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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1347913 
異議申立番号 異議2018-900102 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-26 
確定日 2018-12-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第6016255号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6016255号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6016255号商標(以下「本件商標」という。)は,「ZUMA」の欧文字を標準文字で表してなり,平成29年6月27日に登録出願,同30年1月4日に登録査定,第25類「被服,履物,運動用特殊靴,運動用特殊衣服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として,同年2月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
商標異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第902527号商標(以下「引用商標」という。)は,「PUMA」の欧文字を横書きしてなり,昭和44年2月17日に登録出願,第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同46年6月21日に設定登録され,その後,平成14年1月23日に指定商品を第6類「つえ用金属製石突き」,第14類「貴金属製靴飾り」,第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」,第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」,第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」とする指定商品の書換登録がされたものである。さらに,平成23年6月28日に指定商品を第21類及び第25類とする,区分を減縮する商標権の存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は,いずれも,顕著な特徴を有さない一般的な書体を用いた,横書きにした4文字の欧文字のみから構成され,第1文字を除く「UMA」の欧文字からなる3文字の配列構成は同一である。また,本件商標と引用商標の称呼は,同数音であり,かつ,第1音以外は音を共通にする上,差異音である第1音の母音も共通している。
さらに,引用商標は世界的に周知著名であり,本件商標と引用商標は,需要者及び流通経路も共通する。その上,本件商標と引用商標は,指定商品も互いに抵触するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
前述のとおり,本件商標と引用商標とは,外観及び称呼において類似している。また,引用商標は世界的に周知著名な商標であり,本件商標と引用商標は,需要者及び流通経路も共通することなどに鑑みれば,本件商標が付された商品に接した需要者が商品の出所につき誤認混同を生じ,本件商標が付された商品を申立人と組織的・経済的に密接な関係がある者の業務に係る商品であると混同するおそれが認められる。このように,本件商標は,他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標に該当する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,「ZUMA」の欧文字を標準文字で表してなるものであるから,これよりは,「ズマ」又は「ズーマ」の称呼が生じ得る。また,本件商標は,商取引の実際においては,「ツマ」と片仮名で併記されていること(甲3)からすれば,これよりは,「ツマ」の称呼をも生じるものといえる。
「ZUMA」の欧文字は,一般の外国語辞書には載録が見当たらない語であって,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであるから,本件商標からは特定の観念が生じない。
イ 引用商標
引用商標は,「PUMA」の欧文字を横書きしたものであるから,これよりは,「ピューマ」又は「プーマ」の称呼が生じ,ネコ科の哺乳類である「ピューマ」の観念が生じる。
ウ 本件商標と引用商標の類否
(ア)外観について
本件商標と引用商標は,共に4文字からなり,2文字目以降の「UMA」の3文字を共通にするとしても,1文字目の「Z」と「P」とは字体が明らかに相違しているから,4文字という短い文字構成においては,視覚上,語頭の1文字の相違を容易に認識できるから,相紛れるおそれはない。
(イ)称呼について
本件商標から生ずる「ズマ」又は「ツマ」の称呼と引用商標から生ずる「ピューマ」又は「プーマ」の称呼とは,語尾において「マ」の音を共通にするとしても,称呼の識別上最も重要な語頭音を明らかに異にし,さらに,長音の有無という差異を有するものであり,これらの差異は,2音ないし3音といった短い音構成からなる称呼全体に及ぼす影響は大きく,明確に聴別し得るものである。
また,本件商標から生じる「ズーマ」の称呼と引用商標から生じる「ピューマ」又は「プーマ」の称呼についても,第2音(長音)及び第3音を共通にするとしても,称呼の識別上最も重要な語頭音を明らかに異にし,しかも,これらの音はいずれも長音の前に位置する音であって比較的強く聴覚されるものであるから,共に3音といった短い音構成からなる称呼全体に及ぼす影響は大きく,明確に聴別し得るものである。
(ウ)観念について
本件商標は,特定の観念が生じないのに対し,引用商標は,ネコ科の哺乳類である「ピューマ」の観念が生じるから,両商標はその観念においても相紛れるおそれはない。
(エ)小括
以上によれば,本件商標と引用商標は,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。
エ 申立人の主張について
申立人は,本件商標から生ずる「ズーマ」の称呼と,引用商標から生ずる「プーマ」の称呼とは,同数音であり,かつ,第1音以外は音を共通することに加え,両称呼の第1音の母音は「u」で共通している上,第2音がいずれも長音であることから,前音の母音である「u」の余韻として残るため,両称呼は,いずれも第1音の母音以降の称呼である「ウーマ」の部分が強い印象を残すから,称呼の差異音が語頭にあるとしても,それが称呼全体に与える印象は小さく,本件商標と引用商標との称呼は聴別が困難である旨主張する。
しかしながら,本件商標から生ずる「ズーマ」の称呼と引用商標から生ずる「プーマ」の称呼とは,それぞれ,「ズウーマ」及び「プウーマ」と称呼されるものとは認め難く,前記ウ(イ)のとおり,長音を伴う語頭音が明らかに相違するから,共に3音といった短い音構成においては称呼全体に及ぼす影響は大きく,明確に聴別し得る。
よって,申立人の上記主張は採用できない。
オ 小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは非類似の商標であるから,その指定商品の類否について判断するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の製品販売に関するウェブサイト(甲4)に示されている「PUmA」の欧文字からなる商標(別掲参照。以下「申立人使用商標」という。)は,申立人の業務に係るスポーツシューズ,被服及びバッグ等のスポーツ用品・スポーツウェア(以下「申立人商品」という。)を表示する商標として,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたものであることは,当庁において顕著な事実である。
そして,引用商標は,「PUMA」の欧文字をごく普通の書体で横書きしてなるものであるが,申立人使用商標とはつづりが同じであり,また,その指定商品は,第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」及び第25類「履物」であって,申立人商品の一であるスポーツシューズとは関連性を有する商品であるから,申立人使用商標と同様に,本件商標の登録出願時及び登録査定時において我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
しかしながら,本件商標は,前記(1)のとおり,引用商標とは外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものであるから,その需要者の注意力の程度や本件商標の指定商品と引用商標の指定商品ないし申立人商品との共通性を考慮しても,本件商標は,これに接する取引者,需要者が,引用商標を連想又は想起するものということはできない。
そうすると,本件商標は,本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
その他,本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから,その登録は同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(申立人使用商標)


特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2018-12-11 
出願番号 商願2017-86736(T2017-86736) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 庄司 美和
田村 正明
登録日 2018-02-02 
登録番号 商標登録第6016255号(T6016255) 
権利者 株式会社スワロースキー
商標の称呼 ズマ、ズーマ 
代理人 坂田 了祐 
代理人 兼松 由理子 
代理人 特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所 
代理人 大江 耕治 

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