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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W42
管理番号 1343999 
審判番号 取消2016-300202 
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-03-23 
確定日 2018-08-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第5568733号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第5568733号商標の指定商品及び指定役務中,第42類「全指定役務」についての商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5568733号商標(以下「本件商標」という。)は,「アイバンク」の片仮名を標準文字で表してなり,平成24年10月16日に登録出願,第42類「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与,電子商取引のためのコンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,電子商取引のための電子計算機を用いて行う情報処理,通信ネットワークを利用したコンピュータシステムへのアクセスタイムの賃貸,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,通信ネットワークを利用した電子計算機用プログラムの提供,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子商取引のための通信ネットワークに使用されるコンピュータソフトウェアの設計・作成及び保守,電子計算機用プログラムの提供及びこれに関する情報の提供又は指導・助言,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守及びこれらに関する指導・助言,電子計算機の貸与及びこれに関する情報の提供又は指導・助言,電子商取引における利用者の認証及びこれに関する情報の提供,ウェブサイト検索エンジンの提供及びこれに関する情報の提供又は指導・助言,ウェブサイトの設計・作成・更新又は保守及びこれらに関する情報の提供又は指導・助言,電子計算機などを用いて行う情報処理」並びに第9類,第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同25年3月22日に設定登録されたものである。
なお,本件審判の請求の登録日は,平成28年4月4日であるから,本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)は,同25年4月4日から同28年4月3日である。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても,第42類「全指定役務」(以下「取消請求役務」という場合がある。)について使用されていないことが明らかであるから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)本件審判の請求の経緯について
請求人は,被請求人に対し,平成28年1月5日付けにて書簡を送付し(甲5。被請求人には翌日(1月6日)に到達した。),本件商標についての譲渡を依頼した。その際,譲渡の協議が調わない場合には,本件商標の不使用を理由として商標登録取消審判を請求予定である旨を明記した。
その後,請求人と被請求人は,譲渡交渉を行ったが,交渉は決裂した。
そこで,請求人は,本件商標の登録日から3年を経過した直後である平成28年3月23日に,本件商標に対して本件審判を請求した。
(2)本件商標の使用について
被請求人は,本件商標の通常使用権者である株式会社デジマース(以下「デジマース」という。)が平成28年3月18日よりポイントメディアサービスを開始し,このサービスのウェブ上の表示において,別掲のとおりの構成からなる使用商標(以下「本件使用商標」という。)の使用を開始し,現在においても使用を継続していると答弁しているが,使用の根拠として挙げるのは,乙第1号証,乙第11号証及び乙第12号証のみであるところ,いずれも本件使用商標の使用を裏付ける証拠たり得ない。
ア 乙第1号証は,むしろ本件商標の不使用という事実を裏付ける証拠である。
被請求人は,平成27年4月1日付けで,デジマースとの間で,本件商標権を含む5つの商標の非独占的な使用を許諾する旨の商標使用許諾契約(以下「本件使用許諾契約」という。)を締結した(乙1)と主張する。
しかし,本件使用許諾契約によれば,ロイヤルティとして,「定率分」(「本件サービスの提供により得られる対価の1%」)と「定額分」(毎月10万円)の2種類が規定されているところ,デジマースから被請求人に対して支払われていると称するロイヤルティは,いずれも商標使用の有無とは無関係に支払われる「定額分」であって,商標使用に伴って発生する「定率分」は全く存在しないから(乙2?乙6),本件商標を含む5件の商標が,本件使用許諾契約の締結以来,全く使用されていないことを自認したに等しい。
以上のとおり,被請求人の主張する本件使用許諾契約は,むしろ本件商標の不使用という事実を裏付ける証拠といえるのであって,審判請求の登録日(平成28年4月4日)以前の本件商標の使用(あるいはその使用計画)を推認させるものではない。
イ 被請求人は,被請求人の使用に係るウェブサイト(http://web.ibank.happy.jp/)(以下「アイバンクサイト」という。)画面を取得した具体的時期について明らかにしていない。
ウ 乙第12号証は単なるプレスリリースであり,サービス開始の事実を裏付けない。
プレスリリース(乙12)には,「アイバンク内でためたポイントは,Amazonギフト券(中略)と交換することができます。」と明記され,当初からギフト交換が可能とされている一方で,上記サイト画面(乙11)の記載によれば,少なくとも平成28年3月18日の時点では,プレスリリースの記載に反して,実際にはポイントサービスの中核ともいうべきギフト交換が行えない状況であった。
このように,デジマースは,アイバンクサイトで利用規約で明記しているサービスすら現実には提供していないのであるから,ましてや単なるプレスリリースの記載のみをもって現実のサービス提供の証明たり得ないことは明らかである。
(3)本件審判の請求に係る指定役務「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」への使用について
被請求人は,ポイントメディアサービスを提供するアイバンクサイト上に本件使用商標を使用することをもって,本件商標の指定役務(第42類)である「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」に本件商標を使用していると主張している。
しかし,アイバンクサイトは,「無料のおしごとでザクザク稼げるお小遣いサイトです」との記載からも明らかなとおり,ポイントを獲得する者に向けて発信されているサイトである。アイバンクサイトを利用する者にとっては,かかる商標の使用をもって,本件商標が「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」について使用されていると理解,認識することは困難であり,むしろ,アイバンクサイト上での本件使用商標は,ポイントの付与や管理・精算に係る役務について使用されている商標と理解されるのが自然であり,合理的である。
また,被請求人は,アイバンクサイトにおいて,ユーザーが「アプリケーションツール」を使用していることから,アイバンクサイトは「通信ネットワークを利用したアプリケーションを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」としての役務性を持つものといえると主張する。
しかし,他方で,被請求人は,アイバンクサイトについては,Web版として作成されているため,アプリケーションソフトウエアを介することなく,パソコンからでもスマートフォンからでも,ブラウザを介してアクセスが可能なサイトであって,アプリケーションソフトウエアの提供は全く不要であると述べており,被請求人の主張は自己矛盾を来している。
被請求人の主張する「アプリケーションツール」(機能付加部分)がアイバンクサイト上でのポイントサイトの役務の提供と離れてメディア利用者(ポイントサイト「アイバンク」の会員)に貸与されていることを示す事実はないから,本件商標は,「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」に係る役務について使用されているとはいえない。
したがって,アイバンクサイトは,本件使用商標が,本件審判の請求に係る指定役務である「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」に該当しない。
(4)本件商標の名目的使用について
ア 平成28年3月末日締め分以降において,アイバンクサイトの広告収入が発生しているとする乙第14号証の1ないし6によれば,平成28年3月から平成29年1月末までの売上高はわずか10,325円であり,本件審判請求の登録日(平成28年4月4日)以前の売上高に至ってはわずか500円程度にすぎない。プレスリリースまで行ってウェブサイトで広く公開されているサービスの売上が1か月で500円程度(4月においてはわずか86円)というケースは,実態を伴うサイトであれば通常は考え難いし,この程度の売上であれば被請求人の関係者を通じて容易に作出することもできる。したがって,これらの数字は,むしろ本件商標の使用が名目的使用にすぎないことを裏付けている。
イ そもそも,デジマースの代表者が,自らの陳述書(乙13の1)において「平成28年1月6日に,請求人よりバローズ社に内容証明郵便が届き,アイバンクの商標取り消しについての通知がありましたので,商標の利用期限を把握し,平成28年3月22日迄のサービス立ち上げを急ぎ行いました」と述べていることは,デジマースによる本件商標の使用が,単に不使用取消審判を免れる目的で当該商標を使用するかのような外観を作り出したにすぎないものであることを自ら認めるに等しいものである。
ウ 以上のとおり,被請求人は,不使用取消の審判を免れる目的のためだけに,慌てて実体の伴わないサービス提供の外観だけを作出したものであり,かかる使用が名目的使用にすぎないことは明らかである。
(5)不使用取消審判が請求されることを知った後の登録商標の使用(商標法第50条第3項)(以下「駆け込み使用」という。)であることについて
仮に本件商標の使用が認められたとしても,「駆け込み使用」の典型例であり,商標法第50条第3項ただし書の「正当な理由」は存在しない。
被請求人は,平成27年8月から本件商標を使用する計画が継続されて具体的に進行していたとして,平成27年12月17日付け「デジマース月次報告会 第11期11月度実績」(乙21)を提出するが,当該資料はデジマースが保有する内部検討段階での資料にすぎない。
むしろ,乙第21号証では,開発期間が「11月1日?12月30日」から「12月30日?2月末」に後ろ倒しの変更がされたことを示す記載があり,実際には,当該開発スケジュールを全く遵守しないどころか,12月段階では見積書すら取得しなかったこと,及び平成28年1月20日になってようやくマルジュから見積書を受領し(乙22),その後になってようやく開発作業に着手したことがうかがわれる。
3 むすび
以上のことから,本件商標は,取消請求役務について,本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても現実に使用されていないことは明らかであり,商標法第50条第1項の規定により,その登録を取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第22号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標の使用許諾契約について
被請求人は,平成6年7月25日に「通信機器,コンピューター及びコンピューター周辺機器の製造,輸出入及び販売」,「電気通信事業法による通信事業者の代理店業務」及び「情報提供サービス業」等を目的として設立された株式会社である。
被請求人は,平成17年6月7日に,被請求人の情報提供サービス業の事業の受け皿会社として設立されたデジマースに,同事業を平成17年7月1日に営業譲渡し,以後,被請求人とデジマースは緊密な連携のもと事業活動を継続してきている。
被請求人は,平成27年4月1日付けで,デジマースとの間で,本件使用許諾契約を締結した(乙1)。
デジマースは,平成27年当時,ポイントメディア事業(リワード広告による収益を目的にメディア利用者に利用によるポイントを付与してポイント交換等による利益を与える事業)の展開を企画していた。なお,リワード広告とは,アフィリエイト広告(成果報酬型広告)の一種で,広告のリンク先のウェブサイトで,アプリのダウンロードや,商品の購入など成果が発生すると,広告主から媒体に成果報酬が支払われ,媒体がその会員に媒体内で使えるポイントなどを付与する仕組みの広告のことである。このうち,リワード広告を短期間で急激に増加させる手法を用いるものをブースト広告という。
2 本件商標の使用について
(1)本件使用許諾契約を締結後,デジマースにより,平成27年8月14日からWeb版のサービスの立ち上げ計画が具体的に進められた(乙7?乙10)。
(2)デジマースは,平成28年3月18日に,ウェブ上(http://web.ibank.happy.jp/)でポイントメディアサービス(アイバンクサイト)を開始した(乙11,乙14の1?6,乙15の1?4,乙16の1?3,)。
本件商標と本件使用商標とは,「アイバンク」の構成文字を同一にするものであって,称呼及び観念において同一であるから,社会通念上同一といえる。
(3)請求人は,本件使用許諾契約(乙1)に基づくロイヤルティの内の定率分の支払がなされていないことをもって,本件商標が使用されていないことを裏付ける旨を主張している。
しかしながら,本件使用許諾契約に列記される商標のうち,最初に使用されることとなったのが,本件商標であって,その使用は平成28年3月18日に開始したのであるから,同年2月〆切分までの定率分のロイヤルティの支払が存在しないことは当然であって,何ら不使用の事実を推認させるものではない。
3 本件審判の請求に係る役務「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」への使用について
スマートホン対応のアプリでは,当該アプリでサービスを受けるためには,スマートホンのアプリケーションが不可欠となるため,そのアプリケーションを提供していないことはサービスを提供していないに等しい状態といえるが,アイバンクサイトはWeb版として作成されているため,アプリケーションを介することなく,パソコンからでもスマートホンからでも,ブラウザを介してアクセスが可能なサイトなのであって,アプリケーションの提供は全く不要なものであって,サービス提供の実体になんらの影響を及ぼすものではない。
ポイントメディアサービスのビジネスモデルは,同サービスに掲載されている各広告主(コンテンツプロバイダー)より,同サービスを経由してサイト閲覧に至った者の従量に応じた広告料収入を得る形のもので,サービスの直接の利用者からの課金を伴うものではないが,こうしたビジネスを展開する上でのサービスの差別化,顧客誘引の為の標章として用いられていることは明らかであるから,商標的使用がなされていることも明らかである。
ポイントサイトビジネスは,広告代理店が各広告主からの広告出稿を受けて,その出稿内容をまとめたウォールを作成し,ポイントサイト業者は,自らが運営するサイト上に転載する形で行われる。したがって,ポイントサイトの運営主体が異なっても,使用しているウォールが同一であれば,同一の内容が表示されることとなる(乙18)。
しかしながら,これでは他のポイントサイトとの差別化が図れないため,乙第19号証に示すとおり,データ検索のやりやすさやその他,ウォール内のデータ中ユーザーに最適のデータを発見しやすいような機能を盛り込み差別化を図ることとなる。アイバンクサイトにおいては,無料案件を検索しやすくしたり,過去に成果達成した案件は非表示となり成果未達成の案件を検索しやすくしたり,スマートフォンに最適化したサイトにする等の機能付加を行っている。これをユーザーサイドから見るならば,同一ウォール内の情報から自己に適合した情報に容易にアクセスするためのアプリケーションツールを使用しているという側面を持つのであって,ポイントサイトである,アイバンクサイトは「通信ネットワークを利用したアプリケーションを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」としての役務性を持つものといえる。
4 「駆け込み使用」について
アイバンクサイト開設の経緯について
本件商標をアイバンクサイトにおいて使用するに至るまでの,具体的経過は,デジマース取締役が陳述するとおりである(乙13の1)。
平成27年8月19日のデジマースの戦略会議の議事録(乙20)において,Web版のポイントサイトの検討が行われていたことがわかる上,同戦略会議議事録には「アイバンク(仮称)」の表示もなされており,サイト名称として「アイバンク」が検討されていたことがわかる。そして,この会議を受けて,同月19日に開発業者に対して見積取得の打診が行われている(乙10)。
さらに,平成27年12月17日付けデジマース月次報告会の資料(乙21)は,「ポイントアプリweb版(アイバンク)」「開発期間:11月1日?12月30日→12月30日?2月末」「リリース:3月中旬」との記載がなされており,8月からの計画が継続されて具体的に進行していること及びリリース時期が3月中旬頃と想定されていたことがわかる。
5 むすび
以上のことから,本件商標は,要証期間内に日本国内において,通常使用権者が,取消請求役務中「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」について使用したことが明らかである。

第4 当審の判断
被請求人は,要証期間内に,通常使用権者であるデジマースが,取消請求役務中の第42類「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」について本件商標を使用している旨主張するので,以下検討する。
1 事実認定
証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)本件使用許諾契約(乙1)は,本件商標権者とデジマースとの間で締結された,平成27年4月1日付けの商標使用許諾契約書であるところ,同書には,「株式会社バローズ(以下『甲』という。)と株式会社デジマース(以下『乙』という。)とは,甲が保有する商標権(商標登録第5568733号 第9類,第35類,第41類,第42類 商標 アイバンク)に関する通常使用権を乙に許諾することに関し,契約を締結する。」及び「第2条(範囲等)…(1)範囲 日本国内 (2)期間 2015年4月1日から2016年3月31日まで/ただし,契約満了3か月までにいずれの当事者からも契約を更新しない旨の書面の意思表示がない場合は,更に1年間延長するものとし,以降も同様とする。」の記載がある。
(2)デジマースが作成した平成27年8月14日付け「ポイントサイトに関する説明資料」(乙8)の2頁には,ポイントサイトの名称と思われる「アイバンク(仮称)」の記載がある。そして,4頁には,「ポイントサイトスキーム」の見出しの下,図解によりポイントサイトである「アイバンク(仮)」に遷移したユーザーは,SNS認証でユーザー登録を行うことによって簡単に当該サイトを利用することができ,当該サイト内に掲載された「広告案件」を選択することにより,広告主のサイトに送客され,広告主のサイトおいてユーザーが会員登録やインストールすることを条件として報酬が与えられ,当該報酬に基づいてポイントサイト「アイバンク(仮)」でユーザーにポイントが還元される旨が解説されている。
(3)デジマースの取締役営業本部長の作成に係る平成28年2月13日付け「報告書」(乙18)には,ポイントサイトビジネスの構造について,(ア)広告主が広告代理店に対し広告の出稿を依頼し,(イ)広告代理店がウォールに案件としてアプリを掲載し,(ウ)アイバンク(メディア)がウォールを導入することによって,メディア内にウォールが表示され,(エ)メディアがアップルストア又はグーグル・プレイに当該ウォールを選択したユーザーを送客し,(オ)当該ユーザーがアプリのダウンロードを行い当該アプリを起動することによって,広告代店及びアイバンク(メディア)に成果が送信され,(カ)当該ユーザーにはポイントが付与されるとともに,アイバンク(メディア)は広告代理店に対して広告収入を得るための債権が発生する旨が解説されている。
(4)プレスリリース配信サービス「@Press」の平成28年3月18日のプレスリリース(乙12)には,1葉目に「スマートフォンコンテンツ提供サービスを運営する株式会社デジマース(本社:東京都品川区・・・)は,スマートフォン端末向けのポイントサイト『アイバンク』の提供を,2016年3月18日(金)より開始いたしました。」の記載がある。3葉目の【URL】https://web.ibank.happy.jp/は,乙第11号証のアイバンクサイトの画面の上部にあるアドレス(https://web.ibank.happy.jp/app/ad/list)の主要部分と一致する。
2 判断
(1)通常使用権者について
上記1(1)によれば,デジマースは,平成27年4月1日以降,本件商標の通常使用権者であると認められる。
(2)本件商標の使用及び使用役務について
(ア)本件商標の通常使用権者であるデジマースは,上記1(4)のとおり,要証期間内である平成28年3月18日から,スマートフォン端末向けにアイバンクサイトの提供を開始したこと,(イ)「アイバンクサイト」は,上記1(2)のとおり,当該サイトの利用者が,当該サイト掲載されている広告を選択し広告主のサイトおいてユーザーが会員登録やインストールすることを条件にユーザーにポイントが還元されること,(ウ)「アイバンクサイト」では,画面の左上部に,本件商標と社会通念上同一の商標と認め得る「アイバンク」の片仮名をアーチ型に湾曲させて配して表示していること,画面の下部には,広告主のサイトに誘導するためのリンク付けがされた広告が掲載されていることなど,が認められる。
以上によれば,本件商標の通常使用権者であるデジマースは,要証期間内である平成28年3月18日以降,スマートフォン端末向けのポイントサイトであるアイバンクサイトにより,ユーザー(「アイバンクサイト」の会員)向けには「ポイントの蓄積・管理及び精算」に係る役務を提供し,また,広告主向けには「成果報酬型のインターネット広告」に係る役務の提供しており,かつ,これらの役務を提供するに当たり,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を当該ポイントサイトの画面上に表示していたものと認めることができる。
しかしながら,「ポイントの蓄積・管理及び精算」に係る役務や「成果報酬型のインターネット広告」に係る役務は,取消請求役務には含まれない。
なお,被請求人は,本件使用商標を使用する役務についてアイバンクサイトにおいては,他社のポイントサイトとの差別化を図るために,無料案件を検索しやすくしたり,過去に成果達成した案件は非表示となり成果未達成の案件を検索しやすくするなど,同一ウォール内の情報から自己に適合した情報に容易にアクセスするためのアプリケーションツールを機能付加しており,ユーザーは当該アプリケーションツールを使用しているから,当該アプリケーションツールは「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」としての役務性を持つ旨主張する。
しかしながら,取消請求役務に含まれる第42類「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」とは,顧客に対し,アプリケーションソフトウエアの使用許諾契約等に基づき,当該アプリケーションソフトウエア自体を通信ネットワークを利用して貸与する役務と解されるものであるところ,被請求人が主張するアイバンクサイトに係るアプリケーションツール(機能付加部分)とは,自らも認めているとおり,あくまでもウェブサイト側のアプリケーションソフトウエアとして付加されている機能にすぎず,当該アプリケーションツール自体を通信ネットワークを利用してメディア利用者(ポイントサイト「アイバンク」の会員)に貸与しているわけではないから,当該アプリケーションツールの使用をもって,「通信ネットワークを利用したアプリケーションソフトウエアの貸与」があったとは認めることができないし,その他の取消請求役務を提供していたものと認めることもできない。
(3)その他,本件商標が,取消請求役務について,商標法第2条第3項に規定する使用行為があったと認めるに足りる証拠はない。
3 むすび
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,取消請求役務のいずれかについて,本件商標の使用をしていることを証明したということができない。
また,被請求人は,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,その指定商品及び指定役務中の「結論掲記の指定役務」について,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件使用商標(色彩については,原本参照。)


審理終結日 2018-03-28 
結審通知日 2018-04-02 
審決日 2018-07-10 
出願番号 商願2012-83460(T2012-83460) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (W42)
最終処分 成立 
前審関与審査官 橋本 浩子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 平澤 芳行
田村 正明
登録日 2013-03-22 
登録番号 商標登録第5568733号(T5568733) 
商標の称呼 アイバンク 
代理人 岡田 淳 
代理人 桑原 秀明 
代理人 前川 砂織 
代理人 武藤 元 
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