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審決分類 審判 査定不服 商3条1項4号 ありふれた氏、名称 登録しない W41
管理番号 1346858 
審判番号 不服2018-1088 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-01-26 
確定日 2018-11-19 
事件の表示 商願2016-116490拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「木村塾」の文字を標準文字で表してなり、第41類「学習塾における教育」を指定役務として、平成28年10月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏と認められる『木村』の文字と、『勉学を教授する私設の学舎』を意味する『塾』の文字を結合して『木村塾』と表示してなるところ、例えば、インターネット記事によれば、『木村塾』と称する『氏』と『塾』を結合させた名称が塾名等として一般的に採択されている実情をうかがい知ることができる。そうすると、『木村塾』の文字を表示してなる本願商標をその指定役務に使用しても、ありふれた名称の一つとして理解され、自他役務の識別標識として認識されるものとは認められないから、本願商標は、ありふれた名称を普通に用いられている方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第4号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「木村塾」の文字からなるところ、その構成中の「木村」の文字は、例えば、岩波書店発行「広辞苑第7版」によれば、「姓氏の一つ」と記載されており、株式会社三省堂発行「大辞林第3版」によれば、「姓氏の一」と記載されている。
また、六藝書房発行「日本人の姓」によれば、「木村」の姓は、約35万人で全国16位に多い姓であることが記載されている。
そうすると、「木村」の文字は、我が国においてありふれた氏の一つであると認められるものである。
そして、本願商標の構成中の「塾」の文字は、「勉学を教授する私設の学舎」を意味する語(広辞苑第7版)であり、例えば、「英語塾」、「そろばん塾」などのように、その業種名を表示するものとして普通に用いられているものである。
さらに、原審において提示した別掲のインターネット記事が示すとおり、請求人以外の他者が、「木村塾」の文字を使用している実情がある。
してみれば、本願商標は、ありふれた氏である「木村」の文字と業種名として普通に使用されている「塾」の文字とを結合したものであって、これに接する需要者は、その構成文字全体として、ありふれた名称を表示したものと理解するものであり、かつ、標準文字で表されたものであるから、本願商標は、ありふれた名称普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標は、同一の書体、同一の大きさをもって軽重の差なく構成されていることから、全体として外観上まとまりよく一体不可分に表現されているものである。したがって、本願商標に接する需要者は『木村塾』を一つの商標として認識するものである。・・・また、他者が「木村塾」を塾名等として採択されていることを伺わせるインターネット記事が複数あったとしても、その数はかなり少数である。そのような少数の他者が、塾名等として採択していることのみをもって、直ちに『木村塾』が自他役務識別機能を発揮しないと結論づけるべきではない。」旨主張している。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、ありふれた氏である「木村」と業種名である「塾」とを結合した「木村塾」の文字からなるものであり、該文字は、ありふれた名称といえるものであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断したのであって、他者が「木村塾」の文字を採択していることのみをもって判断したものではない。
イ 請求人は、「請求人の運営する『木村塾』は、1986年に開校された。開校以来の請求人の努力により、現在、兵庫県内に25か所の塾を運営しており、在籍中の生徒数は6,500名になる。つまり、本願商標には、商標法で保護されるべき業務上の信用の蓄積がされている。」旨主張している。
しかしながら、請求人は、本願商標には、商標法で保護されるべき業務上の信用の蓄積がされている旨主張するのみで、それに係る証拠の提出はないことから、請求人の業務に係る役務を表示するものとして広く知られている事実を認めることはできない。
ウ 請求人は、過去の登録例においても、商標の一部に、比較的に多く使用されている「氏」と「塾」を結合した商標が、自他役務識別力があるとして多く登録されている旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品及び役務の識別力を有するか否かの判断は、指定商品・役務等のそれぞれの取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものである。
そして、請求人が挙げる登録例(参考資料1?参考資料10)をみるに、「ありふれた氏」とされる文字部分は、姓氏の意味だけでなく、その他の語義も有する文字であり、必ずしも「ありふれた氏」のみを認識させるものでないことから、本願商標とは事案を異にするものであり、上記(1)の判断を左右するものではない。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第4号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(原審の拒絶理由通知書で挙げたインターネット記事。下線は、当合議体が付加。)
1 「Yahoo!JAPANロコ」のウェブサイトにおいて、「木村塾/[碧南・高浜/吉浜(愛知県)駅]学習塾、進学教室」の記事中、「詳細情報」の項に「〒444-1305 愛知県高浜市神明町2丁目3-28」及び「電話番号0566-52-4915」の記載がある。
(https://loco.yahoo.co.jp/place/g-Bvg9Zj34xJg/)
2 「Yahoo!JAPANロコ」のウェブサイトにおいて、「木村塾/[福岡県南部]学習塾、進学教室」の記事中、「詳細情報」の項に「〒836-0072 福岡県大牟田市上屋敷町1丁目11-20」及び「電話番号0944-56-4092」の記載がある。
(https://loco.yahoo.co.jp/place/g-Bvg9ZePoPAw/)
3 「公益社団法人全国珠算教育連盟」のウェブサイトにおいて、「宮城県」の記事中、「木村塾 津谷教室」、「木村塾 松岩教室」等の記載がある。
(http://www.soroban.or.jp/school/school_miyagi_004.html)
4 「お茶街道文化会」のウェブサイトにおいて、「茶園講座 木村塾」の記載がある。
(http://www.ochakaido.com/juku2/01spirit.htm)
5 「株式会社福沢ビデオプランニング」のウェブサイトにおいて、「木村塾 ?木村勝男 魂の経営?」の記載がある。
(http://kimura-juku-dvd.com/)
6 「夫婦問題・女性レスキュー隊」のウェブサイトにおいて、「夫婦カウンセラー養成『木村塾』」の記載がある。
(http://www.41-22-lady.net/seminar)


審理終結日 2018-09-19 
結審通知日 2018-09-21 
審決日 2018-10-09 
出願番号 商願2016-116490(T2016-116490) 
審決分類 T 1 8・ 14- Z (W41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 小俣 克巳
木住野 勝也
商標の称呼 キムラジュク、キムラ 
代理人 正木 裕士 
代理人 藤川 忠司 
代理人 三上 祐子 

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