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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W36
管理番号 1343235 
異議申立番号 異議2018-900108 
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-27 
確定日 2018-08-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第6017149号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6017149号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6017149号商標(以下「本件商標」という。)は、「やすらぎの郷」の文字を標準文字で表してなり、平成29年6月14日に登録出願、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,不動産賃料の回収代行,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険情報の提供,保険に関する助言,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与並びにこれに関する指導・助言及び情報の提供,建物の売買並びにこれに関する指導・助言及び情報の提供,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物及び土地の有効活用に関する企画・指導及び助言,資産の管理・運用に関する指導・助言及び情報の提供,税務に関する情報の提供」を指定役務として、同30年1月16日に登録査定、同年2月2日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は、申立人の業務に係る屋号及び商標として広く一般に知られている「やすらぎの郷」と同一の商標であるから、本件商標がその指定役務に使用された場合、申立人の業務に係る商品又は役務と出所について混同を生ずるおそれがある。
1 引用商標
申立人が、商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は、以下の5件であり、いずれも登録商標として現に有効に存続しているものである(以下、これら5件の商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。
(1)登録第2102532号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおりの構成
登録出願日:昭和61年12月12日
設定登録日:昭和63年12月19日
書換登録日:平成21年3月11日
最新更新登録日:平成30年7月3日
指定商品:第29類、第30類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第2477656号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「やすらぎの郷」
登録出願日:平成2年2月8日
設定登録日:平成4年11月30日
書換登録日:平成15年3月5日
最新更新登録日:平成24年7月10日
指定商品:第31類「ホップ」
(3)登録第3050735号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲2のとおりの構成
登録出願日:平成4年9月18日
設定登録日:平成7年6月30日
最新更新登録日:平成27年6月30日
指定役務:第35類「経営の診断及び指導」
(4)登録第3120068号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲2のとおりの構成
登録出願日:平成4年9月18日(特例商標)
設定登録日:平成8年1月31日
最新更新登録日:平成28年2月2日
指定役務:第42類「ステーキ料理を主とする飲食物の提供」
(5)登録第4021310号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲3のとおりの構成
出願日:昭和63年11月30日
設定登録日:平成9年7月4日
書換登録日:平成19年6月27日
最新更新登録日:平成29年3月28日
指定商品:第25類「被服」

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
商標法第4条第1項第15号に関して、「『混同を生ずるおそれ』の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断されるべき」とされている(平成12年7月11日 最高裁第三小法廷判決 平成10年(行ヒ)第85号)。
これを本件についてみると、以下のとおりである。
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、昭和54年9月からレストランの運営、レストランのフランチャイズ業、ハムの製造・卸・販売、三田青磁の創作・卸・販売などの事業を行っており(甲1)、申立人の店舗の外壁及び看板に「三田屋本店」及び「やすらぎの里」の文字からなる標章の表示がある(甲2)。
(イ)新聞・雑誌・協会誌又は会報・通販カタログ・各種イベント用の宣伝広告欄又はパンフレット・観光情報紙(以下、「新聞・雑誌等」という。)の広告欄に「三田屋本店」及び「やすらぎの郷」の文字からなる標章の記載がある。(甲8?甲13)。
また、バスの車体、鉄道駅構内及び道路に面した看板に「三田屋本店」及び「やすらぎの郷」の文字からなる標章の表示がある。(甲14)。
さらに、テレビ番組でも申立人の商品が取り上げられ、これらとともに「三田屋本店」及び「やすらぎの郷」の文字からなる標章が画面上に表示されている。(甲15)
(ウ)申立人の通販事業部における過去10年間(2008年?2017年)の地域別売上を示す資料において北海道から沖縄県までの全47都道府県において商品を販売している旨の記載がある。(甲16)。
イ 上記アによれば、申立人は、昭和54年9月より兵庫県三田市においてレストランの運営、レストランのフランチャイズ業、ハムの製造・卸・販売、三田青磁の創作・卸・販売など(以下「申立人商品・役務」という。)に「三田屋本店」及び「やすらぎの郷」の文字からなる標章を使用してきたことがうかがわれる。
そして、「三田屋本店」及び「やすらぎの郷」の文字からなる標章を表示した申立人商品・役務に関する事業を申立人が展開し、新聞・雑誌等に掲載されてきたことや、また、大阪・兵庫を中心とする直営店及びフランチャイズ店を展開し、通販サイトを通じての商品「ハム」等の販売、あるいは、テレビ番組で取り上げられていることなどを考慮すれば、「三田屋本店」及び「やすらぎの郷」の標章は、申立人商品・役務に関する事業を表示する標章として、申立人商品を購入する又は役務の提供を受ける需要者の間にある程度認識されていたものと推認することができる。
しかしながら、申立人が、通販事業における、2008年度から2017年度の各都道府県の売上高であると主張している甲第16号証に記載された売上高、販売数量についての事実を示す客観的な裏付け資料は何等提出されていないから、我が国における量的規模(市場シェア等)を客観的かつ具体的に把握することができないものといわざるを得ない。
そして、申立人商品・役務の宣伝の効果が一定程度あったとしても、これらは、当該店舗や通販サイトを訪れる者に限られるものであり、広告宣伝活動について、引用商標の周知性の度合いを客観的かつ具体的に判断するための資料、すなわち、広告・宣伝の時期、回数及びその方法等の詳細を具体的に示す証拠は提出されておらず、引用商標が使用された実績を把握することができない。
また、その他に、引用商標の周知性を客観的に把握することができる証拠も見いだせない。
そうすると、引用商標は、申立人商品・役務の販売事業や役務の提供に使用された結果、ある程度知られ、申立人の広告を掲載した新聞・雑誌等の読者やバス、鉄道、道路の利用者等が引用商標を目にする機会があり得たとしても、引用商標の指定商品又は指定役務全般の需要者において、広く知られた存在になっているとはいい難いから、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る申立人商品・役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に、広く認識されていたと認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度について
本件商標は、「安らぐこと」を意味する「やすらぎ」、格助詞「の」、「むら、さと、いなか」を意味する「郷」(以上「広辞苑第7版」。以下同じ。)を結合してなる「やすらぎの郷」の文字を標準文字により一体に表してなるところ、その構成文字全体に相応して「ヤスラギノサト」又は「ヤスラギのゴウ」の称呼を生じ、「安らぐむら、安らぐさと」ほどの観念を生ずるものである。
これに対し、引用商標は、「やすらぎの郷」の文字(引用商標1及び同5には、「郷」の文字の下部に「ごう」と振り仮名が振られている。)からなるものであるところ、その構成文字に相応し、「ヤスラギノサト」又は「ヤスラギノゴウ」の称呼を生じ、「安らぐむら、安らぐさと」ほどの観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、「ヤスラギノサト」又は「ヤスラギノゴウ」という呼称及び「安らぐむら、安らぐさと」という観念において一致し、外観においても「やすらぎの郷」という文字からなることから類似しているということができる。
したがって、本件商標と引用商標とは、その称呼及び観念が一致、外観が類似することから、総合的に判断すれば類似性の程度が高い商標と認められる。
(3)引用商標の独創性について
引用商標の各構成は、「安らぐこと」を意味する「やすらぎ」、格助詞「の」、「むら、さと、いなか」を意味する「郷」の文字を結合したものと容易に認識し得るものであるところ、「やすらぎ」及び「郷」の語も我が国において一般によく知られている語であるうえ、これらを格助詞の「の」で結合した引用商標は、全体として「安らぐむら、安らぐさと」ほどの意味合いを認識させる一般に親しまれた語であるものといえ、その意味が容易に見て取ることができる言葉であることからすると、申立人による創造商標とはいい難いものであるから、引用商標の構成自体が格別独創性が高いとはいえない。
(4)商品間又は役務と商品の関連性について
本件商標の指定役務は、上記第1のとおり、金融業務、財政業務、保険、不動産業務等に関連して提供されるサービスであり、他方、引用商標の指定商品及び指定役務は、上記第2 1(1)ないし(5)のとおり、食品及び加工商品、植物、被服に関する商品並びに事業の管理・運営、飲食物の提供に関連するサービスであるから、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務とは、商品の生産者、販売者、取扱い系統、用途及び役務の提供者、提供手段、目的、提供に関連する物品等全く別異の商品及び役務であり、一般に同一事業者によって行われるものではなく、また、これらの用途や販売(提供)場所も異なるものであるから、これらの商品及び役務の間に密接な関連性があるものとはいい難い。
(5)取引者、需要者の共通性について
上記(4)のとおり、本件商標と引用商標に係る商品及び役務の関連性の程度は低いから、取引者、需要者が共通するとはいえない。
(6)多角経営について
申立人は、昭和54年9月の設立時より、レストランの運営、レストランのフランチャイズ業、ハムの製造・卸・販売、三田青磁の創作・卸・販売の事業を行っているが(甲1)、これら以外の事業を展開している状況がうかがえないことからすると、申立人の多角経営の実体又は可能性は、申立人の提出した証拠からは見いだすことはできない。
(7)出所の混同のおそれについて
以上のとおり、本件商標と引用商標が類似するとしても、引用商標は、いずれも、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で、申立人の業務に係る商品・役務を表すものとして、広く認識されていたとは認められないものであり、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務とは関連性を有するものとはいえず、取引者、需要者の共通性もない。
また、引用商標は、独創的な商標であるとはいえず、申立人の多角経営の可能性は低い。
以上のことを総合勘案すれば、本件商標をその指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該役務が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされてものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標1)

別掲2(引用商標3及び4)

別掲3(引用商標5)

異議決定日 2018-08-08 
出願番号 商願2017-78688(T2017-78688) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W36)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大島 康浩 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 小俣 克巳
冨澤 美加
登録日 2018-02-02 
登録番号 商標登録第6017149号(T6017149) 
権利者 株式会社東名
商標の称呼 ヤスラギノサト、ヤスラギノゴー 
代理人 藤田 朗子 
代理人 今井 貴子 
代理人 江成 文恵 
代理人 清原 義博 
代理人 瀧野 文雄 
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