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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W091035384244
審判 全部申立て  登録を維持 W091035384244
審判 全部申立て  登録を維持 W091035384244
管理番号 1342207 
異議申立番号 異議2017-685033 
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-16 
確定日 2018-04-02 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1308758号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1308758号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第1308758号商標(以下「本件商標」という。)は別掲1のとおりの構成からなり,2016年(平成28年)4月29日に国際商標登録出願,第9類「Computer programmes[programs],recorded;identity cards,magnetic;microprocessors;monitors[computer hardware];computer memory devices;computers;data processing apparatus;smart cards[integrated circuit cards];encoded key cards;computer hardware;computer software applications,downloadable;cellular phones;smartphones;radios;radiotelephony sets;telephone apparatus;global positioning system[GPS]apparatus;video telephones;vehicle radios;intercommunication apparatus;network communication device;sound recording apparatus;camcorders;sound alarms.」及び第42類「Computer software design;updating of computer software;consultancy in the design and development of computer hardware;rental of computer software;recovery of computer data;computer programming;maintenance of computer software;computer system analysis;computer system design;duplication of computer programs;hosting computer sites[web sites];installation of computer software;data conversion of computer programs and data[not physical conversion];computer software consultancy;computer virus protection services;providing search engines for the internet;monitoring of computer systems by remote access;software as a service[SaaS];information technology[IT]consultancy;server hosting;off-site data backup;electronic data storage;providing information on computer technology and programming via a web site;cloud computing;computer technology consultancy.」,並びに,第10類,第35類,第38類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成29年6月9日に登録査定,同年8月4日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する国際登録第1298261号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,2015年(平成27年)7月28日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2016年(平成28年)1月22日に国際商標登録出願,第9類,第41類及び42類に属する後掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成29年5月12日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから,その登録は,同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
1 引用商標の周知性について
引用商標は,主に企業向けのバックアップ又はリカバリのソフトウェアを含むデータ処理用ソフトウェアの設計・開発・提供及びそれらのコンサルティングの各事業を行う申立人が,ハウスマークとともに使用する図形商標として使用・登録し,日本を含む世界各国において需要者,取引者において知られるに至っている周知商標である。
申立人は,1996年に米国ニュージャージー州オーシャンポートで設立された米国企業である。同社は,データに関するあらゆるソフトウェアの設計・開発・保守・提供・情報の提供・コンサルティングに関する事業を行う,ソフトウェア企業である。特に,データと情報の保護/管理/アクセスのためのソフトウェア・ソフトウェアサービスを提供する企業として,世界中の企業を顧客として営業活動を行ってきた。
また,2014年12月には,創業地である米国ニュージャージー州オーシャンポートに隣接する,ニュージャージー州ティントン・フォールズに27万5千平方フィートもの巨大な本社を建設,同地に移転し,現在に至っている。現在,世界中で2,000名を超える社員を抱え,NASDAQの株式公開企業に名を連ねる世界企業へと急速に発展した。
さらに,Hitachi Data Systems,Cisco,Micrsoft,NetApp,VMware,HP,Oracleといった世界を舞台として業界をリードするテクノロジー企業と戦略的パートナーシップを構築し,全世界で事業を展開する。企業統合が進むこの業界で,申立人は,自らが定めたルールでその役割を果たす数少ないグローバルテクノロジー企業の1つとして生き残り続けてきた。
すなわち,昨今においては,企業の成長過程において,企業買収による事業拡大・先進技術獲得の手法がとられることがごく一般的となっている中,申立人は自社による新技術開発にこだわり続け,創立以来,100%自社開発で成長を遂げてきた。その結果,過去12年間,毎年大きく売り上げを伸ばしてきた(甲3)。
引用商標に係る六角形の幾何図形に係るロゴが,最初に使用されたのは2015年7月である。
最近では,その輝かしい事業実績が認められ,世界各地で賞を受賞するなど高く評価されている。例えば,シンガポールにおいて,「NetworkWorld Asia」による災害復旧ソリューション及びビジネス継続性ソリューション賞を受賞した(甲4)。
また,独立調査会社のデータ復旧ソリューションのリーダーとして認定された(甲5)。
さらに,ガートナー社マジック クアドラントの「エンタープライズバックアップ/リカバリソリューション」分野で,7年連続「リーダー」の地位を獲得した(甲6)。
我が国においては,2010年11月に「Commvault Systems Japan株式会社」(以下「コムボルト ジャパン社」という。)が設立され,同社が申立人の我が国における営業活動を担ってきた。
申立人の事業は,すべて企業向けのデータと情報の保護/管理/アクセスのためのソフトウェア・ソフトウェアサービスを提供するものであり,一般消費者は対象としていないため,新聞・テレビのような一般的な広告・プロモーションは行っておらず,関連業界の企業向けに特化した,商業展示会やセミナー開催,自社製品の有料セミナーの提供による,より直接的なマーケティング・広告を行ってきた。
本件商標の査定・登録時である平成29年6月から7月までのイベントの事例は,2014年は5件,2015年は12件,2016年は15件,2017年は8件を開催した(甲7?甲10)。
申立人の日本法人である「コムボルト ジャパン社」は我が国に9社の販売代理店を通じて申立の商品やサービスを提供しており,それらは,デジタルテクノロジー株式会社,株式会社日立情報通信エンジニアリング,日本電気株式会社,株式会社ネットワールド,日商エレクトロニクス株式会社,株式会社ノックス株式会社,NTTデータ先端技術株式会社,東芝情報システム株式会社,株式会社CLOP,さらにはグローバルパートナーでもある日本ヒューレット・パッカード株式会社といった,いずれの企業も我が国における有名・優良IT企業である(甲11)。
我が国におけるビジネスも,申立人の日本法人による弛まぬ営業努力・上記のような優良・有名企業によるサポートを得た結果,多くの顧客を獲得するに至っている。
もっとも,営業秘密を含む関係で具体的な顧客名を明かすことはできないが,申立人の主要顧客のうち30社以上がフォーブスの2017年の「世界最大の公開企業」リストに掲載されている企業であり,10社がフォーチュンの2017年の「グローバル500」に名を連ねる企業である。
申立人は,日本における事業開始後,順調に営業実績を伸ばしており,特に引用商標を使用開始した2015年以降,日本における申立人の年間売上高(引用商標の指定商品・指定役務に関するもの)は,3億円を下らない。
また,日本のマーケティング及び広告は,申立人の事業が企業向けに特化したものである関係で,商業展示会やセミナーを通じたものが中心であり,テレビや新聞など一般消費者に向けた広告は一切行っていないものの,年間平均支出額は,6百万円を下らない額となっている。
このように,本件商標の出願前から,引用商標である六角形の幾何図形に係るロゴマークは申立人が提供しているソフトウェア製品・ソフトウェア関連サービスに用いられる商標として,使用されており,日本を含む世界各国において事業が急拡大するに伴って,IT業界における需要者,取引者間において,広く知られるに至っていたと考えられる。そして,本件商標の査定時においても継続してその周知性を維持していたと推認できるものである。
2 本件商標と引用商標の類似性について
本件商標は,前記第1のとおり,太字で表した六角形の輪郭内に,黒塗りの四辺形3つを配してなるものである。
また,引用商標は,前記第2のとおり,太字で表した六角形の輪郭内に,黒塗りの四辺形2つと三角形を配してなるものである。
そこで,本件商標と引用商標とを対比すると,本件商標と引用商標とは共に,太字で表した六角形の輪郭内に,黒塗りされた四辺形や三角形などの多角形3つを配している点において構成の軌を一にするものである。
そして,両商標は,本件商標の輪郭図形内の3つの多角形がいずれも四辺形であるのに対し,引用商標の輪郭図形内の3つの多角形のうち一つが三角形である点及び多角形が輪郭図形内に占める面積の割合において,若干の相異があるものの,これらの相違点は,両商標の構成上の近似性を凌駕する程のものとは認められない。
むしろ,全体としてみれば,看者をして,六角形の輪郭内に黒塗りされた多角形3つを配した,いわゆる幾何図形として印象づけられるとみるのが自然であるので,本件商標と引用商標とを時と所を異にして離隔的に観察した場合には,外観上,相紛れるおそれがあるというべきである。
してみれば,本件商標と引用商標とは,外観において類似の商標といわなければならない。
3 商標法第4条第1項第11号について
上記のとおり,本件商標は,引用商標と類似する商標である。
また,本件商標の指定商品及び指定役務のうち,第9類「Computer programmes[programs],recorded;identity cards,magnetic;microprocessors;monitors[computer hardware];computer memory devices;computers;data processing apparatus;smart cards[integrated circuit cards];encoded key cards;computer hardware;computer software applications,downloadable;smartphones;network communication device」及び第42類「Computer software design;updating of computer software;consultancy in the design and development of computer hardware;rental of computer software;recovery of computer data;computer programming;maintenance of computer software;computer system analysis;computer system design;duplication of computer programs;hosting computer sites[web sites];installation of computer software;data conversion of computer programs and data[not physical conversion];computer software consultancy;computer virus protection services;providing search engines for the internet;monitoring of computer systems by remote access;software as a service[SaaS];information technology[IT]consultancy;server hosting;off-site data backup;electronic data storage;providing information on computer technology and programming via a web site;cloud computing;computer technology consultancy」は,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものである。
よって,本件商標は,引用商標との関係において,上記各指定商品及び指定役務について,商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 商標法第4条第1項第15号について
(1)本件商標と引用商標との類似性の程度について
商標法第4条第1項第15号は,同じく混同防止規定の趣旨に出た同第10号ないし同第14号の規定と異なり「類似」を法文上の要件から敢えて外すことにより,個別具体的な状況下で出所の混同のおそれがあると認められる商標の登録をより広く排除する趣旨に出たものである。
そうすると,同法第4条第1項第15号の該当性を考慮するにあたって「類似性の程度」を他の判断基準よりも過度に重視すべきではない。平成12年7月11日最高裁判例(最高裁平成10年(行ヒ)第85号同12年7月11日第三小法廷判決・民集54巻6号1848頁参照)の判示においても「類似」ではなく「類似性の程度」とされて様々な判断基準の一つと位置づけているのであって,商標が同第11号の意味で類似しない場合であっても直ちに同第15号該当性が否定されるべきではない。
この点,本件商標と引用商標は,全体としてみれば,看者をして,六角形の輪郭内に,黒塗りされた多角形3つを配した,いわゆる幾何図形として印象づけられるとみるのが自然であるので,両者を時と所を異にして離隔的に観察した場合には,外観上,相紛れるおそれがあるというべきである。
よって,本件商標と引用商標の類似性の程度は高いといわなければならない。
(2)引用商標の周知著名性の程度及び独創性の程度
引用商標である六角形の幾何図形に係るロゴマークは申立人が提供しているソフトウェア製品・ソフトウェア関連サービスに用いられる商標として日本を含む世界各国において,ソフトウェア開発やデータ処理を行うIT企業の従事者の間で広く知られるに至っている事実は前述したとおりである。(甲3?甲11)。
引用商標に係る六角形のロゴマークは,太字で表した六角形の輪郭内に,黒塗りされた多角形3つをバランスよく配した一種独特の幾何図形を表すものであって,独創的なものである。
しかも,引用商標の指定商品・指定役務との関係で何ら直接的に商品の品質等の内容を示唆するものではなく,このような文字(審決注:「図形」の誤り。)を採択すること自体,高い顕著性を有しているのであり,独創的の程度は高いといえる。
(3)本件商標と引用商標の指定商品の関連性の程度
本件商標の指定商品・指定役務は,引用商標が周知となっている第9類「コンピュータソフトウェア関連商品」,第42類「ソフトウェアに関連する役務」との関係において,商品・役務の目的を共通にするなど,関連性が非常に高いといえる。
(4)需要者・取引者の共通性
本件商標の商標権者の取引者,需要者は,コンピュータ・コンピュータソフトウェアの利用者である点において,両商標の取引者,需要者は共通する点がある。
(5)まとめ
以上の事情を総合的に勘案すれば,本件商標は,これに接する需要者,取引者に対して,引用商標を連想させて商品及び役務の出所について誤認を生じさせ,その登録を認めた場合には,引用商標の持つ顧客吸引力へのただ乗り(いわゆるフリーライド)や,その希釈化(いわゆるダイリューション)を招くという結果を免れない。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号にいう「混同を生ずるおそれがある商標」にあたるというべきである。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
(1)申立人の提出した証拠及びその主張について
ア 申立人は,1996年に米国ニュージャージー州オーシャンポートで設立された米国企業であり,データに関するあらゆるソフトウェアの設計・開発・保守・提供・情報の提供・コンサルティングに関する事業を行う,ソフトウェア企業であり,特に,データと情報の保護/管理/アクセスのためのソフトウェア・ソフトウェアサービスを提供する企業として,世界中の企業を顧客として営業活動を行ってきた(甲3)。
イ 申立人が,引用商標に係る六角形の幾何図形に係るロゴを最初に使用したのは2015年7月である。
ウ 甲第4号証は,申立人の公式サイトの「プレスリリース」において,2017年10月25日に申立人が,「NetworkWorld Asia」による災害復旧ソリューション及びビジネス継続性ソリューション賞を受賞したとされる記事である。
エ 甲第5号証は,申立人の公式サイトの「プレスリリース」において,独立研究機関により,「データ・レジリエンス・ソリューション」の「リーダー」として認識されたとされる記事である。
オ 甲第6号証は,申立人の公式サイトの「プレスリリース」において,「エンタープライズバックアップ/リカバリソリューション」分野で,7年連続「リーダー」として認識されたとされる記事である。
カ 甲第7号証ないし甲第10号証は,「コムボルト ジャパン社」のウェブサイトであり,これには,2014年ないし2017年において,開催されたイベントの記事の記載がある。
(2)上記(1)からすれば,以下のことが認められる。
ア 申立人は,1996年に米国ニュージャージー州オーシャンポートで設立された米国企業であり,データに関するあらゆるソフトウェアの設計・開発・保守・提供・情報の提供・コンサルティングに関する事業を行う,ソフトウェア企業である。
イ 甲第4号証ないし甲第6号証には,申立人が,2017年10月25日に「NetworkWorld Asia」による災害復旧ソリューション及びビジネス継続性ソリューション賞を受賞したこと,また,独立研究機関により,「データ・レジリエンス・ソリューション」の「リーダー」として認識されたこと,さらに,「エンタープライズバックアップ/リカバリソリューション」の分野で,7年連続「リーダー」として認識されたことが,自身のウェブサイトで記載されているが,第三者が報道した新聞記事やインターネット情報記事などの証拠は一切提出されていない。
ウ 申立人は,我が国において2010年11月に「コムボルト ジャパン社」が設立され,申立人の我が国における営業活動を担ってきたとするが,「コムボルト ジャパン社」が,申立人の子会社である証拠の提出はないから,「コムボルト ジャパン社」の営業活動が,申立人の営業活動かどうかは不明である。
エ 甲第7号証ないし甲第10号証は,「コムボルト ジャパン社」自身のウェブサイトにおいて,2014年ないし2017年に開催されたイベントの記事が記載されているのみである。
(3)判断
以上のとおり,申立人が提出した証拠は,そのほとんどが申立人又は「コムボルト ジャパン社」のウェブサイトの情報であり,その記載内容を裏付ける証拠は提出されていないばかりか,引用商標がその指定商品及び指定役務に使用されていることを確認できるものもなく,引用商標の周知性の度合いを客観的に判断するための資料,すなわち,引用商標の売上高,販売数量,提供した役務の回数,並びに引用商標の広告・宣伝した時期,回数及びその方法,インターネット情報,パンフレット,チラシ及び決算報告書など具体的な証拠の提出もない。
また,申立人が主張するように,引用商標に係る六角形の幾何図形に係るロゴを最初に使用したのは2015年(平成27年)7月であるならば,本件商標の国際商標登録出願までわずか9か月しか経っておらず,この期間にどの程度の宣伝広告をしたのかがわかる証拠の提出もなく,その期間の広告宣伝費も不明である。
以上のことから,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたものであることを認めることができない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,黒色の太線で表された六角形の輪郭線図形の中に小さく黒塗りされた3つの菱形図形を中央に集めて1つの立方体を表すように配置された特徴的な形状を表したものである。
そして,本件商標は,我が国において特定の事物を表したもの又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められず,本件商標からは特定の称呼及び観念を生じないものである。
そうすると,本件商標は,特定の称呼及び観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は,別掲2のとおり,黒色の太線で表された六角形の輪郭線図形の内側に該太線とほぼ同じ幅の間隔を空けて輪郭線に沿うように黒塗りの菱形図形を2つ,及び三角形を1つ配し,六角形の輪郭図形と内側にある菱形及び三角形が一体となって,1つの平面的な幾何学図形を表しているように構成された特徴的な形状を表したものである。
そして,引用商標は,我が国において特定の事物を表したもの又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められず,本件商標からは特定の称呼及び観念を生じないものである。
そうすると,引用商標は,特定の称呼及び観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とは,外観においては,上記ア及びイのとおりの構成態様からなり,本件商標は,その中央にある3つの菱形図形の組み合せが立体的に見え,六角形の輪郭図形内に,立方体が浮かんでいるように認識できるものである一方,引用商標は,外側の六角形の輪郭図形と内側の3つの図形が一体的に表されており,全体が平面的な図形のように認識できるものであるから,外観上,これより受ける印象において顕著に異なるものであるから,十分区別できるものである。
そして,本件商標と引用商標とは,上記のとおり自他商品・役務の識別標識としての称呼及び観念を生じないものであるから,称呼及び観念については比較することができない。
(2)小括
してみれば,本件商標と引用商標とは,称呼及び観念においては比較できないとしても,外観においては顕著な差異を有するものであるから,両者は,相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は,上記1のとおり,いずれも,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の需要者の間で,申立人の業務に係る商品及び役務を表すものとして,需要者の間で広く認識されていたとは認められないものである。
そして,上記2のとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標である。
してみれば,引用商標は,周知著名なものとは認められず,また,本件商標とは非類似の商標であるから,本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても,これに接する需要者が,引用商標を連想,想起して,その商品及び役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように認識することはなく,本件商標は,その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 【別記】


後掲(引用商標の指定商品及び指定役務)
第9類「Computers;computer hardware;computer peripheral devices;computer software;downloadable computer software;mobile software applications;downloadable mobile software applications;cloud computing software;downloadable cloud computing software;computers and computer software for information document and data storage,back-up and retrieval,namely,to access,retrieve,manage,and recover data stored on magnetic disk,tape,and other forms of electronic storage of data;computer software for use in systems management;computer software for use in data storage management and storage area networks;computer software and hardware for use in data communications;computer software for backing up and restoring computer data;computer software for use in disaster recovery;computer software for use in removable storage media management;computer software for use in the field of enterprise data and information management;computer software for use in searching enterprise data;computer software for generating reports from databases;computer software for use in the central management of computers attached to a computer network;computer software for replicating and archiving files from one data store to another;computer software for use in developing data analysis applications and data analysis computer software;computer software for monitoring,analyzing,reporting and solving performance and data availability issues of application software,databases,network,storage,computer hardware,and computer peripherals;computer software for data and storage management namely,to back-up,retrieve,recover,replicate,migrate,archive and manage resources;publications in electronic form,on magnetic and optical computer-readable media or downloadable via computer,communication networks,and the internet,namely,work books,quick reference guides,technical reference manuals,user manuals,and evaluation guides in the field of computers,computer software,computer peripherals,and computer networks;computer software for connecting to and use of a remote computer network,a remote computer and mobile devices;software for facilitating computer use at remote locations and for facilitating communications among mobile users over networks;computer software for cloud computing,data sharing,data security,and access,administration and management of computer applications and computer hardware,computer application distribution;downloadable computer software for use in data backup,data protection,data replication,and disaster recovery;downloadable computer software for use in monitoring computer performance,computer configuration,and change management for physical,virtual,cloud,and hybrid computer environments;downloadable computer software for data backup,data protection,data replication,disaster recovery and performance management in data centers,virtual machines,servers,desktops;downloadable computer software for use in automation and monitoring of physical and virtual computers;and instruction manuals in electronic format,sold as a unit with the foregoing goods.」
第41類「Educational services;educational services,namely,arranging and conducting workshops,seminars,and training sessions in the fields of computer software,computer networks,computer data storage,and data storage management and distribution of course materials in connection therewith;provision of information regarding workshops,seminars and conferences in the fields of computer software,computer networks,computer data storage,and data storage management and distribution of course materials in connection therewith.」
第42類「Software as a service(SAAS)services;platform as a service(PAAS)services;infrastructure as a service(IAAS)services;application service provider,namely,hosting,managing,developing,and maintaining applications,software and web sites;providing temporary use of on-line non-downloadable cloud computing software;computer programming for others;computer consultation;computer support services,namely,provision of technical assistance and technical support;computer software design for others;computer software development for others;computer software development in the field of mobile applications;developing and managing application software;remote or on-site monitoring of computer systems;computer monitoring services which track software performance and processes and send out historical reports and alerts,and providing back-up computer programs and facilities;integration of computer systems and networks;customization of computer hardware and software for end users;computer services,namely,cloud computing;cloud hosting computer sites[web sites];consulting services in the field of cloud computing;design,deployment and management of wireless networks for others;electronic data storage;temporary electronic storage of information and data;technical support,namely,providing computer facilities for the electronic storage of digital data;providing a web-based system and on-line portal for others to download information about data management software in the nature of software documentation,company-produced informational material and information regarding technical issues;technical consulting services in the fields of datacenter architecture,public and private cloud computing solutions,and evaluation and implementation of internet technology and services;technical support services,namely,remote and on-site infrastructure management services for monitoring,administration and management of public and private cloud computing IT and application systems;computer security services,namely,providing computer software for enforcing,restricting and controlling access privileges of users of computing resources for cloud,mobile or network resources;technical consulting services,namely,providing and managing a data center for others;providing temporary use of online non-downloadable computer software for use in data backup,data protection,data replication,and disaster recovery;providing temporary use of online non-downloadable computer software for use in monitoring computer performance,computer configuration,and change management for physical,virtual,cloud,and hybrid computer environments;providing temporary use of online non-downloadable computer software for data backup,data protection,data replication,disaster recovery and performance management in data centers,virtual machines,servers,desktops,and virtualization performance management;providing temporary use of online non-downloadable computer software for use in automation and monitoring of physical and virtual computers;computer security services,namely,providing computer software for enforcing,restricting and controlling access privileges of users of computing resources for cloud resources based on assigned credentials;computer services,namely,integration of private and public cloud computing environments;consulting services in the field of cloud computing technology,infrastructure-as-a-service(IAAS)cloud computing technology,software-as-a-service(SAAS)cloud computing technology,and platform-as-a-service(PAAS)cloud computing technology;Infrastructure as a service(IAAS)services featuring virtual computer systems and virtual computer environments through cloud computing;application service provider(ASP),namely,hosting computer software applications of others;cloud computing featuring software for use in creating web applications,data storage and backup,database management,virtualization,networking,collaboration,remote access,remote support,cloud computing,data sharing,data security,and access,administration and management of computer applications and computer hardware;providing temporary use of non-downloadable computer applications;computer services,namely,creating cloud-based indexes of information.」
異議決定日 2018-03-28 
審決分類 T 1 651・ 264- Y (W091035384244)
T 1 651・ 271- Y (W091035384244)
T 1 651・ 261- Y (W091035384244)
最終処分 維持 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 榎本 政実
鈴木 雅也
登録日 2016-04-29 
権利者 CLOUDMINDS (SHENZHEN) TECHNOLOGIES CO., LTD.
代理人 石田 昌彦 
代理人 右馬埜 大地 
代理人 田中 克郎 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 
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