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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 W33
管理番号 1346015 
審判番号 不服2018-1287 
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-01-31 
確定日 2018-11-06 
事件の表示 商願2016-115466拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「BEMBERG ESTATE WINES PIONERO」の文字を標準文字で表してなり、第33類「発泡性ぶどう酒,ぶどう酒」を指定商品として、平成28年10月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標の構成中の『BEMBERG』の文字は、旭化成株式会社が、商品『繊維』等について、本願商標の登録出願日前から長年にわたり使用している商標『BEMBERG』及び『ベンベルグ』の欧文字表記と認められるものである。また、『BEMBERG』及び『ベンベルグ』と称する繊維は、肌着等に使用され、旭化成株式会社の商品を表するものとして広く知られているところ、その使用に係る商品は、本願の指定商品とは相違するものの、需要者を共通にすることが少なくないものである。そうすると、たとえ、本願商標の構成中の『BEMBERG』の文字が、出願人が所属するグループ会社の創始者の氏に由来するものであるとしても、我が国における上記『BEMBERG』及び『ベンベルグ』商標の著名性や、当該商標と本願商標に係る需要者の共通性等を考慮すると、本願商標をその指定商品に使用するときは、あたかも上記会社又は同社と組織的若しくは経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「BEMBERG ESTATE WINES PIONERO」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「ESTATE」及び「WINES」の各文字は、本願の指定商品との関係においては、前者は、「ぶどうの栽培からワインづくりまで一貫して行っている生産者」を意味し、「ワイナリー」などと同義といえるもの(「weblio辞書」における「お酒・飲料大辞典」、「winelink」のウェブサイトにおける「ワイン用語辞典」)であって、例えば、「Bimbadgen Estate」(ビンバジン・エステート)や「Hedges Family Estate」(ヘッジス・ファミリー・エステート)のように、(固有)名詞と組み合わせてワイナリー名を表すものとして用いられており、後者は、「ぶどう酒」を意味する英語の複数形であり、例えば、当該「estate」の文字と合わせて、「Lincoln Estate Wines」(リンカーン・エステイト・ワインズ)のように用いられることのあるものである。
また、本願商標の構成中、「PIONERO」の文字は、「開拓者」を意味するスペイン語ではあるものの、我が国におけるスペイン語の普及の程度を鑑みれば、特定の意味合いを想起させることのない造語として看取、把握されるとみるのが相当である。
そうすると、本願商標の構成中、「BEMBERG ESTATE WINES」の文字は、「BEMBERG(ベンベルグ)というワイナリーのぶどう酒」といった意味合いを想起させるものである一方、「PIONERO」の文字は、特定の意味合いを想起させない造語であり、その構成全体をもって、「BEMBERG(ベンベルグ)というワイナリーのぶどう酒であるPIONERO(ピオネロ)」といった意味合いを表したものと認識されるといえる。
(2)原査定が引用した商標について
原査定は、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとする理由として、旭化成株式会社(以下「旭化成」という。)が商品「繊維」等について使用する「BEMBERG」(以下「引用標章1」という。)及び「ベンベルグ」(以下「引用標章2」という。)を引用しているところ、引用標章1及び引用標章2は、旭化成が、1928年(昭和3年)にドイツのJ.P.ベンベルグ社から技術導入し、1931年(同6年)に操業を開始した銅アンモニウム法による新たな繊維について、現在まで継続して使用しているものであり(甲4)、旭化成のウェブサイトにおいては、「Bemberg」及び「ベンベルグ」が旭化成の登録商標であり、一般繊維名がキュプラ(Cupra)である旨及びキュプラ繊維を生産している企業が現在では旭化成のみである旨記載されている(甲4、甲20)。また、辞書類においては、例えば、「ベンベルグ[独 Bemberg]」の見出し語の下、「人造絹糸の1.ドイツのベンベルグ社の特許製法によって作られた人絹およびその織地. → キュプラ」と記載され、また、「キュプラ[cuprammonium rayon]」の見出し語の下、「銅アンモニア溶液に溶かしたセルロースを水中に押し出して糸状にした再生繊維.銅アンモニアレーヨン.ベンベルグの日本工業規格名.」と記載されている(「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」、株式会社三省堂発行)。
そうすると、旭化成の「BEMBERG」及び「ベンベルグ」と称される商品は、上記のとおり、人絹ないしその織地の一種といえるものであって、一般にキュプラと呼ばれるものであり、引用標章1及び引用標章2が、繊維や糸を製造する繊維素材に係る業界やその繊維素材を用いて被服等を製造する業界においては、旭化成の製造するキュプラ繊維に使用される商標として広く知られているとはいい得るものの、肌着等の素材としての使用に際し、引用標章1及び引用標章2が具体的にどのように用いられているかは明らかでない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
本願商標は、上記(1)のとおり、その構成中に「BEMBERG」の文字を含んでなるものの、本願の指定商品との関係においては、少なくとも当該文字に続く「ESTATE WINES」の文字との組合せをもって、「BEMBERG(ベンベルグ)というワイナリーのぶどう酒」といった意味合いを想起させるものであるから、当該「BEMBERG」の文字のみが看者に強く印象付けられることはないとみるのが相当である。
そうすると、本願商標と引用標章1とは、「BEMBERG」の文字について共通するものの、その他の文字の有無という明らかな差異があるから、両者の類似性の程度は低いというべきであるし、本願商標と引用標章2とは、文字種においても差異があるから、両者の類似性の程度は極めて低いというべきである。
さらに、引用標章1及び引用標章2は、上記(2)のとおり、旭化成が製造するキュプラ繊維に使用する商標として、繊維素材に係る業界やそれを用いて被服等を製造する業界において広く知られているとはいい得るものの、その使用に係るキュプラ繊維は、本願の指定商品である第33類「発泡性ぶどう酒,ぶどう酒」とは、その生産部門、販売部門、原材料、用途等が明確に異なるものであり、その需要者についても、共通性があるとはいい難い。
上記を総合勘案すれば、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者及び需要者をして、引用標章1及び引用標章2を連想又は想起することはなく、その商品が旭化成又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2018-10-23 
出願番号 商願2016-115466(T2016-115466) 
審決分類 T 1 8・ 271- WY (W33)
最終処分 成立 
前審関与審査官 駒井 芳子 
特許庁審判長 田中 敬規
特許庁審判官 中束 としえ
有水 玲子
商標の称呼 ベンベルグエステートワインズピオネロ、ベンベルグエステートワインズ、ベンベルグエステート、ベンベルグ、ベンバーグ、エステートワインズピオネロ、エステートワインズ、エステート、ピオネロ、パイオネロ 
代理人 特許業務法人浅村特許事務所 
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