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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1342198 
異議申立番号 異議2018-900020 
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-01-17 
確定日 2018-07-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5991996号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5991996号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5991996号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成29年5月11日に登録出願,同年10月10日に登録査定,第25類「被服」を指定商品として,同月27日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する国際登録第1037048A号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,第9類「Clothing and gloves for protection against accidents, irradiation and fire; high visibility clothing; protective masks, protective helmets, knee-pads for workers and craftsmen, cell phone pouches, eyewear, protective eyewear.」及び第25類「Workwear, footwear, headgear for workwear purposes; coveralls, vests, braces for clothing (suspenders), belts (clothing), shirts and t-shirts, skirts, scarves, socks and stockings; all the aforesaid for workwear purposes.」指定商品として,平成26年12月2日に国際商標登録出願(事後指定)されたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第8条第1項に該当するものであるから,その登録は,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標の外観における対比
引用商標は,黒地の長方形の中央に,「Snickers」の文字を黄色で大きく表したものであり,当該文字の右下に「WORKWEAR」の文字を上部の黄色の文字より小さく表した構成を採るものである。
これに対して本件商標も同様に,黒地の長方形の中央に「KNICKER’S」の文字を黄色で大きく表し,当該文字の右下に「WORKWEAR」の文字を上部の黄色の文字より小さく表した構成を採るものである。
したがって,本件商標は,引用商標と同様に,黒地に2つの共通する構成要素を含み,またその構成要素の配置も同じとするものであるから,引用商標と基本的構成を共通にするものである。
その上,両商標は,その中の中央に黄色で目立つように表された文字の部分については,そのつづりのほとんどを共通にし,各文字の書体が一般的な書体の範囲であることからすると,需要者・取引者をして,共通部分が強く印象に残るといい得るものである。
(2)本件商標と引用商標の称呼における対比
本件商標は,その構成中の「KNICKER’S」の文字に照応して,「ニッカーズ」の称呼が生じるものである。
これに対して引用商標は,その構成中の「Snickers」の文字に照応して「スニッカーズ」の称呼が生じるものである。
引用商標から生じる「スニッカーズ」の称呼の語頭の「ス」の音は,無声摩擦音で響きの弱い音であり聴取され難い上に,第2音目の「ニ」にアクセントを置いて発音するのが自然であることから,本件商標から生じる「ニッカーズ」の称呼と相紛れるおそれがあるものである。
以上より,本件商標と引用商標は,称呼上,互いに相紛らわしい商標である。
(3)取引の実情を考慮した上での総合判断
現実の商取引についてみると,本件商標と引用商標を付した作業服は,作業服・作業用品の専門店やホームセンター等の同一の販売場所にて販売されるものである。また,作業服の購入を欲する両商標の需要者の注意力が特段高いという状況にはないことから,需要者が商標中の各構成要素を一つ一つ視認しながら商品を選択するものではない。
そうすると,本件商標は,引用商標と基本的構成を共通にするものであるから,出所の混同を生じるおそれがあるものである。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標と引用商標は,外観上及び称呼上相紛らわしい商標であって,現実の取引の実情も考慮すると,出所の混同を生じ得るおそれが高いものである。
したがって,本件商標は,商標法第8条第1項に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第8条第1項の該当性について
ア 本件商標
(ア)本件商標は,別掲1のとおり,こげ茶色の横長長方形中,上部に「T」と「S」の文字を組み合わせた図形及びその左右に白色の細線を配し(以下「本件商標上部分」という。),その下に黄色の太字のゴシック体で「KNICKER’S」の文字を顕著に表して配し(以下「本件商標文字部分1」という。),その下の左側に白色の細字の斜体で「NU TOBI」の文字を配し(以下「本件商標文字部分2」という。),その右側に白色のゴシック体で「WORK WEAR」の文字を配し(以下「本件商標文字部分3」という。),及び当該横長長方形中の最下部に白色の細線(以下「本件商標下部分」という。)を配してなるものである。
(イ)本件商標の横長長方形及び本件商標下部分は,一般に標章に用いられるありふれた図形であって,独立して出所識別標識としての機能を果たすものではない。
(ウ)本件商標上部分は,その構成から,直ちに特定の称呼や観念が生じるものではない。
(エ)本件商標文字部分1は,「knickers」の語が「[女性用の]ブルマー」等の意味を有する英語であるとしても(「英辞郎on the WEB」株式会社アルク提供),我が国において広く親しまれている語とまではいえないし,そもそも本件商標文字部分1は「KNICKER」の文字と「S」の文字が「’」(アポストロフィ)を介して書されていることからすると,特定の意味合いを有しない一種の造語と認識され,その構成文字に応じて「ニッカーズ」の称呼を生じ,特定の観念が生じるものではない。
(オ)本件商標文字部分2は,「NU」の文字が「ギリシャ語のアルファベットの第13字」の意味を有する英語であるとしても(前掲WEB),我が国において広く親しまれている語とまではいえないことに加えて,「TOBI」の文字が「タカ目タカ科の鳥」を意味する「とび(鳶・鴟・鵄)」の語(広辞苑第六版)をローマ字表記したものであるとしても,両語を結合して熟語や既成語となるものでもないから,特定の意味合いを有しない一種の造語と認識され,その構成文字に応じて「ヌトビ」の称呼を生じ,特定の観念が生じるものではない。
(カ)本件商標文字部分3は,「WORK」と「WEAR」の文字の間に1文字分の空白を有するとしても,「WORK」及び「WEAR」は,共に親しまれた英単語であり,「workwear」の語が「作業服」を意味する英語であることからすれば(前掲WEB),本件商標の指定商品との関係では,全体として「作業服」の意味合い,すなわち商品の品質を表す語と認識されるため,出所識別標識としての称呼及び観念が生じないものといえる。
(キ)以上よりすると,本件商標文字部分1は,本件商標の構成中,顕著に表され,本件商標を見る者に強い印象を与えるとともに,その注意を強く引くものであって,それ以外の部分と分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく,独立して出所識別機能を有する要部であるというべきであるから,本件商標文字部分1を要部として抽出し,引用商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。
(ク)したがって,本件商標は,その要部である本件商標文字部分1から「ニッカーズ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標は,別掲2のとおり,黒色の横長長方形中,中央に黄色の太字の斜体で「Snickers」の文字(「S」及び「s」の文字をやや特徴的な書体を用いている。)を顕著に表して配し(以下「引用商標文字部分1」という。),その下に白色のゴシック体で「WORKWEAR」の文字(以下「引用商標文字部分2」という。)を配してなるものである。
(イ)引用商標の横長長方形は,一般に標章に用いられるありふれた図形であって,独立して出所識別標識としての機能を果たすものではない。
(ウ)引用商標文字部分1は,「snickers」の語が「スニッカーズ,表面がチョコレートで覆われた細長い菓子」の意味を有する英語であって(前掲WEB),菓子を取り扱う業界においてはある程度知られているとしても,引用商標の指定商品が菓子とは関連性が少ないものであることからすると,特定の意味合いを有しない一種の造語と認識され,その構成文字に応じて「スニッカーズ」の称呼を生じ,特定の観念が生じるものではない。
(エ)引用商標文字部分2は,「WORKWEAR」の文字が「作業服」意味する英語であって,引用商標の指定商品中,第25類の商品が全て「all the aforesaid for workwear purposes(仮訳:全ての商品は作業服用のものである。)」であることからすると,当該指定商品との関係では,出所識別標識としての称呼及び観念が生じないものといえる。
(オ)以上よりすると,引用商標文字部分1は,引用商標の構成中,顕著に表され,引用商標を見る者に強い印象を与えるとともに,その注意を強く引くものであって,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生ずるものとは認められないから,引用商標文字部分1を要部として抽出し,本件商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。
(カ)したがって,引用商標は,その要部である引用商標文字部分1から「スニッカーズ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
(ア)本件商標と引用商標を比較すると,外観については,両商標は,それぞれ上記ア及びイのとおりの構成であって,本件商標が本件商標上部分,本件商標文字部分2及び本件商標下部分を有するなど,引用商標とは構成上の差異を有するから,両商標は,著しく相違する。
(イ)本件商標と引用商標の要部である本件商標文字部分1と引用商標文字部分1を比較すると,両者は,いずれも構成中に黄色の文字で表されている点において共通するが,語頭において「K」と「S」の差異を有するほか,語頭以外の文字が大文字と小文字の差異,及び「’」(アポストロフィ)の有無といった明確な差異を有することからすれば,外観上,容易に区別し得るものといえる。
そして,本件商標文字部分1から生じる「ニッカーズ」の称呼と引用商標文字部分1から生じる「スニッカーズ」の称呼とを対比すると,両者は,「ニッカーズ」の音を共通にするが,称呼の聴別上重要な要素を占める語頭において「ス」の音の有無という明確な差異を有するから,両称呼は明確に聴別し得るものである。
観念においては,両者は,特定の観念を有しないものであるから,比較することはできない。
そうすると,両者は,観念においては比較することができないとしても,外観及び称呼の点において相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(ウ)そのほか,本件商標と引用商標とが類似するというべき事情も見出せない。
エ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標というべきであるから,両者の指定商品が同一又は類似のものであって,引用商標が先願であるとしても,本件商標は,商標法第8条第1項に該当しない。
(2)申立人の主張
申立人は,現実の商取引についてみると,本件商標と引用商標を付した作業服は,作業服・作業用品の専門店やホームセンター等の同一の販売場所にて販売されるものであって,作業服の購入を欲する両商標の需要者の注意力が特段高いという状況にはなく,本件商標と引用商標とは,基本的構成を共通にするものであるから,出所の混同を生じるおそれがある旨主張する。
しかしながら,商標の類否判断に当たり考慮すべき取引の実情は,当該商標が現に,当該指定商品に使用されている特殊的,限定的な実情に限定して理解されるべきではなく,当該指定商品についてのより一般的,恒常的な実情を指すものである(昭和47年(行ツ)第33号 昭和49年4月25日最高裁判所第一小法廷判決)と解されるところ,申立人の主張に係る取引の実情は,商標の類否判断に考慮すべき一般的,恒常的な実情ということはできないから,本件商標の上記判断が左右されるものではない。
しかも,本件商標と引用商標とは,上記(1)のとおり,非類似の商標というべきであり,それぞれの商標を付した作業服が,作業服・作業用品の専門店やホームセンター等の同一の販売場所にて販売されるものであるとしても,十分識別可能なものであるから,申立人の主張は,採用できない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第8条第1項に違反して登録されたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標(色彩については原本参照)


別掲2 引用商標(色彩については原本参照)


異議決定日 2018-07-12 
出願番号 商願2017-64529(T2017-64529) 
審決分類 T 1 651・ 4- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 豊島 幹太山本 敦子 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 早川 文宏
平澤 芳行
登録日 2017-10-27 
登録番号 商標登録第5991996号(T5991996) 
権利者 株式会社藤和
商標の称呼 テイエス、ニッカーズニュートビワークウエア、ニッカーズ、ニッカー、ニュートビワークウエア、ニュートビ、ワークウエア、ワーク 
代理人 渡邊 かおり 
代理人 永井 浩之 
代理人 佐藤 泰和 
代理人 宮嶋 学 
代理人 本宮 照久 
代理人 高田 泰彦 
代理人 朝倉 悟 
代理人 中村 行孝 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 砂山 麗 
代理人 柏 延之 
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