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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W35
管理番号 1343098 
審判番号 取消2017-300697 
総通号数 225 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-09-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-09-12 
確定日 2018-07-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第5694673号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5694673号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年12月20日に登録出願、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同26年8月15日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、同29年9月27日である。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「取消請求役務」という。)について登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、審判事件弁駁書において、その理由を要旨次のように述べ、甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、取消請求役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、本件商標を取消請求役務について使用したとして乙号証中に表われた別掲2の商標(以下「使用商標1」という。)が、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標であると主張している。
そこで、乙第2号証、乙第4号証、乙第5号証の1、乙第5号証の2を見てみるに、被請求人の小売を行なうネットショッピングサイトのトップページには、別掲3の商標(以下「使用商標2」という。)が確認でき、「SYNCSMALL」の欧文字の上部には、当該欧文字と同長で各平仮名文字が同大の「おさいふやさん&かばんやさん」の文字を一連で左横書きしてなり、使用商標1と「おさいふやさん&かばんやさん」とは、ひとまとまりの構成として認識できる。
この「おさいふやさん&かばんやさん」は、使用商標1と結合して、本件商標とは別異の商標として機能している。つまり、「おさいふやさん&かばんやさん」は、使用商標1が何を小売販売するのかをより明確に説明するものとして機能するため、観念のうえで互い不可分の関係を形成している。そうすると、使用商標2からは、「おさいふやさんとかばんやさんのシンクスモール」等の観念が生じる。
「おさいふやさん&かばんやさん」の文字の大きさは、使用商標1の欧文字の大きさに比べればやや小さく配されているものの、これらは互いに近接し、なおかつ、互いに色彩を施していることからネットショッピングサイトのトップページ上において、外観の点においてほぼ一体でひとまとまりのものとして認識される。
上記観念及び外観からすれば、称呼の点において「オサイフヤサンアンドカバンヤサン シンクスモール」と称呼することも困難ではない。
また、使用商標2の構成中、「おさいふやさん&かばんやさん」は、それ自身にて自他役務の識別力を発揮すると考えられ、容易に捨象されるとは考えられない。このことは、例えば、商標「お財布」(甲3)、商標「お財布.com」(甲4)が第35類で登録を受けていることから容易に推察されるところである。
以上のことから、被請求人が提出した乙第2号証、乙第4号証、乙第5号証の1及び乙第5号証の2に表れた使用商標2は、本件商標の社会通念上同一の範囲内にある商標とはいえない。
(3)乙第1号証では、使用商標1が表れている。しかし、これは会社の一般的な情報を提供するにすぎない。事業内容について「財布・カバンを中心とした雑貨の通信販売業」というだけで、取消請求役務については何ら記載されていない。これにより、取消請求役務に関心のある需要者、取引者のいずれもが、当該サイトには、取消請求役務の商品は品揃えされていないものと判断して、当該サイトを閉じてしまうことも容易に想定される。ひとたびサイトが閉じられれば、使用商標1も瞬時に見えなくなる。よって、乙第1号証だけでは完結した証拠とはいい難い。
よって、乙第1号証に表れた使用商標1もまた本件商標の使用とは認められない。
そもそも、小売等役務商標は、対面販売又はネットショッピングを含む店舗販売における看板に相当するものである。まさに、この看板に需要者及び取引者の最も注目が集まるところであり、この看板が何を販売するものであるかは、特に需要者にとっては重要な情報に他ならない。この部分は、当該ネットショッピングサイトのトップページであり、ここで使用商標2が表されれば、必然的に「おさいふやさん&かばんやさん」の情報は、使用商標1と一体の情報として認識することが自然である。そうすることで需要者及び取引者にとって、このサイトが何を小売販売するものであるかは、サイト内の詳細を確認せずとも瞬時に理解できる。また、被請求人はそのように意図して、使用商標1と「おさいふやさん&かばんやさん」とをわざわざ色彩を施して、より目立つようにデザインし、これらを一体化して被請求人のショッピングサイトのトップページに冠されているものと理解される。
これらのことから、乙第2号証、乙第4号証、乙第5号証の1及び乙第5号証の2に表われた使用商標2が、被請求人が真に使用に係る商標であると理解すべきである。
(4)本件事件とは全く同一の事案ではないが、上記(2)及び(3)で申し述べる同趣旨の審決を提示する。これらの取消審判事件において、取消に係る登録商標と、提出に係る使用商標との間の相違により当該登録商標が取り消された事案である。
ア 登録商標「BREAK」に対して使用商標「Tea Break」は、社会通念上同一の商標とは認められない(甲5)。
イ 登録商標「わかふぇ」に対して使用商標「和カフェ yusoshi」等は、社会通念上同一の商標とは認められない(甲6)。
ウ 登録商標「クラス」に対して使用商標「クラス替え」「クラス名」等は、社会通念上同一の商標とは認められない(甲7)。
エ 登録商標「MissCampus」に対して使用商標「MissCampusjapan」等は、社会通念上同一の商標とは認められない(甲8)。
オ 登録商標「U.S.POLO」に対して使用商標「U.S.POLOASSOCIATION」等は、社会通念上同一の商標とは認められない(甲9)。
カ 登録商標「rhythm」に対して使用商標「NEO RHYTM」等は、社会通念上同一の商標とは認められない(甲10)。
(5)以上のとおり、被請求人は、本件商標について乙第1号証ないし乙第8号証の2をもってしても社会通念上同一の範囲内にある商標として使用していないことから、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務についての登録商標の使用をしているとはいえない。
本件商標は、「第35類 紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について不使用を理由に取消しを免れない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
(1)本件商標の継続使用について
被請求人は、財布、かばん等の雑貨の通信販売を事業内容とする会社であるところ(乙1)、これらの販売は、主にインターネットを通じて取引者、需要者に対してなされている。
乙第2号証は、係る事業を内容とする被請求人のインターネットにおける商品販売ページの一であり、具体的には、オンラインショッピングサイト「ポンパレモール」における被請求人の商品販売ページの写しである。
乙第3号証は、被請求人が、「ポンパレモール」に出店するに際して運営会社に提出した申込書(2013年10月25日付け)であって、その後、被請求人は、2013年12月頃から「ポンパレモール」内で商品を販売している。
また、乙第4号証は、上記ウェブサイトの画像管理画面ページ(2017年11月17日現在のもの)であり、使用商標1に係る標章が2014年1月27日にアップロードされ、それ以降、一度も変更されることなく、継続して使用されていることを示すものである。
なお、本件商標は、上記商品販売開始時期とほぼ同時期の2013年12月20日に出願されており、係る事実からも、使用商標1に係る標章が、2013年12月頃より、もしくは、遅くとも2014年1月27日より、現在まで継続して、上記ウェブサイト内で使用されていることに何ら疑義が生じないものである。
しかるに、上記ウェブサイトで使用されている使用商標1に係る標章は、その態様により、「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益」について、商標として使用されていることが明らかである。また、その構成も、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標であることは一見して明らかである。
(2)本件商標の使用役務について
乙第5号証の1ないし乙第5号証の3は、上記ウェブサイトにおける文房具類の商品掲載ページの写しである。当該ページでは、「メモカバー」、「IDホルダー」、「シリコン製ポーチ」等の文房具類が掲載されており、これらの商品が、実際に上記ウェブサイトを通じて販売されている。
乙第5号証の1の「メモカバー」は、メモ用紙やミニノートを収容するためのカバーであり、Googleの画像検索において例えば「メモパッド」のキーワードで検索すると、本件「メモカバー」と同様の製品が検出されることから(乙6の1)、指定商品「メモパッド」と同視できるものである。そして、J-PlatPatの商品・役務検索より、商品「メモパッド」は第16類25B01に属することから(乙7の1)、「メモカバー」の商品も、文房具類に含まれることが明らかである。
乙第5号証の2の「IDホルダー」は、IDカードを収容するためのケースであり、Googleの画像検索において例えば「IDカードホルダー」のキーワードで検索すると、本件「IDホルダー」と同様の製品が検出されることから(乙6の2)、指定商品「IDカードホルダー」と同視できるものである。そして、J-PlatPatの商品・役務検索より、商品「IDカードホルダー」は第16類25B01に属することから(乙7の2)、文房具類に含まれることが明らかである。
乙第5号証の3の「シリコン製ポーチ」は、商品説明における「ペンケースや小物入れとしてもバッチリなサイズ感のポーチ」の記載や商品画像に示されるとおり、主に「ペンケース」として使用されるものであって、商品「ペンケース」は、「文房具類」に含まれる商品である。
そして、乙第8号証の1ないし乙第8号証の3は、被請求人において、現実に商品を顧客に販売したことを示す「受注明細票」及び「納品書」の写しである。
乙第8号証の1に係る「受注明細票」及び「納品書」においては、「イタリアンレザーメモカバー」の商品名と「hne-memo-cv-grain-brown」の商品コードの記載があり、当該商品が、上記ウェブサイトの「メモカバー」に該当することが分かる。また、その出荷日は、2017年2月28日である。
乙第8号証の2に係る「受注明細票」及び「納品書」においては、「IDホルダー」の商品名と「so-bl4506-xvzu-purple」の商品コードの記載があり、当該商品が、上記ウェブサイトの「IDホルダー」に該当することが分かる。
また、その出荷日は、2017年3月9日である。
さらに、乙第8号証の3に係る「受注明細票」及び「納品書」においては、「Nuu-smart シリコン製スリムポーチ・・・ペンケース・・・」の商品名と「gmc-smart-nuu-blue」及び「gmc-smart-nuu-black」の商品コードの記載があり、当該商品が、上記ウェブサイトの「シリコン製ポーチ(ペンケース)」に該当することが分かる。また、その出荷日は、2017年3月21日である。
このように、被請求人において、「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」が行われていたことは明らかである。
(3)まとめ
以上のことから、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標が、「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用されていることは明白であり、かつ、上記(1)より、係る便益の提供が、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)になされていることも明らかである。
(4)結び
以上により、本件商標は、被請求人によって、「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、要証期間内に日本国内において使用されていることが明らかにされた。
したがって、本件商標は、請求に係る指定役務「第35類 紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、その登録が取り消されるべきではない。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証について
乙第1号証には、左上に「SYNCS MALL 会社概要」、右上には「http://syncs.jp/html/company.html」と表示され、使用商標1が大きく表示されている。
また、企業名として「株式会社SYNCS」、代表者として「西川 達也」、事業内容として「財布・カバンを中心とした雑貨の通信販売業」、本社所在地として「大阪府高槻市富田町3-18-17 1F」と表示されていることから、これは、被請求人のウェブサイトにおける会社概要を表示したウェブページであり、同ウェブページには、使用商標1とほぼ同一の商標が使用されている。
(2)乙第3号証について
乙第3号証は、「ポンパレモール申込書」と題する書面であり、左上には「(株)リクルートホールディングス御中/以下の条件にて申込みます。」の表示、右上には図形と「RECRUIT」の表示があり、「申込」、「掲載」及び「請求」の各記入欄があり、左欄外には「太枠内を黒の油性ボールペンにてご記入ください。(必須)」と表示されている。なお、「ポンパレモール」とは、被請求人の主張によれば、オンラインショッピングサイトである。
そして、「申込」欄の申込日には「2013年10月25日」、申込会社名には「株式会社SYNCS」、所在地には「大阪府高槻市富田町3-18-17 1F」、責任者及び代表者には「西川達也」と記載があり、「掲載」欄の窓口・店舗名には「SYNCS MALL」の記載がある。また、「申込内容」欄には、「商品名」、「納品予定日」、「企画名」、「金額(税抜き)」及び「受注No」の項目があり、2行目の「商品名」に「ポンパレモール」、「企画名」に「基本出店料(ベーシックプラン)」及び「金額(税抜き)」に「月額29,800円」の記載がある。
そうすると、乙第3号証は、2013年10月25日付けで、被請求人が、(株)リクルートホールディングス宛てに作成した、「ポンパレモール」出店の申込書である。
(3)乙第4号証について
乙第4号証は、ウェブサイトの写しであり、左上に「ポンパレモール/Manager」、右上に「ショップURL:syncs/SYNCS MALL 西川 達也様」の表示、及び、その下に「商品管理」、「画像管理」、「カテゴリ設定」、「デザイン設定」、「基本情報設定」及び「通知メール配信設定」の項目があり、「画像管理」の項目が色濃く表示されている。
そして、「画像管理」のタイトルの下、「画像検索」の項に、4つの画像が表示され、その中に使用商標2の表示とともに、「画像名/head001」、「ファイル名/head001.git」、「更新日/2014/01/27」及び「サイズ/320×80/7KB」の表示がある。
そうすると、これは、「ポンパレモール」の管理、設定用の画面の「画像管理」のウェブページであり、被請求人が「ポンパレモール」内で使用する使用商標2の画像データが2014年1月27日に更新されたことが推認できる。
(4)乙第5号証の3について
乙第5号証の3は、右上に「https://store.ponparemall.com/syncs/goods/gmc-smart-nuu」と表示され、左上には「ポンパレモール」の表示及び右下には「2017/10/26 12:11」の表示があることから、これは、2017年10月26日に出力した「ポンパレモール」のウェブサイトである。
そして、1葉目には、使用商標2とともに、カバン、長財布、札入れ等の商品の写真が掲載され、下部には「ショップ内を検索」の項に、「SYNCS MALL > 予算から探す > ?5,000円」、「SYNCS MALL > 人気ワードから探す > メール便送料無料」、「SYNCS MALL > アイテムから探す > 財布・小物から探す > ポーチタイプ」の表示があり、2葉目には、「gmc-smart-nuu」及び「NUU-smart シリコン製スリムポーチ・・・ペンケース」の記載とともに、両手で持つ赤色の商品の写真が掲載されており、9葉目には、「POINT3・横長スマートなジッパーポーチ!」のタイトルの下、「・・・出来たのがペンケースや小物入れとしてもバッチリなサイズ感のポーチ。」の記載があり、11葉目には、ジッパーを開いた商品の中にペンや付箋が入っている写真が掲載されている。
そうすると、該商品の大きさ、形状、構造等から、該商品が「ペンケース」として使用できるものであることがわかる。
以上からすれば、乙第5号証の3は、「ポンパレモール」のウェブサイトにおいて、使用商標2が表示された上で、「ペンケース」を含む各種商品が販売されていることが認められる。
(5)乙第8号証の3について
乙第8号証の3の1葉目は、上部に「受注明細票」と表示され、「お買上げ店名:SYNCSMALLポンパレモール店」、「ご注文日付:2017/03/19(日)16:37:05」、「支払方法:クレジットカード」の表示とともに、注文者名、注文者住所、配送先名、配送先住所等の表示(一部マスキングされているが、注文者住所及び配送先住所には「埼玉県」の記載が確認できる。)及び「出荷日:2017/03/21(火)」の表示があり、下部には、「商品コード」の欄に「gmc-smart-nuu-blue」、「gmc-smart-nuu-black」、「商品名」の欄に「NUU-smart シリコン製スリムポーチ・・・ペンケース・・・【全9色】」、「項目選択肢」の欄に「在庫:即納(-)カラー:BLUE(blue)【配送方法確認】:●メール便送料無料」等の表示がある。
同2葉目は、上部に「納品書」と表示され、「お買上店名」、「ご注文日付」、「支払方法」、「出荷日」及び「商品コード」、「商品名」、「項目選択肢」の欄には、上記「受注明細票」と同じ内容が表示され、右上には「自社名:株式会社SYNCS」及び「住所:大阪府高槻市富田町3-18-17 1F」の表示がある。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用者について
被請求人(商標権者)のウェブサイトには使用商標1とほぼ同一の商標が表示され(乙1)、「ポンパレモール」の管理、設定用のウェブページには、「ショップURL」の欄に「SYNCS MALL 西川 達也様」の記載及び使用商標2が表示されていることから(乙4)、使用商標2の使用者は、本件商標の商標権者であると認められる。
(2)使用商標及び使用役務について
被請求人は、2013年(平成25年)10月25日にオンラインショッピングサイトである「ポンパレモール」に出店申込みをしており(乙3)、「ポンパレモール」の管理、設定に係るウェブページによれば、2014年(平成26年)1月27日に、使用商標2の画像データが更新されていることが認められる(乙4)。
また、「ポンパレモール」には、使用商標2の表示の下、各種商品が販売のために掲載されており、その中には文房具の範ちゅうに属する「ペンケース」も含まれている(乙5の3)。
そして、「ペンケース」と認められる「シリコン製スリムポーチ」が、2017年(平成29年)3月21日付けで「SYNCSMALLポンパレモール店」で販売されている(乙8の3)。
そうすると、被請求人は、「ポンパレモール」において、文房具に属する「シリコン製スリムポーチ」を販売しており、遅くとも平成26年1月27日には、同サイトに使用商標2の画像データが登録されていること、「受注明細票」及び「納品書」に記載の「お買上店名」には、使用商標2の欧文字部分と同じ「SYNCSMALL」の文字とオンラインショッピングサイトの名称である「ポンパレモール」の文字からなる店名が表示されていることからすれば、該店舗は、「ポンパレモール」に出店した被請求人に係る「SYNCSMALL」の店舗であることが推認でき、その販売当時、同サイトの画面には、乙第5号証の3と同様に使用商標2が表示され、上記商品を含む各種商品が掲載されていたこと、及び、顧客が同サイトから商品を購入したことが優に認められる。
(3)社会通念上同一の商標について
本件商標は、別掲1のとおり、「S」を基調とした図形と「SYNCSMALL」の欧文字(「A」はデザイン化されている)をやや間隔を空けて並記した構成よりなるものである。
一方、使用商標2は、別掲3のとおり、赤色で表された「S」を基調とした図形と7色で彩色された「おさいふやさん&かばんやさん」の文字及び「SYNCSMALL」の欧文字(「A」はデザイン化され、「SINCS」及び「A」の一部が赤色で表されており、「SYNCS」と「MALL」の文字がやや離れている)からなるものである。
両者を比較してみると、色の違いはあるものの、「S」を基調とした図形は同一の態様であり、「SYNCSMALL」の欧文字部分もほぼ同一の態様である。そして、色の違いにより、別異の称呼及び観念が生ずるといった事情は認められない。また、「おさいふやさん&かばんやさん」の文字は、「財布と鞄を販売している店」の意味合いを容易に理解できるものであるから、商品を販売する店舗の種類を表示しているとみるのが相当であり、自他役務の識別標識としての機能は弱いものである。
そうすると、使用商標2は、その全体の外観において、「S」を基調とした図形と「SYNCSMALL」の文字からなる本件商標と相違するが、「おさいふやさん&かばんやさん」の文字は、店舗の種類を表すものであって、識別標識としての機能が弱いものであり、同機能を果たすのは、「S」を基調とした図形と「SYNCSMALL」の文字部分にあるとみるのが相当であるから、自他役務を識別する商標としての「S」を基調とした図形と「SYNCSMALL」の文字からなる本件商標の本質的機能は損なわれていないというべきである。
してみれば、使用商標2は、社会通念に照らして本件商標と同一性を有するものと判断するのが相当である。
なお、この点について、請求人は、「『おさいふやさん&かばんやさん』は、使用商標1と結合して、本件商標とは別異の商標として機能している。つまり、『おさいふやさん&かばんやさん』は、使用商標1が何を小売販売するのかをより明確に説明するものとして機能するため、観念のうえで互い不可分の関係を形成している。そうすると、使用商標2からは、『おさいふやさんとかばんやさんのシンクスモール』等の観念が生じる。『おさいふやさん&かばんやさん』の文字の大きさは、使用商標1の欧文字の大きさに比べればやや小さく配されているものの、これらは互いに近接し、なおかつ、互いに色彩を施していることからネットショッピングサイトのトップページ上において、外観の点においてほぼ一体でひとまとまりのものとして認識される。上記観念及び外観からすれば、称呼の点において『オサイフヤサンアンドカバンヤサン シンクスモール』と称呼することも困難ではない。また、使用商標2の構成中、『おさいふやさん&かばんやさん』は、それ自身にて自他役務の識別力を発揮すると考えられ、容易に捨象されるとは考えられない。」と主張している。
しかしながら、使用商標2において、「S」を基調とした図形と「SYNCSMALL」の文字部分と「おさいふやさん&かばんやさん」の文字が観念上不可分の関係を形成しているとは認められないし、全体からまとまりのある特定の観念が生じるとは認められない。また、全体として「オサイフヤサンアンドカバンヤサンシンクスモール」の称呼が生じるとの主張については、23音というあまりにも冗長な音数であることから、使用商標2から常に該称呼が生じるとはいい難い。
そして、要部において、ほぼ同一の態様からなる本件商標と使用商標2を、別異の商標であるとみるべき理由はなく、両者は社会通念上同一の商標といい得るものであることは、上記のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
(4)使用時期について
前記(2)のとおり、被請求人は、使用商標2を表示していたと認め得る「SYNCSMALLポンパレモール店」において、「シリコン製スリムポーチ」を販売したことが認められ、その日付は2017年(平成29年)3月21日であり、これは、要証期間内である。
(5)小括
以上からすれば、被請求人(商標権者)は、要証期間内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標2を使用して、文房具の範ちゅうに属する「シリコン製スリムポーチ」を、各種商品を取り揃えたオンラインショッピングサイトにより販売したことが認められる。
そして、インターネット上のオンラインショッピングサイトにおいて文房具の範ちゅうに属する商品を掲載して、顧客の注文により商品を販売する行為は、「文房具類の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」といえるものである。
また、被請求人による使用商標2の使用行為は、商標法第2条第3項第7号にいう「電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為」に該当するものと認められる。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その請求に係る指定役務中、「文房具類の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本件商標)

別掲2(使用商標1、色彩については原本参照。)

別掲3(使用商標2、色彩については原本参照。)



審理終結日 2018-05-11 
結審通知日 2018-05-15 
審決日 2018-05-28 
出願番号 商願2013-100357(T2013-100357) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (W35)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 渡邉 あおい 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 小俣 克巳
山田 正樹
登録日 2014-08-15 
登録番号 商標登録第5694673号(T5694673) 
商標の称呼 シンクスモール、エス 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 岡田 全啓 
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