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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W09
管理番号 1343230 
異議申立番号 異議2017-900319 
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-20 
確定日 2018-08-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5967983号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5967983号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5967983号商標(以下「本件商標」という。)は,「プリフォン」の片仮名と「PriPhone」の欧文字を二段に書してなり,平成28年12月27日に登録出願,第9類「携帯電話機,その他の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,スマートフォン,スマートフォン・携帯電話機用カバー,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,ダウンロード可能な音楽・音声・映像,電子出版物」を指定商品として,同29年7月10日に登録査定され,同月28日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1項に基づき取り消されるべきであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番を含む)を提出した。
1 申立人の商標「iPhone」の著名性について
米国カリフォルニア州に本社を置く申立人は,パーソナルコンピュータ,スマートフォン,デジタルオーディオプレーヤー,タブレット型コンピュータ,腕時計型コンピュータ等を製造販売し,音楽・映像配信サービス等を提供する米国の法人である。
申立人は,「世界の最も価値あるブランドランキング」で首位を獲得するなど,高い知名度を誇り,当該ランキングにおいては,2011年から7年連続で首位の座を維持している(甲1)。
上記申立人の業務に係る製品のうち,「iPhone」(以下「申立人商品」という。)は,申立人が製造販売するスマートフォンである。
スマートフォンは,通話だけでなく,ネット接続などをすることができ,市場開拓の先兵となったのは,申立人が2007年に発表した申立人商品である(甲2)。
申立人商品は,世界的なヒット商品であるが,特に日本のスマートフォン市場は申立人商品の人気が突出し,スマートフォンのメーカー別シェアにおいては,申立人が54.1%と,2012年から5年連続の首位を獲得している(甲3,甲4)。多くのメーカーは,複数種類のスマートフォンを製造販売していることを鑑みると(甲5),申立人商品のみを製造販売している申立人のシェア54.1%は,そのまま申立人商品のシェアということができる。
総務省の情報通信白書(平成28年度)によれば,2015年末のインターネット利用者数は,1億46万人で人口普及率は83.0%であり,インターネット利用端末として54.3%の人がスマートフォンを使用している(甲6)。そうすると,約5,455万人がインターネット利用端末として,スマートフォンを使用しているため,約2,951万人(インターネット利用者数の約三割)が申立人商品を使用しているといえる。これは,日本人の4人に一人が申立人商品を使用していることになる。
以上から,我が国において「iPhone」が申立人商品を示すものであることは顕著な事実である。
2 商標権者について
本件商標は,その構成要素に申立人の著名な商標である「iPhone」の文字を有している。商標権者のウェブサイトを確認すると,事業内容において,取り扱っているブランドの一つを「サンタモニカに拠点を置くX-Doriaは,iPhone,タブレット,アップルウォッチ用の製品でプレミアムプロテクションとデザインを提供することを専門としています。」と紹介している(甲7)。また,製品情報のトップ画面に申立人の製品を手にしている写真が大きく掲載されており,申立人商品に取り付けるケースを販売している(甲8)。
そうすると,意図的に本件商標中に申立人の著名な商標「iPhone」の文字を含めていることが明らかである。
3 本件商標が取り消されるべき理由
本件商標は,辞書等に掲載のない語であり,造語とみることができるが,その構成中に申立人の著名商標「iPhone」の文字を有している。
英単語の頭文字を,大文字にするという決まりに馴染みがあるため,申立人商品の名称が「iphone」でなく,頭文字を小文字,2文宇目を大文字とする「iPhone」であるということは,違和感を持って需要者の注意を惹きつけ,多数の記事において紹介されており,広く認識されているといえる(甲9)。
他方,本件商標にかかる欧文字部分について「pri」は,接頭語でなく,これに続く「phone」の頭文字を大文字とする必要はなく,申立人の著名商標「iPhone」に寄せているようにみえる。また,本件商標は,片仮名「プリフォン」との二段併記ではあるが,登録商標は,色違い商標の使用をすることができるため,「Pr」と「iPhone」を色分けされた場合に「iPhone」の著名性を消す効果があるとは到底思えない。特に指定商品に申立人の主力製品の一つであるスマートフォンを含む本件商標は,その需要者の範囲や販売部門等も一致する。
したがって,本件商標がその指定商品に使用されると,かかる指定商品分野における需要者は,それらの商品が申立人の業務に係る商品ないし申立人と何等かの関係がある者の業務にかかる商品であると誤認し,出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
また,上記2のとおり商標権者のウェブサイト内には申立人の製品が登場しており,本件商標に接した需要者は申立人と経済的又は組織的な関係がある者,あるいは申立人から公式の許可を受けた者にかかる製品と誤認することは明らかである。
そうすると,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第3 当審における取消理由の要旨
当審において,本件商標権者に対し,「本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨の取消理由を平成30年3月13日付けで通知し,相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

第4 商標権者の意見
商標権者は,上記第3の取消理由の通知に対して,指定した期間内に何ら意見を述べていない。

第5 当審の判断
1 引用商標の周知著名性
(1)申立人が本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標(以下「引用商標」という。)は,「iPhone」の欧文字からなり,申立人商品について使用するものである。
(2)そして,申立人商品は,2007年(平成19年)に発表され(甲2),2016年(平成28年)の我が国における出荷台数が1,591万台,そのシェアが54,1%で2012年(平成24年)から5年連続して1位であり(甲4),申立人商品には,引用商標が使用されている。
(3)そうすると,現在の我が国におけるスマートフォンの取引の実情からすれば,引用商標は,本件商標の登録出願の日(平成28年12月27日)前から,登録査定日はもとより現在においても継続して,申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであり,周知著名性の程度は,極めて高いものとみるのが相当である。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)本号の判断基準
本号における「混同を生ずるおそれ」の有無は,ア)当該商標と他人の表示との類似性の程度,イ)他人の表示の周知著名性及び独創性の程度,ウ)当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質,用途又は目的における関連性の程度,エ)並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし,オ)当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断されるべきである(最高裁判決 平成10年(行ヒ)第85号)。
(2)本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標は,「プリフォン」と「PriPhone」の文字からなり,引用商標は,「iPhone」の文字からなるものである。
そこで,両商標を比較すると,本件商標は,その構成中に,大文字と小文字の違いも含め引用商標の構成文字(iPhone)を有している。
(3)引用商標の周知著名性及び独創性の程度
引用商標の周知著名性は,上記1のとおり,本件商標の登録出願の時ないし査定時において極めて高いものである。また,引用商標は造語であって,かつ語頭の1文字のみを大文字で表す一般的な表し方と異なり,2文字目のみが大文字で表わされていることから,その独創性の程度も高いといえる。
(4)本件商標の指定商品と申立人商品間の関連性の程度
本件商標の指定商品は,上記第1のとおりであり,その指定商品中「携帯電話機,その他の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,スマートフォン,スマートフォン・携帯電話機用カバー」は,申立人商品と,同一のもの又は関連性の程度が高いものであること明らかである。
また,本件商標の指定商品中「インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,ダウンロード可能な音楽・音声・映像,電子出版物」は,いずれもスマートフォンを利用して受信,保存等できるものであるから,これらの商品も申立人商品と関連性の程度が高いものといえる。
(5)取引者・需要者の共通性等
本件商標の指定商品と申立人商品は,上記(4)のとおり同一のもの又は関連性の程度が高いものであるから,両商品に共通する取引者・需要者は少なくないものといえる。
(6)出所の混同のおそれ
上記(2)ないし(5)のとおり,本件商標は,その構成中に引用商標の構成文字「iPhone」を有すること,引用商標の周知著名性の程度は,本件商標の登録出願の時ないし査定時において極めて高いこと,引用商標の独創性の程度も高いこと,また,本件商標の指定商品と申立人商品間の関連性の程度が高いこと,及び取引者・需要者が共通することが少なくないことに照らし,本件商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば,本件商標は,その登録出願の時及び査定時において,商標権者がこれをその指定商品に使用した場合,これに接する需要者がその構成中の周知著名性が極めて高い「iPhone」の文字部分に着目し引用商標を想起,連想することが少なくないものと判断するのが相当である。
してみれば,本件商標は,その登録出願の時及び査定時において,商標権者がこれをその指定商品に使用した場合,これに接する需要者が引用商標を想起,連想し,当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
(7)まとめ
したがって,本件商標は,他人(申立人)の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるものであって,その登録は商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に該当し,同条第1項の規定に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2018-06-21 
出願番号 商願2016-144921(T2016-144921) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (W09)
最終処分 取消 
前審関与審査官 久木田 俊有水 玲子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 田中 幸一
大森 友子
登録日 2017-07-28 
登録番号 商標登録第5967983号(T5967983) 
権利者 フューチャーモデル株式会社
商標の称呼 プリフォン、プリ、ピイアアルアイ 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
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