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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W34
審判 全部申立て  登録を維持 W34
審判 全部申立て  登録を維持 W34
審判 全部申立て  登録を維持 W34
管理番号 1345058 
異議申立番号 異議2017-900331 
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-11-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-30 
確定日 2018-07-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第5968907号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5968907号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5968907号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲に示すとおりの構成よりなり,平成29年3月2日に登録出願,同年7月19日に登録査定され,第34類「電子たばこ,代用たばこを含む紙巻きたばこ(医療用のものを除く。),電子たばこ専用ニコチン溶液,たばこ用香味料(精油を除く),喫煙者用の経口吸入器,電子たばこ用香味料(精油を除く),葉巻たばこ用及び紙巻たばこ用のパイプのこはく製チップ,灰皿,喫煙用ライター,紙巻たばこ用フィルター」を指定商品として,同年8月4日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第5770610号商標(以下「引用商標」という。)は,「HEATSTICK」の欧文字を標準文字で表してなり,2013年(平成25年)12月19日にアンドラ公国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成26年4月23日に登録出願,第34類「たばこ(未加工品又は加工品),葉巻たばこ,紙巻たばこ,シガリロ,手巻きたばこ,パイプ用たばこ,かみたばこ,かぎたばこ,クレテック(丁子入り紙巻たばこ),スヌース(煙の出ないたばこ),その他のたばこ製品,代用たばこ(医療用のものを除く。),紙巻きたばこ用紙,シガレットチューブ,フィルター,たばこ入れの缶,たばこケース及び灰皿,パイプ,たばこ紙巻き器,ライター,その他の喫煙用具,マッチ,加熱式手持型喫煙器具用のニコチンを浸み込ませた粉砕加工、破砕加工その他の加工されたたばこ,加熱して使用されることを目的とするたばこ製品,たばこを電子的に加熱する手持型喫煙器具,電子加熱式手持型喫煙器具,電子たばこ,伝統的なたばこの代替品として用いられる電子たばこ,ニコチン吸入用電子加熱式手持型喫煙器具,たばこ・たばこ製品・代用たばこを熱して蒸散させる手持型喫煙用具,電子たばこ用喫煙用具,充電可能な電子式手持型喫煙器具,たばこ用火消用具及び付属品,電子たばこ用部品及び付属品,加熱式手持型喫煙器具用部品及び付属品」を指定商品として,同27年6月12日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
1 引用商標の著名性
申立人は,電子加熱装置「IQOS」を商品化し,その中に挿入するために特別に設計し,熱することでニコチンを含む蒸気を発生させるタバコ(以下「申立人製品」という。)に,引用商標を付している。
IQOSは,2014年11月に日本で導入されて以降,世界25か国を超える市場で販売されており,日本では,8万を超える小売業者がIQOS及び申立人製品を取り扱っており,そのうち262の小売業者がIQOSのディスプレイ広告を展示している。
日本では,IQOSの国内市場シェアは,2017年の第2四半期の終わりに,12.7%に達しており,2014年の発売以来,日本への申立人製品の輸送量は,約193億本に達している。さらに,インターネットを含む多数の日本のニュース記事で,IQOSやその人気を紹介している(甲3?12)。
申立人の大規模な販売や広告の結果,申立人製品は国際的な成功及び評判を手に入れており,IQOS及び引用商標が,日本の取引者及び喫煙者の間で,申立人製品を表示するものと広く認識されるようになっており,日本国内において著名性を獲得するに至っている。
2 商標法第4条第1項第11号該当性
(1)本件商標「HERBSTICK」は,引用商標「HEATSTICK」とは,構成するアルファベットのほとんどが一致し,その順番も,語頭の「HE」と後半の「STICK」の部分が共通している。
したがって,本件商標は,外観上,混同を引き起こすほどに引用商標と類似している。
(2)本件商標と引用商標の称呼は,「ハーブ」及び「スティック」,「ヒート」及び「スティック」の2音節を有し,「スティック」の称呼が共通している。
したがって,本件商標は,称呼上,引用商標と類似する。
(3)引用商標は,その著名性を考慮すると,電子機器のIQOS専用に特別にデザインされたタバコスティックの名称と認識する。一方,本件商標は,「ハーブの香りを有するスティック状の(たばこ)」を意味する可能性はあるが,引用商標の著名性及び本件商標との外観上の類似性を考慮すると,需要者は本件商標から引用商標を想起し,混同する可能性が高い。
したがって,本件商標は,観念上も,引用商標と類似する。
(4)以上より,外観,称呼及び観念のいずれからも,本件商標は引用商標と類似するため,両商標を同一の商品に使用するときは,一般需要者が誤認,混同する。
(5)本件商標の指定商品中,第34類「電子たばこ,代用たばこを含む紙巻きたばこ(医療用のものを除く。),電子たばこ専用ニコチン溶液,喫煙者用の経口吸入器,葉巻たばこ用及び紙巻たばこ用のパイプのこはく製チップ,灰皿,喫煙用ライター,紙巻たばこ用フィルター」は,引用商標の指定商品と類似する。
(6)本件商標は,引用商標と類似し,また,その指定商品は,引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品を含むため,商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号該当性
(1)上記のとおり,本件商標は引用商標と混同するほど類似しており,引用商標は日本において極めて著名で,さらに,本件商標の指定商品の流通経路及び需要者が,引用商標に係る指定商品のものと一致している。
(2)本件商標権者は,引用商標に化体した申立人の信用,評判に乗じて不正の利益を得るような態様で,本件商標を付した製品を売り込み,広告をしていた。
具体的には,本件商標権者は,「Herbstic COS for IQOS Heatstic」(IQOS及びHeatstickに用いるHerbstick COS)と表記して広告をしていた。さらに,本件商標権者の代表者が,「Herbstick COS」の商品紹介において,「The IQOS real cigarette.Heatstick.It compares with the IQOS Heatstick(sic)cartridges」(IQOSの本物のタバコHeatstick。この製品はIQOS Heatstickのカートリッジと肩を並べる。)と記載している。
このように,電子加熱式タバコ機器に関連し,かつ,加熱式タバコ製品の広告において,本件商標権者が,「IQOS」,「IQOS(ロゴ)」,「HEATSTICK」,「MARLBORO」,「ルーフ形状の図形」を使用することは,引用商標を含む申立人商標へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び不正利益の取得行為である。
(3)本件商標権者の電子加熱式タバコ機器における「Herbstic COS」の使用行為は,本件商標と引用商標の類似性,本件商標権者の使用する商標「COS」と申立人所有の商標「IQOS」の類似性を考慮すれば,申立人の評判を傷つけることになる。
(4)本件商標権者の広告,動画投稿サイトでのコメント欄の記載,本件商標権者の「HERBSTICK COS」の商品パッケージ及びユーザーマニュアルなどには,不正確で,需要者を誤解させる記述がある。
本件商標権者は,申立人からの通告を受けて,そのパッケージと取扱説明書を変更したが,申立人の信用,評判に乗っかるために,申立人の著名な引用商標及び「IQOS」に極めて類似している商標を故意に選択し,本件商標権者がその製品を販売,広告していることは,その製品の態様からも明らかである。本件商標権者の行為は,需要者に,あたかもその商品が申立人に承認されていると誤認させるおそれがある。
(5)以上のとおり,本件商標権者は,引用商標に化体した評判,信用にただ乗り(フリーライド)するつもりであることは明らかで,本件商標を使用するときは,引用商標に化体した信用が毀損され,申立人の業務と混同を生じるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性
(1)本件商標について
本件商標は,別掲のとおり,「HERBSTiCK」の欧文字を,構成文字の一部を装飾した書体(欧文字の構成線の一部末端を丸めてなり,「i」の欧文字の点の部分を星状に描いてなる。)で横書きしてなるところ,その構成文字は,同じ書体,同じ大きさでデザイン化され,外観上まとまりよく一体的に表されており,その構成文字全体から生じる「ハーブスティック」の称呼は,格別冗長なものではなく,無理なく一連に称呼できるものである。
また,本件商標の構成中,「HERB」の欧文字は「香料用[薬用]植物,ハーブ」の意味を有し,「STiCK」の欧文字は「棒切れ,棒状の物」の意味を有する,我が国でも比較的親しまれて用いられている英語であるものの,両語を結合して熟語や既成語となるものではないから,全体として特定の観念は生じない(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店発行,「広辞苑 第6版」岩波書店発行)。
そうすると,本件商標は,これに接する需要者,取引者をして,その構成全体をもって一連一体の商標であると認識,看取されるというのが相当であり,これより「ハーブスティック」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は,「HEATSTICK」の欧文字を表してなるところ,その構成文字は,同じ書体,同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表されており,その構成文字全体から生じる「ヒートスティック」の称呼は,格別冗長なものではなく,無理なく一連に称呼できるものである。
また,引用商標の構成中,「HEAT」の欧文字は「熱」の意味を有し,「STICK」の欧文字は「棒切れ,棒状の物」の意味を有する,我が国でも比較的親しまれている英語であるが,両語を結合して熟語や既成語となるものではないから,全体として特定の観念は生じない(前掲書参照)。
そうすると,引用商標は,これに接する需要者,取引者をして,その構成全体をもって一連一体の商標であると認識,看取されるというのが相当であり,これより「ヒートスティック」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標を比較すると,その外観は,「STICK」(STiCK)の構成文字のつづりを共通にするものの,その書体が相違し,その余の「HERB」と「HEAT」の構成文字において明らかな差異を有するため,外観上,明確に区別できるものである。そして,その称呼においては,語尾の「スティック」の構成音を共通にするとしても,前半において「ハーブ」と「ヒート」の音の相違により,十分に聴別できるものである。また,本件商標と引用商標は,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念上比較することができない。
そうすると,本件商標と引用商標は,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において明らかに区別し得るものであるから,互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは類似する商標ではないため,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性
(1)引用商標の周知性
申立人の提出する証拠及びその主張によれば,引用商標を片仮名表記した「ヒートスティック」の文字は,申立人の販売する商品「加熱式タバコ『IQOS』の専用葉たばこ」(以下「申立人商品」という。)の名称であり,申立人商品の写真とともに「マールボロ ヒートスティック(TM)シリーズ」の文字を表記する広告があるとしても,その広告が実際に展示,頒布されたかどうか,また,その広告宣伝の程度も明らかではなく,上記以外の態様での,引用商標の使用態様も示されておらず,例えば,申立人商品の包装にも引用商標又は「ヒートスティック」の文字は確認できない(甲6,10)。
さらに,申立人は,申立人商品と関連する国内市場シェアや輸送本数に関する主張をするが,その主張を裏付ける具体的な証拠や,引用商標との関連性を示す証拠の提出もない。
したがって,申立人が提出した証拠によっては,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標が申立人の商品を表示するものとして,我が国の取引者及び需要者の間において広く知られていることを認めるに足りない。
(2)本件商標と引用商標の類似性
本件商標は,上記1(3)のとおり,引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において明らかに区別し得るものであるから,互いに相紛れるおそれのない別異の商標である。
(3)本件商標の指定商品と申立人商品の関連性
本件商標の指定商品中,第34類「電子たばこ,代用たばこを含む紙巻きたばこ(医療用のものを除く。),電子たばこ専用ニコチン溶液」は,申立人商品とは,同一又は類似の商品と認められる。
(4)出所の混同のおそれについて
引用商標は,上記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人又は申立人商品を表示するものとして周知,著名とはいえず,上記(2)のとおり,本件商標とも相紛れるおそれのない別異の商標である。
そのため,本件商標の指定商品は,上記(3)のとおり,申立人商品と同一又は類似の商品が含んでおり,商品の間の関連性や取引者及び需要者が共通するとしても,本件商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば,本件商標に接する取引者,需要者が,申立人又は引用商標を連想又は想起するようなことは考え難い。
そうすると,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,その取引者及び需要者をして,当該商品が申立人の商品に係るものであると誤信させるおそれがある商標でもなく,当該商品が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信させるおそれがあるものとはいえず,申立人又はそのグループの業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標ではない。
(5)申立人の主張に対し
申立人は,本件商標権者は引用商標に化体した評判,信用にただ乗り(フリーライド)する意図があり,本件商標を使用するときは,引用商標に化体した信用が既存され,申立人の業務と混同を生じるおそれがある旨述べ,その主張の根拠として,本件商標権者が,「Herbstick COS」と称する商品と関連して,「IQOS」又は「Heatstick」を表記する広告や言及をしていたことを挙げる。
しかしながら,申立人の主張は,本件商標権者が本件商標に伴い表示する「IQOS」,「Heatstick」又は「COS」の表記を根拠に,申立人の取り扱いに係る商品との間で誤認混同が生じるおそれがある旨を主張するものであるところ,本件商標はそのような表記を構成中に含むものではなく,また,本件商標の使用に際して,申立人主張のような表記が,必ず伴われるかは否かは明らかではないから,その主張は前提を欠くものである。加えて,申立人の主張も,本件商標の使用に際して,引用商標又は申立人商品との間において,具体的な出所混同が生じているなどの取引の実情を示すものとは到底いえず,本件商標の登録適格性を判断するに際して,参酌すべき取引の実情ともいえない。
したがって,申立人の主張は採択できない。
(6)小括
以上のとおり,本件商標は,申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ではないため,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 結論
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)



異議決定日 2018-07-06 
出願番号 商願2017-26954(T2017-26954) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W34)
T 1 651・ 263- Y (W34)
T 1 651・ 262- Y (W34)
T 1 651・ 271- Y (W34)
最終処分 維持 
前審関与審査官 河島 紀乃松田 訓子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 阿曾 裕樹
平澤 芳行
登録日 2017-08-04 
登録番号 商標登録第5968907号(T5968907) 
権利者 深▲せん▼葆威道科技有限公司
商標の称呼 ハーブスティック、スティック 
代理人 ▲吉▼田 和彦 
代理人 藤倉 大作 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 角谷 健郎 
代理人 松尾 和子 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 
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