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審決分類 |
審判 査定不服 商6条一商標一出願 取り消して登録 W06 審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W06 審判 査定不服 商3条柱書 業務尾記載 取り消して登録 W06 |
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管理番号 | 1344075 |
審判番号 | 不服2015-650072 |
総通号数 | 226 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2018-10-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-11-04 |
確定日 | 2018-07-30 |
事件の表示 | 国際登録第1212077号商標に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「PMC」の欧文字を横書きしてなり,第6類及び第9類に属する国際登録において指定された商品を指定商品とし,2014年5月8日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,2014年(平成26年)5月27日に国際商標登録出願されたものである。 そして,その指定商品は,2017年(平成29年)12月19日付けで国際登録簿に記録された限定の通報が当審においてあった結果,第6類「Metal composite materials comprising molybdenum and copper for heat sinks or heat spreaders used for high power transistors,photonic devices and high frequency electronics;metal laminate materials comprising molybdenum and copper for heat sinks or heat spreaders used for high power transistors,photonic devices and high frequency electronics;non-ferrous metals and their alloys for heat sinks or heat spreaders used for high power transistors,photonic devices and high frequency electronics.」となったものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は,以下の(1)ないし(3)のとおり認定,判断し,本願を拒絶した。 (1)本願は,その指定商品中,第9類において指定する商品には,その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない商品が含まれているから,商標法第6条第1項の要件を具備しない。 (2)商標登録を受けることができる商標は,現在使用しているもの又は近い将来使用をするものであると解されるところ,本願は,第9類において広い範囲にわたる商品を指定しているため,このような状況の下では,出願人が出願に係る商標をそれらの指定商品の全てについて使用しているか,又は近い将来使用をすることについて疑義があるから,本願商標は,商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。 (3)本願商標は,以下の商標と同一又は類似であり,その指定商品も同一又は類似であるから商標法第4条第1項第11号に該当する。なお,いずれの商標権も現に有効に存続している。 ア 登録第4103463号商標(「引用商標1」という。) ・商標の構成:「PMC」の欧文字 ・登録出願日:平成8年6月24日 ・設定登録日:平成10年1月16日 ・指定商品:第14類 有機バインダーと水を混入してなる粘土の性質を有する貴金属粉,その他の貴金属 イ 登録第4327491号商標(「引用商標2」という。) ・商標の構成:別掲1のとおり ・登録出願日:平成10年12月10日 ・設定登録日:平成11年10月22日 ・指定商品:第14類 有機バインダーと水を混入してなる粘土の性質を有する貴金属粉,その他の貴金属 ウ 登録第4747882号商標(「引用商標3」という。) ・商標の構成:標準文字による「PMC」の欧文字 ・登録出願日:平成11年12月6日 ・設定登録日:平成16年2月20日 ・指定商品及び指定役務:第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 エ 登録第4937145号商標(「引用商標4」という。) ・商標の構成:別掲2のとおり ・登録出願日:平成17年8月24日 ・設定登録日:平成18年3月17日 ・指定商品:第14類 有機バインダーと水を混入してなる粘土の性質を有する貴金属粉,その他の貴金属 オ 登録第5362143号商標(「引用商標5」という。) ・商標の構成:別掲3のとおり ・登録出願日:平成22年6月25日 ・設定登録日:平成22年10月22日 ・指定商品:第14類 有機バインダーと水を混入してなる粘土の性質を有する貴金属粉,その他の貴金属 カ 登録第5474742号商標(「引用商標6」という。) ・商標の構成:別掲4のとおり ・登録出願日:平成23年9月26日 ・設定登録日:平成24年3月2日 ・指定商品:第14類 有機バインダーと水を混入してなる粘土の性質を有する貴金属粉,その他の貴金属 3 当審の判断 (1)商標法第6条第1項及び同法第3条第1項柱書について 本願商標の指定商品は,上記1のとおり限定された結果,その内容及び範囲が明確でない商品は削除され,また,出願人がその指定商品について,本願商標を使用しているか,又は近い将来使用することについて疑義がなくなったものと認められる。 したがって,本願が商標法第6条第1項の要件を具備せず,また,本願商標が同法第3条第1項柱書の要件を具備しないとした拒絶の理由は,解消した。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 引用商標3について 本願商標の指定商品は,上記1のとおり限定された結果,引用商標3の指定商品と類似する商品がすべて削除され,引用商標3の指定商品と類似しないものになったと認められる。 イ 引用商標1及び2,4ないし6について 本願商標の指定商品は,上記1のとおり「Metal composite materials comprising molybdenum and copper for heat sinks or heat spreaders used for high power transistors,photonic devices and high frequency electronics;metal laminate materials comprising molybdenum and copper for heat sinks or heat spreaders used for high power transistors,photonic devices and high frequency electronics;non-ferrous metals and their alloys for heat sinks or heat spreaders used for high power transistors,photonic devices and high frequency electronics.」(参考訳:高出力トランジスタ用・光子装置用及び高周波電子機器用のヒートシンク用又はヒートスプレッダ用のモリブデン及び銅からなる金属製複合材料;ハイパワートランジスタ用・光子装置用及び高周波電子機器用のヒートシンク用又はヒートスプレッダ用のモリブデン及び銅からなる金属製ラミネート材料;ハイパワートランジスタ用・フォトニック装置用及び高周波電子機器用のヒートシンク用又はヒートスプレッダ用の非鉄金属及びそれらの合金)である。 これに対し,引用商標1及び2,4ないし6(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)の指定商品は,上記2(3)ア及びイ,エないしキのとおり「有機バインダーと水を混入してなる粘土の性質を有する貴金属粉,その他の貴金属」である。 そこで,両商標の指定商品の類否を検討すると,両者はいずれも「金属」に関連する商品である。 しかしながら,本願商標の指定商品は,電子機器等で発生する熱を効率的に下げることを用途とした部品(ヒートシンク又はヒートスプレッダ)の原材料であるのに対して,引用商標の指定商品である「貴金属」は,産出量が少なく高価であることから,主にジュエリーやアクセサリーを作る際の素材となる商品である。 そうとすると,ジュエリーやアクセサリーの素材としての「貴金属」が,ヒートシンク又はヒートスプレッダの原材料として使用されることはないといえることから,両者の用途は明らかに異なるものである。 また,両者の需要者及び販売部門については,前者は主として各種機器の部品の製造業者が需要者であり,生産者と事業者間で取引がされるのに対し,後者はジュエリーやアクセサリーを製作・加工する貴金属製品の製造業者又は一般人が需要者であって,貴金属を専門に取り扱う販売業者又は一般需要者に向けた貴金属販売店を通じて取引されるものであるから,両者の需要者及び販売部門は明らかに異なるものである。 そうすると,本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは,それらが「金属」の範ちゅうに属する商品であるとしても,その品質,用途,需要者及び販売部門を異にする非類似の商品であるというべきである。 ウ 小括 以上のとおりであるから,本願商標と引用商標1ないし6とが同一又は類似であるとしても,両商標の指定商品は非類似の商品であるから,本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり,本願商標は,商標標法第3条柱書,同法第6条第1項の要件を具備するものであり,また,同法第4条第1項第11号に該当しない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
【別記】 |
審理終結日 | 2018-06-29 |
結審通知日 | 2018-07-04 |
審決日 | 2018-07-18 |
国際登録番号 | 1212077 |
審決分類 |
T
1
8・
91-
WY
(W06)
T 1 8・ 18- WY (W06) T 1 8・ 264- WY (W06) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 平野 美和、白鳥 幹周 |
特許庁審判長 |
薩摩 純一 |
特許庁審判官 |
大森 友子 網谷 麻里子 |
商標の称呼 | ピイエムシイ |
代理人 | 山口 巖 |
復代理人 | 竹本 美奈 |