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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 |
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管理番号 | 1346184 |
異議申立番号 | 異議2018-900090 |
総通号数 | 228 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2018-12-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-04-13 |
確定日 | 2018-11-08 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6012418号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6012418号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6012418号商標(以下「本件商標」という。)は、「Keep in my bottle」の欧文字を標準文字で表してなり、平成29年4月18日に登録出願、第30類「茶,茶飲料,コーヒー,コーヒー飲料,ココア,ココア飲料」を指定商品として、同年12月19日に登録査定、同30年1月19日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5437184号商標(以下「引用商標」という。)は、「KEEP IN CUP」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年3月8日に登録出願、第30類「茶」を指定商品として、同年9月9日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第22号証(枝番号を含む。以下、枝番号を全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。 (1)本件商標は、平成29年4月18日に登録出願され、同30年1月19日に設定登録されているのに対し、引用商標は、平成23年3月8日に登録出願され、同年9月9日に設定登録されていることから、本件商標に係る出願は引用商標に係る出願の後願に当たるものである。 (2)本件商標「Keep in my bottle」と、引用商標「KEEP IN CUP」とは、観念上、類似するものである。また、本件商標に係る指定商品の一部と引用商標に係る指定商品とは、類似の商品である。 (3)本件商標は、その指定商品の一部に使用された場合、申立人の業務に係る商品と出所の混合を生ずるおそれがある。 (4)本件商標は、申立人及び「ルイボス・マーケティング・リミテッド」(以下「ルイボスマーケティング社」という。)の業務に係る商品を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、商標権者が不正の目的をもって使用をするものである。 (5)本件商標は、引用商標に起因し、申立人が提案する飲料スタイルにただ乗りするものであって、取引関係及び大会社の地位を利用して出願するに至ったものであるから、商標権者が本件商標を自己の商標として採択・使用することは、公の秩序に反するおそれがある。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。 (ア)申立人は、2005年に設立された有限会社であり、ルイボス茶関連商品の卸売及び販売等を行っており、遅くとも2008年にはルイボス茶(ルイボスティー)の販売を行っている(甲7、甲9)。 (イ)申立人の代表が、代表を兼務する神奈川県在のルイボスマーケティング社は、南アフリカ共和国で栽培されたルイボス茶を製品化し、日本に輸入し販売している会社である(甲7、甲10、甲13)。 (ウ)申立人及びルイボスマーケティング社は、ティーバッグをカップに入れたままルイボス茶を楽しむスタイルを「Keep in cup」スタイルとし、両社の商品(ルイボス茶)の包装や広告に引用商標を表示している(甲10、甲11)。 (エ)しかしながら、申立人及びルイボスマーケティング社が、引用商標の使用を開始した時期、及び引用商標を使用した商品(ルイボス茶)の販売額、販売量など販売実績を示す証左は見いだせない。 イ 上記アの事実からすれば、申立人及びルイボスマーケティング社は、遅くとも2008年からルイボス茶を販売していること、及びルイボス茶に引用商標を使用していることが認められるものの、引用商標の使用開始時期、引用商標を使用した商品の販売実績を示す証左はないから、引用商標は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、他人(申立人等)の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 なお、申立人は引用商標を付した商品の売上数の一覧(甲12)を提出しているが、該一覧は申立人が作成したと思われるものであること、その数を裏付ける証左がないこと、引用商標を使用した商品の売上数であることが確認できないことから、引用商標の周知性を基礎付けるものと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標は、上記1のとおり、「Keep in my bottle」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字は、同書、同大で、まとまりよく一体的に表され、これから生じる「キープインマイボトル」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標は、それを構成する各語がいずれも我が国で親しまれた英単語であって、その構成全体から「私の瓶に入れておく」程の意味合いを想起させ得るものである。 イ 引用商標は、上記2のとおり、「KEEP IN CUP」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字は、同書、同大で、まとまりよく一体的に表され、これから生じる「キープインカップ」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、引用商標は、それを構成する各語がいずれも我が国で親しまれた英単語であって、その構成全体から「カップに入れておく」程の意味合いを想起させ得るものである。 ウ そこで、本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者は、外観において、前半の「Keep in」と「KEEP IN」の綴り字を同じくするものの、後半に「my bottle」と「CUP」の文字の差異を有するから、この差異が両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、外観上、相紛れるおそれはない。 次に、本件商標から生じる「キープインマイボトル」と引用商標から生じる「キープインカップ」の称呼を比較すると、両者は前半の「キープイン」の音を共通にするものの、後半の「マイボトル」と「カップ」の音の差異により、両称呼全体の構成音数、語調語感が異なり、両者をそれぞれ一連に称呼しても、称呼上、聞き誤るおそれはない。 さらに、上記のとおりの観念を生じる両商標は、観念において相紛れるおそれはない。 そうすると、両商標は、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれがないものであるから、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 エ なお、申立人は、本件商標と引用商標は、「飲料容器に茶・茶飲料等が入った状態を保つことの」の観念が共通し、かつ、外観で「Keep in」と「KEEP IN」、称呼では「キープイン」が共通し近似した印象を与えるから、類似する商標である旨主張しているが、仮に両商標のなんらかの観念が共通するとしても、両商標は、上記のとおり外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、総合観察すれば非類似の商標というべきものである。 また、本件商標及び引用商標は、上記のとおり、いずれも一体不可分のものと見るのが相当であり、それらの構成中「Keep in」及び「KEEP IN」の文字部分のみを分離抽出すべき事情は見いだせないから、申立人のかかる主張は採用できない。 なお、申立人は過去の審決例を挙げているが、商標の類否の判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者・需要者の認識を基準に比較される商標について個別具体的に判断されるべきものであるから、それをもって本件の判断が左右されるものではない。 オ 以上のとおりであるから、本件商標と引用商標は非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 その他、両商標が類似するというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号について 上記(1)のとおり、引用商標は、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(2)のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 そうすると、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起するものということはできない。 してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人等)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第19号及び同項第7号について 上記(1)のとおり、引用商標は、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標であり、さらに上記(3)のとおり、本件商標は引用商標を連想又は想起させるものでもない。 そうすると、本件商標は、引用商標に化体した申立人の信用にただ乗りするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできない。 さらに、本件商標が、その出願及び登録の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。 なお、申立人は、同人と商標権者との関係や本件商標に係る話し合いの内容について述べ、本件商標はその出願にあたって不正の目的があった旨主張しているが、商標権者がルイボスマーケティング社からルイボス茶を仕入れていることは認められるものの、本件商標の出願の経緯に不正の目的があったと認め得る証左は見いだせないから、申立人の主張は採用することができない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同項第7号のいずれにも該当しない。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2018-10-31 |
出願番号 | 商願2017-53385(T2017-53385) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(W30)
T 1 651・ 22- Y (W30) T 1 651・ 261- Y (W30) T 1 651・ 222- Y (W30) T 1 651・ 271- Y (W30) T 1 651・ 262- Y (W30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大島 康浩 |
特許庁審判長 |
金子 尚人 |
特許庁審判官 |
小松 里美 中束 としえ |
登録日 | 2018-01-19 |
登録番号 | 商標登録第6012418号(T6012418) |
権利者 | 株式会社 伊藤園 |
商標の称呼 | キープインマイボトル、キープインマイ |
代理人 | 北村 周彦 |