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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1346191 
異議申立番号 異議2018-900137 
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-06-04 
確定日 2018-11-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第6026061号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6026061号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6026061号商標(以下「本件商標」という。)は、「りんごやほんぽ」の平仮名を標準文字で表してなり、平成29年4月25日に登録出願、第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同30年2月8日に登録査定、同年3月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、以下の8件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1758671号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:APPLE
登録出願日:昭和53年4月4日
設定登録日:昭和60年4月23日
書換登録日:平成17年6月22日
最新更新登録日:平成27年4月21日
指定商品:第9類「電子計算機,その他の電子応用機械器具及びその部品」
(2)登録第2555518号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:APPLE
登録出願日:平成元年10月2日
設定登録日:平成5年7月30日
最新更新登録日:平成25年2月19日
書換登録日:平成16年12月8日
指定商品:第9類「電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,磁心,抵抗線,電極」
(3)登録第5054550号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:APPLE(標準文字)
登録出願日:平成18年7月31日
設定登録日:平成19年6月15日
更新登録日:平成29年3月21日
指定商品及び指定役務:第9類、第16類、第18類、第35類、第37類及び第40類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(4)登録第5218014号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:APPLE(標準文字)
登録出願日:平成19年4月13日 (特例商標)
設定登録日:平成21年3月27日
指定役務:第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(5)登録第5256657号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:アップル(標準文字)
登録出願日:平成20年5月15日
設定登録日:平成21年8月14日
指定商品及び指定役務:第9類、第16類、第18類、第35類、第36類、第37類、第38類、第40類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(6)登録第5273195号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:アップル(標準文字)
登録出願日:平成20年5月15日
設定登録日:平成21年10月16日
指定商品及び指定役務:第9類、第25類、第28類、第35類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(7)登録第5134205号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:Apple Store(標準文字)
登録出願日:平成19年4月17日
設定登録日:平成20年5月9日
指定役務:第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(8)登録第5137030号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:別掲のとおり
登録出願日:平成19年4月13日
設定登録日:平成20年6月6日
指定役務:第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第34号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、平仮名「りんごやほんぽ」からなり、「や」は「屋」を、「ほんぽ」は「本舗」を表すと理解され、「りんごの店の本店」あるいは「りんごの店」の観念を生じる。また、「屋」は屋号を構成する語、「本舗」は「ある特定の商品を製造・販売するおおもとの店」を意味する語であるから(甲7)、「や」「ほんぽ」ともに自他役務識別力が弱いといえ、本件商標の要部は「りんご」であるともいえる。
よって、本件商標からは「りんごの店の本店」「りんごの店」のほか「りんご」の観念をも生じる。
引用商標1ないし引用商標6は、「APPLE」の欧文字又は片仮名「アップル」からなるものであり、「りんご」の観念を生じる。
さらに、引用商標7は、「Apple Store」の欧文字からなり、「りんごの店」の観念が生じる。
加えて、引用商標8は、りんごの図形からなる商標であり、「りんご」の観念が生じる。
しかして、本件商標は、引用商標と観念において類似するものであり、その指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と類似する。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標1及び登録第3286569号商標は、特許庁において著名商標として認められている(甲3)。これら著名商標「APPLE」は、「りんご」の観念を生ずるものである。
また、引用商標1ないし引用商標6及び引用商標8は「りんご」の観念を生じる商標である。
さらに、引用商標7も、日本国内において周知著名となっており、「Apple」は「りんご」を、「Store」は「店」を意味するので、「Apple Store」からは「りんごの店」の観念が生じる。
本件商標は、上述のとおり「りんご」、「りんごの店」の観念を生じるので、引用商標1ないし引用商標8と観念において共通し、需要者の間に混同を生じるおそれがある。
特に、「りんご」は電子機器の需要者の間で申立人の製品を示す語として知られている。よって、本件商標の指定役務中「スマートフォンの小売」の需要者にとっては、「りんご」といえば「APPLE」を容易に連想させるものであるから、「りんご」の語を「スマートフォンの小売」に使用することは、商標権者と申立人とを関連付けさせるものであり、出所の誤認混同を生じるおそれが高い。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の著名商標「APPLE」及び「Apple Store」と観念において類似するものである。
商標権者は、申立人の商品「iPhone」(スマートフォン)の修理を専門に行っている業者である(甲8、甲9)。また、本件商標の指定役務は、「電気機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であり、「スマートフォンの小売」を含むものである。
つまり、商標権者は、申立人の著名商標について十分に認識しており、その著名性、顧客吸引力に便乗する意図で本件商標を採択している。商標権者は申立人の非公認のiPhone修理店であるが、申立人製品のユーザーが申立人製品を「りんご」と呼んでいることも十分に知っているはずである。
よって、申立人と関連があるかのごとく需要者を欺瞞し、iPhoneの修理専門店として「APPLE」、「Apple Store」及び「りんご図形商標」の著名性にあやかるために本件商標を使用し、登録したものである(甲10)。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性について
ア 申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のことが確認できる。
(ア)申立人は、アメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を置く、インターネット関連製品・デジタル家庭電化製品及び同製品に関連するソフトウェア製品を開発・販売する企業であって、コンピュータ業界においては、その製品「Macbook」や「iMac」、スマートフォン「iPhone」に加え、タブレットコンピュータ「iPad」や腕時計型コンピュータ「AppleWatch」を開発した企業として知られている(甲5)。
(イ)申立人について、2011年(平成23年)の日経ヒット商品番付として「アップル」が最上位に記載されている(甲24)ほか、「『世界で最も称賛される企業』Appleが10年連続で1位を獲得」(2017年2月17日付けライブドアニュース:甲25)等の記載があるように、高いブランド価値を有する企業として紹介されており、また、同記事には、引用商標8と同一の図形も掲載されている。
また、申立人は、「グローバル・ブランドランキング」(米インターブランド)において、4年連続で1位のブランドとして紹介され(甲26)、「2016年ワールド・ブランディング・アワーズ」において、グローバル賞を受賞したブランドと紹介されている(甲27)。
(ウ)申立人の商品カタログ(甲12)において、引用商標8と同一の図形は、「WATCH」、「iPhone」及び「iPad」の文字とともに表示され、申立人の業務に係る腕時計型コンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータに付されており、また、該商品に関する宣伝広告(甲19)には、地下通路の壁面やビルの看板等に大きく目立つように引用商標8と同一の図形が表示されている。
(エ)申立人のウェブサイトにおけるプレスリリース(2001年5月16日:甲28)には、「アップル、2001年中に25店舗をオープン」の見出しの下、「2001年中に全米で25店舗の直営店をオープンすることを発表しました。」との記載、同ウェブサイトの「Apple Store 日本」(2018年8月15日出力:甲29)には、「銀座」、「京都」、「仙台一番町」、「名古屋栄」、「心斎橋」、「新宿」、「表参道」、「福岡天神」及び「渋谷(休業中)」の記載がある。
イ 周知著名性の判断
以上によれば、申立人の社名に由来する引用商標1ないし引用商標6の「APPLE」、「アップル」の文字及び引用商標8と同一の図形は、申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータ等の商品及びこれらの商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供について使用されているものである。
そして、引用商標8と同一の図形は、宣伝広告のための看板や商品カタログに表示されており、多くの人の目に触れるものといえる。
さらに、「APPLE」、「アップル」の文字及び引用商標8と同一の図形は、高いブランド価値を有する申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータ等の商品に使用される商標として紹介されているものである。
してみれば、「APPLE」、「アップル」の文字及び引用商標8と同一の図形は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータ等の商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたといい得るものである。
一方、引用商標7の「Apple Store」については、「2001年中に全米で25店舗の直営店」及び本件商標の登録査定後である2018年8月時点の日本における8店舗の営業が認められるとしても、その店舗数はさほど多いものでもなく、他に引用商標7が周知又は著名であるとする証拠の提出もない。また、その他に該商標の周知著名性を客観的に把握することができる証拠も見いだせないことから、引用商標7は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「りんごやほんぽ」の平仮名よりなるところ、該文字は、同書、同大、同間隔でまとまりよく一体に表されており、その構成文字全体から生じる「リンゴヤホンポ」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、「りんごやほんぽ」の語は、辞書等に掲載されている語でもなく、具体的な意味合いを認識させるものとはいい難いことから、これに接する需要者は、本件商標の構成文字全体をもって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語を表したものと理解するというのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「リンゴヤホンポ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標1ないし引用商標6は、前記2のとおり、「APPLE」又は「アップル」の文字からなるところ、これらの文字部分から「アップル」の称呼及び「りんご」の観念が生じるほか、上記(1)のとおり、「APPLE」及び「アップル」の文字は、申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータ等の商品について、その出所を表示するものとして需要者の間に広く認識されるに至っていたといえるから、「申立人のブランドとしてのアップル」という観念を生じるものである。
また、引用商標7は、「Apple Store」の文字からなるところ、その構成文字に相応して「アップルストア」の称呼を生じ、その構成中「Apple」の文字は、申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータ等の商品について広く知られていることから、「申立人の店」の意味合いを認識するものといえる。
さらに、引用商標8は、別掲のとおり、黒色で右上方に丸い切り欠きのある簡略化されたりんごとおぼしき果実の上方に、右上に向かって伸びる葉が表されているところ、該図形からは、広く知られている「申立人のロゴマーク」の観念を生じるというのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、両者は、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、外観においては、本件商標と引用商標1ないし引用商標7とは、構成文字すべてが相違し、本件商標と引用商標8とは、文字と図形との明らかな差異を有することから、明確に区別できるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「リンゴヤホンポ」の称呼と引用商標1ないし引用商標6から生じる「アップル」の称呼及び引用商標7から生じる「アップルストア」の称呼とは、その構成音が明らかに相違するものであるから、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
そして、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は、「りんご」の観念、又は「申立人のブランドとしてのアップル」、「申立人の店」、「申立人のロゴマーク」の観念が生じるものであるから、これらは、観念上、紛れるおそれはない。
そうすると、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても紛れるおそれのない、非類似の商標とみるのが相当である。
エ 申立人の主張について
申立人は、「本件商標から、『りんごの店の本店』あるいは『りんごの店』の観念を生じ、また、本件商標の構成中、『や』は『屋』を表し、屋号を構成する語、『ほんぽ』は『本舗』を表し『ある特定の商品を製造・販売するおおもとの店』を意味する語であって、『や』、『ほんぽ』ともに自他役務の識別力が弱いから、本件商標の要部は『りんご』である」旨主張している。
しかしながら、本件商標は、前記アのとおり、同書、同大、同間隔でまとまりよく平仮名のみで表されており、その構成文字全体から生じる「リンゴヤホンポ」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、具体的な意味合いを認識させるものとはいい難く、その構成中「りんご」の文字のみに着目する特段の理由が見いだせないから、申立人の主張は採用することができない。
オ 小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから、その指定商品及び指定役務の類否について言及するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知著名性について
前記(1)イのとおり、引用商標1ないし引用商標6を構成する「APPLE」、「アップル」の文字及び引用商標8と同一の図形は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータ等の商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているといい得るものである。
また、引用商標7は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたということはできない。
イ 役務の関連性、需要者の共通性について
パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータ等の商品と本件指定役務である第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とを比較してみると、電気機械器具類には、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータが含まれているから、これらの商品及び役務の分野は、その生産・販売部門を同一にし、取扱業者が一致する等の関連性を有するものであり、その取引者、需要者を共通にするものといえる。
ウ 引用商標の独創性について
引用商標1ないし引用商標6は、「りんご」の意味を有する成語であるから、その独創性はそれほど高いものとはいえない。また、引用商標8の図形は、親しまれた果物であるりんごをモチーフにしたものではあるものの、その右上方に丸い切り欠きのある簡略化されたりんごの図形であること及び葉と実が離れていることに独創性を有しているといい得るものである。
エ 本件商標と引用商標の類似性の程度について
上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない、非類似の商標であって、その印象が明らかに異なる別異の商標というべきものである。
オ 出所混同のおそれについて
上記アないしエによれば、引用商標1ないし引用商標6を構成する「APPLE」、「アップル」の文字及び引用商標8と同一の図形は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータ等の商品との関係において周知著名性を有し、本件指定役務とこれらの商品の取引者、需要者が共通するとしても、本件商標とこれらの引用商標は、前記のとおり、明らかな差異を有する別異の商標である。
そして、本件指定役務と引用商標7の指定役務の取引者、需要者が共通するとしても、引用商標7は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く知られているとはいえないものであって、本件商標と引用商標7は、前記のとおり、明らかな差異を有する別異の商標である。
してみれば、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、引用商標を想起、連想して、当該役務を申立人の業務に係る役務、あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
カ 申立人の主張について
申立人は、「電子機器の分野において、『アップル』、『りんご』といえば申立人を想起させ、小売店舗について、申立人の直営店の名称『Apple Store』がスマートフォンの需要者の間で著名となっている。実際、スマートフォンのユーザーの間で引用商標8は、『りんごマーク』の愛称で呼ばれ、『りんごユーザー』といえば申立人製品のユーザーを意味する。また、申立人の公認ユーザーグループの中には、『りんご』をその名称に含むグループが11組存在することからすると、本件商標からも申立人の公認の店舗又は申立人と何らかの関連がある店舗であると誤認される」旨主張している。
しかしながら、本件商標は、前記(2)アのとおり、一連一体のものと認識され、その構成中「りんご」の文字のみに着目する特段の理由が見いだせず、申立人の直営店の名称「Apple Store」は、前記(1)のとおり、広く知られているともいい難い。
また、スマートフォンのユーザーの間で「りんごマーク」、「りんごユーザー」及び「りんご」を申立人の公認ユーザーグループの名称に含むグループが存在するとして申立人が提出した証拠(甲33等)は、個人ブログにおけるものであって、客観性が乏しいものであり、その他に、本件商標から申立人の公認の店舗又は申立人と何らかの関連がある店舗であると誤認されることを客観的に把握することができる証拠も見いだせない。
したがって、申立人の主張は採用することができない。
キ 小括
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
前記(1)のとおり、引用商標1ないし引用商標6を構成する「APPLE」、「アップル」の文字及び引用商標8と同一の図形は、申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計型コンピュータ等の商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるとしても、前記(2)ウのとおり、本件商標とこれらの引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標である。
また、引用商標7は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く知られているとはいえないものであって、かつ、本件商標と引用商標7は、明らかな差異を有する別異の商標である。
さらに、商標権者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足りる具体的証拠も見いだせない。
そうすると、本件商標は、引用商標の出所表示機能を希釈化し又は名声を毀損させるなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできない。
なお、申立人は、「商標権者は、『iPhone』の修理を専門に行っており、申立人の著名商標について十分に認識しており、その著名性、顧客吸引力に便乗する意図で本件商標を採択している。また、商標権者は、申立人製品のユーザーが申立人製品を『りんご』と呼んでいることも十分に知っているはずであるから、申立人と関連があるかのごとく需要者を欺瞞し、申立人の著名性にあやかるために本件商標を使用、登録した」旨主張しているが、本件商標の商標権者が引用商標の著名性に便乗して不正の利益を得ることや需要者を欺瞞することを目的に登録出願したとの事情を認めるに足りる証拠はないものであるから、申立人の主張は採用できない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

【別掲】
引用商標8

異議決定日 2018-11-12 
出願番号 商願2017-58337(T2017-58337) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W35)
T 1 651・ 262- Y (W35)
T 1 651・ 263- Y (W35)
T 1 651・ 222- Y (W35)
T 1 651・ 261- Y (W35)
最終処分 維持 
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
鈴木 雅也
登録日 2018-03-09 
登録番号 商標登録第6026061号(T6026061) 
権利者 株式会社りんごや名古屋通商
商標の称呼 リンゴヤホンポ、リンゴヤ 
代理人 大貫 絵里加 
代理人 山田 薫 
代理人 橋本 千賀子 
代理人 塚田 美佳子 
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