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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W0916354145
審判 査定不服 観念類似 登録しない W0916354145
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W0916354145
管理番号 1347849 
審判番号 不服2017-17053 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-17 
確定日 2019-01-08 
事件の表示 商願2016- 21294拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第9類,第16類,第35類,第41類,第42類,及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成28年2月28日に登録出願されたものである。
そして,その指定商品及び指定役務については,原審における同28年9月13日受付,同29年4月27日受付及び同年7月3日受付の手続補正書をもって,第9類「電子出版物」,第16類「雑誌,書籍」,第35類「インターネット等の通信ネットワークを利用した商品の販売促進及び役務の提供促進のための広告,その他の広告,広告の企画又は作成,インターネット等の通信ネットワークを利用した商品の販売促進及び役務の提供促進のための企画及び実行の代理,インターネット等の通信ネットワークを利用した商品の販売促進及び役務の提供促進に関する情報の提供,ウェブサイトの運営に関する事業の管理又は運営,インターネット等の通信ネットワークにおけるウェブサイト上の広告用スペースの提供及びそれに関する情報の提供」,第41類「オンラインによる電子雑誌の提供,インターネットを通じたオンラインによる電子出版物の提供,ファッション・映画・音楽・芸術・化粧・ブログ・写真・ゲーム・モデル・雑誌に関する電子出版物の提供,電子出版物の提供,インターネット等の通信ネットワークを利用した画像及び文字データの提供,書籍の制作,電子出版物の制作,セミナーの企画・運営又は開催,文化的パフォーマンス(音楽に関するものを除く。)・イベントの企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行に関するものを除く。),ファッションショーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授」及び第45類「インターネット等の通信ネットワークを利用したファッション情報の提供,ファッション情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,占い,身の上相談」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は,登録5413492号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成22年9月10日登録出願,第35類「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同23年5月20日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,ややデザイン化された「Violet」の欧文字を書してなるところ,該「Violet」の文字は,「スミレ,スミレ色」の意味を有する語(株式会社大修館書店「ベーシック ジーニアス英和辞典」)として,よく知られた英語であり,また,該文字は,「紫色の」の意味を有するフランス語(株式会社三省堂「クラウン仏和辞典 第7版」)でもある。
そうすると,本願商標は,「Violet」の欧文字を英語と捉えた場合には,「バイオレット」の称呼及び「スミレ,スミレ色」の観念を生じ,これをフランス語として捉えた場合には,「ヴィオレ」の称呼及び「紫色の」の観念をも生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,「ヴィオレ」の片仮名及び「Violet」の欧文字を,上下二段に書した構成からなるところ,上段の「ヴィオレ」の片仮名は,下段の「Violet」の欧文字の読みを表したものと理解されるものである。
そして,下段の「Violet」の欧文字は,上段の「ヴィオレ」の片仮名よりも明らかに大きく太く書された構成からなり,引用商標に接する取引者,需要者は,下段の「Violet」の文字に着目して取引にあたる場合も決して少なくないといえるものである。
そして,「Violet」の文字に着目した場合には,上記アのとおり,「Violet」は,「スミレ,スミレ色」を意味する英語としてよく知られたものであるから,該文字を英語として捉えた場合には,「バイオレット」の称呼及び「スミレ,スミレ色」の観念を生じるものである。
また,「Violet」の文字は,上記アのとおり,「紫色の」を意味するフランス語でもあるから,該文字をフランス語として捉えた場合には,「ヴィオレ」の称呼及び「紫色の」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに,両者は,全体の外観においては,その構成を異にするものであるが,前記ア及びイに記載したとおり,両者は,「Violet」の欧文字において共通しており,互いに類似するものである。
次に,称呼においては,本願商標と引用商標は,共に「バイオレット」及び「ヴィオレ」の称呼を生じるものであるから,両者は,その称呼を同一にするものである。
さらに,観念においては,本願商標と引用商標は,共に「スミレ,スミレ色」及び「紫色の」の観念を生じるものであるから,両者は,その観念を同一にするものである。
そうすると,本願商標と引用商標は,全体の外観においては相違するものの,共通の「Violet」の文字において類似するものであって,その称呼及び観念を同一にするものであるから,これらを総合的に勘案すれば,両者は,類似の商標というべきである。
エ 本願商標の指定商品と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定商品中,第9類「電子出版物」及び第16類「雑誌,書籍」は,引用商標の指定役務中の第35類「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る取扱商品である「印刷物」と同一又は類似のものである。
そして,商品の販売と,その商品を取り扱う小売等役務の提供とが同一の者によって行われることは,商取引上,普通に見受けられるものであり,そのような場合,該商品の販売場所や需要者の範囲は,該役務の提供場所や需要者の範囲と一致するというのが相当である。
そうすると,本願商標の上記指定商品と引用商標の上記指定役務について,同一又は類似する商標が使用された場合には,これに接する取引者,需要者は,その商品の製造及び販売とその役務の提供とが,同一の者によるものであると誤認し,その出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
してみれば,本願商標の指定商品と引用商標の指定役務とは,互いに類似するものである。
オ 小括
本願商標と引用商標は,前記ウのとおり,互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,前記エのとおり,本願商標の指定商品は,引用商標の指定役務と類似するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「雑誌等にはそれぞれ特有の題号が付され,それぞれに発行所が存在する。例えば,審判請求人が発行する『CYAN』という雑誌であれば,『CYAN』が題号であり,その発行・発売の主体として『カエルム』の記載がある。雑誌の取引者,需要者は『CYAN』という雑誌を求めて,『CYAN』という本屋やそのウェブサイトに入ったとしても,その雑誌をその本屋が発行したと考えることはない。よって,『電子出版物,雑誌,書籍』と『印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供』とは類似する関係にはないものと思料する。」旨を主張している。
しかしながら,雑誌等の商品に発行所の記載があったとしても,取引者,需要者は,商品に付された題号や商標を,他の商品との識別標識として捉えて取引に当たることが一般的であるため,該商品の商標と同一又は類似の商標が,該商品を取り扱う小売等役務の提供について使用された場合には,これに接する取引者,需要者は,該商品の製造,販売元と該商品を取り扱う小売等役務の提供元とが同一の者であると誤認する場合もあるというのが相当である。
したがって,本願商標の指定商品に含まれる「電子出版物,雑誌,書籍」と,引用商標に含まれる「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは類似するものであり,請求人の主張は,採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)



別掲2(引用商標)



審理終結日 2018-04-23 
結審通知日 2018-04-24 
審決日 2018-05-11 
出願番号 商願2016-21294(T2016-21294) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W0916354145)
T 1 8・ 263- Z (W0916354145)
T 1 8・ 262- Z (W0916354145)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 真鍋 恵美
榎本 政実
商標の称呼 バイオレット、ビオレ 
代理人 小林 克行 

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