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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W36
管理番号 1343193 
審判番号 取消2017-300842 
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-11-15 
確定日 2018-07-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第5717155号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5717155号商標(以下「本件商標」という。)は、「Com-Pass」の文字を標準文字で表してなり、平成25年12月26日に登録出願、第36類「クレジットカード・デビットカード又はローンカードの利用者に代わってする支払代金の精算,クレジットカード・デビットカード又はローンカードの発行及び利用に関する情報の提供,クレジットカード・デビットカード又はローンカード利用者への資金の貸付け」を指定役務として、同26年11月14日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成29年11月29日である。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである旨主張している。
なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証を提出した。
被請求人は宮城県を中心に事業を展開するクレジットカード会社であり、本件商標は、被請求人のカード会員を対象に発行するローンカードの名称である。
募集の方法はカード会員に対してダイレクトメールを送付する方法を中心として、インターネットでの申込みも受け付けている。
平成29年11月30日現在、Com-Passカードの会員数は651名、キャッシング取扱は平成28年度取扱件数1,227件、取扱高8,600万円、平成29年度は11月末現在で取扱件数1,630件、取扱高1億1,400万円である。
実際に発行されているCom-Passカードは、表面には会員番号12桁、有効期限、ローマ字表記の名前が刻印されている(乙1)。
そして、カードの裏面は、署名欄とカード発行会社として被請求人である株式会社日専連ライフサービスの商号、郵便番号、会社所在地、会社連絡先が表示されている(乙2)。
Com-Passカードの募集方法は被請求人である株式会社日専連ライフサービスが発行するCom-Passカード以外のクレジットカードを持つ会員に対してダイレクトメールを送付することが主な手段である。
申込み電話受付を開始するに当たり、契約書を作成するフォームを作成したが、フォーム作成費として、平成29年5月11日付け株式会社ユーメディアより品目ローンカードCom-Pass電話受付対応として405,000円の請求を受けている(乙3)。
見積内訳書として、電話受付用コンパスカード入会フォームの開発とコンパス管理機能の開発と明確な記載がある(乙4)。
「Com-Passカード電話受付案内ダイレクトメール」(乙5)を被請求人である株式会社日専連ライフサービスのクレジットカードを持つ会員に対して送付している。
発送手法は、被請求人が委託先である株式会社フェイスに対しカード会員宛名ラベルシールとダイレクトメールを引渡し、株式会社フェイスはカード会員宛名ラベルシールをダイレクトメールに貼付した後に日本郵便株式会社に持ち込んでいる。その証拠として平成29年5月31日付けの「株式会社フェイス請求書(写し)」より、品名として「Com-Passはがき宛名ラベル貼り」として「数量2,580」、「単価4円」、「税込金額11,146円」の請求を受けている(乙6)。
ダイレクトメールの郵送受付証明として「料金後納郵便物差出票(写し)」(乙7)には「仙台中央 29.5.30 18-24」との日付印が捺印されており、「Com-Passハガキ」、「個数2580」と明記されている。さらには、被請求人の財務グループ名で日本郵政株式会社が発行する後納郵便物等取扱票(お客様用)も取扱日時2017年5月30日、「第 種通常はがき」が「2,580通」、「合計¥134,160円」とあり、「株式会社フェイス請求書(写し)」(乙6)のとおり、確かにダイレクトメールが郵便局へ持ち込まれたことを示している。
「次回口座振替のお知らせ(写し)」(乙8)では、被請求人に対し、日本郵便株式会社より「2017/05/01?2017/05/31料金後納ご利用額」として「11,709,523円」が請求されている。
「後納料金ご利用明細票(日別)(写し)」(乙9)は、日本郵便株式会社の「次回口座振替のお知らせ(写し)」(乙8)の明細であるが、「2017年5月分、ご利用金額11,709,523円」の差出日別として、「5月30日」を意味する「日付30」に「通(個)数2,580、利用金(円)134,160」と明記されており、「料金後納郵便物差出票(写し)」(乙7)に記載のとおり、平成29年5月30日に受付けたCom-Passハガキ2,580通が確かに発送されたことを証明している。
また、「Com-Passカード電話受付案内ダイレクトメール返戻ハガキ(写し)」(乙10)は、平成29年8月に発送されたダイレクトメールであるが、日本郵便株式会社愛子郵便局より「宮城愛子 29.9.2 12-18」の日付印が押され、「この郵便物は号棟・部屋番号の記載が不完全のため配達できない」ことを理由に被請求人へ差戻しとなったハガキである。このことは「Com-Passカード電話受付案内ダイレクトメール」(乙5)が現実に発送されている事実を示している。
別種類のダイレクトメールとして、「キャッシング利用促進DM(写し)」(乙11)がある。
このダイレクトメールは、日専連ダイレクトキャッシングと日専連ローンカードCom-Passの同じ金利9.0%である商品のどちらかを選ぶことが出来るダイレクトメールで、被請求人のクレジットカードを持つ会員に対し送付している。その印刷、印字、発送までの一連の作業は被請求人がトッパン・フォームズ株式会社に委託している。紙面左上部に記載されている「17/08/24.15:44」とはトッパン・フォームズ株式会社が平成29年8月24日に出力したダイレクトメールのサンプルであることを表している。
「売上伝票照会(写し)」(乙12)は委託先のトッパン・フォームズ株式会社東北営業本部の社内文書であるが、その内容は、「得意先 株式会社日専連ライフサービス」、「品名 キャッシングサービス利用促進DM」、「数量 13,745通」を「17/09/01(平成29年9月1日)」に出荷したことが明記されており、「料金後納郵便物差出票(写し)」(乙13)には「29.9.1」と日付印が捺印され、「13,745通」、「キャッシング利用促進」と明記され、仙台中央郵便局に対し「キャッシング利用促進DM(写し)」(乙11)が発送されたことを証明している。
平成28年4月に「日専連ローンカードCom-Passの専用ホームページのトップページ:ホームページアドレスhttp://com-pass-card.jp」(乙14)を開設し、被請求人のクレジットカードを持つ会員に対して、告知をしてインターネット受付を開始した。
このホームページの管理・運営は株式会社ユーメディアに委託しているが、「ドメイン更新費用請求書(写し)」(乙15)には「発行日 平成28年11月18日」付にて「ローンカードCom-Passサイドドメイン更新費用」として4,428円を株式会社ユーメディアより請求をされている。
この事実からも当該ホームページが請求書発行日である平成28年11月18日以前より開設されていることがわかる。
当該ホームページの告知方法は被請求人のクレジットカードを持つ会員に対して電子メールを送信する方法とカード利用会員控えにチラシを同封する方法を取っている。「ホームページ案内チラシ」(乙16)には当該ホームページのアドレスが記載されている。
「ホームページ案内チラシ」の印刷は、トッパン・フォームズ株式会社に発注をしているが、「ホームページ案内チラシ請求書(写し)」(乙17)には請求書の一番上段に「品名 COMPAS-001ローンカードコンパスWEB入会チラシ」、「数量 15,000枚」、「税込 68,040円」とトッパン・フォームズ株式会社より請求を受けている。
以上により、被請求人は本件商標を使用していることは明白な事実であり、本件審判請求は成り立たない。

第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
ア 被請求人は、宮城県を中心に事業を展開するクレジットカード会社であり、「Com-Pass」は、被請求人のカード会員を対象に発行するローンカードの名称である。
イ 乙第5号証は、「Com-Passカード電話受付案内ダイレクトメール」とする圧着はがきであり、表面に、差出人名として「株式会社日専連ライフサービス」の記載があり、裏面に白色の「NISSENREN LOAN CARD」の文字及び白色の「Com-Pass」の文字の記載とともに、中央に黒色で「NISSENREN LOAN CARD」、白色で「Com-Pass」と記載されたカードの写真が掲載されている。また、中面には、見開きの上段に「NISSENREN LOAN CARD Com-Pass」の文字が記載され、「NISSENREN LOAN CARD Com-Passだと」「実質年率 一律9.0%」「ご利用限度額は100万円です。」「毎月のご返済額は一定なので、計画的にご利用いただけます。」「お電話一本でお申し込みいただけます!」等の記載がある。
ウ 乙第6号証は、平成29年5月31日付けの被請求人宛ての株式会社フェイスの請求書の写しであり、「(自)平成29年5月1日?(至)平成29年5月31日」として、「今回御買上額 10,320」、「消費税額等 826」、「今回御請求額 11,146」の記載、さらに【備考】として、「日付」の欄に「29.5.31」、「品名」の欄に「Com-Passはがき 宛名ラベル貼り」、「数量」の欄に「2,580」、「単価」の欄に「4」、「金額」の欄に「10,320」等の記載がある。
エ 乙第7号証は、「料金後納郵便物差出票」の写しであり、「仙台中央 29.5.30 18-24」との日付印があり、「平成29年5月30日差出分」との記載、はがきの個数欄に「2580」の記載がある。さらに、被請求人の財務グループ宛ての日本郵政株式会社が発行する後納郵便物等取扱票(お客様用)の写しには、「取扱日時 2017年5月30日18:35」、「後納引受」、「第 種通常はがき」、「@52」、「2,580通」、「¥134,160」の記載がある。
オ 乙第8号証は、2017年6月6日発行の被請求人宛ての日本郵便株式会社からの「次回口座振替のお知らせ」の写し及び2017年7月6日発行の被請求人宛ての日本郵便株式会社からの「領収証」の写しであり、「次回口座振替のお知らせ」の写しの「ご請求の内訳」の欄に、「2017/05/01?2017/05/31 料金後納ご利用額 11,709,523円」の記載、「領収証」の写しの「ご請求の内訳」の欄に「2017/05/01?2017/05/31料金後納ご利用額」、「徴収金額」の欄に「11,709,523円」の記載がある。
カ 乙第9号証は、左下に「2017/06/06 10:17:17」との打ち出し日の記載がある被請求人宛ての日本郵便株式会社からの「後納料金ご利用明細票(日別)」の写しであり、「2017年5月分」、「ご利用金額総合計 11,709,523円」の記載、さらに、「【一般後納】割引前料金(差出日別)」とした「日付」欄の「30」に対応する「通(個)数」欄に「2,580」、「料金(円)」欄に「134,160」との記載がある。
キ 乙第10号証は、「Com-Passカード電話受付案内ダイレクトメール返戻ハガキ」の写しであり、「この郵便物は(号棟・部屋番号)の記載が不完全のため、配達できませんのでお返しします」及び「日本郵便株式会社 愛子郵便局」の記載、「宮城愛子 29.9.2 12-18」の日付印がある。
(2)上記(1)によれば、被請求人は、「Com-Pass」という名称のローンカードの募集のためのダイレクトメール(以下「ダイレクトメール」という。)について、株式会社フェイスに宛名ラベル貼りを依頼し、平成29年5月1日から平成29年5月31日までの2,580通分の代金の請求を平成29年5月31日付けで受けたことが認められる(乙6)。
そして、日本郵便株式会社から被請求人宛ての「料金後納郵便物差出票」の写し(乙7)、「次回口座振替のお知らせ」の写し及び「領収証」の写し(乙8)、「後納料金ご利用明細票(日別)」の写し(乙9)の一連の流れをみると、平成29年5月30日に、被請求人が2,580通のはがきを料金後納郵便として差し出したことが認められ、これに被請求人の主張をあわせてみると、この2,580通のはがきが株式会社フェイスに宛名ラベル貼りを依頼したダイレクトメールであったことを疑うべき合理的な理由は見いだせない。
また、乙第5号証とは、裏面のデザインがやや異なるものの、被請求人が、ダイレクトメールを発送し、平成29年9月2日付けで宛先不明のため返戻されていたことも推認される(乙10)。
2 判断
(1)使用商標について
本件商標は、「Com-Pass」の文字を標準文字で表してなるところ、ダイレクトメールに表された「Com-Pass」の文字は、本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用役務について
ダイレクトメールの中面には、見開きの上段に「NISSENREN LOAN CARD Com-Pass」の文字が記載され、「NISSENREN LOAN CARD Com-Passだと」「実質年率 一律9.0%」「ご利用限度額は100万円です。」「毎月のご返済額は一定なので、計画的にご利用いただけます。」「お電話一本でお申し込みいただけます!」等の記載があることから(乙5)、被請求人は、「ローンカードの発行及び利用に関する情報」を提供しているものと認められる。
(3)使用時期について
被請求人が、ダイレクトメールを発送した平成29年5月30日は、本件審判の請求の登録(登録日 平成29年11月29日)前3年以内である。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において「ローンカードの発行及び利用に関する情報」を内容とするダイレクトメールに、本件商標と社会通念上同一の商標を付して頒布したものであり、該行為は、本件審判の請求に係る指定役務中に含まれる「ローンカードの発行及び利用に関する情報の提供」と認められ、これは、商標法第2条第3項第4号に該当する商標の使用であるということができる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件審判の請求に係る指定役務に含まれる「ローンカードの発行及び利用に関する情報の提供」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-05-31 
結審通知日 2018-06-04 
審決日 2018-06-20 
出願番号 商願2013-101683(T2013-101683) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (W36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 真鍋 伸行 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
鈴木 雅也
登録日 2014-11-14 
登録番号 商標登録第5717155号(T5717155) 
商標の称呼 コンパス、コムパス 

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