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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W164142
管理番号 1344949 
審判番号 不服2017-11065 
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-25 
確定日 2018-10-02 
事件の表示 商願2015-110707拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「マンション経営大学」の文字を標準文字により表してなり,第16類,第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成27年11月11日に登録出願されたものである。
その後,その指定商品及び指定役務については,当審における同30年8月21日付けの手続補正書により,第16類「雑誌,書籍,新聞,地図,教科書,カタログ,カレンダー,ニューズレター,ジャーナル,パンフレット,その他の印刷物,文房具」,第41類「不動産・金融・保険・年金・税務に基づいた生活設計に関するセミナーの企画・運営・開催,不動産を含む個人資産の管理及び運用に関するセミナーの企画・運営・開催,不動産事業の経営に関するセミナーの企画・運営・開催,その他のセミナーの企画・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,ライフスタイル・健康管理に関する書籍・手引書の電子出版物の制作,不動産を含む個人資産の管理及び運用に関する書籍・手引書の電子出版物の制作」及び第42類「コンピュータプログラムの設計・作成又は保守,ソーシャルネットワーキングウェブサイト用サーバーの記憶領域の貸与,ソーシャルネットワーキングウェブサイト用コンピュータプログラムの提供,クラウドコンピューティング,コンピュータプログラムの提供,コンピュータネットワーク上のデータを入手するための検索エンジンの提供,建築物の建築デザインの考案,その他のデザインの考案,デザインの考案に関する指導・助言・相談又は情報の提供」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は,その構成中に「大学」の文字を含むところ,「大学」の名称は,学校教育法第135条第1項の規定により使用が制限されており,学校教育法に基づいて設置された既存の大学として,「『教育内容』+『大学』」という組合せからなる大学が存在することから,当該組合せからなる本願商標は,学校教育法に基づいて設置された大学の名称を表示したものであるかのように看取し,認識される可能性がある。
さらに,本願指定役務には「大学における知識の教授」を含んでいるものであり,大学の名称と看取される可能性の高い本願商標を前記役務に使用するときは,当該役務の提供主体が,あたかも学校教育法に基づいて設置された大学であるかのような誤認を生じさせるおそれがある。
そうすると,同法に基づく正規の手続によって「大学」の設置の認可を受けているか不明である出願人が,「大学」の文字を含む本願商標を自己の商標として登録することは,一般需要者があたかも学校教育法に基づいて設置された大学であるかのような誤認を生じさせるおそれがあり,学校教育制度についての社会的信頼を害することになるものであるから,本願商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は,上記1のとおり,「マンション経営大学」の文字を標準文字により表してなるものであり,これよりは,「マンションケイエイダイガク」の称呼を生じ,該文字からは,最高学府に位置し,「マンション経営」について教授し研究する教育機関との観念を生じさせるものである。
(2)「マンション(不動産)」に関する教育,研究機関等の存在について
ア 文部科学大臣から設置認可された明海大学においては,不動産学部不動産学科が設けられており,そこでは建物や土地を売買したり,貸し借りしたりするために必要な経営について学ぶことができる(https://meikai-ryokufu-project.jp/voll/)。また,2015年10月5日付け日経産業新聞には,「大東建託は今月,不動産学部を持つ明海大学(千葉県浦安市)と連携し,今後の賃貸マンション経営のあり方の共同研究を始めた。」との記載がある。
イ さらに,日本大学大学院理工学研究科には,1992年4月に開設された我が国初の「不動産」関連の大学院専攻である「不動産科学専攻」が設けられており,そこでの授業は,「不動産の適正利用・維持・管理,開発計画における企画・経営,行財政,国土・都市・街づくり,交通問題,防災問題,環境問題などの内容にわたる体系的なカリキュラムによって,不動産にかかわる理論と実践・実用のあり方」等を中心とした講義が行われている(http://www.cst.nihon-u.ac.jp/graduate_school/course/real/)。
ウ 上記事実によれば,日本においては大学等における教育,研究機関の学部の1つとして「不動産学部」や「不動産科学専攻」が存在し,そこでは,賃貸マンション経営のあり方等の研究がされ,不動産学が大学における教授の対象となっていることが認められる。
(3)大学の名称について
学校教育法に基づいて設置された既存の大学として,原審において示した「保健医療経営大学」,「流通科学大学」に加え,「健康科学大学」,「産業医科大学」,「電気通信大学」,「人間環境大学」及び「流通経済大学」といった大学が存在することが認められる。これらの大学の名称からすれば,「教育内容を想起させる語+『大学』」という組合せからなる名称の大学が少なからず存在する。
(4)商標法第4条第1項第7号該当性について
ア 前記(2)及び(3)のとおり,我が国においては「不動産学部」や「不動産科学専攻」を設けている大学や大学院が存在し,不動産に関する教育,研究等がなされ,不動産学が大学等における教授の対象となっていること,及び「教育内容を想起させる語+『大学』」という組合せからなる名称の大学が少なからず存在することからすれば,「マンション経営大学」の文字からなる本願商標は,学校教育法に基づいて設置された大学の名称を表示したものであるかのように看取され観念される可能性が高いというべきである。
イ 学校教育法は,1条で「この法律で,学校とは,幼稚園,小学校,中学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,大学及び高等専門学校とする。」,3条で「学校を設置しようとする者は,学校の種類に応じ,文部科学大臣の定める設備,編制その他に関する設置基準に従い,これを設置しなければならない。」,135条1項で「専修学校,各種学校その他第1条に掲げるもの以外の教育施設は,同条に掲げる学校の名称又は大学院の名称を用いてはならない。」と規定しているところ,これは,一定の教育又は研究上の設置目的を有し,法令に定める設置基準等の条件を具備する同法1条に定める学校の教育を公認するとともに,1条に掲げる学校以外の教育施設が1条掲記の「学校の名称」を用いることによって,これに接した者が当該教育施設の基本的性格について誤った認識を持ち,不利益を被らないようにするためのものと解される。
(知財高裁平成23年(行ケ)第10003号,同23年5月17日判決参照)
ウ このような学校教育法の規定からすると,「大学」との名称を用いる教育施設は,学校教育法所定の最高学府であると一般に認識されるものであるから,本願商標によって生じる前記のような観念からすると,本願商標が使用される役務次第では,このような意味を持つ「マンション経営」という学問,研究分野についての大学に関連する商標との認識が持たれることになりかねない。
エ しかしながら,職権調査によれば,請求人(グループ企業を含む)は,不動産関連事業,インターネット事業,イベントの企画又は運営及び書籍出版事業などを行っており(https://www.lf-support.jp/company/),教育施設を擁するものではない上,本願商標の指定役務は,前記1のとおり,学校教育法で定める学校において知識等を教授し又は教育することを含む役務は,補正により削除された。
オ そうすると,本願商標は,これを補正後の指定商品及び指定役務に使用しても,これに接する一般需要者に対し,当該商品及び役務の販売ないし提供主体が,あたかも学校教育法に基づいて設置された大学であるかのような誤認を生じさせるおそれはないというべきである。
カ 以上よりすれば,「マンション経営大学」の文字よりなる本願商標を,その指定商品及び指定役務に使用しても,これに接した需要者に対し,商品及び役務の販売ないし提供主体が学校教育法に基づいて設置された大学であるかのように誤認を生じさせることはないから,教育施設である「学校」の設置基準を法定した上で,この基準を満たした教育施設にのみその基本的性格を表示する学校の名称を使用させることによって,学校教育制度についての信頼を維持しようとする学校教育法第135条第1項の趣旨ないし公的要請には反せず,学校教育制度に対する社会的信頼を害することもないというのが相当である。
その他,本願商標が,商標法第4条第1項第7号に該当するおそれのある商標であるとする理由は,見いだせない。
(5)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決日 2018-09-19 
出願番号 商願2015-110707(T2015-110707) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W164142)
最終処分 成立 
前審関与審査官 山田 啓之板谷 玲子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
庄司 美和
商標の称呼 マンションケーエーダイガク、マンションケーエー 
代理人 鈴木 正剛 
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