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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W031825
管理番号 1342206 
異議申立番号 異議2017-685031 
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-02 
確定日 2018-05-29 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1263679号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1263679号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1263679号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示すとおりの構成よりなり,2014年(平成26年)6月25日にデンマークにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成26年11月27日に国際商標登録出願,同29年5月25日に登録査定,第3類「Toilet soaps,perfumery,essential oils,cosmetics,perfumed toilet preparations,preparations for cleaning,care and beauty cosmetics of the skin,scalp and hair,deodorizing preparations for personal use.」,第18類「Leather,boxes of leather or leather board,bags of leather for packaging.」及び第25類「Clothing,headgear.」を指定商品として,同年7月28日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第1586180号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和50年11月19日に登録出願,第23類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同58年5月26日に設定登録され,その後,平成15年6月18日に指定商品を第14類「時計,時計の部品及び附属品」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)引用商標の周知・著名性
申立人は,約100年の歴史を誇る世界的に著名な時計会社であり,その歴史は,1905年,申立人の創始者がイギリスのロンドンに時計会社を設立したことに始まる(甲3)。
そして,引用商標は,「ROLEX」の名称とともに,1908年にスイスで商標登録され,以来100年以上にわたって,我が国を含む世界各国において使用されており,我が国の需要者間においても,申立人の業務に係る商品を表示するものとして周知,著名となっている。
引用商標の周知,著名性は,引用商標を基礎とする防護標章登録(登録第1586180号の防護標章登録第1号及び第2号)が幅広い商品及び役務について登録されていることからも明らかである(甲4)。
(2)商標の同一・類似について
ア 本件商標は,5本の長く伸びた突起を持つ王冠の図形を黒一色で表した構成からなるところ,王冠の5本の長い突起は,根元から先端に向かって細く,先端部には円形の膨らみが形成され,扇状に円弧を描いて等間隔の左右対称に配置されている。そして,この図形からは「王冠」の観念及び「オウカン」の称呼を生ずる。
イ 引用商標は,5本の長く延びた突起を持つ王冠の図形であるところ,王冠の5本の長い突起は,根元から先端に向かって細く,先端部には円形の膨らみが形成され,扇状に円弧を描いて等間隔の左右対称に配置されており,王冠の下端部には楕円状の切り抜きがある。そして,この図形からは「王冠」の観念及び「オウカン」の称呼を生ずる。
ウ 本件商標と引用商標の外観を比較すると,5本の長い突起があり,その突起は根元から先端に向かって細く,先端部に円形の膨らみが形成されており,扇状に円弧を描いて等間隔の左右対称に配置されているという基本構成及び特徴点が共通する。このように,両商標は,その図形部分において,いずれも構成の軌を同一にする王冠である点で共通し,その細部も,突起の形状と本数及び配置までが一致するため,極めて相紛らわしい。
そして,これらの基本構成と特徴点が共通することを考慮すれば,本件商標と引用商標について,時と所を違えて離隔的観察をした場合,外観上,最も看者に強い印象を与えるのは,王冠の図形であるという第一印象である。続いて,その王冠の図形の特徴として,根元から先端に向かって細く,先端部には丸い膨らみが形成された長い突起が5本あり,扇状に円弧を描いて等間隔の左右対称に配置されているという細部である。
取引の迅速を尊ぶ実際の取引市場においては,取引者,需要者はこうした一見して最初に認識し得る図形の全体構成からその商標の印象を形成するのだから,両商標の外観上の特徴がこれほどまでに一致する以上,時と所を違えて離隔観察した場合,看者は両商標から共通した印象を受ける。
また,両商標の差異点は,一方に楕円状の切り抜きがあるという1点であり,その差異は対比観察によらなければ把握することが難しく,商標全体の印象に与える影響は決して大きくない。
このように,本件商標と引用商標は,ごく細部において相違は存在するものの,図形のモチーフが王冠であるという基本構成とその王冠の特徴点が一致しており,商標全体の外観上の印象が一致する極めて紛らわしい類似の商標である。
エ 本件商標と引用商標は,いずれも「王冠」以外の観念は生じないから,観念が同一の類似商標である。
オ 本件商標と引用商標は,外観上の特徴から,王冠を表したものと容易に看取できるから,「オウカン」の称呼を生ずるため,両商標は称呼を同一にする類似の商標である。
カ 以上のとおり,本件商標と引用商標とは,外観,観念及び称呼のいずれにおいても相紛らわしい類似の商標である。
このことは,本件商標の審査において,引用商標と同一の王冠図形を有する登録商標が引用されていることからも裏付けられる。
(3)混同のおそれ
引用商標は,申立人の業務に係る商品「腕時計」に使用されて周知,著名となっている。
そして,商品「腕時計」と本件商標の第3類及び第25類に属する指定商品は,ともにファッションに関連する,互いに関連性の高い商品であり,例えば,著名なセレクトショップにおいて,せっけん,化粧品,香水,被服及び腕時計のすべてが同じ店舗で取り扱われたり(甲5),複数の有名アパレルブランドにおいても,せっけん,化粧品,香水,被服のほか,同じブランドの下で腕時計が製造,販売されている(甲6?8)。
このように,せっけん,化粧品,香水,被服類及び腕時計は,特許庁の審査基準では相互に非類似の商品とされているものの,実際の取引の実情に照らすと,需要者,販売場所,製造業者等において共通することの多い,互いに密接な関連を有する商品といえる。
したがって,引用商標と外観が類似する本件商標を,その指定商品について使用すれば,出所の混同を生じるおそれが極めて高い。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性
ア 本件商標と引用商標の比較
(ア)本件商標は,別掲1のとおり,平坦な底面から,上方向に,先端に向けて徐々に細くなる5本の黒塗り線を,ほぼ等間隔に放射状に伸ばし,それぞれの先端は黒塗りの円形とし,それら円形の大きさは中央部から外側部に向けて徐々に小さく表してなるもので,全体として,先端が球状の5本の突起を上方に向けて,扇状に広げた冠状の図形を簡潔に表してなるとの印象を与えるところ,これより特定の称呼及び観念は生じない。
(イ)引用商標は,緩やかな膨らみを持つレンズ形状の底面から,その球面の角度に沿って上方に,先細の5本の黒塗り線を,等間隔に延ばし,それぞれの先端は黒塗りの円形とし,それら円形の大きさはほぼ同一に表した構成よりなるものであり,全体として,先端が球状の5本の突起を上方に向けて,直線的に伸ばした冠状の図形を簡潔に表してなるものとの印象を与えるところ,これより特定の称呼及び観念は生じない。
(ウ)本件商標と引用商標の外観を比較すると,先端が球状の5本の突起を伸ばした冠状の図形を簡潔に表してなるという点において共通するとしても,5本線の形状(徐々に細くなる曲線を輪郭線とする線と,先細の直線),広がり方(扇状の広がりと,比較的直線的な伸長),先端の球状部分の大きさのバランス(外側に向けて徐々に小さくなる球と,ほぼ均等の大きさの球),及び底面の態様(平坦な底面とレンズ状の底面)において差異があり,これら外観上の差異から生じる印象において,本件商標は引用商標に比べて,曲線を主体とし,5本線が広がりをもって扇状に伸びてなるとの印象を与えるのに対し,引用商標は本件商標に比べて,5本線の幅が狭く先端の球の存在感や底面の膨らみがより印象づけられるものである。
以上のとおり,本件商標と引用商標は,ともに先端が球状の5本の突起を伸ばした冠状の図形を構成要素にしているとしても,視覚的印象において,明らかな差異を有するものであるから,これらを時と所を異にして離隔的に観察しても外観において相紛れる可能性は高くはない。
また,両商標は,特定の称呼及び観念は生じないから,称呼及び観念において比較できない。
したがって,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念を全体的に考察したとしても,類似性の程度は高いものとはいえない。
イ 引用商標の周知,著名性について
申立人提出の証拠及び主張によれば,申立人は100年以上の歴史を持つ時計会社であり,引用商標は,1908年から,申立人の時計と関連するロゴとして,「ROLEX」の名称とともに採択されているもので,申立人の製造,販売する「腕時計」(以下「申立人商品」という。)の文字盤にも表示されている(甲3)。
そして,申立人の製造,販売する腕時計のブランド名として,我が国において広く知られている「ROLEX」とともに,その腕時計の文字盤にも表示されつつ,長期にわたり使用されている引用商標も,申立人商品との関係において,我が国の需要者,取引者の間で広く知られているといえる。
ウ 本件商標の指定商品と申立人商品の比較
申立人商品である「腕時計」は,「腕首に巻いて携帯する小型の時計」(「広辞苑」岩波書店)であり,主に精密機器である腕時計の製造を扱える事業者により製造され,時計販売店や時計売場において,一般需要者に向けて販売されるもので,その用途は,計時やファッション目的で,腕に巻いて携帯することにある。
他方,本件商標の指定商品である第3類「Toilet soaps,perfumery,essential oils,cosmetics,perfumed toilet preparations,preparations for cleaning,care and beauty cosmetics of the skin,scalp and hair,deodorizing preparations for personal use.」,第18類「Leather,boxes of leather or leather board,bags of leather for packaging.」及び第25類「Clothing,headgear.」は,せっけん類,香料,化粧品,かばん,原皮,被服などであり,主にせっけんや化粧品などの化学品や衛生用品の製造を扱える事業者や,革製品や被服の製造を扱える事業者により製造され,ドラッグストアや洋品店,その他の専門店や専門売場で,一般需要者に向けて販売されるもので,その用途は,身体の手入れやファッション目的で,腕に限定することなく使用又は着用することにある。
そうすると,両者は,一般需要者に向けて販売されるもので,ファッション目的の用途もあり得る点で共通する場合があるとしても,腕時計は精密機器で他の商品とは性質,取扱いが異なることもあり,一般的な製造部門や販売部門は異なるもので,通常同一の営業主により製造又は販売されているものとはいえないから,両商品は非類似のものというべきで,相互に密接な関連性があるともいえない。
エ 出所の誤認混同について
以上のとおり,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の需要者,取引者の間において,申立人商品と関連して,広く知られていたとしても,本件商標は,引用商標とは類似性の程度も高くなく,その指定商品も申立人商品とは密接な関連性もないことから,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,その取引者及び需要者をして,当該商品が申立人の商品に係るものであると誤信させるおそれがある商標でもなく,当該商品が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信させるおそれがあるものとはいえず,申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標ではない。
オ 申立人の主張について
申立人は,本件商標の指定商品と申立人商品は,著名セレクトショップや有名アパレルブランドにおいても,同じブランドの下で製造,販売されているため,互いに密接な関連を有する商品である旨を主張する(甲6?8)。
しかしながら,申立人の主張は,特定の事業主体における流通経路を前提としており,一般的な商品の流通経路に関する主張ではなく,また,申立人が,申立人商品以外の本件商標の指定商品を製造又は販売しているとの事実は,提出された証拠及び主張からは伺えないから,申立人固有の取引の実情としても採択できない。
カ 小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標又は申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれはないから,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号の規定に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 【別記】


異議決定日 2018-05-23 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W031825)
最終処分 維持 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 平澤 芳行
阿曾 裕樹
登録日 2014-11-27 
権利者 PWT A/S
代理人 森下 夏樹 
代理人 山本 秀策 
代理人 山崎 和香子 
代理人 飯田 貴敏 
代理人 山本 健策 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 石川 大輔 
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