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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W45
管理番号 1346909 
異議申立番号 異議2018-900083 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-05 
確定日 2018-11-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第6013392号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6013392号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第6013392号商標(以下「本件商標」という。)は、「ICB」の欧文字を標準文字で表してなり、平成29年5月2日に登録出願、第45類「ファッション情報の提供,被服及び被服の組み合わせに関するファッション情報の提供,ファッションに関する指導・助言・相談又はコンサルティング」を指定役務として、同年12月13日に登録査定、同30年1月19日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は次のとおりであり、これらをまとめて「引用商標」という。
1 別掲のとおり、「iCB」の欧文字からなり、申立人及び株式会社オンワード樫山(以下「オンワード樫山」という。)が自己の業務に係る商品「被服」又は役務「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用しているものである。
2 登録第4989757号商標は、別掲のとおり、「iCB」の欧文字からなり、平成18年3月6日に登録出願、「被服」を含む第25類並びに第9類、第14類、第16類、第18類及び第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月22日に設定登録されたものであり、現在、有効に存続しているものである。
3 登録第5188737号商標は、別掲のとおり、「iCB」の欧文字からなり、平成19年4月2日に登録出願、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同20年12月12日に設定登録されたものであり、現在、有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、「引用商標は、申立人及びオンワード樫山(以下「申立人ら」という。)の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標(以下「周知著名商標」という。)であり、この周知著名商標と類似する本件商標は、その指定役務に使用された場合、申立人らの業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。」として、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第103号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)判断基準について
商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等が他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(以下「広義の混同を生ずるおそれ」という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。
同号の規定は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護することを目的とするものであるところ、その趣旨からすれば、企業経営の多角化、同一の表示による商品化事業を通して結束する企業グループの形成、有名ブランドの成立等、企業や市場の変化に応じて、周知又は著名な商品等の表示を使用する者の正当な利益を保護するためには、広義の混同を生ずるおそれがある商標をも商標登録を受けることができないものとすべきであるからである。
そして、商標法第4条第1項第15号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきである。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度
本件商標は、「ICB」の欧文字を標準文字にて横書きした構成からなるところ(甲1)、その構成文字に相応して「アイシービー」の称呼が生ずる。本件商標は、アルファベット3文字を羅列した造語であるから、特定の観念が生じることはない。
他方、引用商標は、「iCB」の欧文字をゴシック体にて横書きした構成からなるところ(甲2?甲4)、その構成文字に相応して「アイシービー」の称呼が生ずる。引用商標は、アルファベット3文字を羅列した造語であるが、特定の観念が生じることはない。
そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、両者の間には、語頭における大文字と小文字の相違や書体の相違があるが、綴りを共通にするとともに、書体自体が視覚上看者に強い印象を与えるほどに特徴があるものでもないから、両者は、外観において近似する印象を与えるものである。
また、両者は、「アイシービー」の称呼を同一とする相紛らわしい商標であり、いずれも配列を同じくするアルファベット3文字を羅列した造語であるから、観念においても区別し得ない。
そうすると、本件商標と引用商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、取引者、需要者にとって互いに相紛らわしい商標である。
したがって、本件商標と引用商標との類似性の程度は高い。
(3)引用商標の周知著名性及び独創性の程度
ア 申立人について
申立人の2016年3月1日から2017年2月28日までの有価証券報告書(抜粋)によれば、オンワードグループは、申立人、子会社(オンワード樫山)83社及び関連会社22社の計106社で構成され、紳士服、婦人服等の繊維製品の企画、製造及び販売(アパレル関連事業)を主な事業内容とし、さらにサービス関連事業及びリゾート関連事業を行っている多角経営企業であり、前記期間内の連結売上高は、2,449億円である(甲5)。
申立人は、2007年9月に、会社分割による純粋持ち株会社へ移行、「株式会社オンワード樫山」から「株式会社オンワードホールディングス」に商号変更し、アパレル事業部門を申立人の子会社であるオンワード樫山が継承している(甲6)。
イ 引用商標の使用状況・販売規模・売上・広告宣伝費について
(ア)引用商標は、申立人が1995年に使用を開始したアパレルブランド名であり、「International(インターナショナル)」、「Concept(コンセプト)」、「Brand(ブランド)」の3つの頭文字をとったブランド名のとおり、世界で活躍するキャリア女性をターゲットに展開されるブランドであり、引用商標は、世界同時情報共有時代の中でインターナショナルクオリティを知った消費者に向けて、申立人がプロデュースする新時代の商品に使用される商標として採択されたものである(甲7)。
引用商標のブランドコンセプトを踏まえて、申立人は、引用商標及びこれに関連する商標について、日本を含む世界各国で多数の商標登録出願をし、商標登録を受けている(甲8)。
(イ)申立人らは、1995年から今日に至るまで、長期間にわたり、引用商標を被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等に付し、それら商品を販売し、販売のために展示している(甲9?甲11)。
引用商標に関する商品の販売店は、日本及び海外の百貨店やデパートなどで展開されており、2018年2月末日時点で、日本国内の店舗数は、132店であり、海外(香港、中国、台湾、シンガポール、タイ、ベトナム)の店舗数は、44店である(甲9及び甲12)。
被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等に関する広告宣伝用力夕口グには、引用商標が付されており、申立人らは、当該カタログを需要者に配布している(甲13?甲20)。
被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等に関する広告宣伝用ウェブサイト又は通信販売用ウェブサイトには、引用商標が付されており、申立人らは、引用商標を使用して、被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等を販売し、販売のために展示している(甲9及び甲10)。
引用商標に関する広告宣伝用ウェブサイト又は通信販売用ウェブサイトは、日本全国の需要者を対象としている。
(ウ)引用商標は、1995年から今日に至るまで長期間にわたり盛大に継続的な使用がなされている商標であって、使用地域は、日本全国及び世界各国に及ぶところ、引用商標を付した被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等の売上は、直近10年(2007年?2016年)に限ってみても、901億6,700万円である(甲21)。
また、引用商標に関する商品の広告宣伝は、ウェブサイト、雑誌など様々な媒体を通じて、1995年から今日に至るまで長期間にわたり盛大に継続されており、広告宣伝の地域は、日本全国及び世界各国に及ぶ。
広告宣伝費は、直近10年(2007年?2016年)に限ってみても、22億8,900万円である(甲21)。
ウ ファッション雑誌における掲載例
(ア)引用商標は、「Domani(ドマーニ)」「ELLE(エル・ジャポン)」「Oggi(オッジ)」「SPUR(シュプール)」「CLASSY(クラッシィ)」「STORY(ストーリィ)」「VERY(ヴェリィ)」等のファッション雑誌において、申立人らの業務に係る商品又は役務を表示するブランドとして繰り返し掲載されている(甲22?甲64)。
(イ)一般社団法人日本雑誌協会のウェブサイトによれば、2016年10月1日から2017年9月30日までの期間において、例えば、小学館「Domani(ドマーニ)」は、6万6,846部、ハースト婦人画報社「ELLE(エル・ジャポン)」は、7万9,889部、小学館「Oggi(オッジ)」は、11万6,417部、集英社「SPUR(シュプール)」は、6万2,083部、光文社「CLASSY(クラッシィ)」は、20万3,850部、光文社「STORY(ストーリィ)」は、23万8,015部、光文社 「VERY(ヴェリィ)」は、26万5,692部発行されている(甲65)。
エ 新聞及びウェブサイトの紹介記事
(ア)引用商標は、朝日新聞、読売新聞、繊研新聞、日経産業新聞、日経流通新聞等の新聞及び「VOGUE JAPAN」等のウェブサイトにおいて、申立人らの業務に係る商品又は役務を表示するブランドとして繰り返し紹介されている(甲66?甲93)。
(イ)「朝日新聞」は、1日に663万4,445部、「読売新聞」は、1日に936万8,504部、「繊研新聞」は、1日に20万部、「日経産業新聞」は、1日に15万7,223部、「日経流通新聞」は、1日に25万5,809部発行されている(甲94及び甲95)。
オ 日本有名商標集の掲載例
商標審査便覧に、「FAMOUS TRADEMARKS IN JAPAN 日本有名商標集」(以下「日本有名商標集」という。)に掲載されている商標について、「わが国における周知度、指定商品及び指定役務との関係等を考慮して取り扱うものとする。」という記載があるところ(甲96)、2004年発行の日本有名商標集にも、引用商標が掲載されている(甲97)。
カ ブランドに関する出版物への掲載例
ファッション業界において広く知られているチャネラー発行「ファッション・ブランド年鑑2004年版」(甲98)、繊研新聞社発行「ファッションブランドガイド SENKEN FB2004」(甲99)、及び繊研新聞社発行「ファッション企業・ブランドガイド(2011/12版)」(甲100)に、引用商標は掲載されている。
キ 周知著名性及び独創性の程度の高さ
以上よりすれば、引用商標は、1995年から今日に至るまで長期間にわたり盛大に継続的な使用がなされている商標であって、また、申立人らの業務に係る商品又は役務を表示するものと認識されるに十分な販売実績や、宣伝広告の態様及び規模である。さらに、長期間にわたり雑誌及び新聞記事等で申立人らの国際的ブランド「iCB」の特徴等が繰り返し紹介されている。加えて、引用商標は、2004年発行の日本有名商標集やブランドに関する出版物にも掲載されている。
これら各事実を考慮すると、引用商標は、本件商標の商標登録出願の日前及び登録査定時には、その需要者の間で、申立人らが展開する国際的ブランドとして認識され、周知著名商標として理解されているものであり、その周知著名性の程度は高い。
また、引用商標は、「International」、「Concept」及び「Brand」の3つの頭文字からなる造語であるから、その独創性の程度は高い。
(4)商品又は役務における関連性の程度
本件商標の指定役務は、第45類「ファッション情報の提供,被服及び被服の組み合わせに関するファッション情報の提供,ファッションに関する指導・助言・相談又はコンサルティング」である。
他方、引用商標が使用される商品等は、主として、申立人らの業務に係る商品「被服」及び申立人の業務に係る役務「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であるが、それら商品の販売、販売のための展示、役務の提供及び宣伝広告に際し、ファッションに関する助言・情報又は指導の提供をしている(甲9?甲11)。
近年、ファッション業界においては、トータルファッションの視点から、被服等の販売等に関連して、被服及び被服の組み合わせに関するファッション情報の提供をすることが重要視されている実情にあり、申立人らも、このような取引の実情を踏まえて、ウェブサイトにおいて被服の組み合わせ提案などをしているものである。
そうすると、本件商標の指定役務と引用商標が使用される商品等は、関連性の程度が高いといえ、少なくとも、共にファッションに関するものとして関連性を有するというべきである。
(5)需要者の共通性その他取引の実情
本件商標の商標権者は、「ファッションコーディネート及び着こなしを内容とするスタイリング研修」、「メイクアップ及びヘアスタイリングを内容とするヘアメイク基礎研修」、「身だしなみや服装マナーを内容とするドレスコード監修制作」、「イメージコンサルタント、カラーアナリスト及び骨格診断ファッションアナリストの養成」などの業務を行っており、本件商標は、上記各業務に関連して、その指定役務との具体的関係において使用されている(甲101及び甲103)。そして、本件商標の指定役務は、一部、男性に対し提供されているが、主としてファッションに関心のある女性に対し提供されている(甲102及び甲103)。
他方、引用商標は、女性向けの国際的ブランドとして使用されているところ、引用商標が使用される商品等は、ファッションに関心のある女性に対して販売等がなされている(甲9?甲11)。
そうすると、本件商標の指定役務の需要者と引用商標が使用される商品等の需要者は、いずれも主としてファッションに関心のある女性と考えられ、共通するものである。
加えて、本件商標の商標権者が開設しているウェブサイトは、提供される役務の性質、用途又は目的から、これからファッションに関する知識経験を得ようとする者により閲覧される場合が決して少なくないところ、本件商標の指定役務の需要者には、特別の専門的知識経験を有しない者も数多く含まれているとみるのが自然であり、役務の提供を受けるに際して払われる注意力は、さほど高いものではない。また、そのウェブサイト上においては、本件商標が目立つように表示するとともに、被服等のファッションに関する商品などの画像が多数掲載されているが、その画像の商品の出所(自己の商品か他人の商品か)について、一見して直ちに理解ができない構成となっている(甲101?甲103)。
このような本件商標の指定役務の需要者の注意力の程度や、本件商標の使用態様等に照らすと、本件商標の商標権者が、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接した需要者は、周知著名商標「iCB」を連想、想起する可能性がある。
(6)混同を生ずるおそれ
以上のとおり、1.本件商標は、引用商標との類似性の程度が高いこと、2.引用商標は、周知著名性及び独創性の程度が高いとこと、3.本件商標の指定役務は、申立人らの業務に係る商品及び役務と関連性を有し、需要者(主としてファッションに関心のある女性)が共通すること等を総合的に考慮すれば、本件商標をその指定役務に使用した場合は、これに接した需要者に対し、引用商標を連想、想起させて、当該役務が申立人ら又は申立人らとの間に緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る役務であると誤信され、役務の出所につき誤認を生じさせるおそれがあるものである。かかる行為は、申立人らの引用商標の持つ顧客吸引力へのただ乗り(いわゆるフリーライド)であり、そのような行為を放置することで、その希釈化(いわゆるダイリューション)を招くという結果を生じかねないものである。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にいう「混同を生ずるおそれがある商標」に当たると解するのが相当である。

第4 取消理由の通知
当審において、商標権者に対し、「本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨の取消理由を平成30年7月31日付けで通知し、相当の期間を指定して意見を提出する機会を与えた。

第5 商標権者の意見
上記第4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

第6 当審の判断
1 引用商標の周知性について
(1)申立人の提出に係る証拠及びその主張によれば、以下のとおりである。
ア 申立人が統括するオンワードグループは、申立人、オンワード樫山の他、子会社及び関連会社の計106社で構成され、紳士服、婦人服等の繊維製品の企画、製造及び販売(アパレル関連事業)を主な事業内容とし、さらにサービス関連事業及びリゾート関連事業を行っている多角経営企業である(甲5)。申立人は、2007年9月に、会社分割による純粋持ち株会社へ移行、「株式会社オンワードホールディングス」に商号変更し、アパレル事業部門は、申立人の子会社であるオンワード樫山が継承している(甲6)。
イ 引用商標は、申立人が1995年に使用を開始したアパレルブランド名であり、「International(インターナショナル)」、「Concept(コンセプト)」、「Brand(ブランド)」の3つの頭文字をとったものであって、世界で活躍するキャリア女性をターゲットに展開されるブランドとして使用されており、引用商標及びこれに関連する商標について、日本を含む世界各国で多数の商標登録を受けている(甲7、甲8)。
ウ 申立人らは、1995年から今日に至るまで、引用商標を被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等に使用している。引用商標に係る商品の販売店は、日本及び海外の百貨店やデパートなどで展開されており、2018年2月末日時点で、日本国内の店舗数は、132店であり、海外(香港、中国、台湾、シンガポール、タイ、ベトナム)の店舗数は、44店である(甲9、甲12)。
また、被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等に関する広告宣伝用力夕口グには、引用商標が付されており(甲13?甲20)、 広告宣伝用ウェブサイト又は通信販売用ウェブサイトに引用商標を表示して、被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等を販売及び販売のために展示している(甲9、甲10)。
エ 各種のファッション雑誌(2012年?2016年の「Domani(ドマーニ)」「ELLE(エル・ジャポン)」「Oggi(オッジ)」「SPUR(シュプール)」「CLASSY(クラッシィ)」「STORY(ストーリィ)」「VERY(ヴェリィ)」等)において、引用商標が、申立人らの業務に係る商品又は役務を表示するブランドとして掲載されている(甲22?甲64)。
また、申立人の商品カタログ(2003年、2009年、2015年?2017年)にも引用商標が顕著に表示されている(甲13?甲20)。
オ 新聞及びウェブサイトの紹介記事においては、例えば、1995年2月8日「朝日新聞(朝刊)」(甲66)において、「オンワードが『世界ブランド』」の見出しの下、「『ICB』今夏まず17都市で同時発売 オンワード樫山は七日、働く女性をねらった独自ブランドを開発し、この夏売り出す秋冬物から世界同時に発売することを明らかにした。」との記事、2016年7月11日「繊研新聞」(甲89)において、「オンワード樫山『ICB』15カ月連続伸び」の見出しの下、「オンワード樫山は、レディスブランド『ICB』の売り上げが6月まで15カ月連続で前年同月実績を上回っている。」との記事のように、1995年から現在まで、引用商標が、申立人らの業務に係る商品又は役務を表示するブランドとして掲載されている(甲66?甲93)。
カ ブランドに関する出版物である「ファッション・ブランド年鑑2004年度版」、「ファッションブランドガイド SENKEN FB2004」及び「2011/12年版 ファッション企業ブランドガイド」において、オンワード樫山のブランドとして「ICB」の記載がある(甲98?甲100)。
(2)以上の事実よりすれば、引用商標は、申立人らによって、主に被服を中心に、キャリア女性をターゲットに展開されるファッションブランドを表示するものとして、1995年以降、今日に至るまでの長期にわたり継続して使用されていると認められる。また、申立人が提出した証拠からは、我が国において、申立人らが、被服を中心として、バッグ、シューズ、アクセサリー等の商品の販売を行っていることが認められ、また、雑誌、新聞等の広告宣伝により、引用商標は、申立人らの事業における被服を中心とした、バッグ、シューズ、アクセサリー等ファッション関連商品の出所表示として相当程度の周知度を有しているといい得るものである。
そうすると、引用商標は、申立人らを表示する商標として使用されてきたものであり、本件商標の登録出願日及び登録査定時において、申立人らの業務に係る被服を中心とした、バッグ、シューズ、アクセサリー等ファッション関連商品を表示する商標として、我が国の需要者及び取引者の間に広く認識されていたものと認めることができる。
2 本件商標と引用商標の類似性の程度について
(1)本件商標
本件商標は、「ICB」の欧文字からなるところ、該文字は、辞書等に記載のないことから、特定の観念を生ずるとはいえないものであって、その構成文字に相応して、「アイシービー」の称呼が生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲のとおり、「iCB」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書等に記載のないことから、特定の観念を生ずるとはいえないものであって、その構成文字に相応して、「アイシービー」の称呼が生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標は、同じ綴りの欧文字を、本件商標は、語頭の「I」を大文字で表し、引用商標は、語頭の「i」を小文字で表したものであるから、外観においては、近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、本件商標及び引用商標からは、共に「アイシービー」の称呼を生じるものであるから、その称呼を同一にするものである。
なお、本件商標及び引用商標からは、共に特定の観念を生じないものであるから、観念においては、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念においては比較することができないとしても、外観において、近似した印象を与えるものであって、かつ、その称呼を同一にするものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)小括
以上よりすれば、本件商標は、引用商標と極めて高い類似性を有するものと認められる。
3 引用商標の独創性の程度について
引用商標は、「iCB」の欧文字よりなるところ、該文字は、辞書等に掲載のないものであって、我が国において親しまれた既成語ではないから、独創性の程度が低いものとはいい難い。
4 本件商標の指定役務と申立人らの業務に係る商品との関連性について
本件商標の指定役務は、被服やアクセサリー等のファッションに関する情報を提供したり、被服やアクセサリー等のファッションに関する助言・相談等を内容とするファッション関連の役務であるところ、申立人らの使用に係る商品は、被服を中心とした、バッグ、シューズ、アクセサリー等ファッション関連商品であるから、本件商標の指定役務と申立人らの業務に係る商品との関連性は高いものというべきである。
5 商品等の需要者の共通性について
本件商標の指定役務と申立人らの業務に係る商品の需要者は、共に、ファッションに関心の高い女性を中心とした一般消費者であるというべきであるから、需要者層は共通するものといえる。
6 出所の混同のおそれについて
以上のとおり、引用商標は、我が国において、申立人らの業務に係る商品「被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等」を表示するものとして、需要者及び取引者の間に広く認識されていたものと認められ、その独創性の程度は低くはないものであり、申立人らの業務に係る商品と本件商標の指定役務との関連性は高く、需要者層も共通にするものである。
そして、本件商標は、引用商標と極めて高い類似性を有するものである。
そうすると、本件商標権者が、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者、取引者は、引用商標を連想又は想起し、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
7 むすび
以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。


別掲
引用商標

異議決定日 2018-10-12 
出願番号 商願2017-62190(T2017-62190) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (W45)
最終処分 取消 
前審関与審査官 旦 克昌 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
小俣 克巳
登録日 2018-01-19 
登録番号 商標登録第6013392号(T6013392) 
権利者 株式会社アイシービー
商標の称呼 アイシイビイ 
代理人 飯島 紳行 
代理人 藤森 裕司 
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