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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W053032
審判 全部申立て  登録を維持 W053032
審判 全部申立て  登録を維持 W053032
審判 全部申立て  登録を維持 W053032
審判 全部申立て  登録を維持 W053032
管理番号 1343237 
異議申立番号 異議2017-685032 
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-02 
確定日 2018-06-11 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1297792号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1297792号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第1297792号商標(以下「本件商標」という。)は、「WONGLO」の欧文字を横書きしてなり、2015年(平成27年)12月15日に国際商標登録出願、第5類「Medicines for human purposes;medicinal drinks;drugs for medical purposes;syrups for pharmaceutical purposes;disinfectants;chemical conductors for electrocardiograph electrodes;cultures of microorganisms for medical and veterinary use;candy,medicated;dietetic foods adapted for medical purposes;candy for medical purposes;food for babies;chewing gum for medical purposes;depuratives;medicines for veterinary purposes;preparations for destroying noxious animals;surgical dressings;teeth filling material;jelly(medical purposes)for food made with a variety of Chinese medicinal materials,called Gui Ling Gao in Chinese;jelly(dietary supplements)for food made with a variety of Chinese medicinal materials,called Gui Ling Gao in Chinese;pollen cream for medical use.」、第30類「Chicory[coffee substitute];candy;chewing gum;longan syrup(Gui Yuan Gao)for food;syrup for food made with pears,tuckahoe,and fritillary(Ling Bei Li Gao);loquat leaf syrup(Pi Pa Gao)for food;honey;almond paste;bread;gruel;cereal preparations;starch for food;ice cream;milky tea,non-milk-based.」及び第32類「Beer;non-alcoholic beverages;soya-based beverages,other than milk substitutes;beverages based on beans;waters[beverages];soda water;cola;fruit juices;beverages based on plants;syrups for beverages;preparations for making beverages.」を指定商品として、平成29年4月27日に登録査定、同年7月21日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5272011号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「WONG LO KAT」(標準文字)
登録出願日:平成20年10月15日
設定登録日:平成21年10月9日
指定商品:第5類「漢方薬,薬用ハーブ,医療用ハーブ茶,その他の薬剤,ハーブ茶又はハーブ抽出物を主原料とする食餌療法用飲料,その他の食餌療法用飲料,ハーブ茶又はハーブ抽出物を主原料とする食餌療法用食品,その他の食餌療法用食品」、第30類「ハーブ茶,ハーブ茶製造用調製品,その他の茶,ハーブ茶飲料,その他の茶飲料,コーヒー及びココア,ハーブ茶を主原料とする液状・錠剤状・粉末状・ジェル状・ゼリー状・カプセル状の加工食品,氷,ハーブ茶・ハーブ抽出物入りのキャンディー,その他の菓子及びパン」及び第32類「飲料製造用調製品,清涼飲料のもと,ハーブ抽出物入り清涼飲料,ハーブ茶入り清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」
2 登録第5434332号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「WONG LO KAT」(標準文字)
登録出願日:平成22年12月3日
設定登録日:平成23年8月26日
指定商品:第33類「アルコール飲料(ビールを除く。)」
3 登録第5689961号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「WONG LO KAT」(標準文字)
登録出願日:平成25年4月24日
設定登録日:平成26年8月1日
指定商品:第5類「乳幼児用食品,ばんそうこう,包帯,ガーゼ,歯科用充てん材料,歯科用ワックス,消毒剤,有害動物駆除剤,殺菌剤,除草剤,サプリメント」、第30類「砂糖,米,代用コーヒー,穀粉及び穀物からなる加工品,はちみつ,糖蜜,食塩,マスタード,酢,ソース(調味料),香辛料」及び第32類「ビール,アルコールを含有しない飲料,果汁飲料」
4 登録第5405029号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「王老吉」(標準文字)
登録出願日:平成20年10月15日
設定登録日:平成23年4月8日
指定商品:第5類「漢方薬,薬用ハーブ,医療用ハーブ茶,その他の薬剤,ハーブ茶又はハーブ抽出物を主原料とする食餌療法用飲料,その他の食餌療法用飲料,ハーブ茶又はハーブ抽出物を主原料とする食餌療法用食品,その他の食餌療法用食品」、第30類「ハーブ茶,ハーブ茶製造用調製品,その他の茶,ハーブ茶飲料,その他の茶飲料,コーヒー及びココア,ハーブ茶を主原料とする液状・錠剤状・粉末状・ジェル状・ゼリー状・カプセル状の加工食品,氷,ハーブ茶・ハーブ抽出物入りのキャンディー,その他の菓子及びパン」及び第32類「飲料製造用調製品,清涼飲料のもと,ハーブ抽出物入り清涼飲料,ハーブ茶入り清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」
5 登録第5411652号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:「王老吉」の文字を横書きしてなるもの
登録出願日:平成22年12月3日
設定登録日:平成23年5月13日
指定商品:第33類「アルコール飲料(ビールを除く。)」
6 登録第5405028号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:平成20年10月15日
設定登録日:平成23年4月8日
指定商品:第5類「漢方薬,薬用ハーブ,医療用ハーブ茶,その他の薬剤,ハーブ茶又はハーブ抽出物を主原料とする食餌療法用飲料,その他の食餌療法用飲料,ハーブ茶又はハーブ抽出物を主原料とする食餌療法用食品,その他の食餌療法用食品」、第30類「ハーブ茶,ハーブ茶製造用調製品,その他の茶,ハーブ茶飲料,その他の茶飲料,コーヒー及びココア,ハーブ茶を主原料とする液状・錠剤状・粉末状・ジェル状・ゼリー状・カプセル状の加工食品,氷,ハーブ茶・ハーブ抽出物入りのキャンディー,その他の菓子及びパン」及び第32類「飲料製造用調製品,清涼飲料のもと,ハーブ抽出物入り清涼飲料,ハーブ茶入り清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」
7 登録第5587278号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:「王老吉」の文字を縦書きしてなるもの
登録出願日:平成24年6月22日
設定登録日:平成25年5月31日
指定商品:第5類「漢方薬,薬剤及び獣医科用剤,医療用の衛生剤,食餌療法用食品・飲料・薬剤,乳幼児用食品,膏薬,ばんそうこう,包帯,ガーゼ,歯科用充てん材料,歯科用ワックス,消毒剤,有害動物駆除剤,殺菌剤,除草剤」、第30類「茶,ハーブティーその他の茶,コーヒー,ココア,砂糖,米,代用コーヒー,穀粉及び穀物からなる加工品,パン,ペストリー及び菓子,氷菓,はちみつ,糖蜜,食塩,マスタード,酢,ソース(調味料),香辛料」、第32類「アルコール分を含まない飲料,飲料製造用調製品,ビール,ミネラルウォーター,炭酸水及びアルコールを含有しないその他の飲料,果実飲料及び果汁,シロップ,その他の飲料製造用調製品」及び第33類「アルコール飲料(ビールを除く。)」
8 登録第5537726号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成24年5月14日
優先権主張:2011年11月14日(域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠))
設定登録日:平成24年11月22日
指定商品:第5類「漢方薬,薬剤及び獣医科用剤,医療用の衛生剤,食餌療法用食品・飲料・薬剤,乳幼児用食品,膏薬,ばんそうこう,包帯,ガーゼ,歯科用充てん材料,歯科用ワックス,消毒剤,有害動物駆除剤,殺菌剤,除草剤,サプリメント」、第30類「茶,ハーブティーその他の茶,コーヒー,ココア,砂糖,米,代用コーヒー,穀粉及び穀物からなる加工品,パン,ペストリー及び菓子,氷菓,はちみつ,糖蜜,食塩,マスタード,酢,ソース(調味料),香辛料」及び第32類「アルコール分を含まない飲料,飲料製造用調製品,ビール,ミネラルウォーター,炭酸水及びアルコールを含有しないその他の飲料,果実飲料及び果汁,シロップ,その他の飲料製造用調製品」
9 登録第5417679号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成22年12月3日
設定登録日:平成23年6月10日
指定商品:第33類「アルコール飲料(ビールを除く。)」
10 登録第2678732号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成3年2月5日
設定登録日:平成6年6月29日
指定商品:第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」
以下、引用商標1ないし引用商標10をまとめていうときは、「引用商標」という。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
1 引用商標の著名性について
1853年に中国人の王老吉が、中国の広州にハーブ茶を販売する店舗を開いたことを発端とし、継続して漢方飲料「王老吉」(ピンイン表記:「WONG LO KAT」)を製造、販売していたが、2002年に引用商標権者のグループ会社が、商標ライセンスを受けて、漢方飲料「王老吉」の販売を担当するようになってから、中国において爆発的に人気となり、現在、中国での清涼飲料分野において、トップシェアを誇っている。
また、世界各国において「王老吉」及び「WONG LO KAT」の商標登録を保有し、全世界に商品展開しており、日本にも商品を輸出し、その結果、日本において一定の知名度を有している。
なお、商品パッケージの分かる製品広告の写し及び関連商品のパッケージの写し(甲12)及び漢方飲料「王老吉」が紹介されているインターネット記事の写し(甲13)を提出する。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)商標の類否について
ア 本件商標と引用商標の称呼の比較
本件商標権者が中国企業であることから、本件商標が中国語のピンイン表記と需要者は認識する。また、英語では「HongKong」(香港)のように末尾の「g」を発音しないことが多々あることからも、本件商標に接した需要者は、通常、本件商標を「ワンロー」と発音する。
これに対して、上記1のとおり、「王老吉」は、中国において圧倒的な人気を誇る漢方飲料の名称であるから、その中国語の表記「王老吉」は「ワンローカ」と発音し、また、そのピンイン表記である「WONG LO KAT」からも「ワンローカ」の称呼が生じる。
両称呼を比較すると、末尾の「カ」の有無しか差異がなく、さらに、末尾の音は聴衆者に与える印象が最も弱い点を勘案すると、本件商標は、称呼上、引用商標と類似する。
イ 本件商標と引用商標の外観の比較
本願商標は、アルファベット6文字からなり、引用商標4ないし10は、いずれのアルファベットの文字も含んでいないので、外観上、類似しない。
これに対して、引用商標1ないし3は、本件商標と同様に「W」「O」「N」「G」「L」「O」のアルファベットの6文字を含んでなり、末尾の「KAT」の有無しか差異がない。よって、本件商標は、外観上、引用商標1ないし3と類似する。
ウ 本件商標と引用商標の観念の比較
上記1のとおり、「王老吉」は中国で圧倒的な人気を誇る漢方飲料であることから、引用商標からは、漢方飲料である「王老吉」を想起する。
これに対して、本件商標からは直接的には何らの意味合いも生じないものの、漢方飲料「王老吉」のピンイン表記「WONG LO KAT」と「WONGLO」の文字が一致しており、さらに、当該漢方飲料の著名性を考慮すると、本件商標に接した需要者は、本件商標から漢方飲料の「王老吉」を想起する。
よって、本件商標は、観念上も引用商標と類似する。
エ 小括
以上より、本件商標は、外観、称呼、観念の観点から、引用商標と類似しており、また、清涼飲料「王老吉」の高い著名性を考慮すると、本件商標と引用商標を混同するおそれがあるので、本件商標が引用商標と類似することは明らかである。
(2)指定商品の類否について
本件商標に係る指定商品中、第5類「Medicines for human purposes;medicinal drinks;drugs for medical purposes;syrups for pharmaceutical purposes;disinfectants;chemical conductors for electrocardiograph electrodes;candy,medicated;dietetic foods adapted for medical purposes;candy for medical purposes;food for babies;chewing gum for medical purposes;depuratives;medicines for veterinary purposes;preparations for destroying noxious animals;surgical dressings;teeth filling material;jelly(medical purposes)for food made with a variety of Chinese medicinal materials,called Gui Ling Gao in Chinese;jelly(dietary supplements)for food made with a variety of Chinese medicinal materials,called Gui Ling Gao in Chinese;pollen cream for medical use.」、第30類「Chicory[coffee substitute];candy;chewing gum;longan syrup(Gui Yuan Gao)for food;syrup for food made with pears,tuckahoe,and fritillary(Ling Bei Li Gao);loquat leaf syrup(Pi Pa Gao)for food;honey;bread;gruel;cereal preparations;ice cream;milky tea,non-milk-based.」及び第32類の全ての指定商品については、引用商標に係る指定商品と類似する。
(3)結論
本件商標と引用商標は類似しており、また、本件商標に係る一部の指定商品も引用商標に係る指定商品と類似するので、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
(1)商標の類否について
上記2のとおり、本件商標は、商標「王老吉」及び「WONG LO KAT」と類似する。
(2)需要者の間に広く認識されていることについて
中国において圧倒的な人気を誇る漢方飲料の名称である「王老吉」及びそのピンイン表記である「WONG LO KAT」は、日本国内においても一定の知名度を誇っている。よって、漢方飲料と関連する第5類「漢方薬」、第30類「茶飲料」及び第32類「清涼飲料」においては、商標「王老吉」及び「WONG LO KAT」は需要者の間に広く認識されている。
(3)商品の類似性について
商標「王老吉」及び「WONG LO KAT」が需要者の間に広く認識されている商品「漢方薬」、「茶飲料」及び「清涼飲料」は、本件商標に係る指定商品中、第5類「Medicines for human purposes;medicinal drinks;drugs for medical purposes;syrups for pharmaceutical purposes;disinfectants;chemical conductors for electrocardiograph electrodes;cultures of microorganisms for medical and veterinary use;candy,medicated;candy for medical purposes;chewing gum for medical purposes;depuratives;medicines for veterinary purposes;preparations for destroying noxious animals;pollen cream for medical use.」、第30類「milky tea,non-milk-based」及び第32類「non-alcoholic beverages;soya-based beverages,other than milk substitutes;beverages based on beans;waters[beverages];soda water;cola;fruit juices;beverages based on plants;syrups for beverages;preparations for making beverages.」と類似する。
(4)小括
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記1のとおり、商標「王老吉」及び「WONG LO KAT」は、日本において一定の著名性を獲得している漢方飲料の名称である。
これに対して、本件商標は、当該漢方飲料の名称である「王老吉」のピンイン表記「WONG LO KAT」と、語尾の「KAT」の有無しか差異がなく、需要者に漢方飲料「王老吉」を想起させる。さらに、漢方飲料「王老吉」が中国において爆発的な人気を博しており、本件商標権者が中国の企業であることから、「王老吉」の人気に便乗して、その著名性にただ乗り(フリーライド)を目的として本件商標を出願したことは明らかである。また、本件商標と引用商標の類似性を考慮すると、本件商標が付された商品が引用商標権者のグループ会社の販売する商品であると需要者に誤信させるおそれもある。
よって、本件商標は、引用商標権者の業務に係る漢方飲料「王老吉(WONG LO KAT)」と混同を生ずるおそれがある。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
申立人は、2002年に引用商標権者のグループ会社が商標ライセンスを受けて以来、現在に至るまで継続して「王老吉」及び「WONG LO KAT」を清涼飲料に使用し、中国においてトップシェアを誇り、日本においても一定の知名度を有している旨主張し、その主張に係る証拠として、甲第12号証及び甲第13号証を提出している。
甲第12号証は、申立人の主張によれば、商品パッケージの分かる製品広告の写し及び関連商品のパッケージの写しであるところ、当該広告の写し及びパッケージの写しには、「WONG LO KAT」の文字、「王老吉」の文字、「吉老王」の文字が表示されていることが確認できる。
しかしながら、甲第12号証が、広告の写し及びパッケージの写しであるとしても、その広告がいかなる商品の広告であるのか、また、そのパッケージがいかなる商品のパッケージであるか不明であり、さらに、これらの作成時期、作成者、作成数等も確認できない。
また、甲第13号証は、申立人の主張によれば、漢方飲料「王老吉」が紹介されているインターネット記事の写しであるところ、当該インターネット記事からは、容器に「王老吉」の文字が表示された飲料と思しき商品が店舗の陳列棚に並んでいることが確認できるが、その店舗の場所、商品の販売時期、販売数等は明らかでない。
その他、申立人が、「王老吉」の文字及び「WONG LO KAT」の文字を使用しているとする清涼飲料について、我が国における販売実績及び宣伝広告等の実態(方法、回数、内容等商品カタログ等の配布部数及び配布地域など)を具体的に把握し得る証拠は提出されていない。
そうすると、これらの甲各号証によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものということはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、上記第1のとおり、「WONGLO」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、一般的な辞書に掲載されていない語であるから、特定の意味を有しない造語というのが相当である。
そうすると、本件商標は、我が国で親しまれた英語読み風に「ワングロ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1ないし3は、上記第2の1ないし3のとおり、「WONG LO KAT」の文字を標準文字で表してなり、その構成中の「WONG」、「LO」及び「KAT」のそれぞれの文字の間に、間隔があるとしても、これらの文字は、同一の書体をもって、まとまりよく一体的に表されているものである。
また、引用商標1ないし3の構成中「WONG」、「LO」及び「KAT」の文字は、いずれも一般的な辞書には掲載されていない語であるから、これらの文字から構成される引用商標1ないし3は、特定の意味を有しない造語というのが相当であり、全体として特定の観念を生じないものである。
そうすると、引用商標1ないし3は、我が国で親しまれた英語読み風に「ワングロカット」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標4ないし9は、上記第2の4、5、7及び別掲1ないし3のとおり、「王老吉」の文字のみからなるもの(引用商標4、5、7)又は「王老吉」の文字と図形とが結合してなるもの(引用商標6、8、9)であるところ、引用商標6、8及び9の構成態様からは、「王老吉」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。
そして、「王老吉」の文字は、一般的な辞書に掲載されていない語であるから、特定の意味を有しない造語というのが相当である。
そうすると、引用商標4ないし9は、「オウロウキチ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標10は、別掲4のとおり、「吉老王」の文字と図形とが結合してなるものであるところ、その構成態様からは、「吉老王」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当であり、該文字は、一般的な辞書に掲載されていない語であるから、特定の意味を有しない造語というのが相当である。
そうすると、引用商標10は、「キチロウオウ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、それぞれ、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるから、外観において明らかに異なり、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「ワングロ」の称呼と引用商標から生じる「ワングロカット」、「オウロウキチ」及び「キチロウオウ」の称呼とを比較すると、両者は、構成音、構成音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼において相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないことが明らかなものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両商標は、非類似の商標であって、別異の商標というのが相当である。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきであるから、その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたものとはいえないものであり、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたものとはいえないものであり、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者において、申立人の業務に係る商標を連想、想起するということはできず、よって、その商品が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】




異議決定日 2018-06-04 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W053032)
T 1 651・ 262- Y (W053032)
T 1 651・ 25- Y (W053032)
T 1 651・ 271- Y (W053032)
T 1 651・ 261- Y (W053032)
最終処分 維持 
前審関与審査官 渡邉 潤駒井 芳子 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 小松 里美
中束 としえ
登録日 2015-12-15 
権利者 Guangzhou Pharmaceutical Holdings Limited
商標の称呼 ワングロ、ウオングロー、ウオングロ 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 角谷 健郎 
代理人 藤倉 大作 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 ▲吉▼田 和彦 
代理人 松尾 和子 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 中村 稔 
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