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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X2428
管理番号 1348905 
審判番号 取消2017-300613 
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-08-17 
確定日 2019-02-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第5153762号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第5153762号商標の指定商品中,第24類「かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第28類「全指定商品」についての商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5153762号商標(以下「本件商標」という。)は,「根々」の漢字と「ねね」の平仮名とを上下二段に横書きしてなり,平成19年10月5日に登録出願,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け」及び第28類「おもちゃ」並びに第14類,第16類,第18類,第25類ないし第27類,第29類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同20年7月25日に設定登録されたものである。
本件審判は,商標法50条1項の規定により,本件商標の指定商品中の第24類「かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第28類「おもちゃ」についての登録を取り消す,とする商標登録取消審判事件であり,その請求の登録(予告登録)は,平成29年9月1日になされた(以下,当該登録前3年以内を「本件要証期間」という。)。
以下,本件の事案に鑑み,被請求人の主張から記載する。

第2 被請求人の主張
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙1?4(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
(1)写真(乙1の1・2,乙2の1?4)は,本件商標権者の店舗(群言堂 石見銀山本店)において,縦書きによる「根々」の漢字(以下「本件使用商標」という。)を記載したタグを付した布団カバー(以下,被請求人が「布団カバー」と称している織物製の布地を「本件使用商品」という。)を譲渡又は引渡しのために展示している状態を示している。
(2)販売実績データ(乙3)は,本件商標権者の店舗(乙4)において,本件使用商品が本件要証期間内に販売された事実を示している(例えば,「群言堂 石見銀山本店」では,平成28年1月25日に本件使用商品が2枚販売された。)。
(3)本件使用商標は,上下二段に横書きされた本件商標の一方である「根々」の漢字を縦書き使用したものであるから,本件商標と社会通念上同一の商標である。
(4)以上によれば,本件商標権者は,本件要証期間内に日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品中の第24類「布団カバー」について,本件商標と社会通念上同一と認められる本件使用商標を使用した。
したがって,本件商標は,その請求に係る指定商品について,取り消されるべきものではない。
2 本件審判の審理について
被請求人は,平成30年8月23日付けの上申書により,上記1の答弁において主張立証を尽くしたため,書面審理を希望する旨述べた。

第3 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲1?30(なお,審判請求書に添付した甲1は,甲30と読み替えた。)を提出した。
1 被請求人の答弁に対し
(1)写真(乙1の1・2,乙2の1?4)に掲載されている本件使用商品は,明らかに袋状にはなっておらず,「布団カバー」に該当するか否か疑義がある。
また,本件使用商品に付されたタグ(乙1の1・2)は,ぼやけていてその内容が確認できないものや,販売を示す値札も確認できないものであるから,譲渡又は引渡しのための展示であることを立証し得ない。
さらに,本件商標権者の店舗(群言堂 石見銀山本店)における写真であるかについても疑義があるから,譲渡又は引渡しのための展示であることを裏付けるものではない。
そもそも,上記写真は,いずれも本件要証期間外に撮影されたものであるから,要証期間における商標の使用を立証し得ない。
(2)販売実績データ(乙3)は,いつ,誰が,何の資料を基に作成したものであるかの記載も,責任者の確認のサイン署名もない。このような資料は,売上伝票などの真正な資料とは異なり,いつでも,誰でも,自由に作成することが可能であるから,売上げを示す真正な証拠とはなり得ない。よって,本件要証期間内における本件使用商品の販売を立証し得ない。
また,当該データの品名欄には「小花JQマルチクロス」と記載されており,これは様々な用途がある布地を意味すると解され,「布団カバー」とは類似すらしない商品である。
(3)本件使用商標は,本件商標と社会通念上同一と認められる商標ではない。
(4)本件商標権者等による行為であることを証明するためには,登記簿謄本,定款及び契約書等を証拠として提出すべきであり,店舗名,住所等が掲載されたインターネットのホームページ情報(乙4)は,証拠としては補助的な役割しか示さない。よって,当該ホームページ情報は,「商標権者,専用使用権者,通常使用権者」による行為(商標法50条1項)に該当することを立証し得ない。
2 結論
以上のとおりであるから,本件商標は,その請求に係る指定商品について3年以上使用されておらず,取り消されるべきである。
3 本件審判の審理について
請求人は,平成30年9月4日付けの上申書により,被請求人が希望する書面審理に同意する旨述べた。

第4 当審の判断
1 証拠及び当事者の主張によれば,以下のとおりである。
(1)本件使用商品に係るものとして提出された販売実績データ(乙3)についてみると,品名欄には「小花JQマルチクロス」と記載されており,これは請求人も主張しているとおり,様々な用途に使用できる布地(マルチクロス)を意味するものと解されることから,たとえ,当該マルチクロスが布団カバーやベッドカバーの用途でも使用することができるとしても,当該販売実績データだけでは,本件要証期間内に,特定の用途に係る商品(被請求人が主張する「布団カバー」)として販売されたことを立証し得ない。
なお,被請求人は,後記(2)のとおり,本件使用商品の品名が「小花JQマルチクロス」であることすら立証していない。
(2)本件要証期間後に撮影された写真(乙1の1・2,乙2の1?4)によれば,特定の店舗内と思われる場所に,ベッドが設置され,その上に本件使用商品がベッドカバーのように掛けられている状態を見て取ることができる。そして,本件使用商品の裏側(へり部分)には,本件使用商標が記載された布タグが縫い付けられており,かつ,本件使用商標とともに「群言堂」の文字,本件商標権者の名称及び電話番号等(乙4)が裏面に表示された下げ札も安全ピンで付されていることが確認できる。
しかしながら,当該下げ札の表面(乙1の1)は,ぼやけていて内容(品名,金額,バーコードなどが表示されているのではないかと思われる。)が確認できないため,本件使用商品が販売実績データ(乙3)にある商品(品名「小花JQマルチクロス」,単価19,800円)と同一のものであるか不明といわざるを得ない。
もっとも,仮に本件使用商品と商品「小花JQマルチクロス」とが同一の商品であったと認められたとしても,本件使用商品の写真(乙1の1・2,乙2の1?4)は,本件要証期間後に撮影されたものであるから,それだけでは,上記(1)のとおり,本件要証期間内に,本件使用商品が特定の用途に係る商品(被請求人が主張する「布団カバー」)として販売されたものとは認めることができないし,また,本件要証期間内に,本件使用商品が譲渡又は引渡しのために展示されていたものとも認めることができない。
(3)したがって,被請求人が提出した証拠によっては,本件商標権者が,本件要証期間内に,本件商標の使用をしたものとは認めることができないところ,被請求人は,上記第2の2のとおり,本件商標に係る使用については,その主張立証を尽くしたと述べているから,上記のとおり,判断するほかない。
2 結語
以上のとおりであるから,被請求人は,本件要証期間内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,商標法50条の規定により,結論掲記の指定商品についての登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-12-10 
結審通知日 2018-12-12 
審決日 2018-12-27 
出願番号 商願2007-104157(T2007-104157) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (X2428)
最終処分 成立  
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
小出 浩子
登録日 2008-07-25 
登録番号 商標登録第5153762号(T5153762) 
商標の称呼 ネネ、コンコン 
代理人 特許業務法人筒井国際特許事務所 
代理人 山田 和明 

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