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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1347916 
異議申立番号 異議2018-900024 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-01-19 
確定日 2018-12-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5991480号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5991480号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5991480号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示すとおりの構成よりなり,平成29年5月9日に登録出願,第25類「被服,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同29年10月6日に登録査定,同月27日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)引用商標1
国際登録第1057220号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成22年8月24日に国際商標登録出願,第9類「Helmets for athletes, spectacles for athletes.」,第25類「Clothing, footwear, headgear, gloves, sports shoes, in particular ski and snowboard boots.」及び第28類「Sporting equipment and articles, namely skis and snowboards, ski sticks, ski and snowboard bindings, tennis racquets, squash racquets, racquetball racquets, badminton racquets; parts for sporting equipment and articles, accessories for sporting equipment and articles; sports gloves; protectors for professional and amateur sports; containers adapted for sporting equipment and articles, in particular bags and sleeves (all the aforesaid goods included in this class).」並びに第18類及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同23年7月22日に設定登録されたものである。
(2)引用商標2
国際登録第1338623号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成28年11月29日に国際商標登録出願,第9類「Helmets for use in sports, protective helmets for sports purposes; spectacles for athletes, snow goggles.」,第25類「Wearing apparel, namely shirts, athletic suits, skirts, sweat shirts, tee-shirts, shorts, socks, undershirts, jackets, trousers, chemises; headgear, namely ski hats, snowboard hats, tennis caps, headbands and hats; ski gloves and snowboarding gloves, ski boots, apres-ski shoes, snowboarding boots and tennis shoes.」及び第28類「Sporting apparatus and articles, namely skis and snowboards, ski poles, ski bindings and snowboard bindings, tennis racquets, squash racquets, racquetball racquets, badminton racquets; parts for these sporting apparatus and articles, fittings for these sporting apparatus and articles, namely containers specifically adapted to these sporting apparatus and articles, namely bags and covers; climbing skins for use with touring skis; back protectors, namely back protectors for sports; shin, knee and elbow protectors, namely kneepads for sports, shin guards [sports articles], elbow pads for sports; grip tape and strings for racquets.」並びに第18類及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同30年3月30日に設定登録されたものである。
(3)なお,引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは「引用商標」という。

3 本件異議の申立て理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,白抜きの2つの文字Xが横に連続して描画された図形,あるいは,白抜きの向きが上下逆の文字Vが重ねて配置された図形であって,上側に向かうに従って右側に傾斜している。そして,本件商標は,「エックスエックス」又は「ブイ・ブイ」の称呼を生じる。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は,2つの文字Xが横に連続して描画された図形,あるいは,向きが上下逆の文字Vが重ねて配置された図形であって,上側に向かうに従って左側に傾斜している。そして,引用商標1は,「エックスエックス」又は「ブイ・ブイ」の称呼を生じる。
イ 引用商標2は,2つの文字Xが横に連続して描画された図形,あるいは,向きが上下逆の文字Vが重ねて配置された図形であって,傾斜がない図案となっている。そして,引用商標2は,「エックスエックス」又は「ブイ・ブイ」の称呼を生じる。
(3)本件商標と引用商標との対比について
ア 本件商標と引用商標1との対比
本件商標と引用商標1とは,「エックスエックス」又は「ブイ・ブイ」の称呼を同一にする。
本件商標と引用商標1とは,白抜きの有無で相違するが,外観上類似する。また,本件商標と引用商標1とは,傾斜の向きが相違するが,そのような相違については,両商標を離隔的に観察するときには,印象が薄れ,もはや,2つの文字Xが横に連続して描画された図形からなる要部,あるいは,向きが上下逆の文字Vが重ねて配置された図形からなる要部が,ともに,看者に強く記憶にとどまるものであるから,やはり外観上類似する。
そうすると,本件商標と引用商標1とは,称呼が同一であり,外観が類似するから,全体として,類似する。
イ 本件商標と引用商標2との対比
本件商標と引用商標1とは,「エックスエックス」又は「ブイ・ブイ」の称呼を同一にする。
本件商標と引用商標2とは,白抜きの有無で相違するが,外観上類似する。また,本件商標と引用商標2とは,傾斜の有無の点で相違するが,そのような相違については,両商標を離隔的に観察するときには,印象が薄れ,もはや,2つの文字Xが横に連続して描画された図形からなる要部,あるいは,向きが上下逆の文字Vが重ねて配置された図形からなる要部が,ともに,看者に強く記憶にとどまるものであるから,やはり外観上類似する。
そうすると,本件商標と引用商標2とは,称呼が同一であり,外観が類似するから,全体として,類似する。
(4)指定商品等の対比
ア 本件商標の指定商品と,引用商標1の指定商品との対比
本件商標の指定商品(指定役務)及び商品(役務)の区分と,引用商標1の指定商品(指定役務)及び商品(役務)の区分とは,ともに,第25類であり,同一である。
本件商標の指定商品「被服,帽子,履物,運動用特殊靴」は,引用商標1の指定商品における「被服,帽子,履物,運動用特殊靴」と同一である。
なお,本件商標の指定商品「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」と,引用商標1の指定商品「被服,履物及び運動用特殊靴,帽子,手袋,運動靴」とは,それらの販売部門,流通部門等が共通するものであるから,両者は類似する。
イ 本件商標の指定商品と,引用商標2の指定商品との対比
本件商標の指定商品(指定役務)及び商品(役務)の区分と,引用商標2の指定商品(指定役務)及び商品(役務)の区分とは,ともに,第25類であり,同一である。
本件商標の指定商品「被服,帽子」は,引用商標2の指定商品「被服,帽子」と同一である。
本件商標の指定商品「運動用特殊衣服」は,引用商標2の指定商品「運動競技用スーツ」を含んでおり,一部が重複する。
本件商標の指定商品「運動用特殊靴」は,引用商標2の指定商品「スキー靴,アフタースキー用靴,スノーボード用ブーツ及びテニス用靴」を含んでおり,一部が重複する。
また,本件商標の指定商品「履物」は,引用商標2の指定商品「スキ一靴,アフタースキー用靴,スノーボード用ブーツ及びテニス用靴」を含んでおり,一部が重複する。
本件商標の指定商品「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」と,引用商標2の指定商品「帽子,スキー用手袋及びスノーボード用手袋,スキー靴,アフタースキー用靴,スノーボード用ブーツ及びテニス用靴」とは,それらの販売部門,流通部門等が共通するものであるから,両者は類似する。
(5)むすび
本件商標は,引用商標と類似し,また,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,白抜きで幅広の直線の帯を用いたV字状の図形(以下「本件商標V字図形」という。),及び上下を逆にしたV字状の図形(以下「本件商標逆V字図形」という。)を組み合わせてなるものである。そして,本件商標V字図形と本件商標逆V字図形の右辺と本件商標V字図形の上部と下部は直線的にそろえて表され,本件商標V字図形と本件商標逆V字図が重なる部分は,本件商標V字図形の左辺が途切れたように表され,また,本件商標逆V字図形の右辺が途切れたように表された結果,本件商標V字図形と本件商標逆V字図は,あたかも,2つの図形が左右において前後に重なり合うような印象を与え,しかも,本件商標V字図形が本件商標逆V字図に比べて,左側にずらして配されていることから,本件商標は,全体として右側に傾いた印象を与えるものである。
さらに,本件商標は,直ちに特定の事物を想起させるものではないから,特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は,別掲2のとおり,黒塗りの幅広のやや曲線状の帯を用いたV字状の図形(以下「引用商標1V字図形」という。),及び引用商標1V字図形を上下を逆にした図形(以下「引用商標1逆V字図形」という。)を組み合わせてなるものである。そして,引用商標1V字図形と引用商標1逆V字図が重なる部分は,引用商標1逆V字図形の右辺が途切れたように表され,また,引用商標1V字図形の右辺が途切れたように表された結果,引用商標1V字図形と本件商標逆V字図は,あたかも,左右において前後に重なり合うような印象を与え,しかも,引用商標1の上部は右側に下がるように表され及び下部は右側に上がるように表され,かつ,引用商標1V字図形が引用商標1逆V字図に比べて,左側にずらして配されていることから,引用商標1は,全体として左側に傾いた印象を与えるものである。
さらに,引用商標1は,直ちに特定の事物を想起させるものではないから,特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。
イ 引用商標2について
引用商標2は,別掲3のとおり,左側に黒塗りの幅広の直線の帯を用いたy字状の右辺の上端を右下方に折り曲げた図形(以下「引用商標2左側図形」という。),及び右側に引用商標2左側図形を上下左右に反転した図形(以下「引用商標2右側図形」という。)を配してなるものである。そして,引用商標2は,全体として,上部,下部,左端部及び右端部がそろえられており,かつ,直線の帯の先端は全て左斜め又は右斜めに切ったように表されているものである。
さらに,引用商標2は,直ちに特定の事物を想起させるものではないから,特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標と引用商標1の類否について
本件商標と引用商標1を比較すると,両商標は,上記(1)及び(2)アのとおりの構成よりなるところ,両商標は,いずれも,V字状の図形及び逆V字状の図形が左右において前後に重なり合うような印象を与えるものとしても,本件商標は白抜きで幅広の直線の帯を用い,その上部と下部は直線的にそろえられ,全体として右側に傾いた印象を与えるものであるのに対し,引用商標1は,黒塗りの幅広のやや曲線状の帯を用い,上部は左側に下がるように表され及び下部は右側に上がるように表され,かつ,全体として左側に傾いた印象を与えるものであるから,それぞれの全体から受け取る印象は異なり,両商標を対比観察した場合はもとより,時と処を異にして離隔的に観察した場合においても,外観上,明らかに区別し得るものである。
また,本件商標及び引用商標1は,特定の称呼及び観念は生じないものであるから,称呼及び観念については比較し得ないものである。
してみれば,本件商標と引用商標1とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても,類似しない商標である。
イ 本件商標と引用商標2の類否について
本件商標と引用商標2を比較すると,両商標は,上記(1)及び(2)イのとおりの構成よりなるところ,両商標は,いずれも,直線の帯を用い,上部と下部がそろえられている点について共通するとしても,本件商標は白抜きで幅広の直線の帯を用い,上部と下部は直線的にそろえて表され,V字状の図形及び逆V字状の図形が重なり合い,全体として右側に傾いた印象を与えるものであるのに対し,引用商標2は黒塗りの幅広の直線の帯を用い,y字状の右辺の上端を右下方に折り曲げた図形及び当該図形を上下左右に反転した図形を左右に表し,直線の帯の先端は全て左斜め又は右斜めに切ったように表してなるものであるから,それぞれの全体から受け取る印象は異なり,両商標を対比観察した場合はもとより,時と処を異にして離隔的に観察した場合においても,外観上,明らかに区別し得るものである。
また,本件商標及び引用商標2は,特定の称呼及び観念は生じないものであるから,称呼及び観念については比較し得ないものである。
してみれば,本件商標と引用商標2とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても,類似しない商標である。
ウ 小括
したがって,本件商標は,引用商標に類似しない商標であるから,両商標の指定商品及び指定役務の類否については判断するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
したがって,本件商標は,商標法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標

別掲2 引用商標1


別掲3 引用商標2


異議決定日 2018-12-20 
出願番号 商願2017-63233(T2017-63233) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山本 敦子 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 早川 文宏
平澤 芳行
登録日 2017-10-27 
登録番号 商標登録第5991480号(T5991480) 
権利者 株式会社メガスポーツ
商標の称呼 エイブイ、エックスエックス 
代理人 宇田 新一 
代理人 岡本 寛之 

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