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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1348956 
異議申立番号 異議2018-900103 
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-03-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-26 
確定日 2019-02-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6015503号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6015503号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6015503号商標(以下「本件商標」という。)は,「ロイズ バーボン」及び「ROYCE’BOURBON」の文字を二段に横書きしてなり,平成29年2月15日に登録出願,第30類「バーボン入りの茶,バーボン入りのコーヒー,バーボン入りのココア,バーボン入りの菓子,バーボン入りのパン,バーボン入りのサンドイッチ,バーボン入りの中華まんじゅう,バーボン入りのハンバーガー,バーボン入りのピザ,バーボン入りのホットドッグ,バーボン入りのミートパイ,バーボン入りの角砂糖,バーボン入りの果糖,バーボン入りの氷砂糖,バーボン入りの砂糖,バーボン入りの麦芽糖,バーボン入りのはちみつ,バーボン入りのぶどう糖,バーボン入りの粉末あめ,バーボン入りの水あめ,バーボン入りの香辛料,バーボン入りのアイスクリームのもと,バーボン入りのシャーベットのもと,バーボン入りの穀物の加工品」を指定商品として,同年11月30日に登録査定,同30年2月2日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標が商標法第4条第1項第7号及び同項第16号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第7号について
本件商標は,片仮名「バーボン」及び欧文字「BOURBON」を構成中に含むものであるところ,「バーボン」「BOURBON」は,その使用が厳格に管理,統制されている,アメリカ合衆国ケンタッキー州で生産されているウイスキーの一種の名称(略称)であって,地理的表示である。そして,本件商標は,この著名なウイスキーの名称に化体した高い名声及び信用にフリーライドするものであり,これをバーボンウイスキーの生産者等とはかけ離れた特定人の商標として登録し,使用することは,厳格に管理,統制されている名称を希釈化させるものというべきであって,本件商標は,公正な取引秩序を乱し,ひいては国際信義に反するから,公序良俗に反する商標であって,商標法第4条第1項第7号に該当する。
2 商標法第4条第1項第16号について
本件商標は,「米国産のウイスキー」「米国ケンタッキー州バーボン郡」を理解させる「バーボン」「BOURBON」の文字を含むことから,指定商品中の「米国産」以外のバーボン入りの商品,若しくは「米国産ケンタッキー州バーボン郡産」以外の商品について使用した場合は,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当する。

第3 当審の判断
1 本件商標
本件商標は,「ロイズ」と「バーボン」の文字とを一文字分スペースをあけて「ロイズ バーボン」と横書きし,その下段に「ROYCE’BOURBON」と横書きしてなるところ,「ロイズ」「ROYCE’」の文字が何らの意味を有しない造語であるのに対し,「バーボン」「BOURBON」の文字は,「バーボンウイスキー」(株式会社岩波書店「広辞苑第七版」,株式会社三省堂「グランドセンチュリー英和辞典 第2版」)を意味するものである。
2 「バーボン」及び「BOURBON」の文字について
本件商標の指定商品の表示中に記述されている「バーボン」は,上記1のとおり「バーボンウイスキー」を意味するものであり,「バーボンウイスキー」は,その生産地をアメリカ合衆国ケンタッキー州とするものであって,以下のとおり,酒類を扱う取引者において,地理的表示として認識されているものである。
国税庁ホームページにおいて「地理的表示『日本酒』の指定について」の表題の下,「地理的表示制度の概要 1.地理的表示制度とは」の項で「EU等で普及している地理的表示制度は,酒類や農産品において,その確立した品質,社会的評価又はその他の特性が当該商品の地理的な産地に主として帰せられる場合において,その産地名(地域ブランド)を独占的に名乗ることができる制度。」と説明した上で,「(注)海外の地理的表示としては,ボルドーワイン,パルマハムなどが有名。国や国に準じたレベルでの地理的表示としては,カナディアンウイスキー,バーボンウイスキー,スコッチウイスキーなどがある。」との記載があり(https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/minaoshi/pdf/chiritekihyoji.pdf),また,鹿児島県酒造組合連合会のホームページにおいて「薩摩焼酎宣言」の表題の下,「世界の酒で,地理的表示が認められているのは,ワインのボルドー,シャンパーニュ,ブランデーのコニャック,ウイスキーのスコッチ,バーボン等があります。」との記載があり(http://www.tanshikijyoryu-shochu.or.jp/satsumashochu/),さらに,酒類を使用した菓子はもとより,酒類を使用した食品が一般に製造,販売されていることからすれば,本件指定商品の取引者においても「バーボンウイスキー」又はその略称である「バーボン」及びその英語表記である「BOURBON」の文字は,地理的表示として認識されているものといえる。
3 商標法第4条第1項第7号該当性について
(1)商標法第4条第1項第7号でいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には,(ア)その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合,(イ)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも,指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反する場合,(ウ)他の法律によって,当該商標の使用等が禁止されている場合,(エ)特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合,(オ)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合,などが含まれるというべきである(平成18年9月20日知的財産高等裁判所判決,平成17年(行ケ)第10349号参照)。
(2)本件商標は,上記1のとおりの構成からなり,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではない。また,本件指定商品が,地理的表示である「バーボンウイスキー」入りの商品であって,本件商標を本件指定商品について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するものともいえず,他の法律によって,当該商標の使用等が禁止されているものでもない。また,本件商標が,特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反するものでもなく,その出願の経緯に社会的相当性を欠く事実もない。
(3)申立人は,本件商標の構成中に,その使用が厳格に管理,統制されている,アメリカ合衆国ケンタッキー州で生産されている著名なウイスキーの一種の名称(略称)を含み,本件商標は,この著名な名称に化体した高い名声及び信用にフリーライドするものであって,これをバーボンウイスキーの生産者等とはかけ離れた特定人の商標として登録し,使用することは,厳格に管理,統制されている名称を希釈化させるものというべきであり,本件商標は,公正な取引秩序を乱し,ひいては国際信義に反するから,公序良俗に反する商標であって,商標法第4条第1項第7号に該当すると主張する。
しかしながら,「バーボンウイスキー」又はその略称である「バーボン」及びその英語表記である「BOURBON」の文字は,上記2のとおり,その生産地をアメリカ合衆国ケンタッキー州とするものであって,本件指定商品の取引者において,地理的表示として認識されているものである。
そして,本件指定商品は,上記地理的表示である「バーボンウイスキー」入りの商品であって,本件商標は,当該商品に使用するものであることからすれば,本件商標の構成中に「バーボン」「BOURBON」の文字を有することを理由にフリーライドの目的があったということはできず,本件商標を登録し,本件商標権者がその指定商品に使用することが,公正な取引秩序を乱し,ひいては国際信義に反するものとはいえず,また,公序良俗に反する商標ということもできない。
(4)以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当するものということはできない。
4 商標法第4条第1項第16号該当性について
(1)商品の品質又は役務の質(以下では,商品についてのみ述べる。)の誤認を生ずるおそれがある商標については,公益に反するとの趣旨から,商標登録を受けることができない旨規定されている(商標法第4条第1項第16号)。同趣旨に照らすならば,商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標とは,指定商品に係る取引の実情の下で,取引者又は需要者において,当該商標が表示していると通常理解される品質と指定商品が有する品質とが異なるため,商標を付した商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある商標を指すものというべきである(平成20年11月27日知的財産高等裁判所判決,平成20年(行ケ)第10086号参照)。
(2)上記1のとおり,本件商標中には,「バーボンウイスキー」を意味する「バーボン」「BOURBON」の文字を有するところ,本件指定商品の取引者,需要者は,その使用される商品は「バーボンウイスキー」を使用したものであると認識,理解する。そして,本件指定商品は,上記第1のとおり,「バーボンウイスキー」入りの商品である。そうすると,本件商標が表示していると通常理解される品質と指定商品の有する品質とが異なることはないことから,本件商標は,商品の品質の誤認を生じさせるおそれはないものというべきである。
(3)申立人は,本件商標は「米国産のウイスキー」「米国ケンタッキー州バーボン郡」を理解させる「バーボン」「BOURBON」の文字を含むことから,「米国産」以外のバーボン入りの商品,若しくは「米国産ケンタッキー州バーボン郡産」以外の商品について使用した場合は,商品の品質について誤認を生じるおそれがあると主張する。
しかしながら,本件指定商品は「バーボンウイスキー」入りの商品,すなわち,生産地をアメリカ合衆国ケンタッキー州とするウイスキー入りの商品であり,さらに,本件商標中の「バーボン」「BOURBON」の文字を「アメリカ合衆国ケンタッキー州バーボン郡」を表示したものと本件指定商品の取引者,需要者が認識するというべき事情も見いだせない。
そうすると,本件商標が表示していると通常理解される品質と指定商品の有する品質とが異なることはないから,本件商標は,同商品の品質の誤認を生じさせるおそれはないものというべきである。
(4)以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
5 まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号及び同項第16号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-01-28 
出願番号 商願2017-17342(T2017-17342) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W30)
T 1 651・ 22- Y (W30)
最終処分 維持 
前審関与審査官 駒井 芳子押阪 彩音菅沼 結香子 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 金子 尚人
小松 里美
登録日 2018-02-02 
登録番号 商標登録第6015503号(T6015503) 
権利者 株式会社ロイズコンフェクト
商標の称呼 ロイズバーボン、ロイスバーボン、ロイズ、ロイス、バーボン 
代理人 黒川 朋也 
代理人 魚路 将央 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 工藤 莞司 
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