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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W0942
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W0942
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W0942
審判 査定不服 観念類似 登録しない W0942
管理番号 1346880 
審判番号 不服2018-4771 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-09 
確定日 2018-11-28 
事件の表示 商願2016-134540拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第9類「IDコード及びパスワード認証用コンピュータプログラム,電子認証のためのコンピュータプログラム,認証機能を備えたコンピュータプログラム,コンピュータプログラム(ダウンロード可能なものあるいはコンピュータ用の記録媒体に記録されたものを含む),コンピュータプログラムを記憶させた電子回路及び記憶媒体」及び第42類「IDコード及びパスワード認証についての電子計算機用プログラムの設計・作成・提供または保守,電子認証についての電子計算機用プログラムの設計・作成・提供または保守,オンラインによる登録ユーザーの認証及びこれに関する情報の提供」を指定商品及び指定役務とし,平成28年11月29日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4145320号商標(以下「引用商標1」という。)は,「B-right」の欧文字を書してなり,平成8年10月17日に登録出願され,第9類「測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として,同10年5月15日に設定登録されたものである。
(2)登録第4145321号商標(以下「引用商標2」という。)は,「ビーライト」の片仮名を書してなり,平成8年10月17日に登録出願され,第9類「測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として,同10年5月15日に設定登録されたものである。
なお,引用商標1及び引用商標2をまとめていう場合には,「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲のとおり,角を丸くしやや右斜めに傾いた緑色の平行四辺形内に白抜きで「b」の欧文字を配し,その右隣に,半角分程のスペースを介して緑色で「B」及び「Rite」の欧文字を「-」(ハイフン)の符号を介して「B-rite」(iの上部の点は,ひし形で表されている。)と一連に書した構成からなるところ(以下,平行四辺形部分を「図形部分」と,「B-rite」の欧文字を「文字部分」という。),図形部分と文字部分は,その態様及び両者の間に半角分程のスペースを介していることから視覚的に分離して看取されるものであり,また,これらを常に一体のものと把握しなければならない特段の事情も見いだせないことからすれば,それぞれが独立して自他商品の識別機能を果たし得るものというべきである。
そして,本願商標の構成中の文字部分についてみるに,「B-rite」の文字は,辞書等に載録された成語或いは親しまれた熟語とは認められず,その構成中の「rite」の欧文字については,「儀式」等を意味する英語(株式会社研究社「新英和中辞典」)ではあるものの,該語は,我が国において親しまれた英語とは認められないことから,本願商標の文字部分は,全体として,特定の意味合い有しない一種の造語として認識されるというべきである。
してみれば,本願商標の構成中の「B-rite」の文字部分は,その構成文字に相応して「ビーライト」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は,前記2(1)のとおり,「B-right」の欧文字からなるところ,その構成中の「right」の文字は,「正しい」等を意味する英語として我が国において一般に親しまれた語ではあるものの,その前部に「B-」を結合させた引用商標1全体としては,特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるものである。
してみれば,引用商標1は,その構成文字に相応して「ビーライト」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2
引用商標2は,前記2(2)のとおり,「ビーライト」の片仮名を表してなるところ,該文字は辞書等に載録された成語とは認められず,また,特定の意味合いを有する語として一般に知られたものとも認められないものである。
してみれば,引用商標2は,その構成文字に相応して「ビーライト」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 引用商標1について
(ア)外観
本願商標の要部である「B-rite」の文字部分と,引用商標1の「B-right」とを比較すると,外観については,両者は,看者の注意をひく語頭部の「B-ri」までの文字を共通にすることから,外観上,近似した印象を与えるものである。
(イ)称呼及び観念
本願商標の要部である「B-rite」の文字部分と,引用商標1は,「ビーライト」の称呼を共通にし,両者は,共に特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することはできないものである。
(ウ)類否
以上からすると,本願商標の要部と引用商標1は,観念によって比較することはできないとしても,両者は「ビーライト」の称呼を共通にし,その外観においては,近似した印象を与えることから,これらの外観及び称呼によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合勘案すれば,両者は,相紛れるおそれのある類似のものというべきである。
したがって,本願商標と引用商標1は,類似する商標であるというのが相当である。
(エ)本願商標の指定商品及び指定役務と,引用商標1の指定用品の類否
本願商標の指定商品中,第9類「IDコード及びパスワード認証用コンピュータプログラム,電子認証のためのコンピュータプログラム,認証機能を備えたコンピュータプログラム,コンピュータプログラム(ダウンロード可能なものあるいはコンピュータ用の記録媒体に記録されたものを含む),コンピュータプログラムを記憶させた電子回路及び記憶媒体」は,引用商標1の指定商品中,第9類「電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似の商品である。
イ 引用商標2について
(ア)外観
本願商標の要部である「B-rite」の文字部分と,引用商標2の「ビーライト」の文字とを比較すると,その構成文字に欧文字又は片仮名という文字種を異にするものであるから,外観上,類似するとはいえないものである。
(イ)称呼及び観念
本願商標の要部である「B-rite」の文字部分と,引用商標2は,「ビーライト」の称呼を共通にし,両者は,共に特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することはできない。
(ウ)類否
以上からすると,本願商標の要部と引用商標2とを比較すると,外観においては,両者は,文字の種類が欧文字と片仮名とで異なり相違するものであるが,称呼においては,本願商標と引用商標2から生ずる「ビーライト」の称呼を共通にするものであり,また,観念においては,両者は,いずれも特定の観念を生じないから,比較することができないものである。
そして,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で平仮名,片仮名及びローマ字相互に変更したり,デザイン化したりすることが一般に行われている取引の実情があることに加え,特定の観念を有しない文字商標においては,観念において商標を記憶できず,称呼において記憶し,これを頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当である。
以上によれば,本願商標と引用商標2は,その外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合し,上記取引の実情を考慮すると,両者の外観が相違し,観念において比較できないとしても,これが,取引上必要な役割を果たす称呼についての共通性を凌駕するほどには顕著なものとは認められないものであるから,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(エ)本願商標の指定商品及び指定役務と,引用商標2の指定商品の類否
本願商標の指定商品中,第9類「IDコード及びパスワード認証用コンピュータプログラム,電子認証のためのコンピュータプログラム,認証機能を備えたコンピュータプログラム,コンピュータプログラム(ダウンロード可能なものあるいはコンピュータ用の記録媒体に記録されたものを含む),コンピュータプログラムを記憶させた電子回路及び記憶媒体」は,引用商標2の指定商品中,第9類「電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似の商品である。
(4)小括
したがって,本願商標は,引用商標と類似する商標であって,その指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)請求人の主張について
請求人は,本願商標は結合商標であるから,文字部分から「ビーライト」なる称呼が生じるとともに,図形部分にも「b」という文字が描かれている以上,本願商標は全体として「ビービーライト」なる称呼をも生じ得るものであるから,本願商標は,その構成から一義的に称呼が定まるものではなく,複数通りの称呼を生じ得るものであり,「ビーライト」はその一部にすぎない旨主張する。
しかしながら,上記(1)で述べたとおり,本願商標の図形部分と「B-rite」の文字部分とは,スペースを介して視覚的にも分離されており,また,両部分に観念上の一体性も認められないことを踏まえれば,両部分は,それぞれが独立して取引者,需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものというべきであるから,本願商標は,その構成中,「B-rite」の文字部分を要部として抽出し,引用商標と比較して,商標の類否を判断することができるものである。
したがって,請求人の主張は,採用することはできない。
(6)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標(色彩は,原本参照のこと。)




審理終結日 2018-09-21 
結審通知日 2018-09-26 
審決日 2018-10-11 
出願番号 商願2016-134540(T2016-134540) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W0942)
T 1 8・ 264- Z (W0942)
T 1 8・ 262- Z (W0942)
T 1 8・ 263- Z (W0942)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今田 尊恵 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 網谷 麻里子
榎本 政実
商標の称呼 ビイライト、ブライト、ライト、ビイ 
代理人 加藤 光宏 

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