのが相当であること,上記(1)のとおり「ライン」の文字からなる引用商標4は,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであること,さらに,「ライン」の語は「線」などの意味を有する語として一般に親しまれた語であることを合わせ考慮すれば,本件商標は,その構成中「ライン」の文字が取引者・需要者に対し強く支配的な印象を与えるものということはできない。
したがって,申立人のかかる主張は採用できない。
イ 引用商標
引用商標1及び2は,別掲2のとおり「LINE」の文字を緑色で表してなり,引用商標3及び5は,別掲3のとおり緑色の隅丸四角形内にふきだしを白抜きした図形(以下「引用図形部分」という。)中に,緑色の「LINE」の文字を配してなり,引用商標4及び6は,それぞれ上記2(4)及び(6)のとおり「ライン」及び「LINE」の文字からなるものであるから,いずれもそれらの構成文字又は構成中の文字「LINE」若しくは「ライン」に相応し,「ライン」の称呼を生じるものである。
そして,引用商標1,2,3,5及び6は,上記(1)のとおり需要者の間に広く認識されている商標と認められるものであるから,「(申立人のブランドとしての)LINE」の観念を生じ,引用商標4は,その構成文字に相応し「ライン(線など)」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標との類否について検討すると,両者は,外観においては,構成文字及び文字数(17文字と4文字)に顕著な差異を有し,引用3商標及び引用5商標とは,これに加えて引用図形部分の有無などの,両者を判然と区別し得る差異を有しており,外観上,相紛れるおそれはない。
つぎに,称呼においては,本件商標から生じる「ラインコミュニケーションインク」又は「ラインコミュニケーション」の称呼と引用商標から生じる「ライン」の称呼とは,冒頭の3音が共通するものの,全体の音構成,構成音数の相違により,称呼上,相紛れるおそれはない。
さらに,観念においては,本件商標が「(会社名としての)ラインコミュニケーションズInc.」の観念を生じ,引用商標が「(申立人のブランドとしての)LINE」又は「ライン(線など)」の観念を生じるものであるから,本件商標と引用商標とは,観念上,相紛れるおそれはない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標といわなければならない。
エ 小括
上記ウのとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標である。
したがって,本件商標は,引用商標の指定商品及び指定役務と類似する商品及び役務に使用するものであるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)のとおり,引用商標1,2,3,5及び6は,請求人の業務に係る役務を表示するものとして本件商標の登録出願時及び登録査定時において需要者の間に広く認識されている商標と認められるものである。
しかしながら,引用商標4は,請求人の業務に係る役務を表示するものとして本件商標の登録出願時に需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
そして,「ライン」の文字は,「線」などを意味する既成の語であるから,独創性は高いものではない。
また,上記(2)ウのとおり,本件商標は,引用商標と外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない別異の商標というべきものである。
そうすると,引用商標1,2,3,5及び6は,申立人の業務に係る役務を表示するものとして,本件商標の登録出願の日前ないし登録査定日において需要者の間に広く認識されているとしても,本件商標は,これに接する取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起することがないものと判断するのが相当である。
してみれば,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品及び役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがないものといわなければならない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものではなく,その登録は,同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。


別掲1(本件商標)



別掲2(引用商標1及び引用商標2)
(色彩は原本参照。)



別掲3(引用商標3及び引用商標5)
(色彩は原本参照。)

異議決定日 2019-01-30 
出願番号 商願2017-146821(T2017-146821) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W0941)
T 1 651・ 263- Y (W0941)
T 1 651・ 271- Y (W0941)
T 1 651・ 262- Y (W0941)
最終処分 維持 
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 薩摩 純一
大森 友子
登録日 2018-08-03 
登録番号 商標登録第6068827号(T6068827) 
権利者 株式会社ラインコミュニケーションズ
商標の称呼 ラインコミュニケーションズインコーポレーテッド、ラインコミュニケーションズ 
代理人 岩瀬 ひとみ 
代理人 一之瀬 香子 
代理人 塩谷 信 
代理人 特許業務法人樹之下知的財産事務所 
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